西の善き魔女

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西の善き魔女』(にしのよきまじょ、The Good Witch of the West)は、荻原規子作のファンタジー小説

中央公論社(現 中央公論新社)のC・NOVELSファンタジアより、1997年9月から順次出版された。2001年と2004年の2度、新装版が刊行された。また「月刊コミックブレイド」(マッグガーデン刊)にて桃川春日子の作画によって漫画化もされ、2006年4月からアニメ化された。

目次

[編集] あらすじ

女王制の国グラールの北方、辺境の地セラフィールドで生まれ育ったフィリエル・ディーは15歳になり、伯爵家の開く舞踏会に参加することを楽しみにしていた。舞踏会の日の朝、幼なじみルーンから渡された青い石の高貴なペンダント。このペンダントがきっかけで、フィリエルが実は女王家の姫であることが判明する。


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[編集] 登場人物

[編集] セラフィールド

フィリエル・ディー
折笠富美子
本作の主人公。「消えた第二王女」エディリーンとディー博士の娘。みがいた銅のような赤金色の髪に琥珀色の瞳。髪の色から「あかがね色の髪の乙女」と呼ばれる。15歳までディー博士の隣人であるホーリー夫妻に育てられた。ロウランド家のパーティーに出席した際、身につけていた青い宝石がきっかけとなり、従姉妹であるアデイルから自分の出自を知らされる。幼なじみのルーンに対しては弟のように接してきたが、次第に恋心を自覚するようになった。ルーンが姿を消したあと、彼を追って王宮を飛び出し南部領まで捜しに行くなど、周りをあきれさせるほどの行動力がある。運動神経は抜群だが、料理と裁縫の腕は今ひとつ。ルーンは彼女がお茶を入れようとすると拒む。田舎のセラフィールドで暮らしてきたため、貴族の暮らしには慣れていない。
ルーン(ルー・ルツキン、本名:ルンペルシュツルツキン)
声:平田宏美
ディー博士の弟子。フィリエルにとっては弟のような存在。ただしルーンの方も、フィリエルに対して世話を焼かせる妹のように接しており、そのことで口喧嘩になることもしばしば。ぼさぼさの黒髪に煙水晶のような瞳。ディー博士から贈られた黒ぶち眼鏡をいつもかけている。フィリエルが8歳の時セラフィールドに連れてこられた。もとは旅芸人一座で育てられていた子供で出自は一切不明。長い本名はグリム童話に登場するこびとの名前で、博士が名付けた。博士に対する敬慕の念が非常に強い。そのため博士の研究を弾圧した貴族側に属するユーシスやアデイルに対して、とげのある態度をとることがある。それはフィリエルが博士の研究に理解のない態度をとった場合でさえ同様である。普段は眼鏡とぼさぼさ頭という格好のせいで気づかれにくいが、実は非常に整った容貌をしている。それは作中で女装して女学校に紛れ込んだ際にもばれなかったほどである。非常に内にこもりがちな性格で人付き合いが悪く、最初は博士とフィリエル以外に心を開くことはなかった。しかし後にヘルメス党の仲間らと親交を深めていく。チェスの腕前は天才的。
ギディオン・ディー
フィリエルの父親。グラールの北の果て、セラフィールドの天文台で、異端とされるエフェメリスの研究をしていた。星の観測と研究に没頭し、一人娘であり亡き妻の忘れ形見であるはずのフィリエルを顧みることはほとんどなかった(とフィリエルは感じていた)。フィリエルが女王聖誕祭の舞踏会へ出かけた夜、南領カグウェル国よりも南の竜の森へ行くと手紙を残し、行方不明になってしまう。亡き妻・エディリーンの元へ帰ったのだと、フィリエルは思っている。
ボゥ・ホーリー
声:中博史
ディー博士の天文台の近くに住む農夫。タビサの夫。口数は少ないが、フィリエルを幼い頃からやさしく見守ってきた。物語序盤でギディオンを逃がした後、責任を取るように天文台から飛び降りた。
タビサ・ホーリー
声:鳳芳野
フィリエルの育ての母。ディー博士が子育てを疎かにするため、見かねてフィリエルを自分の家で育てていた。フィリエルだけでなく、ルーンのことも実の子どものように世話を焼いてきた。

