武田尾駅
武田尾駅 | |
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![]() プラットホーム(2015年8月) | |
たけだお Takedao | |
◄JR-G58 西宮名塩 (3.2 km) (5.0 km) 道場 JR-G60► | |
![]() | |
所在地 | 兵庫県宝塚市玉瀬字イズリハ1[1] |
駅番号 | JR-G59 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | G 福知山線(JR宝塚線) |
キロ程 |
25.1 km(尼崎起点) 大阪から32.8 km |
電報略号 | タケ |
駅構造 | 高架駅* |
ホーム | 2面2線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
478人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1899年(明治32年)1月25日[1] |
備考 |
無人駅(自動券売機 有)[1] * 一部は山岳トンネル内[1] |
武田尾駅(たけだおえき)は、兵庫県宝塚市玉瀬字イズリハにある、西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線の駅である[1]。駅番号はJR-G59。
アーバンネットワークおよび「JR宝塚線」の愛称区間に含まれている。
概要[編集]
武田尾駅の駅舎の北側は、馳渡山の山麓に位置している。プラットホームは、武庫川の直上に架けられた橋梁と、福知山方向に有るトンネル内に跨っている[1]。かつて武庫川にダムの建設が計画されていた関係で、川の水面から橋桁までは、かなりの高さがある。
駅から西(武庫川の上流の方向)へ徒歩10分ほどの場所に、武田尾温泉がある[1]。
歴史[編集]
当駅付近の福知山線は、元々武庫川に沿って単線・非電化の線路が敷かれており、列車交換のため長時間停車する鈍行列車も珍しくなかった。
その後、1980年代の複線・電化を機に現在の新線に架け替えられ、大阪方面への高速運転が始まった。当駅に停車する列車の本数も増加した。
年表[編集]
- 1899年(明治32年)1月25日:阪鶴鉄道の有馬口駅(現・生瀬駅) - 三田駅間延伸により開業[1]。旅客・貨物の取り扱いを開始[2]。
- 1907年(明治40年)8月1日:阪鶴鉄道を国有化[3]。これに伴い、帝国鉄道庁に移管。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定[3]。阪鶴線の所属駅となった[3]。
- 1912年(明治45年)3月1日:線路名称改定[3]。阪鶴線の福知山駅以南が福知山線と改称され、当駅もその所属となった[3]。
- 1971年(昭和46年)3月1日:貨物および荷物の取り扱いが廃止[2]。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)へ移管[3]。
- 1988年(昭和63年)3月13日:路線愛称の制定により、「JR宝塚線」の愛称を使用開始。
- 2003年(平成15年)11月1日:「ICOCA」のサービス供用開始[6]。簡易型自動改札機で対応。
- 2011年(平成23年)3月8日:JR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム導入。接近メロディ導入。
- 2018年(平成30年)3月17日:駅ナンバリングを導入。
- 2020年(令和2年)3月14日:ダイヤ改正に伴い、新たに新設された区間快速の停車駅となった。
駅構造[編集]
2面2線の相対式ホームを持つ高架駅である。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。
ホームの南半分は橋梁(第2武庫川橋梁)上、北半分はトンネル(第1武田尾トンネル)内にある[1]。また、橋梁の大阪寄りは西宮市域である[注釈 1]。
宝塚駅が管理する無人駅だが、ICOCA(および相互利用対象のICカード)が利用可能で、自動券売機および自動改札機(集札機能のない簡易型)が設置されている。高架駅であるがエレベーターやエスカレーターは一切無い上無人駅のため、車椅子などの利用者は困難を伴う[注釈 2]。
なお、旧線時代は1面2線の島式ホームで、武庫川と県道を跨ぐ神戸水道の水道管の真下に三田方面へと通じるポイントが敷設されていた。
のりば[編集]
のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | G JR宝塚線 | 下り | 三田・福知山方面[7] |
2 | 上り | 宝塚・大阪・北新地方面[7] |
- 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
ダイヤ[編集]
日中は1時間当たり区間快速が4本停車する。朝ラッシュ時の大阪方面は本数が多い。当駅には区間快速と普通電車が停車する。
利用状況[編集]
当駅には古くから北に離れた西谷地区からの路線バス(後述)が乗り入れているものの、過疎化や宝塚市街地への道路が整備されたことから利用者は減少しており、宝塚市内の駅では最も利用者が少ない。ただし後述の旧線跡ハイキング人気もあり、行楽期の土曜・休日は利用客が増えるため臨時で出札員が配置される事がある。
「兵庫県統計書[8]」及び「西宮市統計書[9]」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1995年 | 489 |
1996年 | 481 |
1997年 | 591 |
1998年 | 723 |
1999年 | 721 |
2000年 | 730 |
2001年 | 720 |
2002年 | 660 |
2003年 | 646 |
2004年 | 609 |
