闇の左手

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闇の左手』(やみのひだりて、英語原題:The Left Hand of Darkness)は、アーシュラ・K・ル=グウィン1969年に発表したSF小説。1970年のヒューゴー賞ネビュラ賞の受賞作である。

概要[編集]

『ロカノンの世界』で構築された未来史を引き継ぐ作品である。

宇宙連合エクーメンは、かつて植民地であった辺境の星との外交関係の復活を目指し、惑星「冬」に使節を送り込む。惑星「冬」の住人は両性具有であり、特異な社会を形成していた。使節が現地の陰謀に巻き込まれ、惑星「冬」との外交の扉が開かれるまでを描く。

両性具有は過去の遺伝子操作の実験によるもので、先遣の調査隊員は、その実験目的を戦争の排除ではないかと考察している。事実、「冬」の住人は男女両方の性格を合わせ持ち、攻撃的ではなく、戦争と呼べるような大量な殺しあいは起きていない。

あらすじ[編集]

エクーメン連合の使節ゲンリ―・アイは惑星「冬」を訪れ、カルハイド王国の王との謁見を求めていたが、頼りにしていた宰相エストラーベンが王の寵愛を失い追放されたのを知る。極寒の「冬」では追放は死を意味する。

アイは、カルハイド王国と紛争中の隣国オルゴレインを訪れ、歓待されるが、再会したエストラーベンから忠告を受ける。その後、派閥争いに巻きこまれて逮捕され、囚人として更生施設へ送られる。

エストラーベンは更生施設よりアイを救い出し、極寒の氷原を抜け、カルハイドへの帰還を目指す。

書誌情報[編集]