シーキャット (ミサイル)

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シーキャット・ミサイル
Seacat Seawolf IWM Duxford.JPG
シーキャット(左)とシーウルフ(右)
種類 個艦防空ミサイル
性能諸元
ミサイル直径 0.22メートル (8.7 in)
ミサイル全長 1.48メートル (58 in)
ミサイル全幅 0.70メートル (28 in)
ミサイル重量 68キログラム (150 lb)
弾頭 連続的棒弾頭(40 lb / 18 kg)
信管 近接信管
射程 500–5,000メートル (0.27–2.7nmi)
推進方式 2段式固体ロケット
誘導方式 指令照準線一致(CLOS)
飛翔速度 マッハ0.9
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シーキャット英語: Sea Cat)は、イギリスで開発された個艦防空ミサイル。現在では、イギリス海軍においてはシーウルフなどに代替されて退役しているが、本PDMSの搭載艦をライセンス建造したり譲渡を受けた国の一部では運用を継続している。

来歴[編集]

イギリス海軍は、既存のMk.V 40mm連装機関砲を代替し、またより遠距離での交戦が可能な個艦防空火器として、ミサイルの可能性に注目していた。これを受けて、ショート・ブラザーズ社は、オーストラリアで開発された対戦車ミサイルであるマラカ英語版をベースとして、個艦防空ミサイルの開発に着手した。これによって開発されたのがグリーンライト・ミサイルであり、これがのちにシーキャットに発展することとなった。

当時、イギリス海軍はもう一つの候補としてオレンジネル・ミサイルを検討していたが、これはシー・スラグ艦隊防空ミサイルをベースとしていたことから、非常に大がかりなシステムであった。一方のシーキャットは、対戦車ミサイルをベースとしたことから極めて簡便なミサイルであり、まもなく、オレンジネルにかわってこちらが本命とされるようになった。

GWS-20[編集]

最初のシーキャット・ミサイル・システムは、GWS-20として1962年に就役した。GWS-20は通常、光学式のSTD(Simple Tachymetric Director)射撃指揮装置を採用していた。誘導方式としては手動指令照準線一致誘導方式を採用しており、ミサイルの尾翼に装着された発光体を目視し、ジョイスティックによる遠隔操作で手動追尾するものであった。

しかしGWS-20は、就役の時点で既に、高速化を続ける航空機に追随しきれなくなっていた。このことから、シーキャット・システムは継続的な改良を受けることとなった。

搭載艦艇

GWS-21[編集]

GWS-21の3連装発射機。

Mk.V 40mm連装機関砲で使用されていたスピン・スキャン式の262型レーダーによるCRBF(Close Range Blind Fire)射撃指揮装置を連接することにより、全天候性を向上させたバージョンである。ただし、追尾は基本的に手動であり、またGWS-20と同様の目視式も併用可能であった。

1960年代初頭より、トライバル型フリゲートおよびカウンティ級駆逐艦に搭載されて就役を開始した。

搭載艦艇

GWS-22[編集]

新型の903型レーダーによるMRS-3射撃指揮装置を連接したバージョンである。MRS-3は、おおむねアメリカのMk.56 砲射撃指揮装置に匹敵するとされており、より自動化されたACLOS(Automatic, Command Line-Of-Sight)方式が採用された。

搭載艦艇

GWS-24[編集]

イタリア製のRTN-10x射撃指揮レーダーを912型として採用したWSA-4射撃指揮装置を連接したものであり、イギリス海軍におけるシーキャット・システムの決定版となった。21型フリゲートにのみ搭載されており、これ以降の新規建造・改修艦艇(22型フリゲートやリアンダー級バッチ3改修艦など)では、後継のシーウルフが搭載されるようになっていった。

搭載艦艇

タイガーキャット[編集]

シーキャットの陸上発射型。3連装発射機のトレーラーと火器管制を行うトレーラーで構成され、誘導方式などはGWS-20と同じく手動である。イギリス空軍の高射隊等に採用されていたほか、アルゼンチン、イラン、南アフリカなど他国にも採用されており、アルゼンチン軍がフォークランド紛争にて実戦使用している。

参考文献[編集]