2005年 | 563 |
2006年 | 549 |
2007年 | 574 |
2008年 | 564 |
2009年 | 589 |
2010年 | 572 |
2011年 | 573 |
2012年 | 572 |
2013年 | 580 |
2014年 | 577 |
2015年 | 573 |
2016年 | 567 |
2017年 | 695 |
2018年 | 630 |
2019年 | 595 |
2020年 | 478 |
駅周辺[編集]
- 兵庫県道327号切畑道場線
- 新名神高速道路宝塚北サービスエリア
- 神戸水道 - 川下川ダムで取水した水を、神戸市方面へ送水するための施設。当駅の東側を通っている。
バス路線[編集]
阪急バスが乗り入れており、市北部の西谷・東部・波豆方面へと向かう路線を運行している。バス停の名称は「JR武田尾駅」。
- 2系統・3系統・4系統:上佐曽利
- 10系統・11系統:波豆
1924年から地元資本の「西谷自動車」が宝塚市北部の西谷地区から当駅までのバス路線を開業した。西谷自動車が阪急バス傘下となり阪急田園バスを経て阪急バスへ統合された現在も、武田尾駅と西谷地区を結んでいる。
旧線について[編集]
現在の駅の真下を直角に潜り抜ける武庫川の沿道が、福知山線の開業当初からの線路であった。当駅周辺は山間の狭いV字谷であり、建設工事や落石防止などの護岸工事、そして保線作業が大変な区間であった。福知山線の大半のトンネルがこの周辺に集中しており、現在でも当時の護岸工事の痕跡が多数存在する。
1986年8月に当駅を含む宝塚駅 - 三田駅間において新線の整備により線路が付け替えられたことで、それまでの旧線は廃止された。旧線は旧国鉄(のちJR西日本が引き継ぎ)により「立入禁止」の措置が執られ、勝手に立ち入らないよう入口に柵が設置されたものの、この旧線沿いは風光明媚な景色もあったことなどで口コミで隠れたハイキングコースとして知られるようになり、無断立ち入りによるハイキング利用者が増加した。結局、1990年にハイカーが自己責任を負うことを条件に開放された[1][11][注釈 3]。
その後、2008年にハイカーの転落死亡事故が発生。また、土砂災害の危険性も指摘されていたため、2016年5月に西宮市内の廃線跡は整備のために一時的に閉鎖され、立入禁止の措置が取られた[12]。その後2016年11月15日より、正式な遊歩道として一般開放された[13]。
整備された廃線跡のハイキングコースは、生瀬駅 - 武田尾駅間の約4.7 kmで徒歩約2時間。ハイキングコース出発地点・終点地点まで、生瀬駅または西宮名塩駅、武田尾駅よりそれぞれ徒歩15分程度で、途中にトイレが有る。なお、ハイキングコースとなっている廃線跡では途中に自動販売機やトイレは無く、また所々に有るトンネル内に照明は無いため懐中電燈などの照明器具を持参する必要がある[14][15]。
隣の駅[編集]
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- G JR宝塚線(福知山線)
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、107頁。ISBN 9784343006028。
- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、126頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c d e f g h 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集) 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 44号 福知山線・播但線・加古川線・姫新線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月30日、10-11頁。
- ^ “まず複線運転スタート”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1986年8月2日)
- ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
- ^ 「ICOCA」いよいよデビュー! 〜 平成15年11月1日(土)よりサービス開始いたします 〜(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月30日
- ^ a b “武田尾駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月19日閲覧。
- ^ 兵庫県統計書
- ^ 西宮市統計書
- ^ “宝塚の自然を感じる:宝塚観光ガイド”. 宝塚市国際観光協会. 2013年10月13日閲覧。
- ^ 交友社『鉄道ファン』1990年6月号(通巻350号)p127
- ^ “JR宝塚線廃線跡、来月開放へ”. 神戸新聞 (2016年10月22日). 2018年3月1日閲覧。
- ^ “JR宝塚線廃線跡が一般開放へ ハイカーに人気”. 神戸新聞 (2016年2月23日). 2016年11月15日閲覧。
- ^ JR福知山線生瀬・西宮名塩〜武田尾 廃線敷マップ - 西宮市ホームページ、2019年4月21日閲覧。
- ^ “初心者でも安心! 一度は訪れたい「秘境温泉」武田尾温泉! 武庫川渓谷を見ながらの「兵庫県旧国鉄福知山線廃線敷」トレッキング”. BRAVO MOUNTAIN (双葉社). (2022年5月19日) 2022年5月19日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 武田尾駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- 生瀬~武田尾~道場旧線 - グーグルマップ