海底少年マリン

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海底少年マリン
アニメ:ドルフィン王子
アニメーション制作 テレビ動画
放送局 フジテレビ
放送期間 日本の旗1965年4月4日 - 4月18日
話数 全3話
その他 カラー制作。
アニメ:がんばれ!マリンキッド
海底少年マリン
原作 杉山卓
音楽 塚原晢夫
アニメーション制作 テレビ動画(がんばれ!マリンキッド)
フジテレビ・エンタプライズ(海底少年マリン)
製作 日本の旗テレビ動画
アメリカ合衆国の旗セヴン・アーツ・プロダクションズ
放送局 TBS系列(がんばれ!マリンキッド)
フジテレビ系列(海底少年マリン)
放送期間 Marine Boy
アメリカ合衆国の旗1966年9月3日 - 1967年[1]
がんばれ!マリンキッド
日本の旗1966年10月6日 - 12月29日
海底少年マリン
日本の旗1969年1月13日 - 1970年7月27日
話数 がんばれ!マリンキッド
全26話(13話+国内未放送13話)
海底少年マリン/Marine Boy
全78話
その他 海外版タイトルは『Marine Boy』
(26話+52話の2シーズン放送)。
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海底少年マリン』(かいていしょうねんマリン)は、1969年1月13日から1970年7月27日までフジテレビ系列局で放送されていたテレビアニメである。本項では前身の作品『ドルフィン王子』および『がんばれ!マリンキッド』についても記述するが、特に注釈のない限り『海底少年マリン』のデータとする。

概要[編集]

ドルフィン王子[編集]

1965年4月4日から同年4月18日までフジテレビ系列局で放送された。虫プロダクションの『ジャングル大帝』に先駆けること半年前に全3話が試験的にカラーで制作・放送された、日本初の本格的な30分カラーテレビアニメとされている[2]

がんばれ!マリンキッド[編集]

上記の『ドルフィン王子』を原案とした、本格的な連続作品として1966年10月6日から同年12月29日までTBS系列局で放送された。国内では全13話の放送だが、編集担当の中島順三によると実際には全26話として制作されていたが、残り1クール分は日本で売れなかったとのことである。国内版における残り1クール分の所在は不明。

放送当時では珍しく、絵コンテをアメリカの企業に送ると英語吹き替えのテープが送られてくるので、そのテープの長さに合わせて作画作業を行うといった体制で制作された[3]

スポンサーは松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)1社が提供。

海底少年マリン[編集]

がんばれ!マリンキッド』の話数に新作話数を追加する形で放送された事実上の改題作品。放送の際、『マリンキッド』としての制作分は主題歌や音声など一部分を『海底少年マリン』に合わせる形で編集・修正が行われた。

1969年1月13日から同年9月22日までフジテレビ系で月曜18:00で第36話まで放送後[4][5]、月曜午前7:15に放送枠が移動となり1969年10月13日[6]から1970年7月27日[7]まで残りの話数を放送し、全78話が放送された[注釈 1]

ストーリー[編集]

マリンが悪者から海を守るというストーリー。7つの海の守りを1人で引き受けている。海中に潜る前に「オキシガム」というガムを噛む。このガムで酸素が供給されるという設定。ハイドロジェットという装置を水中の移動に使用する。これは、足からジェット噴射が出て水中を推進できるというものである。また武器としてブーメランを使用する。以上の内容のほとんどは主題歌の一番で歌われている。

キャスト[編集]

マリン(『ドルフィン王子』ではドルフィン王子、『がんばれ!マリンキッド』ではマリンキッド)
- 小原乃梨子
ネプティーナ(『ドルフィン王子』ではネプチューナ)
声 - 松尾佳子
ホワイティ(『ドルフィン王子』ではシロ)
声 - 野沢雅子
ガラリン
声 - 野沢那智
ブルトン
声 - 神山卓三
アッケラン博士
声 - 熊倉一雄
指令
声 - 大塚周夫
マリーナ博士
声 - 納谷悟朗

スタッフ[編集]

ドルフィン王子[編集]

