リアンダー級フリゲート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
リアンダー級フリゲート
HMS Apollo 1976 SMB-2008.jpg
艦級概観
艦種 フリゲート
艦名
前級 ロスシー級
次級 ブロードソード級
就役期間 1963年 - 1993年

リアンダー級フリゲート(: Leander class frigate)は、イギリス海軍などが運用していたフリゲートの艦級。12I型フリゲートと呼ばれる設計を採用しており、26隻が建造された。

概要[編集]

リアンダー級フリゲートは、ホイットビィ級フリゲートから続く12型フリゲート・シリーズの最終発展型であり、多くの面で革新的なコンセプトを採用した、先進的なフリゲートである。本級の設計は12I型: Type 12 Improved)と呼ばれているが、極めて優秀な設計であったことから、イギリス以外にも4カ国が導入しており、またインドでは数次に渡って発展型が開発され、その建造は2004年まで続いていた。

本級は長期にわたって多数艦が建造されたことから、数次に渡る設計変更・改装を受けている。初期建造艦は哨戒ヘリコプター艦載機化により、先行するロスシー級フリゲートよりもはるかに柔軟な対潜作戦の展開が可能になった。続くバッチ1では個艦防空ミサイルを搭載したが、これは、当時のフリゲートとしては極めて先進的なコンセプトである。バッチ2で艦対艦ミサイルを搭載して対水上打撃力を獲得、そしてバッチ3で個艦防空ミサイルを新型化するとともに戦術情報処理装置を搭載して、システム艦としての再構築が行なわれた。これにより、本級は、同時代の同級艦をはるかに凌駕する多任務対応能力を獲得し、この時代のイギリス海軍の中核的な戦闘艦として活躍することとなった。しかしその一方で、このように極めて先進的な戦闘艦として完成されたことにより、本級は非常に高コストの艦となった。これを補完するため、イギリス海軍は、性能的には劣るがより安価な14型フリゲートとのハイ・ロー・ミックス運用を行なうこととした。

本級は、1960年代以降のイギリス海軍洋上兵力の中核を構成し、フォークランド紛争にも参加した。1980年代以降は、イギリスの軍事予算削減によって減勢を続け、また1989年より新型の23型フリゲートが就役しはじめたこともあって、1995年のF57「アンドロメダ」のインド海軍への売却をもって運用を終了した。

なお、本級の最終バッチで開発された武器システムは、ほとんどそのまま、14型フリゲートの後継である21型フリゲートに搭載され、またその後のイギリス海軍フリゲートの武器システムの原型となった。

要目[編集]

初期建造時 バッチ1改修艦 バッチ2改修艦 バッチ3A改修艦
建造期間 1959年 - 1971年
改修実施 - 1970年 - 1978年 1973年 - 1982年 1978年 - 1984年
基準排水量 2,350 t 2,790 t
満載排水量 2,860 t 3,000 t
全長 109.7 m
全幅 12.5 m 13.1 m
吃水 5.5 m
機関 蒸気タービン2基 2軸推進 (25,000 shp: 19 MW)
速力 28.5 kt 28 kt
航続距離 4,000 nmi / 15 kt
乗員 257名
兵装 Mk.6 4.5インチ連装砲× 1基
GWS-21 シーキャット短SAM 発射機×1基 GWS-22 シーキャット短SAM発射機×1基 GWS-25 シー・ウルフ短SAM 6連装発射機×1基
アイカラSUM発射機×1基 MM38エグゾセ SSM 単装発射機×4基
STWS-1 3連装短魚雷発射管×2基
リンボー対潜臼砲×1基 -
艦載機 ウェストランド ワスプ、のちにリンクス 哨戒ヘリコプター ×1機
C4I CIC設置、音声リンクのみ CAAIS 戦術情報処理装置 + リンク 10
レーダー 965型 対空捜索用
993型 対水上捜索用
978型 航法用
903型 砲射撃指揮用
904型 短SAM射撃指揮用 910型 短SAM射撃指揮用
ソナー 177型 捜索用 184M型 多機能型
162型 目標捕捉用
170型 攻撃用
- 曳航式
(1981 - 1986年に一部艦が搭載)
199型 可変深度式 (一部艦)
電子戦
対抗手段
UA-3 ESM装置 UA-8/9 ESM装置
668型ECM装置
4.5インチ チャフ発射機 コンバス チャフ・フレア発射機
FH-4 HF/DF装置 FH-5 HF/DF装置

