オーシャン (ヘリコプター揚陸艦)

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Apache Helicopter Takes off from HMS Ocean During Operation Ellamy MOD 45153052.jpg
艦歴
建造者 {{{建造者}}}
運用者 {{{運用者}}}
計画 {{{計画}}}
発注 1993年5月11日
起工 1994年5月30日
進水 1995年10月11日
竣工 {{{竣工}}}
就役 1998年9月30日
退役 {{{退役}}}
除籍 {{{除籍}}}
除籍後 {{{除籍後}}}
その後 {{{その後}}}
母港 デヴォンポート海軍基地
主要諸元
艦種 ヘリコプター揚陸艦
艦級 {{{艦級}}}
排水量 満載:22,500 t
全長 203.4 m
全幅 35 m
深さ {{{深さ}}}
高さ {{{高さ}}}
吃水 6.6 m
機関 SEMT ピルスティク16PC2-6 V200ディーゼルエンジン×2基
5翔式スクリュープロペラ×2軸
バウスラスター(450kW)
機関出力 {{{機関出力}}}
速力 最大 19ノット
巡航 15ノット
燃料 {{{燃料}}}
航続距離 8,000海里/15ノット
潜航限界深度 {{{潜航限界深度}}}
乗員 艦乗員285名
飛行要員180名
海兵隊830名
搭載量
兵装 ファランクスBlk.1B CIWS×3基
GAM-BO1 20mm機銃×4基
FN MAG機関銃×4基
艦載艇 LCVP Mk.5×4隻
艦載機 {{{航空機}}}
艦載機 ヘリコプター最大18機
VTOL機最大15機の輸送可能
搭載総数 {{{総搭載機数}}}
飛行甲板
C4I ADAWS mod.1
レーダー 996型 低空警戒・対水上用
1007型 航法用
ソナー {{{ソナー}}}
探索装置・
その他装置
{{{探索装置}}}
電子戦
対抗手段
UAT電波探知装置(ESM)
675(2)型電波妨害装置(ECM)
6連装デコイ発射機×8基
愛称 "The Mighty O"
モットー "Boldly Faithfully Happily"
その他

オーシャン英語: HMS Ocean, L12)は、イギリス海軍ヘリコプター揚陸艦(揚陸ヘリ空母:Amphibious Helicopter Carrier)。イギリス海軍の艦船としては、「オーシャン」の名をもつ6隻目の艦である。同型艦はない。

来歴[編集]

フォークランド紛争後、イギリス海軍は、ノルウェーなどNATOの北部正面でのコミットメント等を勘案し、イギリス海兵隊1個コマンドー旅団を揚陸しうる能力の保持を決定し、所要戦力として、ヘリコプター揚陸艦(LPH)2隻、ドック型揚陸艦(LPD)2隻、支援揚陸艦(LSL)6隻が策定された。しかし1980年代末の策定時点で、既にLPH 2隻およびLSL 1隻が不足しており、またLPD(フィアレス級)およびLSL(ラウンドテーブル型)についても老朽化が懸念されていた。このことから、LPHに相当するものとして計画されたのが本艦である。なお、LPDを更新するものがアルビオン級揚陸艦、LSLを更新するものがベイ型補助揚陸艦であった[1]

イギリス海軍では、1973年に一度は「ハーミーズ」をコマンドー母艦に改装して再就役させたものの、同艦は1985年には除籍されてインドに売却されており(現在の「ヴィラート」)、以後はインヴィンシブル級軽空母のうち1隻を両用戦支援任務に割かざるをえなくなったことから、専任のLPHの取得は悲願であった。1990年、まず排水量20,000トン、船価1億5000万ポンドで各社に対して打診がなされたが、あまりの低予算から各社が尻込みし、商議は難航した。しかしその間、ユーゴスラビアでの活動において、民間のRO-ROコンテナ船を改装した航空支援艦「アーガス」が良好な運用実績を残したことからLPHの必要性が再認識され、6500万ポンドもの予算が増額されたことから、1993年5月、VSBL社が受注することとなった[1]

主建造業者はヴィッカーズ造船所であるが、実際の作業はグラスゴーのゴーヴァン造船所で行われた。進水は1995年10月11日で、母港となるダヴェンポートへの航海に先立つ1998年2月21日エリザベス2世により命名された。

設計[編集]

設計はインヴィンシブル級航空母艦軽空母)をベースとしているものの、上記の「アーガス」の実績をふまえて、ロイド船級規則に準拠した商船構造が採用され、また艤装・装備品についても商用オフザシェルフ化が推進された。これにより、落札価格は1億7,000万ポンド(1ポンド=170円換算で289億円)まで抑えられた[1]