  • 原案 - 岡部一彦、北川幸比古杉山卓
  • 脚本 - 北川幸比古
  • 演出 - 杉山卓
  • 作画 - 杉山卓、松本元宏、真島文祐、青木たかし
  • 美術 - 伊藤主計
  • 背景 - 伊藤攻洋
  • 撮影 - 辻友一、坂東昭雄、弘野正之
  • 製作 - テレビ動画

がんばれ!マリンキッド/海底少年マリン[編集]

主題歌[編集]

がんばれ!マリンキッド[編集]

オープニングテーマ1 「マリン・キッドの歌」
歌 - ボニージャックスヴォーチェ・アンジェリカ / 作詞 - 横井弘 / 作曲 - 広瀬健次郎
オープニングテーマ2 「がんばれ!マリンキッド」
歌 - トニーズ / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 塚原晢夫
エンディングテーマ「ネプティーナのワルツ」
歌 - 西六郷少年少女合唱団 / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 塚原晢夫

海底少年マリン[編集]

オープニングテーマ「ゴーゴーマリン」
歌 - 小原乃梨子、若草児童合唱団 / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 広瀬健次郎
エンディングテーマ「ぼくホワイティ」
歌 - 若草児童合唱団 / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 広瀬健次郎

作品リスト[編集]

ドルフィン王子[編集]

話数 サブタイトル 放送日
1 赤い渦の秘密 1965年
4月4日
2 海からの呼び声 4月11日
3 海星人の襲来 4月18日

がんばれ!マリンキッド[編集]

放送された話すべてが後に『海底少年マリン』においても放送されている。

話数 サブタイトル 放送日
1 怪獣ゴンドラス 1966年
10月6日
2 バチスカーフ危機一髪 10月13日
3 さまよえる幽霊船 10月20日
4 海の忍者 10月27日
5 緑の恐怖 11月3日
6 海底グランプリレース 11月10日
7 黒い潜水艦 11月17日
8 五本の魔手 11月24日
9 海の魔王 12月1日
10 のろいのヤック 12月8日
11 のこぎり鮫の襲撃 12月15日
12 深海のギャング団 12月22日
13 恐怖の海底遊園地 12月29日

海底少年マリン[編集]

話数 サブタイトル 脚本 放送日
1 海の忍者 (不明) 1969年
1月13日
2 50億のダイヤ 1月20日
3 深海の気狂い博士[注釈 4] 押川国秋 1月27日
4 太平洋占領作戦 (不明) 2月3日
5 おしゃべりホワイティ 辻真先 2月10日
6 深海の獅子 (不明) 2月17日
7 海へび海峡 遠藤政治 2月24日
8 海底の魔術師 押川国秋 3月3日
9 大盗賊 3月10日
10 鮫男爵 山本邦彦 3月17日
11 消えたスワン号 辻真先 3月24日
12 太平洋王国 3月31日
13 太平洋ギャング同盟 鈴木良武 4月7日
14 追跡せよホワイティ (不明) 4月14日
15 千里眼のインスピー 辻真先 4月21日
16 魔のデインジャー海峡 4月28日
17 海底大サーカス団 吉岡道夫 5月5日
18 がんばれポンコツ 草川隆 5月12日
19 海の毒ぐも 佐脇徹 5月19日
20 海底灯台応答なし (不明) 5月26日
21 恐怖の海底遊園地 辻真先 6月2日
22 海賊ゴールドタイガー 豊田有恒 6月9日
23 のろいのヤック 辻真先 6月16日
24 恐怖の水中ショー 草川隆 6月23日
25 のこぎり鮫の襲撃 松本守正 6月30日
26 クリクリトリオ突撃 辻真先 7月7日
27 ロケットを奪還せよ (不明) 7月14日
28 ガメランの海竜 川辺一外 7月28日
29 海底列車強盗 満友敬司 8月4日
30 ハロークリクリ 辻真先 8月11日
31 謎の氷山 阿部桂一 8月18日
32 設計図を捜せ 山本邦彦 8月25日
33 盗まれた楽園 辻真先 9月1日
34 海底要塞 吉岡道夫 9月8日
35 ロボット強奪計画 大久保彰 9月15日
36 霧の中の罠 (不明) 9月22日
37 二人の漂流者 辻真先 9月29日
38 イルカ海軍 10月6日
39 宝島発見 10月13日
40 不思議な誘導音波 (不明) 10月20日
41 海のやんちゃ坊主 村松哲夫 10月27日
42 ねらわれた海底牧場 山本邦彦 11月3日
43 ゴーストタウンの決闘 阿部桂一 11月10日
44 見えない敵 辻真先 11月17日
45 海の錬金術 (不明) 11月24日
46 24時間の闘い 鈴木良武 12月1日
47 ロボット海峡 (不明) 12月8日
48 ふたごの悪魔[注釈 5] 12月15日
49 消えたフロッグメン 伊藤恒久 12月22日
50 百万トンを撃て 辻真先 12月29日
51 真紅のジャングル 吉岡道夫 1970年

