サン・ローラン級駆逐艦
| サン・ローラン級駆逐艦 | |
|---|---|
| 艦級概観 | |
| 艦種 | 駆逐艦 |
| 就役期間 | 1955年 - 1994年 |
| 前級 | プレストニアン級駆逐艦 |
| 次級 | レスティゴーシュ級駆逐艦 |
| 主要諸元 | |
| #諸元表を参照 | |
サン・ローラン級駆逐艦(英: St. Laurent class destroyer)は、カナダ海軍が運用していた駆逐艦。当初は護衛駆逐艦として建造されたが、のちにヘリコプター駆逐艦として改装され、小型艦における大型ヘリコプター艦載化の嚆矢として注目された。
目次 |
概要 [編集]
本級は、イギリス海軍の12型フリゲートと呼ばれる設計をもとにしているが、カナダ近海の過酷な海象条件、そしてカナダ海軍の運用要求などに基づいて大幅な変更が施されており、事実上、まったく別の設計として完成された。機関は12型と同一で、船体の設計にも共通点が認められるが、装備品は、大部分がアメリカ製あるいは国産のものが採用された。また、艦橋から切り離された指揮・統制区画としてCICが設置されたことも、新しい試みであった。
本級は、1963年から1966年にかけて行なわれたDDH改修によって、世界にその名を轟かせることとなった。この改修は、艦後部の2番砲塔などを代償にして、大型の艦載機格納庫と飛行甲板を設置するもので、飛行甲板には独自開発のベア・トラップ着艦拘束装置を備えることによって、大型のCH-124シー・キング 哨戒ヘリコプターの安全な運用を実現した。当時、イギリスは既にリアンダー級フリゲートにおいてウェストランド ワスプを艦載機として運用していたが、これは目視以外に潜水艦を捜索する手段を持たない小型の対潜攻撃機であった。十分に有力なセンサーにより対潜哨戒を行いうる機体を、しかもこれほど小型の艦に搭載したのは世界でも初めての試みであった。当時、駆逐艦級の護衛艦での航空運用を模索していた日本の海上自衛隊は本級の航空システムに注目し、ベア・トラップ・システムを導入したはるな型ヘリコプター護衛艦を1974年より就役させた。ベア・トラップ・システムははつゆき型など汎用護衛艦(DD)の標準装備となったほか、アメリカ海軍においても小改正を受けたRASTシステムとして導入され、オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートなどに装備された。
また、1970年代後半には、さらにDELEX改修と呼ばれる近代化改修が実施され、ADLIPS(Automatic Data Link Plotting System) 戦術情報処理装置およびリンク 11を搭載した。
本級は、後継となるハリファックス級フリゲートの就役開始に伴い、1990年代初頭より退役を開始し、1994年までに運用を終了した。
諸元表 [編集]
| 護衛駆逐艦(新規建造時) | ヘリコプター駆逐艦(DELEX改修後) | |
|---|---|---|
| 排水量 | 満載: 2,800 t | 満載: 3,051 t |
| 全長 | 113.1 m | |
| 全幅 | 12.8 m | |
| 吃水 | 4.0 m | 4.3 m |
| 機関 | バブコック&ウィルコックス・ボイラー×3基 | |
| イングリッシュ・エレクトリック蒸気タービン×2基, 2軸 (30,000 shp) | ||
| 速力 | 28.5 kt | |
| 航続距離 | 4,750 nmi / 14 kt | |
| 乗員 | 249名 | 213名+航空要員20名 |
| 兵装 | Mk.33 3インチ連装砲 ×2基 | Mk.33 3インチ連装砲 ×1基 |
| ボフォース 40mm単装機関砲 ×2基 | - | |
| Mk.10 リンボー対潜臼砲 ×2基 ※ 後日撤去 | ||
| Mk.2 K砲 単装魚雷投射機 ×2基 | Mk.32 3連装短魚雷発射管 ×2基 | |
| 艦載機 | - | CH-124 シー・キング 哨戒ヘリコプター ×1機 |
| C4I | CIC設置、音声リンクのみ | 海軍戦術情報システム (ADLIPS 戦術情報処理装置+リンク 11) |
| Mk.64 砲FCS | ||
| レーダー | AN/SPS-12 対空捜索用 | |
| AN/SPS-10B 対水上捜索用 | ||
| SPG-48 砲FC用 ×2基 ※Mk.64 FCSのサブシステム |
SPG-48 砲FC用 ×1基 | |
| - | URN-20 TACAN | |
| スペリーMk.2 航法用 | スペリーMk.127E 航法用 | |
| ソナー | AN/SQS-10/11(捜索) | |
| 162型(SQS-501; 目標識別) | ||
| 170型(SQS-502; 攻撃) | ||
| - | SQS-504可変深度ソナー | |
| 電子戦 | DAU HF/DF装置 | SRD 501 HF/DF装置 |
| - | WLR-1C ESM装置 | |
| UPD-501 レーダー波探知 | ||
一覧 [編集]
| # | 艦名 | 起工 | 就役 | 退役 |
|---|---|---|---|---|
| 205 | サン・ローラン HMCS St. Laurent |
1950年11月22日 | 1955年10月29日 | 1974年6月14日 |
| 206 | サグネ HMCS Saguenay |
1951年4月4日 | 1956年12月15日 | 1990年6月26日 |
| 207 | スキーナ HMCS Skeena |
1951年6月1日 | 1957年3月30日 | 1993年11月1日 |
| 229 | オタワ HMCS Ottawa |
1951年6月8日 | 1956年11月10日 | 1992年7月31日 |
| 230 | マーガリー HMCS Margaree |
1951年9月12日 | 1957年10月5日 | 1992年5月2日 |
| 233 | フレイザー HMCS Fraser |
1951年12月11日 | 1957年6月28日 | 1994年10月5日 |
| 234 | アシニボイン HMCS Assiniboine |
1952年5月19日 | 1956年8月16日 | 1988年12月14日 |
参考文献 [編集]
- Sandy McClearn (2006年). “ST. LAURENT Class (DDH) destroyer escort (HTML)” (英語). 2009年10月12日閲覧。
関連艦種 [編集]
- ホイットビィ級フリゲート - イギリス海軍のフリゲート。本級のベースとなった。
- レスティゴーシュ級駆逐艦 - 本級をベースとした護衛駆逐艦。艦載機にかえてアスロックを搭載した。
- アナポリス級駆逐艦 - 本級の設計を流用した新規建造艦。
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