殺人拳2

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殺人拳2
Return of the Street Fighter
監督 小沢茂弘
脚本 高岩肇
小沢茂弘
原案 高田宏治
出演者 千葉真一
市地洋子
石橋雅史
クロード・ガニオン
山城新伍
田中浩
鈴木正文
音楽 津島利章
撮影 吉田貞次
編集 堀池幸三
製作会社 東映
配給 日本の旗 東映
アメリカ合衆国の旗 ニュー・ライン・シネマ
公開 日本の旗 1974年4月27日
アメリカ合衆国の旗 1975年
上映時間 82分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 激突! 殺人拳
次作 逆襲! 殺人拳
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殺人拳2』(さつじんけん2、Return of the Street Fighter)は、1974年日本映画主演千葉真一監督小沢茂弘製作東映カラーシネマスコープ、82分。『殺人拳シリーズ』の第二作。

概要[編集]

空手拳法の達人で、非情なプロフェショナルである剣琢磨つるぎたくまの活躍を描いた第二弾。琢磨・志堅原楯城しけんばるたてき・政岡憲道は、千葉真一・石橋雅史鈴木正文が前作から引き続き出演しており、ストーリーは繋がっている。琢磨の新しい相棒に市地洋子、コメディリリーフに山城新伍、新たな敵にクロード・ガニオン田中浩が配役された。格闘に後方転回などアクロバティックな動きを駆使する千葉アクションは前作より踏襲され、実際の空手家や古武道家たちとの対決がスクリーンに展開されている[1]

ストーリー[編集]

竜虎殿の太田黒は、警察に捕まってしまった経理担当の劉元徳と逃亡中のリオ・グランドルの抹殺を、剣琢磨へ依頼。琢磨はバイクを暴走させ、大使館に逃げ込むが、追いかけてきた警察に自首をする。逮捕した政岡憲道の弟子でもある刑事の山上七郎は、琢磨のただなる佇まいに同じ武道家として殺気を感じる。取り調べを受けている劉の部屋を通り過ぎようとした琢磨と警察官たち。手錠をかけられていた琢磨だが、取調室のドアを蹴破り、周りの刑事を倒し、劉の声帯を潰してしまった。そのまま3階から飛び降り、車で待っていた沖縄民謡を好む新たな相棒のピンボケと共に逃走。

山上七郎は責任を感じ、辞表を出し、剣琢磨との直接対決を決意した。太田黒から対立する政岡憲道の抹殺を依頼された琢磨は断る。太田黒のバックには極東マフィアのボスであるドン・コステロがおり、依頼を断った琢磨に次々と様々な格闘技や武術の達人たちが襲いかかってきた。志堅原楯城も琢磨に復讐しようと琢磨を付け狙う。琢磨は彼らを返り討ちにしながら、激しい戦いの渦中に入っていく。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

製作・興行[編集]

第一作『激突! 殺人拳』の大ヒットにより[2][3][4]、製作はすぐに決定された[注釈 1]

千葉真一・石橋雅史・小沢茂弘・松平乗道らが出席した公開オーディションでは、剣琢磨と戦う相手役が審査され、100人の腕自慢からヌンチャク鎖鎌術北辰一刀流の達人や全アラブ空手選手権者のレバノン人など、11人が選ばれた[7]。本作はエンディングでクレジットタイトルとテーマ曲が流され、第一作とは異なるである。劇中では逃亡中のリオ・グランドルが映画館で『仁義なき戦い 頂上作戦』を見ながら、警察の目を掻い潜ろうとするシーンがある。

日本公開予告編のBGMには前作のほか、『狂走セックス族』の一部が使われている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 小沢茂弘は、「岡田茂 (東映) からすぐ続編を作れと指示された[5]」、石橋雅史は「時の社長である岡田茂氏が『直ちに第二弾を製作してシリーズ化しろ』と指示した[6]」、とそれぞれ述べている。

出典[編集]

  1. ^ 殺人拳2 - 日本映画製作者連盟
  2. ^ 「本家ブルース・リーをしのぐ千葉真一」『報知新聞報知新聞社、1974年12月27日、朝刊
  3. ^ 高平哲郎 (2011年5月18日). “JJサニーちば、真面目さと優しさに溢れ…”. ZAKZAK. あくまで人名事典 -昨日の友は今日も友-. 産業経済新聞社. 2012年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月27日閲覧。
  4. ^ 中村カタブツ『極真外伝 〜極真空手もう一つの闘い〜』(初版第一刷)ぴいぷる社(原著1999年12月25日)、179頁。ISBN 4893741373 
  5. ^ 小沢茂弘、高橋聡『困った奴ちゃ - 東映ヤクザ監督の波乱万丈生』(初版第一刷)ワイズ出版、1996年11月10日、92頁。ISBN 9784948735576 
  6. ^ 石橋雅史 (2008年8月10日). “やっと咲いた遅咲きの花”. 石橋雅史の万歩計. 負けるわけにゃいきまっせんばい! 71. 2015年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月29日閲覧。
  7. ^ 「求む! 武芸者」『平凡パンチ』第11巻第502号、平凡出版、1974年3月25日、19 - 22頁。 

外部リンク[編集]