1月5日

52 生きている海 辻真先 1月12日
53 俺は天下の海賊マッド
54 謎の水棲人
55 偉大なるZ
56 北海のヴァイキング
57 黄金の海藻 石黒昇
58 熱帯魚の秘密 辻真先
59 巨鯨虹を吹く
60 秘密結社フラッシュ
61 太平洋の最後
62 巡洋艦死神号
63 眠れる一億年
64 大暴走
65 脱獄囚を追え (不明)
66 狂った閃光 辻真先
67 氷の艦隊
68 まぼろしの海 高倉三郎
69 謎のパトロール艇 (不明)
70 深海のギャング団 吉岡道夫
71 黒い潜水艦 阿部桂一
72 怪獣ゴンドラス
73 緑の恐怖 小山内治夫
74 さまよえる幽霊船 吉岡道夫
75 五本の魔手 押川国秋
76 バチスカーフ危機一髪 (不明)
77 海底グランプリレース 阿部桂一
78 海の魔王 川辺一外 1970年
7月27日

放送局[編集]

ドルフィン王子[編集]

がんばれ!マリンキッド[編集]

海底少年マリン[編集]

フィルムの現存・映像ソフト化について[編集]

ビデオソフトが1980年代初頭に株式会社ポニービデオ(現・ポニーキャニオン)から、第1話「海の忍者」、第13話「太平洋ギャング同盟」、第34話「海底要塞」を収録[25]した全3巻が主に業務用として発売されたのみである。

2005年に全話を収録したDVD-BOXがi-cfから発売された。DVD収録の映像は、唯一現存が確認されている著しく退色・劣化した放送用ポジフィルムを元に補正を行ったのもので、本放送当時の色調は失われている。以降のCS等での再放送も、このDVDと同じ素材を基にして行われている。

2015年にはHDリマスター化されたDVD-BOXがTCエンタテインメントから発売された。[9]

海外には輸出された複製ネガフィルムが現存しているようで、後年でも鮮明な発色の放送が行われている。2013年、北米でDVD-BOXが発売された[26]

前身の作品『ドルフィン王子』および『がんばれ!マリンキッド』については現在までに一切ビデオソフト化されたことがなく、製作元のテレビ動画が既に解散していることもあってフィルムの所在も不明となっている。

その他[編集]

  • アメリカやイギリスなどへは「Marine Boy」のタイトルで輸出された。
  • 1970年代には業務用に16mmフィルムが販売され、現在でも図書館等で所蔵・貸出されていることがある。
  • 2006年にはニューギンからパチンコ「CR 海底少年マリン」がリリースされた。
  • 2015年現在、著作権は株式会社シネマパラダイスが保有している。
  • 杉山卓の著書『青春アニメ・グラフィティ テレビ編』(1981年8月15日 / 集英社)に「ドルフィン王子」についての記述などが見られる。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ フジテレビでは36話で打ち切られたとする資料があるが、上記の通りフジテレビで全78話全ての話数の放送が行われている。
  2. ^ 海底少年マリンではフジテレビエンタプライズ表記。
  3. ^ Marine Boyでのみクレジット。
  4. ^ フジテレビ721での放送時には「深海の奇怪な博士」と改題。
  5. ^ 本放送時、一部の新聞(主に西日本)は「小だこの悪魔」と誤植。
  6. ^ 37話以降も枠を移動することなく放送を継続し、1970年6月29日の第77話まで放送した(第76・78話は未放送)[24]
  7. ^ 1969年4月7日から関西テレビと同時ネットで放送し、関西テレビでは放送されなかった第76・78話も放送した。最終回翌週の1970年7月20日と27日は共に第一話を放送して終了した。

