穀物
穀物(こくもつ)は、植物から得られる食材の総称の1つで、澱粉質を主体とする種子を食用とするもの。
また米と麦以外の穀物は一般に雑穀とよばれている。穀物は狭義ではイネ科植物の種子のみだが、広義の場合はマメ科やタデ科などの植物も含まれる。マメ科の種子、すなわち豆を穀物に入れる場合、菽穀(しゅくこく)、それ以外の科の種子を穀物に入れる場合、擬穀(ぎこく)と呼ぶ。
概要
穀物は、その栽培の容易さと保存性の高さから、多くのものは生活に必要なエネルギーを得る主食の材料として用いられている。小麦・米・トウモロコシは世界三大穀物と呼ばれ、世界で広く利用されている。
穀物は植物の種子であるが、種子は植物の生存戦略の上で、外界の環境変化に強く、こと乾燥状態に対する抵抗力がある。また、その多くでは堅い殻に覆われており、昆虫など他の動物には消費しにくい性質を持つ。こういった性質は人間にとっても保存し好きなときに加工して食べる、ひいては大量に栽培する農業を行なう上で便利な性質であり、こと大規模に栽培することで大量に得やすく、また貯蔵のみならず輸送の上でも便利なことから、都市の発生では人口の集中を周辺の農地や、更には穀倉地帯などで大規模に栽培・供給することで都市部の生活者が必要とする食糧を賄い、それは更に社会の分業による高度化を可能にしたといっても過言ではない。
多くの穀物はデンプンのみならず、偏りはあるもののタンパク質も含んでおり、豆と組み合わせれば必須アミノ酸を比較的容易にそろえ、事実上それだけで人間が生活できる。脂肪も含まれており、現代では米・トウモロコシなどの油は産業上重要である。また家畜の濃厚飼料としてもきわめて高い価値があり、穀物なしに近代的畜産は考えられない。種を収穫した後の茎部分である藁も麦米ともに、自給自足生活をしていた時代には多様な用途を持つ貴重な資材だった。
ただ、穀物はその性質から、乾燥状態からある程度は加工しないと食料としては利用しにくい側面もあり、穀物を使った料理では様々な様式も発達、以下に述べる様々な種類の穀物には、それぞれの、地域によっても多種多様な食べ方も見出されており、その中では発酵から醸造によって酒とし嗜好品としても利用される。こと近年ではこういった穀物を醸造して得られるアルコールをアルコール燃料として、機械装置の動力に利用する研究と実用化も進んでおり、人間の活動全般にわたって、様々な方面で利用されている。
種類
狭義の穀物(イネ科)
菽穀(マメ科)
菽は豆のこと。
- ダイズ
- アズキ
- リョクトウ
- ササゲ
- インゲンマメ
- ライマメ
- ラッカセイ
- エンドウ
- ソラマメ
- レンズマメ
- ヒヨコマメ
- レンズマメ(ヘントウ)
- ベニバナインゲン
- ケツルアズキ
- モスビーン
- テパリービーン
- タケアズキ
- フジマメ
- ホースグラム
- バンバラマメ
- ゼオカルパマメ
- キマメ
- ナタマメ
- タチナタマメ
- グラスピー
- クラスタマメ
- シカクマメ
- ハッショウマメ
- イナゴマメ
- ルピナス
- タマリンド