船体は5つの防火ゾーンと3つのNBC防御シタデルに分割されている。上甲板は全通甲板とされ、上部構造物は右舷側に寄せたアイランド方式とされている。その最上部の艦橋が第1甲板レベルとして設定されていることから、上甲板は第3甲板レベルとなる。その下の第4甲板はギャラリデッキとされ、その下の第5甲板に、2層分の高さを確保したハンガーが設けられた[2]

主機関としては、SEMT ピルスティク社製のV型16気筒中速ディーゼルエンジンである16PC2-6V200が採用されており、機関出力はインヴィンシブル級の6分の1に押さえられたことから、速力は19ノットに低下している。また精密な操艦が要求される場合に備えてバウスラスターを備えているほか、安定的な航空機の運用能力を確保するためフィンスタビライザーも装備されている[2]

能力[編集]

航空運用機能[編集]

全通した第3甲板は、そのほぼ全域がヘリコプター甲板とされており、長さ170m×幅31.7mが確保された。ヘリコプター発着スポット6つが設定されているほか、その右舷側にはさらに6機分の駐機スペースが確保されている。その下に1層のギャラリデッキをおいて設けられたハンガーは、長さ111.3m×幅31m×高さ6.2m(最小)と、英海軍軍艦最大の格納スペースとされており、シーキング HC Mk.4またはマーリン HM.1×10機をハンガーに、さらに2機を前方に隣接する整備スペースに収容可能とされている[2]。これらを連絡するエレベータは、中央部と後部に1基ずつ航空機用のものがインボード式に設けられているほか、アイランド前端横に小型の弾薬用エレベータも設けられた[2]

艦載機としては、シーキングないしマーリン輸送ヘリコプターを12機、リンクス AH.7汎用ヘリコプター6機が想定されている。またBAe ハリアー IIの運用も想定されていた[1]が、同機種は2010年イギリス軍全軍から退役した。この他、空軍のチヌーク大型輸送ヘリコプター6機を露天係止で、アパッチ攻撃ヘリコプターを艦内に収容して運用することもできる[3]

揚陸艦機能[編集]

本艦は、イギリス海兵隊の1個コマンドー(大隊相当の部隊編制単位)に相当する海兵隊員830名の乗艦を想定している。第5甲板のハンガー後方には車両甲板が設けられており、右舷後部および艦尾トランサムのランプと連絡している。揚陸手段としては、#航空運用機能によるヘリコプター揚陸艦としての運用のほか、上陸用舟艇として、両舷の舷側甲板中央部のレセスに計4隻の小型揚陸艇(LCVP Mk.5)を搭載する[2]

配備[編集]

1998年9月30日に就役の日を迎えたのち、1999年春に初期の基礎訓練と公試を終えたが、その公試中にハリケーンにより被災したホンデュラスへの人道支援に派遣されている。

2002年シエラレオネでの反乱活動制圧に際し、イギリス空軍CH-47基地として大きな役割を担った。

2003年、イギリス海軍派遣部隊の一隻としてイラク戦争に参加した。

2004年夏、イギリス陸軍のアパッチ AH Mk1(WAH-64 アパッチ攻撃ヘリコプターの洋上運用を目指した試験が行われた。

2007年、バブコック・マリーンのデヴォンポート造船所で初の長期改修を実施した。

2012年に開催されたロンドンオリンピック期間中、会場近くのテムズ川に停泊し対テロ対策用のヘリコプター基地として運用される。

船体の老朽化もあり、2018年には艦齢20年での早期退役が予定されている。後継としてクイーン・エリザベス級航空母艦の2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」が予定されている[4]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d 藤木平八郎「生まれ変われるか?英揚陸作戦部隊」、『世界の艦船』第479号、海人社、1994年4月、 82-85頁。
  2. ^ a b c d e 吉原栄一「世界の空母型揚陸艦」、『世界の艦船』第600号、海人社、2002年9月、 114-121頁、 NAID 40005452751
  3. ^ 大塚好古「これも軽空母! 世界の空母型揚陸艦 (特集 現代の軽空母)」、『世界の艦船』第682号、海人社、2007年11月、 100-105頁、 NAID 40015635566
  4. ^ 岡部いさく「どうなる!? 英仏新空母建造計画 (特集 世界の空母2010)」、『世界の艦船』第724号、海人社、2010年5月、 110-115頁、 NAID 40017036578

外部リンク[編集]

関連項目[編集]