ラウンドテーブル型支援揚陸艦

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ラウンドテーブル型支援揚陸艦
RFA Sir Galahad in May 1982
「サー・ガラハド」
基本情報
種別 支援揚陸艦LSL
運用者  イギリス海軍補助艦隊(RFA)
就役期間 1964年2008年
前級 Mk.8 戦車揚陸艇
次級 ベイ型補助揚陸艦
要目
排水量 満載: 5,774 t (原型)
満載: 6,700 t (改型)
全長 126 m (原型)
139 m (改型)
全幅 18 m
吃水 4 m
機関 ディーゼルエンジン×2基
スクリュープロペラ×2軸
出力 9,400 bhp
速力 最大17.25 kt
航続距離 8,000海里 (15kt巡航時)
搭載能力 340 t
乗員 個艦要員: 65名 (原型)/ 54名 (改型)
揚陸部隊: 400名
兵装 20mm機銃×2門
搭載機 ヘリコプター甲板のみ
電子戦
対抗手段
・電波探知装置
チャフ発射機×2基
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ラウンドテーブル型支援揚陸艦英語: Round Table class Landing Ship Logistic)は、イギリス海軍補助艦隊(RFA)が運用していた揚陸艦の艦級。艦名がいずれも円卓の騎士に由来することからこの艦級名があり、また1番艦の艦名からサー・ランスロット級: Sir Lancelot-class)とも称される。

1960年代に6隻が建造されて就役したが、1隻がフォークランド紛争で戦没したことから、代艦として発展型1隻が建造され、またオーストラリア海軍においても準同型艦「トブルク」英語版が建造されて就役した。RFAでの運用は2008年までに終了したが、原型・発展型各1隻がブラジル海軍で再就役している。

設計・能力[編集]

高い艦尾楼と艦尾ランプ

艦型としては凹甲板型が採用された。海軍コマンド母艦フィアレス級揚陸艦の補完任務や揚陸兵站活動を主目的として計画されたことから、戦車揚陸艦のようにバウドア・バウランプを有する一方、艦尾にもランプを有しており、RO-RO船としての性格もある[1]

最初に建造された6隻のうち、1番艦を除く5隻は総トン数4,473トン、マーリーズ・モナーク式の10気筒ディーゼルエンジンを主機としているが、1番艦のみ総トン数6,390トンと大型で、スルザー式の12気筒ディーゼルエンジンを搭載している[2]

艦内には、艦首尾のランプと連続する、全通した主車両甲板が設けられている。収容能力については、設計・艤装の変遷のために各艦ごとで若干の差異があるが、おおむね600ないし660m²の面積を確保して、1個中隊チャレンジャー1/2戦車(12〜14両)、大型車両23〜31両、ランドローバー52〜62両、あるいは貨物コンテナ20〜26個を収容できた。またこれとは別に車両甲板も設けられており、こちらには大型車両19〜34両、ランドローバー50〜67両、あるいは貨物コンテナ20〜33個を収容できた[3]

艦尾楼甲板と上部車両甲板上にはヘリコプター甲板が設けられ、ヘリコプター発着スポットがそれぞれ1個ずつ設定されていた[1]

配備[編集]

同型艦・準同型艦一覧
# 艦名 就役 退役 その後
L3029 サー・ランスロット
RFA Sir Lancelot
1964年
1月16日
1989年
3月31日
南アフリカの海運会社を経て、
1992年にシンガポール海軍「パーシヴァランス」
(RSS Perseverance, L206)として再就役、
2003年に民間軍事会社(Glenn Defense Marina Asia)に売却され、
2008年に解体
L3005 サー・ガラハド
RFA Sir Galahad
1966年
12月17日
1982年6月8日、フォークランド紛争フィッツロイ上陸作戦にて戦没
サー・ガラハド (2代目)
RFA Sir Galahad
1987年
11月25日
2006年 ブラジル海軍「ガルシア・ダヴィラ」
(NDCC Garcia D'Avila, G-29)
として再就役
L3004 サー・ベディヴェア
RFA Sir Bedivere
1967年
5月18日
2008年
2月18日
ブラジル海軍「アルミランテ・サボイア」
(NDCC Almirante Saboia, G-25)
として再就役
L3505 サー・トリストラム
RFA Sir Tristram
1967年
9月14日
2005年
12月16日
L3027 サー・ゲライント
RFA Sir Geraint
1967年
7月12日
2003年
5月1日
2005年12月
インドでスクラップ処分
L3036 サー・パーシヴァル
RFA Sir Percivale
1968年
3月23日
2004年
8月17日
2010年
リヴァプールでスクラップ処分
L 50 トブルク
HMAS Tobruk
1981年
4月23日
 オーストラリア海軍にて就役中
大破し、重量物運搬船で帰国する「サー・トリスタム」

本級の原型6隻は、運輸省によって1961年より発注され、1964年から1968年にかけて順次に就役した。当初は、陸軍後方支援軍団(RASC)に所属し、運航は英領インド汽船会社が委託されて担当していた。その後、1970年に、所属・運航ともにイギリス海軍補助艦隊(RFA)に移管された。英領インド汽船会社・RFAのいずれにおいても、運航要員は基本的に民間人が担当してきた[1]

1982年フォークランド紛争において、本級は全艦が派遣部隊に参加した。5月24日、「サー・ベディベア」が至近弾を受け、「サー・ランスロット」が不発弾によって小破した。そして6月8日、フィッツロイ上陸作戦の際に航空攻撃を受けて、「サー・ガラハド」が撃沈、「サー・トリストラム」が大破した[4]

このことから、「サー・ガラハド」の代艦として、8,861総トンに大型化した改型が建造され、同艦名を引き継いだ。また「サー・トリストラム」は修理の際に船体の延長を含む改良を受けたほか、1990年代半ばには、残存していた3隻の原型艦はいずれもSLEP(Service Life Extension Program)改修を受けた。

現在では、より大型でドック型揚陸艦型を採用したベイ型(LSD(A))によって代替され、RFAでの運用は終了している[1]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d グローバルセキュリティー (2012年5月20日). “Sir Lancelot Round Table class Landing Ship Logistic” (英語). 2013年10月11日閲覧。
  2. ^ The LSL Class”. merchantnavyofficers.com (2007年). 2012年10月23日閲覧。
  3. ^ グローバルセキュリティー (2011年7月11日). “Sir Lancelot Round Table class Landing Ship Logistic” (英語). 2013年10月11日閲覧。
  4. ^ 堀元美 『海戦 フォークランド-現代の海洋戦-』 原書房1983年ISBN 4-562-01426-1

関連項目[編集]