フリージング (漫画)

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フリージング
漫画
原作・原案など 林達永
作画 金光鉉
出版社 キルタイムコミュニケーション
掲載誌 コミックヴァルキリー
発表号 2007年3月号 -
巻数 既刊28巻(2015年11月現在)
アニメ:フリージング(第1期)
フリージング ヴァイブレーション(第2期)
原作 林達永、金光絃
監督 渡部高志
シリーズ構成 赤星政尚
脚本 赤星政尚、吉岡たかを
キャラクターデザイン 渡辺真由美
メカニックデザイン 川原智弘
音楽 横山克
アニメーション制作 A・C・G・T
製作 第1期:フリージング製作委員会
第2期:フリージング ヴァイブレーション製作委員会
放送局 放送局参照
放送期間 第1期:2011年1月 - 4月
第2期:2013年10月 - 12月
話数 第1期:全12話
第2期:全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

フリージング』は、原作:林達永、作画:金光鉉による日本漫画作品。『コミックヴァルキリー』(キルタイムコミュニケーション発行)にて、2007年3月号[1]より連載中。2011年と2013年にテレビアニメが放送された。

外伝の『フリージング ファーストクロニクル』が同誌の2011年11月号[2]から2012年3月号(Vol.36)まで連載された。また、サブキャラクターの過去に焦点を当てたアナザーストーリー『フリージングZERO』(フリージング ゼロ)が同誌の2012年5月号[3]からコミックヴァルキリーWeb版33号[4]まで連載された。サブキャラクターのパンドラとリミッターの馴れ初めなどを描いた『フリージング ペアラブストーリーズ』も有料配信された。

あらすじ

人類を襲う「異次元体」との戦いで姉・アオイ=カズハを失った少年・アオイ=カズヤは、異次元体対応作戦学校「ゼネティックス」へ編入する。そこは未知の敵との戦いに備え、「パンドラ」と呼ばれる少女達がしのぎを削る学園であった。そこで出会ったパンドラの1人・サテライザー=エル=ブリジットにカズハの面影を感じたカズヤはサテライザーに思わず抱きつくが、模擬戦中だった彼女はそれが原因で負けてしまう。カズヤは罪悪感を抱きつつもサテライザーに興味を持ち、ゼネティックス内で敵の多い彼女に関わっていく。

登場人物

声優はテレビアニメ版のもの。

主要人物

サテライザー=エル=ブリジット(Satellizer el Bridget)
声 - 能登麻美子
本編のヒロイン。2年生。17歳。学年順位2位(カズヤ乱入の結果の為。本来ならば1位)。身長168cm・体重58kg。スリーサイズ:B90 W56 H85。血液型:A。出身国:イギリス
金髪に青い瞳、眼鏡をかけた美少女。冷徹な性格と他人に触れられることを極度に嫌う性質から、「接触禁止の女王」の異名を持つ。
ゼネティックスの企業母体である軍事複合企業エル=コーポレーションの令嬢だが、実際は妾の娘。異母姉バイオレットとの仲は良好だったものの、異母弟ルイスの異常な執着・愛情からの虐待により、他人との接触を本能的に拒絶するという人格が形成された。それにより、かつて在籍していたイーストゼネティックスではリミッター候補を再起不能になるまで痛めつけ、1年の謹慎を経てウェストに編入することとなった。
洗礼やイレインバーセットなどの戦闘に重要な儀式も、「体を舐めまわすようなあの感覚が不潔」と拒み続けている。他人に触れられると抵抗できる場合には剣と制裁でもって対応しているが、なぜかカズヤだけには嫌悪感が無く、せいぜい振りほどくか、すっと離れて顔を赤らめる程度。人間関係が苦手が故に、先輩生徒等の怒りに触れることもあり、彼女等に裸体姿にされたり、腹部を殴られたりといじめや制裁を幾度も受けている。
その実態は少し潔癖性で独占欲の強い女の子。カズヤの「初部屋入り」に際して自分を可愛く見せたくて衣装選びに時間をかけたり、ラナが呼び捨てで呼ばせていたことに対抗して、自分も愛称の「サテラ」で呼ぶよう迫っているなど、恋する乙女のような一面も見せ、ラナとよく睨みあう事が多い。
イングリッド戦後、カズヤの再三の求めに応じて、「聖痕洗礼を行なわないこと」を条件に彼をパートナーとした。洗礼なしであることから周囲には「リミッター能力を利用するために、美貌と実力と悪名でカズヤを従わせている」と見なされている。アニメ版ではパンドラクィーンに選ばれた事で立場が一変し、全校生徒の人気者となる。
物語冒頭でカズヤに抱きつかれて負けるまで2年生で無敗だったという実力は本物。カリキュラム上は3年時に修得する「加速(アクセル・ターン)」スキルも使用できる。編入後の訓練でダミーノヴァ2体を単独で片付けた。戦闘となれば非常に冷酷に振る舞い、徹底的に、無慈悲かつ残酷に攻撃を加える。剣をミヤビの胸に刺した後、抉るように動かす[5]など、正当防衛にしても過剰な振る舞いが多い。その凶暴なまでの不屈の闘争精神は、上記のトラウマに加え、実母との死別の際の記憶がその大きな原因となっている。ボルトウェポンは大型のブレード「ノヴァ・ブラッド」。
性格や振る舞いにそぐわず意外にも料理が得意であり、調理実習では普段は見せない様な楽しそうな表情を見せていた。バーガークインが大好物。
特典映像ではTV本編とは異なり、上級生にも頭が上がらないほど気の弱い女性らしさをしており、そのため絡まれたり恥をかかされたりする散々な目に遭っている。
アオイ=カズヤ
声 - 市来光弘
本編の男性主人公。1年生。15歳。身長169cm・血液型:O。出身国:日本。
4年前、異次元体との戦いで姉を失った少年。心優しい性格。パンドラのパートナーであるリミッターとなるため、物語冒頭でウェストゼネティックスに編入した。
学内で見つけたサテライザーが姉・カズハに似ていたことから思わず抱きついてしまい、彼女の敗北を招いてしまう。以後、彼女に対して贖罪の意識を抱くうちに、やノヴァの争いの渦中に巻き込まれる彼女を放っておけなくなっていき、パートナーに志願する。
普段は意識していないが、有事となるとイレインバーセットなしでフリージングを駆使し、ノヴァレベルと見られるほどの力を持つ。(その力には教官のキム、エリズや、同級生のカホ、3年のアティアやアーネットも興味を惹かれている。)また洗礼を済ませることなく複数のパンドラを相手にまとめてイレインバーセットを行わせることまで可能。これは彼が姉と同様に「聖痕体」と呼ばれる特異体質者であるが故のもの。彼の場合、骨格の30%が「聖痕」組織で構成されている、生まれながらの聖痕体。ゆえに、移植を受けなくとも能力が使え、欠片とは比べ物にならないほどの大きさゆえに能力の力量も高い。反面、能力の大きさに精神が対応できておらず、戦闘後に意識を失ってしまうことも多い。また男性では聖痕の熟成が出来ないため、パンドラになることは不可能。後にこの体質は、実の祖母であるマリア=ランスロットからの遺伝であることが明らかになる。
ラナ=リンチェン(垃娜 林沁)
声 - 花澤香菜
2年生。年齢不詳。実力は時にサテライザーやガネッサを圧倒するほど。身長164cm・体重50kg。スリーサイズ:B81 W56 H84。血液型:O。出身国:チベット。好物はパスタ。下着として胸にサラシを巻き、ふんどしを締めている。
チベットからの留学生。故郷で見つからなかった運命の殿方(リミッター)を見つけるべく、ウェストゼネティックスにやってきた。
カズヤが街でゴロツキ(アニメ版では2年のオードリー、ドリス、タケウチ)に絡まれているところを助けたのが縁で知り合い、親しくなる。その後、パンドラとしての基礎を学ぶために2年生に編入される。
ボルトウェポンは四肢に装着するグラブとブーツ「四念」。
聖痕を持ち生まれてきた「タイプ・マリア」。既にパンドラとして聖痕は何年もの熟成を経ているが、基礎を学ぶ為に2年生に編入された。年齢も他の同級生より上。[6]
正義感が強く、ほぼすべての相手に丁寧に振舞う。常に「~であります」と語尾につける独特の口調で話す。山村に住んでいたこともあって、都会などの一般社会の常識に欠ける一面も。
専属リミッターを探す中、フリージングを使ったカズヤをその相手と見定め、口説きにかかる。だが、彼がサテライザーと訳ありで組んでいると聞き、彼女への対抗を始めた。その後、アティアに「サテライザーはカズヤを利用するだけ利用して捨てるつもり」と唆され、彼女に決闘を申し込む。その勝負がすべて仕組まれた物と知った後は和解したものの、カズヤを取り合うライバル関係となり、最終的にサテライザーに次ぐ「2番目」の立ち位置で納得するようになった。
聖門八極拳という拳法の使い手で、5m以上の射程を持つ遠距離技「空牙」、密接した間合いから放つ「炎牙」などの技を持つ。