出典[編集]

  1. ^ https://books.google.co.jp/books?id=h1kfAAAAIBAJ&pg=PA36&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false
  2. ^ リスト制作委員会編「ANIMEはじめてコラム24 日本初のカラーTVアニメ」『アニメポケットデータ2000』徳間書店、2000年、p58
  3. ^ 『熱風』2013年7月号p47
  4. ^ 『埼玉新聞』1969年9月22日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ 1969年7月21日はアポロ11号特別番組「ちびっこ月世界作戦」のため休止
  6. ^ 『埼玉新聞』1969年10月13日付朝刊、テレビ欄。
  7. ^ 『埼玉新聞』1970年7月27日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ 『まんだらけZENBU NO.47 杉山卓インタビュー』まんだらけ出版部、2010年。 
  9. ^ a b 想い出のアニメライブラリー 第53集 海底少年マリン HDリマスター DVD-BOX BOX1”. TCエンタテインメント株式会社. 2019年4月13日閲覧。
  10. ^ a b 『アニメ&コミックのための絵コンテ作法』代々木アニメーション学院・出版局、1998年。 
  11. ^ a b 『まんだらけZENBU NO.14 石黒昇インタビュー』まんだらけ出版部、2002年。 
  12. ^ プロフィール”. 近藤大理. 2019年3月30日閲覧。
  13. ^ 『まんだらけZENBU NO.32 村田耕一インタビュー』まんだらけ出版部、2006年。 
  14. ^ 『福島民報』1965年4月4日付朝刊、テレビ欄。
  15. ^ 『福島民報』1965年6月24日 - 6月26日付朝刊、テレビ欄。
  16. ^ a b c d e f g h 『河北新報』1966年10月6日 - 10月27日付朝刊、テレビ欄。
  17. ^ 『河北新報』1972年2月3日 - 4月1日付朝刊テレビ欄。
  18. ^ 『河北新報』1971年9月3日 - 1972年10月27日付朝刊テレビ欄。
  19. ^ 『河北新報』1970年4月6日 - 5月25日付朝刊テレビ欄。
  20. ^ 『福島民報』1970年11月8日 - 1971年4月25日付朝刊、テレビ欄。
  21. ^ 『福島民報』1970年10月14日 - 1971年2月5日付朝刊、テレビ欄。
  22. ^ 『北國新聞』1970年2月2日付朝刊テレビ欄より。
  23. ^ 『北日本新聞』1969年3月31日付朝刊、テレビ欄。
  24. ^ サンケイ新聞近畿D版テレビ欄
  25. ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号
  26. ^ Amazon_com Marine Boy The Complete First Season Marine Boy Movies & TV http://www.amazon.com/Marine-Boy-Complete-First-Season/dp/B00DJYK0OK
フジテレビ系列 日曜19:30枠
前番組 番組名 次番組
ありがとう!この人に
(1965年1月10日 - 1965年3月28日)
ドルフィン王子
(1965年4月4日 - 1965年4月18日)
みんなで夢を!
(1965年5月2日 - 1965年9月26日)
TBS系列 木曜19:00枠
ナショナル 10人抜きのど自慢
(1966年4月7日 - 1966年9月29日)
がんばれ!マリンキッド
(1966年10月6日 - 1966年12月29日)
フジテレビ 月曜18:00枠
ウルトラわんちゃん
(1968年4月8日 - 1969年1月6日)
海底少年マリン
(1969年1月13日 - 1969年9月22日)
こどもマンガ劇場(月曜)
(1969年10月 - 1975年9月)
フジテレビ 月曜7:15枠
海底少年マリン
(1969年10月13日 - 1970年7月27日)
マッハGoGoGo 再放送
日本テレビ 平日17:00枠
海底少年マリン 再放送
(1971年5月11日 - 1971年9月2日)