SA 330 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Taimusuriltupu (会話 | 投稿記録) による 2016年3月1日 (火) 08:30個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎登場作品)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

SA 330 ピューマ

フランス陸軍のSA330Ba

フランス陸軍のSA330Ba

SA 330 ピューマ(SA 330 Puma)は、フランスシュド・アビアシオン及びその後身アエロスパシアル製の汎用ヘリコプター。イギリスのウェストランドでもピューマ HC Mk.1として製造された。

概要

フランス陸軍向けにS-58H-21を更新する、兵士20人か担架6台を積載可能な全天候型汎用ヘリコプターとして発注され、当初はアルエットIVとして計画が進行した。

1967年にはイギリス空軍が採用し、ガゼル及びリンクスと共にイギリス・フランス両国の共同計画となった。

1968年9月に生産型が初飛行。その後も改良が続けられた結果、1978年4月25日にはソ連製ヘリコプター以外では初の氷雪気候下を含む全天候型ヘリコプターとなった。

1987年、8種の生産型による697機をもって生産を完了。後継のAS 332に引き継がれた。南アフリカルーマニアIAR-330)、インドネシアライセンス生産が行われた。

生産型

  • SA 330A:試作型、アルエットIV。
  • SA 330B:フランス陸軍向けの最初の生産型。
  • SA 330C:最初の輸出型。
  • SA 330E:イギリス向け生産型、ピューマ HC Mk.1。
  • SA 330F:タルモIII C4エンジンを使用した、最初の民間向け輸出型。
  • SA 330G:タルモVICエンジンを使用し、ローターを改良した、民間向け輸出型。
  • SA 330H:SA 330Gに準ずる近代化改修型。フランス空軍ではSA 330Ba。
  • SA 330J:民間向け近代化改修型。
  • SA 330L:高地・高温環境型。
  • SA 330S:ポルトガル向け輸出型。
  • SA 330Z:フェネストロン(埋め込み式テイルローター)試験型
  • SA 330 オーキデ:オーキデ捜索システムを搭載したフランス陸軍向け改造型
  • オリックス:南アフリカの性能向上型。
  • IAR-330:ルーマニアのライセンス生産型。SA 330Lに相当。
  • NAS 330:インドネシアの生産型。11機生産。SA 330Jに相当。

採用国

軍用型

SA 330J ピューマ
スペイン空軍のSA 330
イギリス空軍のピューマ HC Mk.1
フィリピン空軍のSA 330L

民間型

ドイツの旗 ドイツ
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本
東京消防庁航空隊も民間型SA330Fを1機導入した。

性能・主要諸元

出典: Jane's All The World's Aircraft 1976-77 [1]

諸元

性能

  • 超過禁止速度: 273 km/h=M0.22 (147 knots, 169 mph)
  • 最大速度: 257 km/h=M0.21 (138 knots, 159 mph)
  • 巡航速度: 248 km/h=M0.20 (134 knots, 154 mph)
  • 航続距離: 580 km (313 nm, 360 mi)
  • 実用上昇限度: 4,800 m (15,750 ft)
  • 上昇率: 7.1 m/s (1,400 ft/min)


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

登場作品

映画

ランボー/怒りの脱出
改造を施されて、ベトナム軍Mi-24 ハインドもどきとして登場。
ランボー3/怒りのアフガン
『怒りの脱出』同様、改造を施されて登場。ドアガンが前作ではベトナムだったためDShKだったのに対して、今作はアフガニスタンが舞台なのでに強いFN MAGに変更されている。

漫画

ヨルムンガンド
アフリカ海賊が、ライセンス生産したオリックスに26mm ロケット弾ポッドを搭載して使用する。
リトルコップ
私設軍隊「影の軍隊」の装備として登場。警視庁調査員が盗撮した写真内に物資を吊り下げ輸送任務にあたっている姿が写されている。

小説

『樹海戦線』
ソ連から派遣された「ヴイソートニキ」(特殊部隊)チームをカナダ森林地帯に運び込む「民間」ヘリコプターとして登場。同チームを森林内の展開させる際、ホバリングしながら湖面に着水する「フランスの技術」を披露する。

出典

  1. ^ Taylor 1976, pp. 41—42.

関連項目

  • AS 332 (航空機) - 本機を発展させて開発された大型ヘリコプター。シュペルピューマ。