ウェストゼネティックス

パンドラ

3年生
シフォン=フェアチャイルド(Chiffon Fairchild)
声 - 井上麻里奈
3年生。17歳。学年順位1位。身長166cm・体重54kg。スリーサイズ:B82 W56 H83。血液型:AB。出身国:カナダ。趣味は昼寝。好物はシフォンケーキ。
ウェストゼネティックス生徒会長。
周囲に動きを察知させない「イリュージョンターン」を駆使し、無敗を誇る実力者。世界の全3年生で最も強い5人の内の一人であり、「不世出の怪物(モンスター) 」「化け物」の異名を持つ(ただし、故意か天然か不明だが本人はルックスでそう呼ばれていると思って嘆いていた)。同じ3年生からも畏怖の対象とされているが、何故かサテライザーの凶暴さには苦手そうな態度を見せ、よくティシーの後ろに隠れて周囲を呆れさせていた。
普段は笑顔を絶やさず面倒見もよいが、天然ボケらしき面も持ち合わせているかと思えば時に厳しい現実論も述べるなど、その性格、実力共に掴み所がない。カホやアーサーと同じく、サテライザーと関わるカズヤの事を心配している。カズヤの良き理解者。
実は1年生としての編入時には予定よりも一週間も遅れてゼネティックスに編入しており、編入時の彼女はマーガレットから当時のアーネットと並んで問題児と見られていた。
彼女の目はいつも微笑んでいるような細目をしており、どんな目つきをしているのかは謎であった[7]。そのためサテライザーから「のん気な細目」と皮肉られるが、自ら「私の目はずっと笑ったまま」と語っていた。Eパンドラ事件~第11次ノヴァクラッシュでついにその真の姿を見せた時、その瞳はマリア=ランスロット、ノヴァと同じ、人類とは違うものであった。
学校が下校後の夜中の室内プールでで泳ぐ事がある。
Eパンドラの反乱事件ではシュバリエ側に付く姿勢を示しエリザベスに軽蔑されながらも、自分に反発したサテライザーとラナを圧倒的なまでの実力で倒す。さらに、ノヴァ化したアミリアと戦い、生死不明となった。
ペアラブストーリーズではティシーを任務と称してクラブに連れて遊びに出るなど振り回したこともある。尚、前述のルックスについては立ち寄ったクラブで注目を浴びており、充分良いことが伺える。
リミッターはユジン。ボルトウェポンは二の腕までを覆う鋭い爪の付いた巨大な篭手「アンチノヴァ・トライアルバージョン」。ルシーの言動から、彼女と同じく、通常のパンドラを数百倍上回る究極の対ノヴァ戦闘兵士、封印されていたレジェンドパンドラの一人だったと判明した。
ティシー=フェニール(Ticy Phenyl)
声 - 内田彩
3年生。17歳。学年順位3位。身長167cm・体重53kg。スリーサイズ:B83 W57 H85。血液型:AB。出身国:フィンランド。趣味は亀の世話。好物はブルーベリーパイ、鹿の肉料理。
質実剛健の懐刀」の異名を持つ。唯一エリザベスの支配を受けず、生徒会役員として、そしてシフォンの親友兼片腕として、シフォンの傍らで行動を共にする黒髪ロングヘアのパンドラ。にこやかで、シフォンと同様に滅多に実力を見せることはないが、シフォンに仇なす者には冷酷な貌を覗かせる。入学直後のカーニバルでこそボルトウェポンすら出さずにゼロポイントで終えたが、シフォンとの友情が芽生えた後は、マリンやアーネットを打ち破るまでになった。
Eパンドラ計画凍結後、行方不明になったシフォンに代わり生徒会長に就任する。この時、髪型も彼女と同じものに変え、会長という責任感から規律を重んじる冷徹な態度をとるようになったが、演習中に起こった第12次ノヴァクラッシュにおけるシフォンの幻影との邂逅を通して覚醒。帰還したエリザベスに会長の座を移譲し事態の収拾に当たった。
ペアラブストーリーズでは自由奔放なシフォンにやや振り回されがちな様子が描かれ、またアベルと出会った二年の頃はシフォンのペット呼ばわれされていた。ZEROでも同様に番犬や忠犬と揶揄されたこともある。同作では内気であり、男に絡まれて怯えるが、鼠に驚いて思わず地面をたたき割ってしまう等、シフォンとは別の意味で暴走しやすかった。
リミッターはアベル。ボルトウェポンは大剣「ギガンテス・グレイヴ」。
エリザベス=メイブリー(Elizabeth Mably)
声 - 甲斐田裕子
3年生。17歳。学年順位2位。身長168cm・体重54kg。スリーサイズ:B84 W53 H85。血液型:B。出身国:イギリス。趣味は映画観賞。好物はフィッシュ&チップ。
サンディブロンドのロング。大財閥メイブリーグループの令嬢という正真正銘のお嬢様。「神算鬼謀の執行者」の異名を持つ。冷静かつ明晰な頭脳を持ち、SSS(スティグマ・サテライト・システム)による遠隔攻撃を得意とする。一方で、近距離や視界の悪い中での戦いにおいても優れた力を発揮し、ボルトウェポン無しでも非常に高レベルな戦いをする実力者。原作ではアティアやイングリッドが歯が立たなかったノヴァフォームのパンドラ2人に完勝し、アニメでは4年のミレーナを二撃で一時的に戦闘不能にする程の実力を見せ、全ゼネティックス3年最強の5人のパンドラ達からも「ウェポン無しであのレベル」、「あれでも3年の2位」、アニメ版でシフォンから「最強5人に次ぐ実力」と言った評価をされる程である。(ただし、本人はシフォンの評価に対して自身よりホーリーの方が実力は上と述べている)
一見、冷酷で非情に見えるが人望は厚く、特に同じ3年生からは多大な信頼と敬意を集め、3年を取り仕切る中心人物である。Eパンドラ計画の最中に起こった事件を契機に独自行動を起こすが、それがシュバリエに知られ、実家が取り潰しに遭うだけでなく自身も拷問を受け、一時期精神を病んでしまう。しかしアミリア達が反乱を起こすと同時に正気を取り戻し、神経麻痺という後遺症を抱えながらもシュバリエに反旗を翻す。Eパンドラ計画凍結後はアンドレと共にゼネティックスを休学するが、第12次ノヴァクラッシュ時に復帰。ピンチに陥っているティシーを助け、彼女から一時的に委譲された生徒会長権限で生存者救助を指示した。
リミッターはアンドレ。
イングリッド=バーンシュタイン(Ingrid Bernstein)
声 - 小清水亜美
3年生。17歳。学年順位7位。身長165cm・体重54kg。スリーサイズ:B84 W58 H82。血液型:O。出身国:ドイツ。好物はビール。趣味はドラマ鑑賞。
物静かな人物。赤毛のストレートロングヘア。「秩序の守護者」の異名を持ち、その名の通り秩序を守ることを最大の信条としており、やや融通の利かないタイプ。ゆえに、ルールや規律を軽んじる者には容赦がなく、ミヤビの様に男遊びに興じる者に対しても「不愉快」と断じている。
そのミヤビがサテライザーとの私闘で敗北した後、アティアの言葉でサテライザーに制裁を申し入れ対峙する事になる。3年ランク7位は伊達でなく、リミッターなしでも圧倒し、そこにリミッターのレオまで加わったが、カズヤのフリージングで形勢が逆転する。パンドラモードで無理矢理押し込むが、効力を増したカズヤのフリージングに倒れ、活動限界を迎える。なおも戦闘を続けようとしたところで、割って入ったカズヤに説き伏せられ戦意を失った(アニメ版では、ガネッサも加わっている)。
1年前、ノヴァとの戦闘で親友マリンを失っており、そのことが彼女の秩序信奉(というより盲信)のきっかけとなった。本人は殉職者を出さぬためだと発言していたが、カズヤには「ルールに拘りすぎであり、マリンの意思を鑑みていない無意味な執着である」と断じられた。サテライザー戦後、マリン小隊だった後輩からマリンの最後の命令、意思を聞かされ、その真の思いを知った。なお、イングリッドの学年順位7位は、親友マリンが生前最後に達していた順位である。
リミッターはレオ。ボルトウェポンは刃と一体化したトンファー「ディバイン・トラスト」。
前述の通り堅物な性格ではあるが、レオの前だと少し表情が柔らかくなる事が時々ある。
アティア=シモンズ(Attia Simmons)
声 - 植田佳奈
3年生。17歳。学年順位6位。身長152cm・体重41kg。スリーサイズ:B72 W51 H74。血液型:B。出身国:イタリア。趣味はジョギングボードゲーム
魔性の策士」の異名を持つ。
実年齢より年下に見える小柄な美少女。銀髪のロールヘアが特徴。誰とも馴染まず上級生とも問題を起こすサテライザーを目の敵にし、彼女を陥れるべく策動を続ける。逼迫した状況となるまで、自ら積極的に手を下すことは少ない。身長が低いことを非常に気にしており、毎日牛乳を飲んで身長を伸ばそうと努力している。
サテライザーとラナの驚異的な力を目の当たりにし、シフォンに止められた後は、2人にちょっかいを出す事はなくなった。(原作では、カズヤの強力なフリージング能力にも目を光らせている。) しかし、第10次ノヴァクラッシュ終結後のディナーパーティーでエリザベスと酒飲み対決をするサテライザーに90度を超える特製カクテルを飲ませてエリザベスを勝たせようとするなど、少々姑息なことをしている。
アニメ版ではサテライザーにパンドラクィーンを競う挑戦を申し込んできた。結果、自分は3位で、サテライザーが1位という結果になってしまい、表彰式の時、彼女に大恥をかかせるという腹黒さを見せる。
リミッターはマーク。ボルトウェポンは「エレガンテ・クォレ」。形状は鎖でつながれたトゲ付の鉄球で、それを振り回して戦う。
アーネット=マックミルラン(Arnett McMillan)
声 - 浅川悠
3年生。17歳。学年順位4位。身長164㎝・体重51㎏。スリーサイズ:B82 W54 H85。血液型:O。出身国:スイス。趣味はガーデニングと芝刈り。好物はスライスチーズ
紅髪で、跳ねた横髪とポニーテールが特徴。他の多くのパンドラ達が貴族階級や名家出身なのに対し、いわゆる平民出身という身分差を理由に陰湿な虐めを受けていた。また、学園の生徒内における序列ルールを軽んじために先輩たちから粛清を受けたりと、当初は浮いた存在であり、後に友人ともなるアティアやエリザベスとも反目していた。特にエリザベスとは身分差による自分の一方的な誤解が解けてからは固い友情で結ばれており、シフォンの方を慕っているティシーへ対峙する姿は、マリンから「愛故か」と表現される程。
所々間延びした喋り方をし、挑発的でサディスティックな態度を見せる反面、情や恩に篤く、快活でサッパリした性格の持ち主でもある。やや喧嘩っ早い性格のため「狂犬」等と恐れられることも少なくはないが、その素顔を知る学生等からは人気を集める。
聖痕適合率は80%超えという高さであり、3年生の中でも並外れたアクセルターンの使い手で、初対戦では同じアクセルタイプのサテライザーを赤子同様に扱う圧倒的実力を見せつけている。「斬撃のトリックスター」の異名にふさわしい学園有数の実力者。その実力と人格は、シフォン、エリザベスが学園を去った後、仲間に自然に次のリーダーと認められるレベルであり、本人もその資質を見せはじめてゆく。
2年次の小柄なクレオを抱き枕にするなど気に入っていたが、彼女の小柄な体格をネタに笑っていると実力で威嚇されて黙らされることがあった。また、クレオの身長が現在に至った時は、お気に入りであったクレオを奪ったとしてゴロウを泥棒呼ばわりして文句を言っていた。
リミッターはモリソン。ボルトウェポンは大鎌「サイスマキナー」。
クレオ=ブランド(Cleo Brand)
声 - 橘田いずみ
3年生。17歳。学年順位5位。身長173㎝・体重58㎏。スリーサイズ:B84 W56 H82。血液型:O。出身国:ドイツ。好物はギロス。趣味はボクシング
硬派な性格でスポーツマンな一面も見せる。褐色肌で、銀の跳ねっ毛なショートヘア。
孤児院育ちで、ゼネティックス2年までは周囲よりも成長が遅れ非常に小柄だった。そのため、後輩からは同級生に間違われ、同級生や先輩には着せ替え人形扱いされるなど、更にはアーネットに抱き枕にされるなど散々な目に遭っており、体型にコンプレックスを抱いていた。ゴロウと組んでからはそれまでジャンクフード漬けだった食生活を改善したこともあり、3年進級時には現在の体型になった。ペアラブストーリーズでおまけとして描かれた四コマ漫画ではジャンクフードへの中毒染みた執着がネタとされていた。
電光の鉄槌」の異名を持つ。ラナと同様の格闘タイプであり、テンペストターンの使い手。最小の動作から繰り出される打撃は、スキを生み出さないと同時に、避けきれない確実なダメージを与える。一撃一撃は大きなダメージを生む訳ではないが、テンペストターンによる同時攻撃は峻烈な威力を発揮した。
リミッターはゴロウ。ボルトウェポンはグラブ型の「インフィニティファング」。
カンナヅキ=ミヤビ
声 - 桑谷夏子
3年生。17歳。学年順位15位。身長160cm・体重50kg。スリーサイズ:B85 W54 H84。血液型:O。出身国:日本。好物は豆カン。
公称として「新入りリミッター喰い」の異名を持つ美少女だが、自らを「貞操の解放者」と称し、洗礼を誘い文句にして複数の男子生徒と性行為に興じる学園でも有名なヤリマン。肉体関係を築いた男子生徒はリミッターとして手下の様にはべらせているが、一部の生徒からはそんなリミッター達を「ひ弱なボーイフレンド」と嫌味に評されている。
ボルトウェポンは複数のダガーを同時に操り、遠隔攻撃も可能な『ホーミングダガー』。遠距離からの攻撃や支援において真価を発揮するタイプで、ミヤビが複数のリミッターと洗礼による関係を築いているのも、リミッターによる同時フリージングとの相乗効果を考慮したもの。そのため複数のリミッターとの洗礼を試す事は学園側からも特例として認められているが、彼女はそれを男漁りの口実にしており、その行為はイングリッドからは「不愉快」と断じられている。
初登場の時点で既に3人のリミッターを引き連れておきながら、カズヤとも関係を迫った事でサテライザーとの私闘に発展。序盤から戦いを優位に進めるも、サテライザーに対して性的な辱めを行った事がカズヤの逆鱗に触れ、形勢が逆転。サテライザーの反撃によって大の字に倒されたままラッシュを受け、必死の命乞いも無視され、最後はボルトウェポンによって胸を貫かれて敗北した[5]
入学当初はエリザベスやアーネットに並ぶ注目株で、1年春のカーニバルの成績はアーネットに次ぐ3位。その次のカーニバルでもエリザベスとアーネット二人を相手に苦しめる程の実力をも有しており、学年1位も狙えると評されていたが、シフォンの規格外の実力の前に限界の壁を感じ、学園生活を楽しむ方向に考え方を改めた経緯がある。しかし、学年15位という実力を有するだけあり、後のウエストゼネティックス合同演習においても第3小隊の隊長に選任されている。また、他の生徒は彼女の派手な男遊びに対して陰口こそ叩くものの面と向かっては逆らえない模様。
ペアラブストーリーズでは彼女がパンドラとなる以前、屋敷の庭師だった少年がゼネティックス在籍であり、卒業後に告白をするつもりでいたが帰らぬ人となった過去がある。それ以来特定の男性に感情移入をしなくなっている様子がある。
なお、原作ではほぼ単発の登場キャラだったが、アニメ版ではその後もパンドラクイーンコンテストに参加したり、ノヴァ襲撃の際にも登場したりと、出番が大幅に増加。また、アニメ版では敬語を使うなど、ややお嬢様キャラになっている。
2年生
ガネッサ=ローランド(Ganessa Roland)
声 - 喜多村英梨
2年生。16歳。学年順位1位(ただしカズヤ乱入の結果の為、実力は2位)。身長164cm・体重52kg。スリーサイズ:B83 W57 H83。血液型:B。出身国:イギリス。好物はイチゴパフェ盆栽という渋い趣味を持つ。
束縛の天使」の二つ名を持つ名門ローランド家の令嬢で、抜群のプロポーションと毛先に向かうほどボリューミーになる赤紫色のツインテールが特徴の美少女。基本的に明朗快活な性格ではあるが、それ以上に傲慢でプライドが極めて高く、特にサテライザーを激しく見下しており、また強い対抗意識を燃やしている。後にカーニバルの決着の続きと称した決闘をサテライザーに挑むも実力差により一度は退けられてしまう。しかし校則違反のパンドラモードを発動する事で形勢が逆転。ところが勝利確実と思われた矢先にカズヤに乱入され、それを排除した事でサテライザーが激昂。ガネッサ同様にパンドラモードを発動させたサテライザーに一撃で撃破され、敗北。その醜態の一部始終は多くの生徒の眼前に晒され、名実ともに完全敗北した。この一件以降、学園側の指導もあってか決闘を挑む事はなくなったが、サテライザーへの対抗意識はそのままである。
第10次ノヴァクラッシュにおいてノヴァフォームとして操られたキャシーとの戦闘中、サテライザーを庇い死亡したかに思われたが、聖痕のおかげで一命をとりとめ、再生治療を受け回復する(ただし治療の代償として寿命は削られたとの事)。彼女のその行動はサテライザーのその後の精神にも影響を与えている。アニメ版ではサテライザーが自らお見舞いに来た事に珍しげな顔を見せていた。
アニメ版では、1年前、訓練中に本物のノヴァが突如乱入する事件の際、危ういところをマリン=マックスウェルより命を救われた生徒の一人でもあり、この事件でイングリッド=バーンシュタインが親友マリンを失った悲しい過去を知る人物でもある。(原作ではバージニアとチロルの役どころ) また、2年生であるためハイエンドスキルが使用できない事からサテライザーやラナとの実力差は大きく、また作中に登場するのがほぼハイエンドを習得している3年生以上の上級生が多い事から戦闘力ではどうしても劣る場面が見受けられるものの、2年生という範囲内では順位相応の実力者である事は周囲からも認められている。
リミッターはアーサー。ボルトウェポンは「束縛の鎖」。
オードリー=デュバル(Audrey Duval)
声 - 黒葛原真奈
2年生。16歳。学年順位3位。出身国:フランス。「斬撃の乙女」の異名を持つ。プライドが高く、負けず嫌いな性格。サテライザーを敵視している。アニメ版第1話でトリスとタケウチと共にサテライザーと戦い、最後まで奮戦するも撃破された。実際には複数の生徒を相手にしても怯まず、また戦いに対する強い執念も持ち合わせている実力者ではあるが、サテライザーには遠く及ばなかった。ボルトウェポンは巨大な斧「ボルトアックス」。
タケウチ=アイカ(竹内 愛香)
声 - 三村江里
2年生。16歳。学年順位4位。出身国:日本。「陶酔の銀幕」の異名を持つ。勤勉で冷静な性格をしており、暗い色気の持ち主。アニメ版公式説明では大人しいとなっているが、嗜虐趣味な性癖の持ち主。アニメ版第1話におけるカーニバルにおいてオードリーとトリスと共闘してサテライザーに決戦を挑むが、突撃役のトリスがあっけなく撃破されて自身が窮地に陥った事で臆病になり立ちすくんでしまい、そのままサテライザーの手によってボルトウェポンごと一刀両断にされた。(蘇生措置が施され存命) ボルトウェポンの名称は「妖鎖鉄球」、形状はガネッサと同じ分銅付きの鎖。ただし束縛型のガネッサと異なり、純粋に武器として使用している。
トリス=マッケンジー(Tris Mckenzie)
声 - 山口理恵
2年生。16歳。学年順位5位。出身国:アメリカ合衆国。「双発の牙」の異名を持つ。ボク少女。男勝り型。いつも生き生きと行動しており、ニヤニヤとした笑顔が売り。その表情は戦闘においても変わらず、手傷を負いながらも、サテライザーに笑みを浮かべながら切りかかったが、反撃を受け敗北。なお、彼女のみスカートではなくホットパンツを着用している。ボルトウェポンは双剣「アロンダイト」。
バージニア(Virginia)
2年生。1年前、マリン小隊として野外訓練を行っていた時、突然のノヴァの襲撃を受け、マリンと共に分隊長として最後まで戦った。仲間が次々と倒されていく中、他の仲間を見捨てて逃げた他の1年生に対し、初めは恨めしい気持ちがあったが、マリンの「戦う意思亡きものは後退させよ。」と言う最後の命令から、今は忘れたとのこと。レオとは仲が良いようで、ペアラブストーリーズでもいろいろあって利き手を骨折していたレオの食事補助をしようと申し出るなど彼に気があった様子である。
チロル(Tyrol)
2年生。1年前の野外訓練でノヴァの襲撃を受け、同じマリン小隊のバージニアらと共に最後までノヴァを食い止めようと奮戦した。ペアラブストーリーズではバージニアとともに利き手を骨折していたレオの食事補助をしようと申し出るなど彼に気があった模様。
アニメでは、バージニアとチロルの立場と役割は、ガネッサに置き換えられている。
1年生
ヒイラギ=カホ
声 - 大久保瑠美
1年生。15歳。身長158cm・体重49kg。血液型:B。出身国:日本
カズヤの同級生でクラス委員長。優しく明るい性格。クラスメイトのアーサーと共に編入したカズヤをよく気遣い、活発で面倒見がよい女の子。サテライザーに関わるカズヤの事を心配している(アニメ版ではパンドラクィーンがきっかけで、見方を変えている。同時に、洗礼も済ませていないカズヤが強力なフリージングを使う事にかなり興味を惹かれている)。原作ではカズヤ達に因縁をつけてきた街のチンピラ相手にパンドラらしい好戦性を見せ、拳銃弾をボルトウェポンで完璧に防ぎ相手を叩きのめすなど、1年生とはいえ人間離れしたパンドラの戦闘力を見せ付けるような場面もある。
ボルトウェポンは鉈型の双剣「デュアル・カタナ」。
4年生
紫洸院 桜子(しこういん さくらこ)
4年生。ゼネティックスの4年は、有事の際は正式にシュバリエに動員される予備軍である。桜子も第10次ノヴァクラッシュにおいて、ウェスト全4年生の3分の1にあたるイーストへの援軍で、別働第2小隊の隊長として戦闘参加した。快活でリーダーシップのある4年生で、明るくポジティブな第2小隊を統率していた。2年生の時、新入生のエリザベスとアーネットをいじめる同級生をアイリンと共に制止した事もある。アニメ版ではウェストからイーストへの援軍は無く、ノヴァフォームのウェスト襲撃の際、名前だけ登場する。
アイリン=バーネット
4年生。第10次ノヴァクラッシュにおけるノヴァフォームのウェスト襲撃の際、ウェスト残留の4年生4小隊のうち、第1小隊の隊長として迎撃を指揮した。アニメ版ではエリズ教官がその役割に置き換わっており、名前だけ登場する。
故人・その他
マリン=マックスウェル(Marin Maxwell)
声 - 笠原あきら
イングリッドの同級生で親友だった少女。当時の2年生第7位。秩序を重視するタイプ。聖痕と相性が良いほうではなかったが、人一倍努力し、後輩を思うがゆえに規律と緊張感を重んじる姿は、イングリッドのその後に大きな影響を与えた。
入学後のカーニバルではアーネットと対戦するも敗れ、顔に大きく負傷した。しかし、恨むこともなく、同期で対戦相手だったアーネットを気遣う姿すら見られる。
リミッターはアルバート。
物語本編の1年前の訓練中、突如として本物のノヴァが乱入し、率いていた1年生たちとともにノヴァを抑えようと奮戦。後遺症を覚悟で、未熟成な2年生の聖痕で肉体の限界までアクセルターンを連発していた。しかし、アルバートが倒されてしまったことで経験の浅い1年生たちは恐慌状態に陥り、次々と逃走。当初は陣形を崩すなと命じたが、最後には後輩たちを一人でも多く生き残らせるべきだと思い直し、戦意がなくなった者の後退を許していた。ギリギリまで戦闘を続けるも、ノヴァに胴を両断され、戦死。この一件は、最期の瞬間を看取ったイングリッドの心に深い傷跡を残している。
フェリス=モハビ(Felice Mojave)
外伝に登場。現3年生の同期生で、入学直後のCクラス(落ちこぼれクラス)のリーダーだった。同級のティシーに執拗ないじめを繰り返し、ティシーと親しいシフォンとの仲を裂こうと画策する。