[編集] ロウランド家とその周辺

アデイル・ロウランド
声:斎藤千和
北部の有力貴族ロウランド家の養女。フィリエルの従姉妹。オーガスタ王女の次女で次期女王候補のひとり。小麦色の髪に金茶色の瞳。人形のように華奢で可憐な少女だが芯は強くレアンドラとも対等に渡り合う。趣味は小説執筆で、ペンネームは「エヴァンジェリン」。特技は笑ってごまかすこと。義兄であるユーシスには兄妹以上の感情を持っているが、本人は自覚がないようでフィリエルにそれを指摘されても真に納得がいかない様子であった。運動神経は皆無で、特に乗馬が苦手。
ユーシス・ロウランド
声:谷山紀章
アデイルが育てられたロウランド家の長男。ルアルゴー伯爵の息子で次期伯爵。赤い髪にはしばみ色の瞳。近衛師団に所属している優秀な騎士。後に南部の竜討伐隊の指揮官になる。義妹であり女王候補であるアデイルの一の騎士として彼女を守ることを使命としている。ルーンとは、彼の見知らぬ人間を拒絶する性格ゆえに険悪な関係であったが、ユーシスの屈託のない性格が彼の態度を徐々に軟化させたのか、最終的には友情に近いものを持っている。彼にチェスを教え、チェスの才能を開花させるきっかけになった。
ルアルゴー伯爵(オーウェン・ロウランド)
グラール王国の北部に位置するルアルゴーの当代伯爵。ユーシスの父、アデイルにとっては養父。駆け落ちしたエディリーンとディー博士の存在を隠蔽するため、二人を秘密裡にセラフィールドに住まわせた。
レイディ・マルゴット(マルゴット・ロウランド)
ルアルゴー伯爵夫人。ユーシスの母、アデイルの養母。薔薇の栽培を趣味としている。上品かつたおやかな婦人だが、実際にはロウランド家の采配に対してルアルゴー伯爵よりも発言力があると噂される。
ロット・クリスバード
声:石田彰
ユーシスの友人。冗談好きで陽気な性格。父親が早逝しその後を継いだため、グラール王国最年少の爵位保持者。ユーシスと共に竜討伐隊に加わる。
マリエ・オセット
声:藤村歩
ワレット村の学校でのフィリエルの同級生。フィリエルをルアルゴー伯爵家での舞踏会に誘った。のちにロウランド家の侍女となる。

[編集] チェバイアット家

レアンドラ・チェバイアット
声:田中理恵
アデイルの姉。南部の有力貴族チェバイアット家の養女。オーガスタ王女の長女で次期女王候補のひとり。プラチナの髪に漆黒の瞳。女王候補として妹であるアデイルと相争う。絶世の美貌と豊満な肢体の持ち主で、たいへん蠱惑的。アデイル曰く「同性に嫌われるタイプ」。本人もそれを自覚しており、魅惑を最大の武器としている。乗馬や剣術も男性並みにこなし、勝気な性格。ルーンを気に入り、彼を自らの手の内に入れようと誘惑をかける。アデイルとは、容姿や外面的な性格はまったく似ていないが気質は似ているようである。

[編集] グラール王宮

エディリーン王女
「消えた第二王女」。その美しさと聡明さで女王位にもっともふさわしいと目された女王候補であったが、突然王位継承権を放棄し、異端の研究者であったギディオンと駆け落ちしてその妻となる。フィリエルの実の母親。形見のペンダントの青色は、彼女の瞳と同じ色。フィリエルが幼い頃に亡くなった。
オーガスタ王女
レアンドラ、アデイル姉妹の実の母親。エディリーン王女の姉であり、フィリエルにとっては伯母にあたる。王位継承の課題に失敗し継承権を失った後、ギルビアの公爵夫人となり、現在は竜騎士の騎馬たるユニコーンの育成を行っている。
コンスタンス女王陛下
フィリエル、アデイル、レアンドラの祖母で現グラール国女王。彼女の娘たち(オーガスタ、エディリーン)は二人とも女王位を継がなかったため、異例の長期在位が続いている。
ライアモン殿下
声:中田譲治
コンスタンス女王陛下の末子。オーガスタ王女、エディリーン王女の弟であり、フィリエルの叔父にあたる。女王直系であっても男子は王位を継げないため、現在はリイズ公爵となっている。女性しか王位を継げないグラール王国の継承制度を苦々しく思い、これを覆そうと画策する。自らの愉悦のためだけに虜を拷問するなど、非常に邪悪な性質の持ち主。

[編集] トーラス女学校

ヴィンセント
声:恒松あゆみ
トーラス女学校の生徒。学校一の秀才で、文芸部長。濃い青の瞳に薄茶色の髪。アデイルの親友であり、彼女のもう一つの顔、小説家「エヴァンジェリン」の崇拝者。
イグレイン
声:斎賀みつき
トーラス女学校の生徒。剣術の達人。赤い髪で長身。
シザリア
声:能登麻美子
トーラス女学校の生徒。入学したばかりのフィリエルが初めて話しかけた少女。女神への信仰心が非常に厚い。なぜかいつも悲しげな瞳をしている。
シスター・レイン
トーラス女学校の教師。トーラスの卒業生で、成績優秀さゆえに教師として迎えられた。女神の彫像のように美しい容貌のため、生徒からは「慈愛の聖母」とあだ名される。ただし彼女の授業は平板で退屈であるらしい。トーラス生徒会の顧問でもある。彼女の正体はアデイルの姉であるレアンドラ・チェバイアット。

