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2020年2月15日 (土) 04:28時点における版

日野春駅
駅舎(2005年12月)
ひのはる
Hinoharu
穴山 (5.4 km)
(6.2 km) 長坂

地図

日野春駅の位置(山梨県内)
日野春駅
日野春駅
日野春駅位置図(山梨県)
所在地 山梨県北杜市長坂町富岡50
北緯35度47分24.2秒 東経138度23分40.9秒 / 北緯35.790056度 東経138.394694度 / 35.790056; 138.394694座標: 北緯35度47分24.2秒 東経138度23分40.9秒 / 北緯35.790056度 東経138.394694度 / 35.790056; 138.394694
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 中央本線
キロ程 160.1 km(東京起点)
電報略号 ヒハ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
591人/日(降車客含まず)
-2018年-
開業年月日 1904年明治37年)12月21日
備考 直営駅
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駅ホーム
構内に残る給水塔(右)
左は鉄道員の生活用水のための貯水槽である

日野春駅(ひのはるえき)は、山梨県北杜市長坂町富岡にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線である。標高は615メートル。駅名は開業当時の村名である、山梨県北巨摩郡日野春村に由来する。

歴史

当駅は中央本線が韮崎駅から富士見駅まで開通した際、開業した。当時は韮崎駅と富士見駅との間にはこの駅と小淵沢駅しか設けられていなかった。

七里岩の急勾配の途中にある駅で、蒸気機関車の給水をする駅としてこの駅は重要な役割を有していたが、1964年(昭和39年)8月23日には甲府駅から上諏訪駅までが電化され、その後蒸気機関車は中央本線を走らなくなったのでこの駅の給水駅としての役割は終わった。

年表

駅構造

南側に駅舎のある地上駅。ホームは嵩上げされていない。ホームを2面有していて、うち駅舎から離れたほうの1面は駅舎側にのみ線路がある単式ホーム、駅舎側の1面は両側に線路がある島式ホームであり、計2面3線を有する。のりばは駅舎側から1番線、2番線、3番線で、1番線に小淵沢方面の列車が発着し3番線に甲府方面の列車が発着する。2番線は上下を問わず、特急など他の列車の通過を待つ列車等の使用になっているが、中央本線の甲府駅 - 小淵沢駅間に待避線の設備がある駅は当駅と竜王駅しかないため、2番線に発着する列車は比較的多い。

2つのホームの穴山方の端と駅舎を一本の跨線橋が結び、駅舎は当駅の構内全体から見ると穴山方の端に近い場所に位置している。当駅は甲府方面から中央本線の列車が七里岩と呼ばれる台地をのぼって行く途中にあるので、蒸気機関車時代にはこの駅で機関車に水を補給したが、この名残で当駅の3番線の長坂方、北側の脇にはそのための設備、給水塔が残されている。この給水塔は当駅の開業時に出来たもので下部がレンガ、上部がコンクリートで出来ている。タンクの直径はおよそ2メートル、容量はおよそ2万6千リットルであるが、甲府駅から上諏訪駅までの電化が成った2年後の1966年昭和41年)にはその役目を終えることとなった。

当駅の構内は広く、駅舎の長坂方の脇に側線が敷かれている他、給水塔の附近などには線路を撤去した跡も見える。かつては駅舎から離れたほうのホームの駅舎から離れた側にも線路が敷かれていたがこれも撤去された。駅舎は開業当初からのものを手直ししながら使っている。木造一階建ての建築で内部には待合所と駅事務室がある。待合所の内部には簡易Suica改札機と自動券売機が1台設置されている。2016年平成28年)2月9日まではPOS端末が設置されていたが、現在は撤去されている。

直営駅小淵沢駅被管理駅)。近隣にはオオムラサキ自然公園、大陽日酸㈱山梨事業所などがある。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1 中央本線 下り 小淵沢上諏訪松本方面[2]  
2 待避線
上り 甲府新宿方面[2]
3

利用状況

JR東日本によると、2018年度(平成30年度)の1日平均乗車人員591人である[利用客数 1]

近年の推移は以下のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
2000年(平成12年) 506 [利用客数 2]
2001年(平成13年) 527 [利用客数 3]
2002年(平成14年) 583 [利用客数 4]
2003年(平成15年) 572 [利用客数 5]
2004年(平成16年) 575 [利用客数 6]
2005年(平成17年) 566 [利用客数 7]
2006年(平成18年) 537 [利用客数 8]
2007年(平成19年) 540 [利用客数 9]
2008年(平成20年) 607 [利用客数 10]
2009年(平成21年) 586 [利用客数 11]
2010年(平成22年) 561 [利用客数 12]
2011年(平成23年) 550 [利用客数 13]
2012年(平成24年) 549 [利用客数 14]
2013年(平成25年) 569 [利用客数 15]
2014年(平成26年) 565 [利用客数 16]
2015年(平成27年) 600 [利用客数 17]
2016年(平成28年) 609 [利用客数 18]
2017年(平成29年) 590 [利用客数 19]
2018年(平成30年) 591 [利用客数 1]