リミッター

アーサー=クリプトン(Arthur Crypton)
声 - 岡本信彦
1年生。15歳。
カズヤの同級生。学生寮では隣室に住んでいる。陽気な性格をしており、献身的。ガネッサのリミッターでもあり、彼女を慕っている。アニメでは若干お調子者になっている。カホと同じく、サテライザーに関わるカズヤの事を心配していて、過去にリミッターを再起不能にまで追い込んだ事をカズヤに話した。(アニメ版ではパンドラクィーンがきっかけで、見方を変えている。)
レオ=バーナード(Leo Bernard)
声 - 椎橋和義
2年生。イングリッドのリミッター。真面目で礼儀正しい性格。戦闘時は的確な判断力でイングリッドをサポートする。マリンのリミッターであったアルバートとは生前同じクラスで仲も良かった。
アンドレ=フランソワーズ(Andre Francoise)
声 - 霜月紫
2年生。エリザベスのリミッター。髪の毛を後ろで束ねている。エリザベスの執事を担っている。時には“エリー”と呼ぶ事もある。控え目で冷静な性格だが、Eパンドラ計画を巡る事件でエリザベスが拷問によって精神的ダメージを受けた際には取り乱していた。そしてエリザベスが意識を取り戻すと同時に、彼女と共にEパンドラ達を助けるため行動を共にする。シャルルとの戦いでは、負荷により体が壊れるのを覚悟で全力でフリージングを使い、エリザベスの勝利に貢献する。しかし視力を患い、ゼネティックスを休学する。
ユ=ジン(柳 眞)
声 - 岩瀬周平
2年生。シフォンのリミッター。シフォンを「お姉ちゃん」と呼んでいる。アンドレと仲が良い。しかしシフォンを侮辱するものは、たとえアンドレであっても許さない。
アニメ版第2期では、アンドレと共にカズヤを助けるという活躍し、その後にシフォンとイレインバーセットを行い、ダミーノヴァと闘う。
マーク=アントニー(Mark Antony)
声 - 葵海人
2年生。アティアのリミッター。イタリア出身の穏やかな顔をした好青年。アティアとの関係はとても良く、彼女が危機に陥った際自らを盾にして彼女をかばっている。
ペアラブストーリーズではアティアとの邂逅が描かれ、自分をリミッターにしようと色々な作戦行動をしていたアティアに気づきながら「うろたえる先輩の姿が可愛かったからです」とわざと空回りになるよう振舞うなど、アティアを上回るほどの腹黒さを見せている。また入学筆記試験1位と成績優秀であることが判明。
モリソン=アベベ(Morrison Abebe)
声 - 中山征俊
2年生。アーネットのリミッター。
アベル=ロトマスター(Abel)
声 - 丸山竜一
2年生。ティシーのリミッター。
ペアラブストーリーズではティシーとの出会いが描かれた。クラブで男達に絡まれていたティシーを助けたのがきっかけであったが、その日は誤解したシフォンに蹴られるという最悪の展開であった。その後、彼女をデートに誘うなどをして花束と共に告白し、晴れてパートナーとなる。
イツキ=ゴロウ
声 - 丸山竜一
クレオのリミッター。身長190cmを超える巨漢。複数の姉がいる女所帯で育った結果、年上の女性に近付くと鼻血を噴き出して倒れるという「年上恐怖症」を患っていた。しかし、入学当初に出会ったクレオは年上に見えなかったため症状が現れず、お互いのコンプレックス克服のためパートナーになった。その1年後には恐怖症を克服している。尚、成長については彼によってクレオの食生活が厳しく管理されたためである。
アルバート(Albert)
故人。マリンのリミッター。レオとは生前同じクラスで親友同士であった。優しく真面目な性格でマリンとの相性も非常に良かった様子。物語本編の1年前の訓練中、突如として出現した本物のノヴァとの戦闘でマリンと共に隊をまとめ彼女を全力でサポートするが、ノヴァの攻撃を受け殉職する。

教員・教官

シスター=マーガレット(Sister Margaret)
声 - 高橋理恵子
学園の校長。温厚で、おおらかな女性。
キム=ユミ(金 由美)
声 - 渡辺明乃
カズハの戦友。23歳。身長164cm・体重55kg。B:95・W:58・H:85。血液型:B型。出身国:韓国。好物はキムチ鍋。特技はピアノ演奏。エリズと同様に「ナンバーズ」の一人であり、すでに退役している。ショートカットの跳ねっ毛。冷静沈着な性格をしており、冷たい雰囲気を漂わせている。現在はウェストゼネティックスの指導教官として後進に当たっている。ボルトウェポンは月浪。
カズハは彼女にとって大きな存在であり、それが嵩じてカズハの弟であるカズヤのことを自分の弟のように非常に気にかけている。ミヤビとの戦闘における過剰行為を咎められ、懲罰として独房に入れられていたサテライザーとの面会時に、ミヤビの無事と懲罰期間の終了を告げる。そして彼女にゼネティックスの教師として次は無いと釘を刺す。だがサテライザーの反省の色の見えない一言に激怒、カズヤを巻き込んで何かあれば殺してでも償わせると宣言する(アニメ版では、そういった描写はなかった)。
エリズ=シュミッツ(Elize Schmitz)
声 - 水沢史絵
カズハの戦友。23歳。身長175cm・体重60kg。B:73・W:55・H:82。血液型:AB型。出身国:ドイツ。好物はステーキ。特技はビリヤード。栗色の髪の毛をポニーテールにしている。第8次ノヴァクラッシュで活躍した4人のパンドラ、「ナンバーズ」の一人。現在は退役し、ウェストゼネティックスの保健医を務める。明るくおおらかな女性。ボルトウェポンはドッペルゲンガー。
退役したとはいえ、その実力は健在。騒ぎを起こしたサテライザーをキムと共に制する場面も見られた。
レナード=シュヴァイツァー大佐
教頭。作戦指揮官。制服軍人。第10次ノヴァクラッシュにおいてノヴァフォームのウェスト襲撃の際、ウェスト本館の作戦指揮統制室で迎撃全体を指揮した。ノヴァフォームの存在に驚愕し、マーガレット校長にその正体の推測を聞かされ怖れを見せていた。アニメには登場せず、その役割はキム=ユミ、エリズの教官2人に置き換わっている。

