武田尾駅

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武田尾駅
プラットホーム
たけだお
Takedao
西宮名塩 (3.2 km)
(5.0 km) 道場
所在地 兵庫県宝塚市玉瀬字イズリハ1
北緯34度51分18.23秒 東経135度18分21.82秒 / 北緯34.8550639度 東経135.3060611度 / 34.8550639; 135.3060611
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 G 福知山線(JR宝塚線)
キロ程 25.1km(尼崎起点)
大阪から32.8 km
電報略号 タケ
駅構造 高架駅*
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
580人/日(降車客含まず)
-2013年-
開業年月日 1899年明治32年)1月25日
備考 無人駅(自動券売機 有)
* 一部は山岳トンネル内
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武田尾駅(たけだおえき)は、兵庫県宝塚市玉瀬字イズリハにある、西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線である。

アーバンネットワークおよび「JR宝塚線」の愛称区間に含まれている。

概要

武庫川の直上に架けられた橋梁とトンネルで構成されている。かつて武庫川にダムの建設が計画されていた関係で、川からホームまではかなりの高さがある。駅舎のある北側は馳渡山の山麓に位置する。

当駅から西に徒歩10分ほどの距離の地区には武田尾温泉の温泉郷が広がっており、その玄関口でもある。

歴史

旧駅・1986年7月31日の旧線最後の日に撮影

当駅付近の福知山線は、元々武庫川に沿って単線非電化の線路が敷かれており、列車交換のため長時間停車する鈍行列車も珍しくなかった。

その後、1980年代複線電化を機に現在の新線に架け替えられ、大阪方面への高速運転が始まった。当駅に停車する列車の本数も大幅に増加した。

駅構造

東側から望む駅入口
改札口

2面2線の相対式ホームを持つ高架駅分岐器絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。改札口からホームへは階段を上がる必要がある。

ホームの南半分は橋梁(第二武庫川橋りょう)上、北半分はトンネル(第1武田尾トンネル)内にある。また、橋梁の大阪寄りは西宮市域である。

宝塚駅が管理する無人駅だが、ICOCA(および相互利用対象のICカード)が利用可能で、自動券売機および自動改札機(集札機能のない簡易型)が設置されている。

なお、旧線時代は1面2線の島式ホームで、武庫川と県道を跨ぐ神戸水道の水道管の真下に三田方面へと通じるポイントが敷設されていた。

のりば

のりば 路線 方向 行先
1 G JR宝塚線 下り 三田篠山口方面
2 上り 宝塚大阪北新地方面
  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。

ダイヤ

日中は1時間あたり4本が停車する。朝ラッシュ時の大阪方面は本数が多い。当駅には普通電車のみが停車する。

利用状況

当駅には古くから北に離れた西谷地区からの路線バス(後述)が乗り入れているが、過疎化や宝塚市街地への道路が整備されたことから利用者は減少しており、宝塚市内の駅では最も利用者が少ない。 ただし後述の旧線跡ハイキング人気で、秋のハイキングシーズンの土休日のみ利用客が増えるため臨時の出札員が配置される事がある。

兵庫県統計書[1]及び西宮市統計書[2]によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。

年度 一日平均
乗車人員
1995年 489
1996年 481
1997年 591
1998年 723
1999年 721
2000年 730
2001年 720
2002年 660
2003年 646
2004年 609
2005年 563
2006年 549
2007年 574
2008年 564
2009年 589
2010年 572
2011年 573
2012年 572
2013年 580

駅周辺

駅前には武庫川の渓谷と山々が広がるのみ。

宝塚市が管理・整備している里山公園。長尾山の麓にあり、の保護育成研究に尽力した笹部新太郎の演習林跡で、自生種、固有種であるヤマザクラエドヒガンカスミザクラなど多くの種類の桜が植えられている。

バス路線

阪急田園バスが乗り入れており、市北部の西谷・東部・波豆方面へと向かう路線を運行している。バス停の名称は「JR武田尾」。

当駅付近はかつて道路環境が悪く、鉄道以外ではアクセスの困難な陸の孤島とも言われていた。その後に道路の整備が進んだことから、1924年からは地元資本の「西谷自動車」が宝塚市北部の西谷地区から当駅までのバス路線を開業し、当地に乗り入れるようになった。

西谷自動車が阪急田園バスとなった現在も、当駅と西谷地区を結ぶ系統は同社の主力路線として重要な役割を果たしている。

旧線について

ファイル:Fukuchiyama Waste line Warning.jpg
旧線跡に設置された告知看板(生瀬側) 武田尾側にも同様の看板がある。
旧線跡のハイキングコース
ホーム上から望む旧線跡の道路
奥の小さなカーブ付近に旧駅があった(2003年3月2日)

開業当初は、阪急田園バスのバス停がある武庫川の沿道が旧線であった。当駅周辺は山間の狭いV字谷となっているため、建設工事や落石防止などの護岸工事、そして保線作業が大変な区間であった。福知山線の大半のトンネルがこの周辺に集中しており、現在でも当時の護岸工事の痕跡が多数存在する。

1986年に当駅を含む宝塚駅 - 三田駅の新線が整備され、旧線が廃線になるとその直後から口コミが広がり、今では人気のハイキングコースとなっている。

廃線直後は旧国鉄により「立入禁止」の措置が執られ、入口に柵が設置されたが、にもかかわらずハイキング利用者が増加したため、1990年にハイカーが自己責任を負うことを条件に開放された[4][5]

2008年8月10日には、西宮市内のトンネル近くですれ違ったハイカーが岩場に転落・死亡するという事故が起こったため、これを機にJR西日本は対策を行ったが、ハイカーからなる団体に反対され、決定的な対策が講じられないまま現在に至っている。宝塚市も財政難であるため、整備が難しいのが現状である。

コース上の落石対策等の安全対策は万全ではなく、途中には照明のないトンネル(長いもので300 - 400m程度あるため、懐中電灯などの明かりになるものは必携)、当時のままの古い鉄橋や枕木などがそのまま放置されているなど足場が悪く、安全には十分留意する必要がある。また、当駅 - 生瀬駅間のコース途中に抜け道は存在しないため、体調はもちろんのこと、水場やトイレ、食料や飲み物についても考慮する必要がある。常に山間のコースであるため、携帯電話の電波は弱い(機種によっては圏外)。

後に、武田尾側の200m程度は遊歩道として整備され、入口付近にトイレが設置された。

隣の駅

西日本旅客鉄道
G JR宝塚線(福知山線)
丹波路快速・快速
通過
普通
西宮名塩駅 - 武田尾駅 - 道場駅

脚注

  1. ^ 兵庫県統計書
  2. ^ 西宮市統計書
  3. ^ 宝塚の自然を感じる:宝塚観光ガイド”. 宝塚市国際観光協会. 2013年10月13日閲覧。
  4. ^ 現地には、JR西日本による「事故が起きても当社は一切責任を負いません」と書かれた看板(右画像)が設置されている。
  5. ^ 交友社鉄道ファン』1990年6月号(通巻350号)p127

関連項目

西村京太郎の著作。『急行だいせん殺人事件』において、通過駅ながら当駅の名が挙げられている。

外部リンク