[編集] その他

バード
声:小川輝晃
女王陛下直属の吟遊詩人。その真の任務にはこの世界の創世が深く関わる。
ケイン
ヘルメス党の事務方を束ねる。偵察や暗殺などの荒事も担当。物語後半で、フェリエルとルーンを守りサポートする。外見がバードに似ている。
フィーリ
女王をサポートすると言われる「賢者」。実はこの世界を司るもの。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] シリーズ

[編集] 中央公論社 C・NOVELSファンタジア

挿画:桃川春日子

2003年5月、外伝3の発売にともない全巻が新装版として発売された。旧版の挿画は、1 - 4巻:牛島慶子、5巻:きがわ琳、外伝1、2巻:朝比奈凉子

  • 西の善き魔女1 セラフィールドの少女 ISBN 4125004919
    • 北の土地ルアルゴーが舞台。
  • 西の善き魔女2 秘密の花園 ISBN 4125005036
    • 学園編。
  • 西の善き魔女3 薔薇の名前 ISBN 4125005265
    • 王宮編。
  • 西の善き魔女4 世界のかなたの森 ISBN 4125005680
    • 南の地で竜退治編。
  • 西の善き魔女5 闇の左手 ISBN 4125005915
    • 最終巻であるが、様々な謎が未解決。外伝3で。
  • 西の善き魔女 外伝1 金の糸紡げば ISBN 4125006350
    • 本編第1巻よりも前の話。
  • 西の善き魔女 外伝2 銀の鳥 プラチナの鳥 ISBN 4125006733
    • アデイルが主人公。本編第4巻と第5巻の間の話。
  • 西の善き魔女 外伝3 真昼の星迷走 ISBN 4125008051
    • 本編第5巻の続編で、実質的な最終巻。

[編集] 中央公論新社 ハードカバー

挿画:佐竹美保

版型を変更した新装版。2001年11月より順次刊行。

[編集] 中央公論新社 中公文庫

版型を変更した新装版。ストーリー展開を考慮し、通巻が変更されている。2004年10月より順次刊行。

[編集] マッグガーデン ブレイドコミックス

[編集] アニメ

2006年4月から6月まで、アニメ魂枠にてテレビアニメ『西の善き魔女 Astraea Testament』のタイトルで放映された。全13話

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌

[編集] オープニングテーマ

Starry Waltz
作詞:霜月はるか、作曲・編曲:myu、歌:kukui

[編集] エンディングテーマ

「彼方」
作詞:さねよしいさ子、作曲・編曲:伊藤真澄、歌:マリアリア

[編集] 各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 エディリーンの首飾り 冨岡淳広 中山勝一 布施木一喜
名取孝浩
相澤昌弘
2 子ヤギたちの行方 笹木信作 小坂春女 古賀準二
3 秘密の花園 河原ゆうじ 吉田徹 さのえり
4 花園の暗闇 杉浦真夕 福田道生 嵯峨敏 日高真由美
5 暗躍する花々 北条千夏 島崎奈々子 羽生貴之
6 宮廷円舞曲 関野昌弘 山田弘和 古賀準二・さのえり
7 亡き王女のための孔雀舞 河原ゆうじ 阿蒜晃士 内田信吾 相澤昌弘
8 幻想曲と遁走曲 杉浦真夕 ヤマトナオミチ 嵯峨敏 日高真由美
9 世界のかなたの森 山田弘和 羽生貴之・伊藤克修
10 見えない壁 北条千夏 福田道生 藤本ジ朗 山本正文
11 吟遊詩人の道 河原ゆうじ 阿蒜晃士 小坂春女 古賀準二・畑智司
12 真昼の星 冨岡淳広 中山勝一 大脊戸聡 羽生貴之・伊東克修
13 大事なもの、守りたいもの 摩砂雪 中山勝一 相澤昌弘

[編集] 放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時
京都府 KBS京都
(幹事局[要出典]
2006年4月7日 - 6月30日 金曜 25時45分 - 26時15分
日本全域 AT-X 2006年4月8日 - 7月1日 土曜 10時00分 - 10時30分
(リピート放送あり)
神奈川県 tvk 土曜 28時25分 - 28時55分
群馬県 群馬テレビ 2006年4月16日 - 7月9日 日曜 25時30分 - 26時00分
東京都 東京MXテレビ 2006年4月20日 - 7月13日 木曜 26時30分 - 27時00分
奈良県 奈良テレビ 2006年4月27日 - 7月20日 木曜 25時30分 - 26時00分
長野県 信越放送 2006年4月28日 - 7月21日 金曜 26時00分 - 26時30分
日本全域 BS Asahi 2006年5月1日 - 7月24日 月曜 26時00分 - 26時30分
熊本県 熊本放送 2006年5月15日 - 8月7日 月曜 26時20分 - 26時50分
アニメ魂
前番組 番組名 次番組
西の善き魔女 Astrea Testament

[編集] ラジオ

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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