イーストゼネティックス

キャシー=ロックハート(Cassie Lockheart)
声 - 釘宮理恵
3年生。17歳。学年順位1位。身長:165㎝。体重:50㎏。B:83 H:55 W:88。血液型:O型。出身国:アメリカ。趣味は読書と小説執筆。好物はコーラ
優しく純情な性格で、常に年下にも丁寧語で話す。英痕を持つパンドラの1人であり、全ゼネティックス3年生中最強の5人にも数えられる実力を持っている。だが本人は父の望みと家名を守るためにパンドラになっただけであるため、戦う意味を見出すことができていなかった。過去、イースト校内でのサテライザーとの戦闘で、本当の強さを持たない自分は本質的にパンドラに向いていないと感じ、卒業後は静かに予備役的な立場に去り、愛する人と家庭を持つような平凡な生活に入るつもりであった。(アニメ版では、目標としていた小説家になろうとしていた)
誰にもなしえなかった4重加速(クワトロフルアクセル)を使いこなし、「神速」の異名を持つ。クワトロフルアクセルは2年の時点で既に習得しており、当時イーストで事件を起こしたサテライザーをそれで沈黙させた。また単なるスピード戦法だけで無く、アクセルターンを応用する事でテンペストターンのような分身体を擬似的に作り出すなど、高い応用力も持っている。シフォンらと並んでその実力、極めて高い聖痕・英痕適合率から「天才」と呼ばれ、その将来は周囲から格別の期待をされている。
第10次ノヴァクラッシュにおいて、補充部隊の1つ、先輩のミレーナ率いる第8小隊のフィニッシャーとして初の実戦参加をする。だが部隊は、ノヴァの光線砲の一撃で半壊、さらには侵食融合を次々に受ける。どちらも、かつて前例の無い攻撃方法であった。ついにはミレーナまでが侵食融合され、それに目を向けた隙にキャシー自身も攻撃を受け、ノヴァに融合され取り込まれてしまう。同じく取り込まれた他のイーストのパンドラ達と共に、ノヴァフォームとなってノヴァに操られウェストゼネティックスを襲撃。ミレーナと共に、アーネットと交戦しながらレベンスボルン入口に突入、サテライザー、ガネッサらとも接敵する。全力のサテライザーが抵抗一つできない程の実力差を見せ、彼女らを一蹴。ミレーナがレベンスボルンに入った後、捨て身で聖痕を著しく活性化させたサテライザーと、カズヤのフリージング相手に、クワトロフル・アクセルを全開して一進一退の戦いをする。サテライザーにノヴァの聖痕を傷つけられたことで半ば正常な意識を取り戻すものの、父から強制された最強であらねばならないという強迫観念にも似た感情をノヴァに増幅され、光線砲を発射。サテライザーをかばったガネッサを屠る。それに激昂しキャシー同様ノヴァフォームと化したサテライザーとの戦いで、両腕を切断され、ノヴァの聖痕を引き千切られ、ついに止められた。そのまま自ら死を望んだものの、カズヤに説得され理性を取り戻したサテライザーに助けられた。(ガネッサも聖痕により奇跡的に蘇生した)
その後、両腕の再生治療を受け、Eパンドラ計画の招集にも応じるが、未だ小説家になる夢を諦めてはいない。Eパンドラ計画に対しては懐疑的だった。リミッターである恭一とは相思相愛となり、アラスカでサテライザー達と再会した時にはバカップルぶりを披露していた。(アニメ版では恭一の出番は少ないため、彼の告白を受けたかどうかは不明) Eパンドラ事件の時は、命の恩人であり信頼する仲間であるサテライザーに加勢。ユリアに挑む。
その後、ヴァルキリーを含んだ第13小隊メンバーとして、リミッターと共にウェスト・ゼネティックスに配属となる。
リミッターは水瀬恭一。ボルトウェポンは一対のブレード、原作では無名だったがアニメ版で「ファルシオン」という名称が付けられた。
水瀬 恭一(みなせ きょういち)
声 - 遠藤広之
2年生。16歳。出身国:日本。キャシーのリミッター。実直で優しい好漢。キャシーに告白するも、その日に起こった第10次ノヴァクラッシュにてキャシーの戦死を目の当たりにし、戦意喪失。アレックスに再洗礼を促され、キャシー以外の誰とも洗礼しないと反発するが、リミッターとしての義務を果たすことがパートナーの死を無駄にしない唯一の道だとアレックスに説得される。その後、生存していたキャシーに涙を流して抱きつき、再会を喜び合った。Eパンドラ研究所ではキャシーを助けてくれたサテライザーにお礼を言い、そのお返しに一命を捧げるとまで言いだしてしまう。(アニメ版ではノヴァとの戦闘以外かなり出番が少なく、キャシーに告白したかは不明)
ミレーナ=マリウス(Milena Marius)
声 - 大原さやか
4年生。18歳。イーストゼネティックスシュバリエ予備軍所属。キャシー=ロックハートの先輩。趣味はテニス。好物はフォンデュ
リミッターはアレックス。ボルトウェポンの名称は不明だが、ドリルランスの様な形状のウェポンである。第10次ノヴァクラッシュにおいてキャシー共々ノヴァに取り込まれ、後にウェストゼネティックスを襲撃する。サテライザーやアーネットをくぐり抜けて聖骸へ辿り着くも、待ち伏せていたシフォンとティシーによって倒され元に戻った。
アニメ版では、キャシーからは先生と呼ばれ、予備軍を含めた生徒達の指揮をしており、先輩というよりはキム=ユミやエリズのような教官のような立ち位置になっている。口調も男性的なものになっている。
アレックス=ブラウニング(Alex Browning)
3年生。17歳。ミレーナのリミッター。第10次ノヴァクラッシュにおいて恭一と同様自身もミレーナを失い、彼女を深く愛していたことを告白するも他のパンドラとの洗礼をする決意を示していた。
ネナ(Nena)
3年生。キャシーの友人で常にテンションが高い。リミッターはシャドニー。アニメ版でも一瞬だが登場する。
ジュン(jiune)
3年生。キャシーの友人。大人しめな印象。アニメ版でも一瞬だが登場する。
ブルックス=リーボン(Brooks Levon)
2年前のサテライザーの元リミッター。リミッターとしての能力は抜群でルックスも良かったらしく女子からも人気を集めていた。孤立していたサテライザーのリミッターを買って出たものの、サテライザーによりリミッターとして再起不能なほどに叩きのめされる。その一件でサテライザーは1年間の謹慎処分を受け、イーストからウェストに移された。アニメ版ではマーガレット校長の口から、後に無理強いした自分にも非があったと認めている事や、キャシーが戦って制止しなければ再起不能だけではすまなかっただろうという事なども語られている。

主要人物関係者

アオイ=カズハ
声 - 能登麻美子
カズヤの姉。非常に優秀なパンドラで、ハイエンドスキルの概念を生み出した。4年前の第8次ノヴァクラッシュにおいて、エリズらと共に戦い、英雄と称される程の活躍をしたが、激戦の中で命を落としてしまう。普通、聖痕は1人につき2~4個の熟成が限界だが、20個以上の聖痕を熟成させることの出来る聖痕体と呼ばれる存在。その体質は弟であるカズヤにもまた別の形で受け継がれていた。ちなみにカズヤは姉が聖痕体であることはまだ知らない。第13小隊演習時の第12次ノヴァクラッシュでカズヤ、サテライザー2人の前に幻のように現れ、光の粒を降らせて2人の傷を治癒したこともある。ボルトウェポンの名称は不明だが、形状はサテライザーのノヴァ・ブラッドに酷似したものである。
ハワード=エル・ブリジット(Howard el Bridget)
声 - 大友龍三郎
サテライザーの父で、世界的な大企業「エル・コーポレーション」の総帥。当初は冷徹な印象で描写されていたが、実際にはサテライザーのことを心から気にかけていた。Eパンドラ事件に際しては、自ら計画を影で支援していたにも関わらず、基地に査察を送るよう手配するなど親バカな一面もある。また、源吾の孫であるカズヤがサテライザーにつきまとってる事を余り心良く思っていないなど、普通の父親相応の感性も持ち合わせている。
若い頃はルイスに瓜二つで十代も超えない頃から当主としての貫禄と度量を持っていた。
バイオレット=エル=ブリジット(Violet el Bridget)
声 - 茅野愛衣
サテライザーの異母姉で、良き理解者。明るくさっぱりした性格。サテライザーに異常執着するルイスを危ぶみ、サテライザーに日本のゼネティックスへの進学を勧める。実の母親と弟がサテライザー母娘に非常に冷たかった事から、異母妹であるサテライザーを常に気にかけている。サテライザーの母親の危篤を彼女に伝えたのもまた彼女であった。現在は若くしてエル・コーポレーションの系列ホテルを任されるなど、財閥を担う人材としての道を歩んでいる模様。
ルイス=エル=ブリジット(Louis el Bridget)
声 - 野島健児真田アサミ(幼少)
16歳。ゼネティックスUK2年生で、ホーリーのリミッター。エル=ブリジット家の長男で、サテライザーにとっては異母弟にあたる。一見優しげな美少年だが、異常な独占欲と攻撃性を内に秘めている。
出会って後、陰で徐々にサテライザーに好意を見せ始めるが、姉弟であるがゆえに絶対結ばれないというその関係性を憎み、彼女を独占するために虐待を繰り返し、結果彼女にトラウマを植えつけることになった。
バリ島での再会に端を発するトラブルの終結後は、自分の叶わぬ恋に折り合いをつけサテライザーと和解、同時に、パートナーであるホーリーとの関係も持ち直す。
Eパンドラ事件ではホーリーと共に査察班に加わっている。
オリビア=エル=ブレジット
声 - 伊藤美紀
サテライザーの養母でバイオレットとルイスの生母。ハワードの正妻。ハワードの妾の子であったサテラを本家で預かって以降、毛嫌いしていた。現在は態度を改め、彼女を娘として扱い身を案じている。
ノエル=アロン=グラッチェ(Noel alon Grache)
声 - 天野由梨
サテライザーの実母でハワードの妾。オリビアから毛嫌いされていた。病を患ったことにより、娘のサテラ(当時9歳で旧姓名はサテライザー=アロン=グラッチェ)と共にエル=ブリジット家に引き取られた。自分が病の身で母娘で追い出されて娘が路頭に迷うことを恐れ、病状も重く心身も不安定な中、ルイスから虐待されているというサテラの訴えをかたくなに退ける。だがその後病で亡くなる際、過ちを認め娘に心から謝罪。自分が娘の生活を案じていたように、娘も自分の病身を案じてエル=ブリジット家での扱いに耐えていた事を知っており、もう互いを案じて何かを我慢する必要はなくなる、今後は誰にも負けず屈せず強く生きて欲しい、という願いを言い残して息を引き取る。これがサテライザーの「接触禁止の女王」と呼ばれるほどの精神を形作る大きな原因となった。
ルナ=リンチェン
ラナの姉。すでに故人。「ZERO」では彼女の生涯が描写された。都会に強い興味を抱き、クンルンの教えを尊ぶ一族の中で伝統を重んじるあまり、外界を拒絶する一族に嫌気がさしていた。その中で訪れたシュヴァリエの男性と恋に落ち、その子供を身ごもるがシュヴァリエの陰謀に乗せられた族長の一派によってその男性を殺されたことで暴走、族長派の者達を皆殺しにしてシュヴァリエが放ったパンドラ達を圧倒する。その後、同じく聖痕を持ったラナに自らを殺すことを願い、身ごもった子と共に命を絶たれた。
彼女の事件がきっかけで姉と同様に元々反抗的であったラナは伝統ばかりを重んじて個人の意志を蔑ろにする閉鎖的な一族に対して明確な異議を唱え、外界へと旅立つことになる。