同型艦[編集]

 イギリス海軍 退役/再就役後
バッチ # 艦名 起工 就役 退役 再就役先 # 艦名 就役 退役
1 F109 リアンダー
HMS Leander
1959年4月10日 1963年3月27日 1987年4月
F104 ダイドー
HMS Dido
1959年12月2日 1963年9月18日 1983年 7月  ニュージーランド海軍 F104 サウスランド
HMNZS Southland
1983年 7月 1995年 3月
F114 エイジャックス
HMS Ajax
1959年10月19日 1963年12月10日 1985年5月31日
F10 オーロラ
HMS Aurora
1961年6月1日 1964年4月9日 1987年4月28日
F18 ガラティア
HMS Galatea
1961年12月29日 1964年4月25日 1987年1月31日
F15 ユーライアス
HMS Euryalus
1961年11月2日 1964年9月16日 1989年3月31日
F39 ナイアド
HMS Naiad
1962年10月30日 1965年3月15日 1987年4月
F38 アリシューザ
HMS Arethusa
1962年9月7日 1965年11月24日 1989年4月4日
2A F28 クレオパトラ
HMS Cleopatra
1963年6月19日 1966年1月4日 1992年1月31日
F42 フィービ
HMS Phoebe
1963年6月3日 1966年1月4日 1991年2月14日
F45 ミネルヴァ
HMS Minerva
1963年7月26日 1966年5月14日 1992年3月
F40 シリウス
HMS Sirius
1963年8月9日 1966年6月15日 1993年2月27日
2B F127 ペネロピ
HMS Penelope
1961年3月14日 1963年10月31日 1991年  エクアドル海軍 FM 01 プレジデンテ・フロイ・アルファロ
BAE Presidente Eloy Alfaro
1991年 2008年 3月
F56 アルゴノート
HMS Argonaut
1964年11月27日 1967年8月17日 1993年3月31日
F47 ダナエー
HMS Danae
1964年12月16日 1967年9月7日 1991年  エクアドル海軍 FM 02 モラン・バルベルデ
BAE Morán Valverde
1991年 2008年10月
2 F52 ジュノー
HMS Juno
1964年7月16日 1967年6月18日 1992年11月4日 エグゾセ搭載予定であったが改修はキャンセルされ、航法訓練艦として運用された。
3A F75 カリブディス
HMS Charybdis
1967年1月27日 1969年6月2日 1991年9月30日
F58 ハーマイオニ
HMS Hermione
1965年12月6日 1969年7月11日 1992年6月30日
F60 ジュピター
HMS Jupiter
1966年10月3日 1969年8月9日 1992年4月22日
F57 アンドロメダ
HMS Andromeda
1966年5月25日 1968年12月2日 1993年6月  インド海軍
※ 練習艦
F46 クリシュナ
INS Krishna
1996年
F71 シラ
HMS Scylla
1967年5月17日 1970年2月12日 1993年12月
3B F69 バッカント
HMS Bacchante
1966年10月27日 1969年10月17日 1982年  ニュージーランド海軍 F69 ウェリントン
HMNZS Wellington
1987年 1999年
F12 アキリーズ
HMS Achilles
1967年12月1日 1970年7月9日 1990年1月  チリ海軍 PFG-08 ミニストロ・ツェンテーノ
Ministro Zenteno
1991年 2006年
F16 ダイアミード
HMS Diomede
1968年1月30日 1971年4月2日 1988年3月31日  パキスタン海軍 F263 シャムシェール
PNS Shamsher
1988年 2001年?
F70 アポロ
HMS Apollo
1969年5月1日 1972年5月28日 1988年8月31日 F262 ズルフィカル
PNS Zulfiqar
1988年 2006年
F72 アリアドネ
HMS Ariadne
1969年11月1日 1973年2月10日 1992年5月  チリ海軍 PFG-09 ジェネラル・バクダノ
General Baquedano
1992年 1998年

なお、各バッチの概要は下記のとおりである。

  • バッチ 2A - エグゾセ搭載型
  • バッチ 2B - エグゾセ搭載型
  • バッチ 3 - 幅広船体
    • A - シーウルフ搭載型
    • B - シーウルフ非搭載型

関連項目[編集]

外部リンク[編集]