駅周辺

駅前の通りに沿って人家が散在する。駅を出て通りを越すとそこからすぐに急な斜面となり、その底に釜無川が流れている。駅を出て右側を見ると小さな公園が整備されており、そこから釜無川を眺めることができる。

このあたりは日本の国蝶、オオムラサキの生息地である。6月から7月にかけてこのあたりではオオムラサキの飛ぶ様子が見られる他、駅の北東300メートルほどのところには北杜市オオムラサキセンターを中心に、オオムラサキを観察するための施設などが整備されたオオムラサキ自然公園があり、駅前からオオムラサキ自然観察歩道(遊歩百選に選定)がのびている。駅のスタンプもオオムラサキである。

駅の北西にのびる曲がりくねった道を行き釜無川橋で釜無川を渡ると2キロメートルほどで北杜市武川町(旧武川村)の中心部に出る。この地域には日本三大桜の一つ、実相寺神代桜がある。またこの駅から甲斐駒ヶ岳への登山口に向かうことも出来る。

駅を出て左側、駅前広場の南東の隅には木立に囲まれて大きな石碑があるが、これは当駅の構内はずれにあって1914年大正3年)12月に枯れてしまった信玄公旗掛松という古い松についての事件を記念したものである。この事件については後述する。

バス路線

乗り場 系統 主要経由地 行先 運行会社 備考
日野春駅   南部巡回線(右回り) 北杜高校・やまなみ団地・長坂駅・高根総合支所前 百観音 北杜市民バス
    北杜高校 北杜市民バス
南部巡回線(左回り) 百観音・北杜市役所入口・明野総合支所 韮崎駅 北杜市民バス
大坊・白須・大武川線 台ヶ原下・道の駅はくしゅう・松原上 山口スクールバス停 北杜市民バス
橫手・日野春線 牧の原・横手・大坊上 西村入口 北杜市民バス
牧の原 むかわの湯 休日運転

信玄公旗掛松事件

日野春駅が出来る前から、この地には信玄公旗掛松(しんげんこう はたかけまつ)という古いの木があった。「甲斐の一本松」とも呼ばれ、実際は17世紀半ばごろからのものであったが武田信玄が旗を掛けて休息した松であるという伝承もあり、名松として大切に扱われていた。1896年明治29年)に中央本線のルートが決められここ日野春を線路が通ることが内定するが、この線路は松を掠めるようにして通ることとなっていた。このあたり一帯の地主で松の所有者でもあった清水倫茂という者が鉄道院に松を避けて線路を通すよう要請したが、これも断られ、結局1904年(明治37年)に線路は開通、日野春駅が開業した。

前述のように、日野春駅は蒸気機関車の給水駅として重要な役割を持っており、機関車が長時間この駅に停車した。そしてそのことも手伝って機関車の煤煙により松は弱っていき、1914年大正3年)12月に枯れてしまった。

清水倫茂は鉄道院に損害を賠償するよう申し入れたが拒否され、1917年(大正6年)遂に清水は鉄道院を提訴した。最終的に1919年(大正8年)3月3日大審院が清水の訴えを認める判決民録25輯356頁を参照)を出し、鉄道院が清水の求めた1500円ではないものの72円60銭を清水に支払うことで事件は解決を見た。国の力が強い当時にあってこれは画期的な判決であった。

当駅の駅前広場にある石碑はこの事件を記念したもので、清水がその死去の3年前、1933年昭和8年)に建立した。この石碑は松のあった場所に建立されたが、1969年(昭和44年)に中央本線の穴山駅から日野春駅までが複線化された事に伴い、現在の駅前広場に移された。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
中央本線
穴山駅 - 日野春駅 - 長坂駅

脚注

記事本文

  1. ^ Suica をご利用いただける駅が増えます (PDF) - 2016年12月2日 JR東日本
  2. ^ a b 駅構内図(日野春駅)”. 東日本旅客鉄道. 2019年8月2日閲覧。

利用状況

  1. ^ a b 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月10日閲覧。
  2. ^ 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  3. ^ 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  4. ^ 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  5. ^ 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  7. ^ 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  9. ^ 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  11. ^ 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  13. ^ 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  15. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  17. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。
  19. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月18日閲覧。

参考文献

  • 長坂町郷土資料館『長坂駅の本』、長坂町郷土資料館、1998年
  • 長坂町郷土資料館『旗かけ松の本』、長坂町郷土資料館、2001年

関連項目

外部リンク