外国のゼネティックス

ホーリー=ローズ(Holly Rose)
声 - 楠浩子
3年生。17歳。イギリスゼネティックス「UK」所属。同ゼネティックス学年順位1位。薄い青紫のロングヘアー。ルイスのパートナー。ルイスとサテライザーの関係を巡り、サテライザーに激しい嫉妬と憎悪を抱く。執念深さと残虐性はルイスに負けず劣らず。基本的にパンドラとリミッターのパートナー関係は、聖痕を介した力の関係や上級生・下級生の組み合わせゆえパンドラの方が立場が上になるが、彼女の場合はエル=ブリジット家の権力に怯えている事もあり、リミッターのルイスを場合によってはご主人様と呼んで彼に敬語を使い、逆にルイスはタメ口でホーリーを呼び捨てにし彼女に戦闘命令をする事もあるなど、立場が逆転してしまっている。ただし、ゼネティックス内では普通の先輩後輩の関係で通しており、またサテライザーに敗れ和解した後は、ルイスはホーリー先輩と呼び敬語を使っていた。
サテライザーに破れた後、ルイスとの関係もある程度の修復が見られた模様。
ボルトウェポンは複数のロングソードを操るホーミングソードエクスカリバー。遠距離攻撃可能なボルトウェポンだが、ミヤビ同様ハイエンドスキルを使用する際にはロングソード1本を手に直接斬りつける戦闘方法を取る。パンドラとしての実力は、所属学園内の序列で言えば化物のシフォンと同等なだけはあり、非常に高等なハイエンドスキルを駆使する。戦い方はアクセル系を主としたもので、スタートダブルアクセルに加えトリプルアクセルも使える。アニメ版においては過去にワールドカーニバルにおいてエリザベスと手合せした事がある。勝敗は不明だが3年生世界最強の5人に次ぐ実力を持つとされるエリザベスからは格上視されており、世界のトップランカー達の中でもその実力は高い模様。
アンナ=パーカー(Anna Parker)
声 - 飯塚麻結
イギリスゼネティックス「UK」所属。Eパンドラ計画のために各国から選出された精鋭パンドラの1人。
Eパンドラとの模擬戦を見たサテラには、強いがホーリーと比べると特別って程ではないと評されている。
ロックサンヌ=エリプトン(Roxanne Elipton)
声 - 寺川愛美
3年生。17歳。アメリカゼネティックス「US」所属。同ゼネティックス学年順位1位。「不死身」の異名を持つ。全ゼネティックス3年の最強5人の一人。気さくでお茶目な一面を見せるが、同時に他のパンドラを諌めつつ場の空気を明るくする姉御肌。また、理知的な面を覗かせ、リミッターやEパンドラ達も含め自分達をノヴァによって狂った世界の犠牲者達と称している。日本ウェストゼネティックスのシフォンとは面識がある。アニメではEパンドラをあからさまに見下すなど不遜な面が強調されている。
その後、ヴァルキリーを含んだ第13小隊メンバーとしてウェスト・ゼネティックスに配属となる。
能力にちなんで、シャルルから「ゾンビ女」「アンデッド」などと呼ばれている。
リミッターはハン=シジン。
シャルル=ボナパルト(Charles Bonaparte)
声 - 山口立花子
3年生。17歳。フランスゼネティックス「L.D.T」所属。同ゼネティックス学年順位1位。全ゼネティックス3年の最強の5人の一人。10人もの分身を繰り出し、「テンペストの鳳雛」の異名を持つ。あどけない容姿とは裏腹に現実的かつ割り切った思考をする。態度は尊大かつ不敵。一人称は「ボク」。音楽を聴きながら闘い、曲のジャンルによって攻撃系統が変わる。8~10体を維持できる程のテンペストを使え、また数の割には質量が大きく、通常のフリージングでは止めきれない程。だが、さすがにその数で攻撃を行う際にはある程度攻撃がパターン化するらしく、またスピード自体はそれ程無いようで、高速で動ける相手が弱点となる。
Eパンドラ計画については大のため小を犠牲にするのはやむを得ず、軍所属として判断はシュバリエに委ねると割り切っているため、計画に懐疑的なエリザベスやロックサンヌとは若干の対立が見られる。だが、暴走したEパンドラ・ジーナをやむを得ず殺害してしまったことには心を痛めていた。Eパンドラ事件時、シュバリエへの反逆を起こしたサテライザー達に怒りを見せ、エリザベスと交戦、アンドレの捨て身の行動により敗北。
実はEパンドラ計画最高統括者スペンサーの養女。悲惨な幼少時に彼に拾われ、高い適合率にも関わらずパンドラにもされずに優しく育てられていた。(スペンサーに、大切な人がノヴァ戦争に命を捧げた過去があったため) Eパンドラと変わらない浮浪児という悲惨な環境の出自のため、弱者たちの弱さゆえの悪性や愚かさも身を持って知っており、さらに「弱者だから正しいとは限らない。一部の弱者を犠牲をする行為が、世界中の弱者を救う必要悪となることもある。その為自分が悪役とならねばならないなら引き受ける」と言う義父スペンサーを熱く支持している。それらがEパンドラに単純に同情しなかった理由だった。義父がそうした苦渋と共にEパンドラ計画責任者就任を受諾したのを知り、たった一人でも娘の自分がその支えになりたいと、自らパンドラとなることに志願していた。
その後、ヴァルキリーを含んだ第13小隊メンバーとして、リミッターと共にウェスト・ゼネティックスに配属となる。だが前回の事件のわだかまりで周りにとけ込むことができず、素っ気ない態度をとってしまう。しかも、アティアとエリザベスの件での口論から衝突、半死半生にしてしまい、アーネットたちウェスト校生と第13小隊との衝突まで引き起こしてしまう。
小柄な少女で、常にヘッドフォンをつけている。その幼児体型のためか、ロックサンヌからは「ハーフリングのガキ」とからかわれる。家の愛犬の名前はバストである。
リミッターはシトロエン。ボルトウェポンはビブラート・ヘル。
ユリア=ムンベルク(Julia Munberk)
声 - 東城日沙子
3年生。17歳。ドイツゼネティックス「パンジャ」所属。同ゼネティックス学年順位1位。全ゼネティックス3年の最強の5人の一人。ソニックウェーブという遠距離衝撃波であらゆる方向からの攻撃を可能とし、「異端児」の異名を持つ。また高度なテンペストターンを使用し、近・遠距離両面で隙のない戦闘を展開する。さらにSSSタイプのボルトウェポンを使用することでマッハ3のソニックウェーブを瞬時に全方位に展開し、ほぼ完全に近い防御を行う。
性格は無表情無感情で、ただ任務だけをこなす機械のような女性である。反逆したEパンドラ達の処分命令が下り、その実行中にサテライザーとラナの妨害を受けたが、2人がかりでかかられても彼女に攻撃する事は不可能であった。その後サテライザーに同意するキャシーが代わりに戦闘に入り、彼女と戦う。高度なテンペストを駆使するとはいえ、テンペストだけではトリプル以上のアクセルには対応しきれず、本人曰くクワトロ・フルアクセルにもなれば100%回避不能との事だが、マッハ3のソニックウェーブを全方位展開する事でそれを補いキャシーの片腕を切断する。しかしキャシーが独自に習得した聖痕増幅によってそれも正面から突破され懐に潜り込まれ自身も片腕を切断される。しかしその後ノヴァが出現した事により戦闘を中断した。事前に他パンドラの戦闘タイプやその弱点を調べつくしているようだが実戦経験は浅く、良くも悪くもデータだけに頼った戦いをするため、そこをキャシーに指摘されている。アニメではキャシーに無言で抱きついて3サイズを言い当て、戦闘中にもキャシーに変態的に迫るなど、不思議・変態系キャラになっている。
ジョン=アラ(鄭 雅羅)
声 - 貴島綾子
韓国ゼネティックス「サウスノース」所属。Eパンドラ計画のために各国から選出された精鋭パンドラの1人。

Eパンドラ計画関係者

アミリア=エヴァンス(Amelia Evans)
声 - 三森すずこ
第1期Eパンドラのリーダー格。他のEパンドラ達とは違いボルトウェポンを具現化でき、本物のパンドラと比べると負担が大きく使用回数制限がつくもののダブルアクセルも使用可能。生い立ちや境遇を恨むことなく前向きであり、Eパンドラとしての自分や仲間への誇りを持っている(時にそれが正規のパンドラへの、嫉妬や敵意とも取れる感情へと繋がる)。弟が一人いる。
努力家で仲間思い。仲間のためには自己犠牲をも厭わない。逆に仲間の危険に対しては強く反発する。Eパンドラ強化用のナノマシン“マークIV”の前身である“マークIII”の投与実験を受け、それが失敗作だった事により一度瀕死となった事がある。アニメ版では、元々髪色は赤だったがその副作用で前髪一房を除いて白髪となったという描写がある。暴走するジーナの言葉を聞き、しかも本部から自分達は消耗品であることを知り、仲間たちと共に「Eパンドラ計画の実態公表」のための脱走を企てる。サテライザーやエリザベスの助力を受け証拠のある研究室まで到達するも、そこで計画の真実を知り絶望、マリアのクローン達を取り込み新種のノヴァと化し、シフォンと戦う。最終的にシフォンの犠牲により元の姿に戻った。(アニメではEパンドラ唯一の生き残りとなる) その後、パンドラとして復帰し、大原の傍に付き彼女の世話をしているが、その理由は聖痕の調整を受け「Eパンドラが失敗作でないことを証明する」こと、そして、「自分たちを利用した挙句に無力になった大原をずっと見下し続ける」ためである。
ジーナ=パープルトン(Gina Papleton)
声 - 橘田いずみ
アミリアと同じく、Eパンドラの一人。過去、両親に金で売られたという悲しい思い出を持ち、そういった惨めな生活と決別したいため、Eパンドラ計画に参加した。Eパンドラ強化用の改良されたナノマシン“マークIV”の被検体に志願し、アミリアと同じくボルトウェポンを具現化(アニメ版では棒状)するなどパワーアップする(アニメ版では、マークⅣのデータに採用された正規のパンドラはサテライザーで、その事に関して本人に礼を述べていた)。だが結果、ノヴァフォームで暴走状態となり、駆けつけたシャルルとの戦闘により脳天から斬られ死亡。その死は隠蔽され、エリザベスのEパンドラ計画への反発へと繋がってゆく。
暴走状態のノヴァフォームとなった際の戦闘力はエリザベスを圧倒するだけでなく、シャルルが全力を出し尚かつ殺さなければ止められないほどであった。
ラトル(Rattle)
声 - 桑原由気
Eパンドラの一人。黒髪に褐色の肌と東南アジア系の容姿をしている。非常に貧しい階層の出身らしく、「飢えずに済む」という理由でEパンドラに志願した。悲惨な境遇で育ったにもかかわらず性格は天真爛漫で素直。しかしジーナの死後、自分達の置かれた立場を自覚し、仲間達とマークIVを投与。全力で正規のパンドラ達と戦うという道を選ぶ。最終的に仲間たちもろともシュバリエに鎮圧されるが、力尽きる寸前にノヴァ化したアミリアの気配を感じていた。その後、他のEパンドラたちとともにシフォンの力で一命を取り留めている。 アニメ版ではパンドラに敬語を使い、Eパンドラの仲間に対しても遠慮がちな態度で振る舞うなど、大人しめの設定になっている。
スカーレット=大原
声 - 雪野五月
「Eパンドラ計画」の最高責任者。研究者としてカズヤの祖父であるアオイ=源吾とも関わっていた。黒髪をポニーテールに結っている。(アニメ版では髪は赤で結っていない。)
人類のためを第一として、冷徹な振る舞いをも押し通す。本音としては協力しているEパンドラ達を大切に思っているものの、感情を押し殺し、公にすることはない。
アミリアのノヴァ化に伴う施設崩落の際、車椅子生活を余儀なくされるほどの大怪我を負う。その後隠居生活を送っていたが、レジェンドスティグマの鋳造のため源吾に招かれる。当初は協力を渋っていたものの、マリアから知識を授けられたことで源吾のこれまでの苦悩を知り、協力を決意する。

シュバリエ

マークス・スペンサー(Marks Spencer)
声 - 松山鷹志
シュバリエの実力者で、「Eパンドラ計画」を統括している。冷酷かつ非情な判断を下し、Eパンドラ個人の命よりも計画の遂行を第一としている。その一方で、Eパンドラ達の反乱の報告を聞き苦悩の表情を見せたり、シャルルに対し「誰かは悪役を背負ってでもやらねばならないこと」と告げるなど、ただの冷酷な上層部員ではない一面も見せた。Eパンドラ達が研究所内で暴動を起こした事を知り、彼女達を追い込み過ぎたと後悔する。その後、アミリアがノヴァ化したと同時に二体のノヴァが出現する事態に見舞われ呆然とする中、アオイ=源吾率いるシュバリエの査察班に指揮系統を奪われ査察班に加わっていたルイスとホーリーに拘束される。
シャルルは養女であり、「同じ匂いがする」と言って浮浪児だった彼女を拾って優しく育てていた。実は彼自身貧しく悲惨な幼少時を過ごし、さらにヒルダという大切な人(妹か)がノヴァ戦争に命を捧げた過去を持っている描写がある。それもあって、高い適合率にも関わらず娘シャルルをパンドラにするのを躊躇していた。だが、Eパンドラという危険な計画の統括者への就任要請を「弱者だから正しいとは限らない。一部の弱者を犠牲をする行為が、世界中の弱者を救う必要悪となることもある。その為自分が悪役とならねばならないなら引き受ける」と苦渋しながらも受諾した、とシャルルに告げた際、父さんを信じる、父さんを支えるためにパンドラになる、と言う娘の熱い思いを押しとどめることはできなかった。ストーリー上、弱者を犠牲にする強者という役どころでありながら、実はもう1サイドの弱者でもあった、という人物。
アニー(any)
シュバリエ所属のパンドラで階級は少尉。リミッターはベントリー。Eパンドラ反乱の際に反乱に加担したサテライザー、ラナと遭遇し交戦。2年生ながらシュバリエ所属の自分達を圧倒するラナとサテラを優秀と評するも、戦闘中にもかかわらずラナが話し合いを持ちかけた事でその評価を変える。後にサテライザーがシフォンを足止めをしてる間に単独で大原の研究室に向かったアミリアと交戦。現役シュバリエの少尉だけあってトリプル・アクセルまで使用出来る程の実力を有するが、ノヴァ化を促進させたアミリアには通じず倒される。
笹神 弘一郎(ささがみ こういちろう)
第10次ノヴァクラッシュにおける最初のノヴァ出現地横浜での、当地域作戦司令官。制服軍人。横浜臨時作戦指揮室で、シュバリエや、イーストゼネティックス、応援のウェストゼネティックスなどの部隊の総指揮を執っていた。ノヴァ4体同時出現、侵蝕融合など、ノヴァの初めて見せる行動パターンに驚愕していた。結果、4体中2体のノヴァが撃破され、2体が行方をくらます事になる。アニメには未登場。

ヴァルキリー

天上院 桜花(てんじょういん おうか)
カズヤの同い年の従妹。ヴァルキリー日本代表「桜花=ホンダ」としてヴァルキリー計画に参加する。デモ戦闘ではオクタプル(8重、8倍)・タキオン・アクセルというサテライザーたちも驚く加速スキルと、フィニッシャーとしての絶大な破壊力を見せた。
同い年だがカズヤを「お兄様」「カズ兄」と呼ぶ。カズヤの許嫁でもあり、サテライザーをライバル視している。本心ではカズヤに好意を抱いているが、図星をつかれると天邪鬼的に反対の言葉を叩きつけ、どんどん言うことが前後矛盾しておかしくなってゆくという難儀な性格。(例:「本当に私が嫉妬しているなら」「この女をここまで目ざわりに思うわけがないでしょう!!」など)
ヴァルキリー計画に参加したのは、カズヤの姉カズハの、もし自分が消えてもカズヤを一人ぼっちにしないで支えて欲しいという遺言を果たすためである。
使用武器は、巨大なブレード。デモンストレーションでダミーノヴァを一撃で破砕するほどの威力である。
ティチアナ=フェラーリ
イタリア代表。チーム内では年長者だが、かなり内気な性格をしている。
使用武器は、SSS(スティグマ・サテライト・システム)と似たような物を使用。遠距離での攻撃を可能とする。
クリスティン=エヴォーラ
イギリス代表。勝気な性格で、サテライザーや世界5強メンバーを威嚇する発言をするほど。
アクセルターンと同じ加速スキル、パンドラ達をも驚愕させるタキオン・アクセルで、高速格闘戦を行う。
使用武器は、ガントレット。
フランカ=ポルシェ
ドイツ代表。メガネッ娘で、フレンドリーな少女。アオイ博士の孫であるカズヤにはかなり興味を持っていて、いろいろと調べたいとまで言い出す。聖痕体についても知っており、カズヤの体の秘密を他メンバーにレクチャーする。
使用武器は、両手両足に装着されている武装で、宙に浮いて上空からの攻撃も可能な、シフォン会長のアンチ・ノヴァを模したような装備。

レジェンドパンドラ

カサンドラ
究極の対ノヴァ戦闘兵士レジェンドパンドラの№1。
無表情で無口。長年、アオイ=源吾の別荘と思われる地下で眠っていたが、パンドラ式と人形式のノヴァ撃滅のために眠りから目覚め、ボルトウェポンから発せられる強力なエネルギー砲で大量の人形式を一掃する。戦いが終った後、外のレジェンドパンドラ達と共にカズヤ達の前に現われ、カズヤを見るたび抱きしめる。源吾の話によると、カズヤの父親=隆一と姉弟にあたり、カズヤの伯母に当たる。そして、赤ん坊だったカズヤを2歳まで育ててくれた育ての親でもあった。
テスラド
究極の対ノヴァ戦闘兵士レジェンドパンドラの№2。
カサンドラと同じく、無口無表情な女性…であるが、その度合いはカサンドラ以上であり、現時点でセリフらしいセリフが全くない。双剣型のボルトウェポンを使用。目にも止まらない動きで複数の人形型ノヴァを撃退するだけでなく、刃から発するエネルギーの刃で多くの人形型を一掃していく。
ウィンディメイ
究極の対ノヴァ戦闘兵士レジェンドパンドラの№3。
カサンドラやテスラドとは違い、笑顔を見せ、無邪気な子供のような性格をしている。巨大ハンマー型のボルトウェポンを使用。何びとも適わなかったパンドラ式を一撃で倒すという桁外れの攻撃力を見せる。さらに光の粒を降らせ、腕を落とされるなどの深手を負っていたサテライザー、ラナ、アーネット、シャルルの傷を癒したり、命を落としたロックサンヌを蘇生させるという治癒能力も見せている。カズヤの事を家族だと言い、カサンドラの事をお姉ちゃんと呼んでいる。
ルシー
究極の対ノヴァ戦闘兵士レジェンドパンドラの№4。
フランス代表のヴァルキリー「ルシー=ルノー」として参戦してきた。桜花の話によれば、アオイ博士の権限でヴァルキリー計画に編入してきた規格外の訓練生との事。しかも、シフォンと同じイリュージョンターンのようなハイエンドスキルを使いこなしている。合同演習での第12次ノヴァクラッシュが起きるまでは、ただのヴァルキリーとして行動していたが、ノヴァ“人形式”に苦戦を強いられているクリスティンを助けた時に、自分のレジェンドパンドラとしての力を解放。戦闘終了後は、レジェンドパンドラの一員として行動している。カズヤの事を気にかけてくれているのか、夜に外でカズヤと話をし、自分達は姉妹だと口にし、しかも口付けで自分の記憶をカズヤに流し込もうともする。真実を知り苦しむカズヤの前にも現われ、感情を表に出さないもののカズヤの事を想ってくれている。
シフォン
ウェストゼネティックス3年の元生徒会長。その正体は対ノヴァ戦闘兵士レジェンドパンドラの№5であった。

その他

アオイ=源吾
声 - 斧アツシ
カズヤとカズハの祖父にして、パンドラのシステムを確立させた研究者であり、シュバリエ総司令部ノヴァ専任顧問。かつて、大原が聖骸マリア=ランスロットのゲノムを解析し必要以上の物を求ようとしている姿勢に対して「そういう欲望がノヴァと言う脅威を招き寄せた」と苦言を呈するなど思慮深い人格を思わせる。だが大原が指摘したように、実はマリアに対して特別な想い入れを抱いているゆえである節も多分に見受けられる。自分の意に反してEパンドラ計画がシュバリエに承認された時に、人類に混沌がもたらされないよう心中で個人的にマリアに祈る描写からもそれが窺い知れる。
Eパンドラの反乱事件では自らシュバリエの査察班を率いてアラスカ研究所へと乗り込み、事態の収拾にあたる。その際とうとうノヴァを自らの手で生みだした人類の業に「愚かな」とつぶやいていた。
Eパンドラの事件が終結した後、源吾独自に水面下で開発を進めていたヴァルキリーをウエスト校に派遣し、世界に初公開。彼女たちにはさらにパンドラにも伝えていない新技術プラズマテクスチャーを与えている。そしてノヴァ人形式、パンドラ式に対抗する為、誰にも知られていなかったレジェンドパンドラを出動させるに及んで、源吾個人で秘匿している情報と計画が多数ある事が明らかになり、シュバリエ上層部からは強烈な不信感を抱かれた。しかし本人は人類の行く末のみを見据え、自分への干渉に手を打ちながらむしろシュバリエからの独立性を強め、独自の計画を突き進んで行く。
マリア=ランスロットと初めて邂逅した人間であり、実は、彼女を女性として愛し、カズヤとカズハの父であるアオイ=隆一を産ませた男。本当はマリアとの接触で人類の決められた運命「終末」「来るべき時」のすべてを知って絶望しているものの、それを他の人類には秘匿してただ一人抱え込み、人類の抗い、足掻きとして新たなパンドラ技術の開発を続けている模様。
テレビアニメではマーガレットからの「やはり、聖痕は諸刃の剣なのでは」と言う諫言に対し「諸刃の剣だからこそ、より強力なパンドラが生み出せる」と返すなど冷徹さを感じさせる面も見せていた。
イ=スナ
声 - 斎藤楓子
現役シュバリエ最強、つまり世界最強のパンドラ。普段は温厚な人格者だが戦闘の際には挑発的で好戦的に振る舞う。オフの時は源吾のハウスメイドをして家事を担当している。(きちんとメイドの月給も取っている)
母親的な立場から、Eパンドラ計画には反対の意思を示している。Eパンドラのクーデター騒動時に源吾と共に事態の収拾を図る為に派遣され、さらにはアラスカに出現したノヴァを迎え撃つパンドラ達の指揮も執る。指揮の際には他の小隊長とは異なりデコイ等と言った作戦ポジションは指示せず各パンドラの自由意志によって戦闘をさせる方法を取る。本人曰く「デコイなんて回りくどい事はしない」。
ヴァルキリー公開直後、新設の第13小隊隊長に就任し、ヴァルキリー、サテライザーら所属隊員の指揮と指導にあたる。
マリア=ランスロット (Maria Lancelot)
全てのパンドラの原点となった人物。マリアがその身に宿していた聖痕を量産、女性に移植することでパンドラは作り出されている。
現在はウェストゼネティックスの地下施設「レベンスボルン・ヌクレオチド」の地下12階に聖骸として安置されているが、実際は「聖骸」ではなく、未だ存命している。
実は源吾が生涯でただ一人愛した女性でもあり、カズヤやカズハにとっては祖母にあたる。

用語

パンドラとリミッター

パンドラ
異次元体ノヴァと戦う少女達。一般人とは異なり、驚異的な身体能力、回復能力を持つ。何よりの違いは聖痕と呼ばれる組織との適合性を持っている点である。
「聖痕」の欠片を一定期間肉体組織で熟成させることで対ノヴァ兵装ボルトウェポンが作り出せるようになる。
多くはゼネティックスと呼ばれる学園でパンドラとしての基礎を磨き、やがてシュバリエという組織で対ノヴァの戦力として従事していく。
リミッター
パンドラと洗礼を行い、パンドラの対となる存在。イレインバーセットによって、対象の動きを制限・拘束するフリージングという能力を使えるほか、敵のフリージング領域を中和するなど、パートナーのパンドラを後方から支援する役割を担う。本来は、パンドラがパンドラモードを使用しなくともフリージング領域内での戦闘を可能にすることで、パンドラへの負荷を軽減し、パンドラの暴走を防止する事を目的としたシステムである。すなわち、過度の戦闘負荷によるパンドラのノヴァ化を押さえ込む為に設けられた、肉体的、精神的な最終安全装置(リミッター)ともいえる。
基本的に、パンドラと最も相性が良いのは年下の男性であるとされる。両者の関係が、「お姉様と弟」と呼ばれるゆえん。
聖痕
パンドラやリミッターの能力の根源と思われる細胞組織。パンドラの産みの親であるマリア=ランスロットが宿していた聖痕の量産物が現在の聖痕。
この組織細胞があるおかげでパンドラには自己修復(復元)再生能力が付加され、出血の停止、身体の一部の欠損部位の再生、内臓等臓器の再生を可能としている。ただし、あくまでも補助的な機能であり、あまりにも重傷(身体の半分が消失等)だと自己再生能力が追いつかず、リカバリーセンター等で人工的に細胞分裂を極端に促進させて回復せねばならず、寿命を縮めてしまう。
ノヴァコアと同質のモノと推測されている。
パンドラの適合者はこれを体内に埋め込んで熟成させる(描写から見るに背中が多い様子)。許容量は一般的に2個から4個で、6個も埋め込められればかなり優秀とされる。
聖骸
パンドラ誕生の元となった人物マリア=ランスロットの遺骸。聖痕物質は聖骸から取り出され、パンドラへと移植されていた。
英痕
アオイ=カズハの遺体から摘出された特別な聖痕。他のパンドラに移植され、そのいずれもが高い実力を持つことで知られている。
現在所在が確認されている英痕は以下の14個。
サテライザー=エル=ブリジット(6:適合率5%)
キャシー=ロックハート(3:適合率90%)
シャルル=ボナパルト(2:適合率48%)
ユリア=ムンベルク(2:適合率36%)
ロックサンヌ=エリプトン(1:適合率29%)
イレインバーセット
イレインバー (EREINBAR) とはニューロン(神経細胞)よりもさらに深くから五感をコントロールする未知の感覚器官。
聖痕を介してイレインバーを共有し、パンドラとリミッターの感覚を一体化させる作業がイレインバーセット。連続使用も可能だが、1回のイレインバーセットの制限時間は2分と短い。
男性は独自に体の中の聖痕能力を発現させられないため、フリージングを発動させるにはこの過程が必須。
アオイ=カズヤの場合は、フリージングを展開するだけで、強制的に複数のパンドラ達とイレインバーセットできる。
洗礼
聖痕の授受。パンドラの体内で1年以上熟成させた聖痕の欠片をパートナーのリミッターに与え、再移植すること。この一連の行為を行って初めてイレインバーセットおよびフリージングが可能となる。

技能、能力

フリージング
ノヴァやリミッターの持つ能力。イレインバーセット状態になったリミッターが周囲のノヴァ、人間(パンドラ、リミッター)の行動を制限する領域を展開、対象に照射することにより、拘束する。または相手のフリージングに対し、フリージングを逆にぶつけて破壊することにより、限定的な空間ながらも制限領域を中和し、味方の行動を可能とする。通常、中和は対のパンドラのみ、拘束は1 - 2名、多くても3名までが限界領域である。
強度は距離によって変動し、直接接触ならば90%、領域展開ならば30% - 60%程度の行動制限が行なえる。もっとも、これは平均的な数値であるため、使用者の技量次第で変動する。
パンドラモード
実戦戦闘形態ボルトテクスチャー。己の意思で聖痕組織を活性化させてボルト組織をノヴァ組織へ強制進化させ、一時的ではあるものの身体をノヴァ化させるシステム。全身を覆う鎧状にボルトテクスチャーを組み替え、ボルトウェポンを対ノヴァ特化兵装ノヴァウェポンに変化させる。この時全身を覆う鎧状のボルトテクスチャーはノヴァ化の限界点をコントロールする役目を担っており、限定的な時間(3分間)であれば身体能力の劇的な向上、フリージング領域内における自身へのフリージングの中和を可能とする。ただし連続使用は出来ず、制限時間を越えると肉体が完全にノヴァ化し、崩壊するといった危険性を伴うシステムでもある。
リミッターのサポートを受けられない時の(対ノヴァ戦時における)緊急システムであり、同時にこのシステムの使用は本人への負荷が極大になる為、余程の事が無い限りは起動しない(できない)。
アニメでは全身鎧ではなく、手首足首に光輪が浮かび、全身を光が包むという発現方式に変更されている。後に原作にもそれが取り入れられ、英痕を持つ限られたパンドラにテストとして実装されたバイタルシグナルタイプの“新型パンドラモード”として登場している。
ゼネティックス2年生(の一部)の試験運用モード、3年生の通常・新型の、複数のモードが確認されている。
ノヴァフォーム
様々な要因(過干渉、ノヴァによる促進等)により聖痕が暴走し聖痕から突起物が出現、肉体と精神がノヴァ化する現象。第8次ノヴァクラッシュでアオイ=カズハが初めて引き起こし、シュバリエ首脳部を大混乱に陥らせた。この事件が各個人の聖痕の移植数を制限するきっかけとなった。
第10次ノヴァクラッシュでは、イーストゼネティックに所属する多数のパンドラがノヴァに取り込まれ、聖痕を身体に埋め込まれて強制的にノヴァフォーム化させられ、洗脳されてノヴァの操り人形と化してしまった。この時のノヴァフォーム化は、リミッター無しでフリージングを中和したり、身体の切断部位の自己再生能力や、ノヴァが使用するような光線が放てるようになる等、通常時には使えない能力が使用できるようになったが、後の登場人物の台詞などでは、完全なノヴァフォームでは無く総合的な戦闘力は通常時より劣るかのようにも言われている。
完全にノヴァ化したノヴァフォームは戦闘力そのものが大幅に上昇し、リミッターのフリージングが全く効かない等の特性をも持つ。元々一般人だったジーナですらエリザベスを圧倒し、シャルルをも苦戦させるほどで、サテライザーに至ってはシフォンやキャシーをも圧倒する事もあるほどの力を見せた。
ハイエンドスキル
対ノヴァ用にアオイ=カズハが実戦から編み出した複合型の高等戦闘技術。学習するのは3年生になってからが普通である。
代表的なのはアクセルターンやテンペストターン。シフォンが使用するイリュージョンターンも存在する。ユリアのソニックウェーブといったハイエンドスキルに該当しそうなものも存在するが、現時点ではこれがハイエンドスキルだとは明言されてはいない。
加速
ハイエンドスキルの1つだが、その代表に挙げられる程に知られているハイエンドスキル。アクセルターン(アクセル系)とテンペストターン(テンペスト系)があり、どちらも限界まで引き上げた身体への負担を力に変換し、前者は移動速度に、後者は攻撃速度に特化させたスキル。なお、テンペストターンについては、分身と表記される事もある。
アクセル系
アクセルターンの基本は負荷を爆発的なまでの移動速度に変換し、多角的な空間移動で自由自在に動き回り対象にヒット&アウェイを行うというもの。それ故に攻撃の基本は単発。加速度が同じか、もしくは相手の方が早ければ攻撃は簡単に防がれてしまうが、自分よりも遅ければ流れるような連打も可能な為、圧倒的なまでの優位性を誇る事ができる。また速い動きを利用する事で疑似的にテンペストターンのような分身を作り出すことも可能。だがこれはかなり高等なハイエンドスキルのようで現時点ではサテライザーとキャシー(アニメ版)しか使用していない。
加速(アクセルターン、もしくはシングルアクセルと呼ばれる)、2重加速(ダブルアクセル)、3重加速(トリプルアクセル)、4重加速(クワトロフルアクセル)がある。サテライザーやアーネット、キャシー、ホーリーはこれに特化しているタイプのパンドラである。4重加速時の速さはマッハ2で現在はこれを超えるアクセルターンは確認はされていないとの事だが、ユリアとの戦闘でキャシーが聖痕増幅を併用したキャシーはマッハ3を超えるというアクセルターンの限界速度を遥かに上回る速さを見せた。さらにウェスト演習戦でノヴァの精神浸食を乗り越え覚醒したサテライザーが、5重、6重をも超える“光速アクセル”を見せている。
テンペスト系
テンペストターンの基本は負荷を分身に変換して1度の攻撃速度(=回数)を増やすというもの。多方向同時攻撃が可能で、その手数(分身数)が増えれば増えるほど防御も回避も困難になる。速度こそアクセル系に到底及ばないが、1対多の状況を自ら容易に作り出せるが故に、対個人戦においては無類の強さを発揮する。アクセルと違い、分身1つ増えるごとに呼び名は変わらないが、世界最高のテンペスト使いシャルルのそれは“テュポン・テンペスト”と呼ばれている。取得者は最低でも3人以上になる分身を出せる模様。ラナやイングリッド、クレオ、シャルルはこれに特化しているタイプのパンドラである。
スティグマ・サテライト・システム(SSS)
ボルトウェポンのタイプの一つで、遠隔攻撃を可能とする。またSSSも複数種類あり、現在はエリザベスの集束光線とユリアの音速波動(ソニックウェーブ)が確認されている。
攻撃のみならず、防御的に運用することも可能で、自身の周囲に攻撃を張り巡らせることで敵の接近を防ぐことができる。ユリアがキャシーに対し展開したディヴィジョンウェーブと、エリザベスがシャルルに対したディヴィジョン・シャワーがそれにあたる。その他、エリザベスのSSSはバリアを展開する事ができ、第10次ではノヴァフォーム化したパンドラの攻撃を弾いている。しかし、いずれも完璧な防御ではなく、SSSの攻撃より素早い相手には対応できず、バリアも大火力の前では維持できない。
攻撃面においても、エリザベスのSSSは高い攻撃力と精密射撃が可能な一方、狙いをつけるための隙があり、衛星を介した演算抜きでは精密射撃に限界があるという弱点を持つ。
聖痕体
通常よりも特別に聖痕とのシンクロ率が高い特異体質者。聖痕体パンドラだったカズハは普通は2~4個の聖痕を20個以上体で熟成できた。また、カズヤは骨格の30%が聖痕組織という生まれながらの聖痕体。
作戦ポジション
オールラウンダー:全ポジショニングのカバー(代行も可能)、時として小隊の指揮を執る。作中ではシフォンやラナ、イーストのミレーナが担当し、ミレーナは第10次において部隊指揮を執る姿が見られた。
デコイ:ノヴァの攻撃を誘導、攪乱させ隙を作るポジション。
ストライカー:ノヴァの装甲を直接攻撃、破壊しコアを露出させるポジション。作中では破壊力に長けたパンドラであるエリザベスや、イーストのネナ、ジュンが担当していた。
フィニッシャー:露出したコアに決定的な攻撃を加えるポジション。作中ではサテライザー、イーストのキャシーが担当した。
防御機能(バリアシステム)
対ノヴァ新装備。英痕を持つ限られたパンドラにのみ新型パンドラモードがテストで実装されており、それに付随していた新機能。持ち主の1人はシャルル。

ゼネティックスとシュバリエ

ゼネティックス
異次元体対応作戦学校。ノヴァに対抗する戦士の育成機関。
全寮制の4年制。4年生はシュバリエ予備軍とみなされる為、実質は3年生が中心となって各々のゼネティックスの生徒達を管理している。
日本においてはカズヤたちの所属する「ウェストゼネティックス」と「イーストゼネティックス」があり、また世界の国々でも存在が確認されている。
ゼネティックス生徒=軍属という扱いになっているためか、在校生徒は学費を含む殆どの個人的な金銭負担は免除されている。また世間一般的には「救世主」として扱われるためか寮の設備などは非常に豪華で、内装は一流ホテル並である。学食も一流ホテル並みの豪華な無料のビュッフェだが、多くの生徒は学食内に出店している有料のバーガークイーン(実在するアメリカのハンバーガーチェーン店バーガーキングのパロディ)に群がる。サテライザーもバーガークイーン派で、大量のハンバーガーを昼食にしている。
性別による特性から考えて、女子生徒=パンドラ、男子生徒=リミッターと解釈される。
学年は即ち軍の上下関係に等しいとされ、下級生が上級生に歯向かうことは、規則に明記されてこそいないが、暗黙の了解として認められていない。上級生による反抗的な下級生への制裁も常態化している様子。
ノヴァとの実戦への出動命令が下されるのは最上級の4年生のみとなっているが、実戦参加命令さえ下されれば下級生でもノヴァとの戦闘の参加が認められる。
カーニバル
リミッターを排し、パンドラ個人の純粋な完成度を相対的に判断する為の、1対多による公式の集団模擬戦闘大会。実戦を想定しているため、地形の利用はもちろんの事、罠や妨害、戦闘によって変化する周辺状況の利用、天候を利用しての不意打ち、上位ランカーへの集団での攻撃等あらゆる行為を認めている。カーニバルでの序列がそのまま個人の強さの序列となる為、上位に行くほどパンドラとして優秀と認められる。
初部屋入り
パンドラの先輩が自分のリミッターを選んだ後、自分の部屋に1日招くしきたり。一晩中話し合ったり遊んだりすることで、互いの距離と絆を深める。“弟”に対する一種のサービス。
シュバリエ
意味は「騎士」。対異次元体軍部組織。ゼネティックスの上位組織で、ゼネティックスを卒業したパンドラ達が所属する軍。王侯貴族や軍事複合企業体等が資金援助を行い、緊密な関係を築いている。総司令部はアメリカ・グランドキャニオンにある。
Eパンドラ計画
正式名称「エボリューション・パンドラ」。聖痕適合率が低く本来パンドラには不適な女子を、投薬実験などの人為的処置により通常のパンドラ以上の戦闘能力を持つパンドラに改造する計画。実験対象となるEパンドラにはそれぞれ様々な事情(生活や家族への資金提供、刑罰との引き換えなど)があり、実験参加時に厳しい規約が課されている。
その本来の目的は、「マリア=ランスロットのクローン量産計画」を隠すための隠れ蓑に過ぎず、実験は最初から失敗することが前提のものだった。

特殊なパンドラ

ヴァルキリー
Eパンドラとは全く別に、アオイ=源吾が“新世代パンドラ”として個人で極秘に進めていた、聖痕適合者では無い一般人をパンドラ化する計画。装備した機械が聖痕を使い捨てで消費することで、一般人でも聖痕の力を使いパンドラとして超人的能力を発揮できる。破壊力、速度、そして重力制御での移動など、パンドラをも驚愕させる性能を見せ、さらにパンドラのボルトウェポン、ボルトテクスチャを超える性能の、パンドラにもいまだに秘匿され供与されていないプラズマウェポン、プラズマテクスチャをも与えられている。聖痕を肉体に植え付けているパンドラのような浸食などのリスクも、一切ない。だが無線聖痕充電プラント“フェイラン”システムの狭い範囲内の外で、手持ちの聖痕カートリッジだけで活動する場合は、出力も5分の1ほどになり、活動時間も短くなってしまう。また、一般人もなれると言っても過酷な訓練が必須であり、それに耐えきれる者は非常に数少ないと思われる。現状では5人のメンバーが正式採用されている。
第13小隊
ヴァルキリーと、ゼネティックス最強の世界5強やサテライザーなどの既存パンドラを混成させた、全く新しい部隊。アオイ=源吾直々の肝いり部隊で、ウェストゼネティックスに配置された。強力な能力を誇示し非協力的なヴァルキリー達と、既存パンドラ、さらにはウェストの一般在校生達の間に、反目も数多く生じる。そして彼ら3派が参加した初の演習で、突如第12次ノヴァクラッシュが起きてしまう。
レジェンドパンドラ
秘匿されていた、通常のパンドラを数百倍上回る究極の対ノヴァ戦闘兵器。若きアオイ=源吾が40年以上前に完成させていたものの、あまりの聖痕活性化ゆえパンドラ本人の生命維持すらごく短時間で危うくなり、長年封印せざるを得なかった。第12次ノヴァクラッシュにおいて新たなノヴァに対しヴァルキリーも通常のパンドラも通用しなくなった際、源吾がイ=スナに命じて復活させ戦線復帰させた。5人が確認されている。源吾からは「我が娘達」と呼ばれ、彼女ら自身は(アオイ=カズハも含めた)自分達を「姉妹」と言い、カズヤのことを「家族」と呼ぶ。

ノヴァ

異次元体ノヴァ
N.O.V.A。人類を襲う謎の敵。出現してから一定時間(この時間を残留限界時間と呼ぶ)で自身のコアを自爆させて周囲に壊滅的な物理崩壊を引き起こす。いうなれば放射能の無い自走時限式核爆弾で、2012年から2015年の足掛け4年間に毎年出現し人類を滅亡の淵の一歩手前まで追いやったのを皮切りに、以降襲来時期は多少伸縮するものの、慢性的に出現しては人類に出血を強いている存在。当初、人類は通常兵器を使用してその侵攻を阻もうとしたが、強大なまでのフリージング能力の前にまったくの無力であった。そこで生み出されたのがパンドラである。
前述の通りコアを自爆させて物理崩壊を起こし、広い範囲に被害を出す事から、パンドラ達は最優先で自爆のキーであるコアを潰そうと躍起になるのである。
作中では、主にタイプR (TYPE-RESOLVER) 、タイプS (TYPE-SUPREME) の2種が登場する。だが、第12次ノヴァクラッシュでは人形式(ひとがたしき)と最強のパンドラ式という人間大の新たなノヴァが現れ恐ろしい力を振るうなど、本編中では様々な新型や分類不明のノヴァが襲来する。
ノヴァクラッシュ
異次元体ノヴァの大規模襲来。2065年現在までの間に10回ほど襲来してきており、第8次ノヴァクラッシュは致命的な人材損害を受けたことで知られる。第1次から第9次までは各地域においてタイプSの単体襲来であったが、第10次以降は複数襲来が当たり前になるなど次々と新たなパターンの攻撃や新型の出現などが起こり、被害も甚大なものとなっている。また、出現間隔も非常に狭まっている。それ故人類側もパンドラの人材確保が最優先され、凍結されていたEパンドラ計画の再始動、秘匿されていたヴァルキリー計画の発表やレジェンドパンドラの封印解除などが続々と行われつつある。
2012年 - 2015年:第1次ノヴァクラッシュ…別名4年戦争。毎年1回ノヴァが出現し、戦争状態となった。
20??年 - 20??年:第2次 - 第4次ノヴクラッシュ
2037年:第5次ノヴァクラッシュ
2045年:第6次ノヴァクラッシュ
2053年:第7次ノヴァクラッシュ
2061年:第8次ノヴァクラッシュ…英雄アオイ=カズハの戦死、および初のノヴァフォームが確認される。
2064年:第9次ノヴァクラッシュ…演習中のウェスト校の未成熟な1年2年が当初戦うことになり、マリンら多数の犠牲者を出す。
2065年:第10次ノヴァクラッシュ…初めて、一地域に4体のタイプS同時出現、およびパンドラに対する侵蝕行為を見せる。
2065年:第11次ノヴァクラッシュ…3体のノヴァ同時出現。うち一体は初めて人間が巨大ノヴァと化したもの。
2065年:第12次ノヴァクラッシュ…ヴァルキリーらが演習中、人工機械のダミーノヴァの聖痕が暴走、本物のノヴァと化し、さらにパンドラ、ヴァルキリーの攻撃が通じない500体以上の膨大な小型ノヴァが出現。封印されていたレジェンドパンドラが出撃した。

既刊一覧

フリージング
フリージング ファーストクロニクル
  • 林達永(原作)・尹載皓(作画) 『フリージング ファーストクロニクル』 キルタイムコミュニケーション〈ヴァルキリーコミックス〉、全1巻
フリージング ゼロ
フリージング ペアラブストーリーズ
  • 林達永(原作)・金素姫(作画) 『フリージング ペアラブストーリーズ』 キルタイムコミュニケーション〈ヴァルキリーコミックス〉、全3巻
    1. 2013年7月27日発売、ISBN 978-4-7992-0455-9
    2. 2013年11月29日発売、ISBN 978-4-7992-0510-5
    3. 2014年3月29日発売、ISBN 978-4-7992-0565-5

テレビアニメ

2014年現在、第2期まで放送された。

スタッフについては、監督渡部高志キャラクターデザイン渡辺真由美など、第1期の時点ですでに30年以上のキャリアを持つベテランが起用されている。また、内容についてはパンドラモードの描写を変更したり、回想シーンの矛盾点を解消するなどのアレンジが加えられている。後者の詳細については#原作からの主な変更点を参照。

第1期
テレビアニメ化が2010年8月16日に発表された[10]後、2011年1月から同年4月までAT-Xほかにて放送された。全12話。AT-Xでは年齢制限が課せられているために規制が緩和されているが、映像画角は本編のみ4:3にトリミングされている。地上波ではエログロ描写の一部に規制が加えられているが、映像画角は全編とも16:9のノントリミングとなっている。
2013年9月25日にはBlu-ray BOXが発売された。
第2期
テレビアニメ化が2013年3月27日に発表された[11]後、『フリージング ヴァイブレーション』のタイトルで同年10月から12月までAT-Xほかにて放送された。全12話。エログロ描写については前期と同様にAT-Xでは緩和、地上波では規制となっているが、映像画角はAT-Xも地上波もノントリミングとなっている。

スタッフ

主題歌

第1期
オープニングテーマ「COLOR」
作詞 - A.I / 作曲・編曲 - toku / 歌 - MARiA
第12話ではEDでも使用。
エンディングテーマ「君を守りたい」
作詞 - 稲葉エミ & フリージングプロジェクト / 作曲・編曲 - YOW-ROW / 歌 - 小林愛香
第12話では不使用。
第2期
オープニングテーマ「AVENGE WORLD
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 囚人 / 歌 - 鈴木このみ
第1話ではEDで使用、第12話では不使用。
エンディングテーマ「世界は疵を抱きしめる
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 囚人 / 歌 - 鈴木このみ
第1話では不使用。

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 エンドカード
第1期
Episode 01 Untouchable Queen
(接触禁止の女王)
赤星政尚 渡部高志 鎌仲史陽 福世孝明 鈴木典孝
Episode 02 Pandora Mode
(パンドラモード)
安藤正浩 村正みかど
Episode 03 Accelerating Turn
(アクセルターン)
石屋義敏 松本文男 かつまたかずき
Episode 04 Tempest Turn
(テンペストターン)
渡部高志 山内東生雄 宮田奈保美、亀井大祐
福世孝明
小宮利公
Episode 05 She is Rana Linchen
(彼女の名はラナ=リンチェン)
吉岡たかを[12] 鎌仲史陽 福世孝明、亀井大祐
安藤正浩
渡瀬行人
Episode 06 Machination
(策謀)
安藤正浩、福世孝明
亀井大祐、吉田雄一
尹載皓
Episode 07 Sanction
(制裁)
園田雅裕 下司泰弘 小澤円、荒尾英幸
小関雅
李海原
Episode 08 Pandora Queen
(パンドラクイーン)
石屋義敏 大橋明代 小沼克介、樋口博美 中山ユキジ
Episode 09 Godspeed of the East
(イーストの神速)
赤星政尚 園田雅裕 福世孝明、安藤正浩
亀井大祐
李秀顯
Episode 10 NOVA Form
(ノヴァフォーム)
渡部高志 しのみやすゆき Lee Sung-Jin
Park Chang-Hwan
NARA ANIMATION
崔海雄
Episode 11 Ambush! Ravensborne Nucleochede
(要撃!レベンスボルン・ヌクレオチド)
山内東生雄 安藤正浩、福世孝明
樋口博美、森川均
ZOL
Episode 12 Satellizer vs.Pandora
(サテライザー バーサス パンドラ)
鎌仲史陽
渡部高志
鎌仲史陽
石屋義敏
松本文男、安藤正浩
福世孝明
MISS BLACK
第2期
Episode 1 Pandora Returns 赤星政尚 渡部高志 羽多野浩平 福世孝明 うるし原智志
Episode 2 Evolution Pandora 松本文男 武礼堂
Episode 3 Mark IV 羽多野浩平 山崎淳、福世孝明 柳原満月
Episode 4 Mate 渡部高志 羽多野浩平 福世孝明 ケースワベ
Episode 5 Noblesse Oblige 羽多野浩平 牛島勇二、山崎淳 金素姫
Episode 6 Marionettes 鎌仲史陽 山崎淳、牛島勇二 かん奈
Episode 7 Spellbound 古澤貴文 クリムゾン
Episode 8 Rebellion 羽多野浩平 小山知洋 鄭洙哲
Episode 9 Traitor 石井高士 西村博昭 Eum ik hyun
Park myeong hun
Lee joung kyoung
Park chang hwan
ちゆ12歳
Episode 10 True Pandora 渡部高志 山内東生雄 福世孝明、牛島勇二 天海雪乃
Episode 11 Nova Crash 古澤貴文、福世孝明 草凪とんぼ
Episode 12 Shaft of Light 羽多野浩平 福世孝明、牛島勇二
古澤貴文
MISS BLACK
  • ()は予告時のタイトルコール。

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
第1期
日本全域 AT-X 2011年1月8日 - 4月9日 土曜 9:30 - 10:00 CS放送 製作委員会参加
視聴年齢制限あり
リピート放送あり
千葉県 チバテレビ 2011年1月10日 - 4月11日 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) 独立局
神奈川県 tvk 月曜 1:30 - 2:00(日曜深夜)
埼玉県 テレ玉 2011年1月11日 - 4月12日 火曜 1:00 - 1:30(月曜深夜)
東京都 TOKYO MX 2011年1月12日 - 4月13日 水曜 1:30 - 2:00(火曜深夜)
愛知県 テレビ愛知 水曜 1:58 - 2:28(火曜深夜) テレビ東京系列
兵庫県 サンテレビ 2011年1月13日 - 4月14日 木曜 2:10 - 2:40(水曜深夜) 独立局
韓国全域 ANIPLUS 2011年1月14日 - 4月15日 金曜 23:30 - 土曜 0:00 CS放送IP放送
ケーブルテレビ
ネット配信
19歳以上視聴可で放送
韓国語字幕あり
第1話のみ23:00 - 23:30
3月18日4月8日は休み
日本全域 BS11 2013年7月12日 - 9月27日 金曜 3:00 - 3:30(木曜深夜) BS放送 ANIME+』枠
映像は地上波と同じ
第2期
日本全域 AT-X 2013年10月4日 - 12月20日 金曜 21:30 - 22:00 CS放送 製作委員会参加
視聴年齢制限あり
リピート放送あり
東京都 TOKYO MX 2013年10月5日 - 12月21日 土曜 1:00 - 1:30(金曜深夜) 独立局
韓国全域 ANIPLUS 2013年10月9日 - 12月25日 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) CS放送、IP放送
ケーブルテレビ
ネット配信
19歳以上視聴可で放送
韓国語字幕あり
兵庫県 サンテレビ 水曜 1:30 - 2:00(火曜深夜) 独立局
愛知県 テレビ愛知 水曜 3:05 - 3:35(火曜深夜) テレビ東京系列
日本全域 BS11 2013年10月11日 - 12月27日 金曜 0:30 - 1:00(木曜深夜) BS放送 『ANIME+』枠
dアニメストア 2013年10月25日 - 2014年1月10日 金曜 12:00 更新 ネット配信

映像特典

第1期
はじけちゃう! ドキドキトラブル♥フリージング』のタイトルで、DVD/BD各巻に収録の短編OVA。レンタル版には未収録。
第2期
震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA』のタイトルで、DVD/BD各巻に収録の短編映像。
話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
第1期
Vol.1 接触したいの♥メガネっ娘サテライザー 赤星政尚 渡部高志 山内東生雄 古澤貴文 渡辺真由美
Vol.2 秘密がいっぱい♥初部屋入り 石屋義敏
渡部高志
Vol.3 見えちゃうの♥過激すぎる身体測定 吉岡たかを
Vol.4 ゼネティックス水泳大会♥ポロリもあるよ
Vol.5 見ちゃだめ♥パンドラ達の生着替え
Vol.6 暴走フリージング♥お姉さまたちの吐息が一杯 赤星政尚
第2期
1 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.1 赤星政尚 渡部高志 山内東生雄 牛島勇二 渡辺真由美
2 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.2 羽多野浩平
3 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.3
4 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.4 山内東生雄
5 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.5
6 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA Vol.6 羽多野浩平

原作からの主な変更点

  • パンドラモード発動の際、原作では全身が仮面とフルスキンスーツで覆われるが、アニメでは顔も衣服もそのままで輪環(リング)を手足に発生させて全身が淡く光るという描写に変更されている。
  • 原作ではイングリッドが秩序にこだわる理由や1年前の経緯をカズヤに説明するのは同級生のヒイラギで、1年前にマリンと共闘していてイングリッドに真実を伝えるのはバージニアとチロルだが、アニメではいずれもガネッサに変更されている。
  • ラナの初登場場所が街から学園に変更。これに伴い、原作でカズヤ、ヒイラギ、アーサーを街のゴロツキが襲う展開が、アニメではオードリー、ドリス、タケウチの3人が襲う展開に変更されている。
  • 原作ではシフォンがエリザベスに釘をさす場所が映画館であるが、アニメではプールに変更されている。
  • 第10次ノヴァクラッシュの前にカズヤがイーストゼネティックスを訪れ、キャシーと会うシーンが追加された。キャシーと恭一のシーンはカット。また、原作ではカズヤが英痕について知るのはルイスとの会話だったが、アニメではそのイースト訪問の際にシスター・マーガレットから聞かされ、原作のようなショックを受けずに事実を受け入れている。そして一度「サテライザー先輩が姉さんに似ていると思ったのは、英痕が原因だった」と断言し、サテライザーがショックを受けるという展開になる。

Web配信企画

インターネットラジオ

2010年12月10日から2011年5月13日までHiBiKi Radio Stationで、インターネットラジオ『橘田いずみと内田彩のフリージング ウエストミドルフィールド ゼネティックス学園分校!!』が毎月第2金曜日に配信された(全6回)。

パーソナリティ
ゲスト
  • #1,#6(2010年12月10日、2011年5月13日) - 能登麻美子(サテライザー=エル=ブリジット役)
  • #2(2011年1月14日) - 喜多村英梨(ガネッサ=ローランド役)
  • #3(2011年2月11日) - MARiA(OP歌手)
  • #4(2011年3月11日) - 小林愛香(ED歌手)、花澤香菜(ラナ=リンチェン役)
  • #6(2011年5月13日) - 釘宮理恵(キャシー=ロックハート役)

インターネット動画

アニメ化を記念して公式サイトおよびYouTubeで全編実写の特別動画企画『フリージング ゼネティックスTV』を配信。パーソナリティーは能登麻美子と花澤香菜で、2人のトークがメイン。第1回、第2回は2010年12月10日配信、第3回は12月21日配信、第4回は2011年1月13日配信、第5回は1月27日配信、第6回は2月9日配信、第7回は2月23日配信、第8回は3月10日配信。主なロケ地は銀座、韓国料理屋、浅草東京ドイツ村

2013年の第1期再放送に合わせ、『ゼネティックスTVぷち』をAT-Xのおまけ放送として放送。出演は、三森すずこ、寺川愛美、橘田いずみ。

第2期に合わせ、『フリージング ゼネティックスTV ヴァイブレーション』を配信。パーソナリティーは能登麻美子と花澤香菜。2013年10月1日に#1、10月7日に#2、10月21日に#3、10月28日に#4、11月13日に#5、11月18日に#6を配信。主なロケ地は東京ソラマチ

ソーシャルゲーム

女神乱戦☆ビーナスマスター!
2012年配信開始。初期画面の属性選択に『ハイスクールD×D』・『百花繚乱 SAMURAI GIRLS』・『フリージング』が選択でき、カードが登場している。ゲームの内容は召喚士「ビーナスマスター」となって悪の組織「ダークヴィナス」を美戦士(ビーナス)の力で撃破するというもの。

脚注

外部リンク