オランダガラシ

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オランダガラシ
W orandagarasi4051.jpg
オランダガラシ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: フウチョウソウ目 Capparales
: アブラナ科 Brassicaceae
: オランダガラシ属 Nasturtium
: オランダガラシ N. officinale
学名
Nasturtium officinale
R. Br.
和名
オランダガラシ
ミズガラシ
クレソン
ウォータークレス
英名
Watercress
ノートルダム大聖堂のクレソン模様の彫刻

オランダガラシ(和蘭芥子)は水中または湿地に生育するアブラナ科多年草クレソンフランス語:Cresson)ともいう。または、クレスcress)ともいう。ヨーロッパから中央アジアの原産。学名としてはNasturtium officinaleN. nasturtium-aquaticumN. aquaticumRorippa nasturtium-aquaticum(別属Rorippa に含める場合)が用いられる。

分布[編集]

ヨーロッパ原産[1]北アメリカ南アメリカアジア(日本を含む)、オセアニアに移入分布する[2]

特徴[編集]

抽水植物もしくは沈水植物。繁殖力はきわめて旺盛。切った茎は水に入れておけば容易に発根するうえ、生長が速い。オランダガラシは清流にしか育たないという俗説は誤りで、汚水の中でも生育する。日本でもよく似たコバノオランダガラシ(N. microphyllum またはN. officinale var. microphyllum)とともに川や溝に野生化・雑草化しているのがよく見られる。葉は奇数羽状複葉、5月頃、茎の先に白い小花を咲かせ、その後細いさや状の種子をつける。

外来種問題[編集]

日本には明治の初めに在留外国人用の野菜として導入されたのが最初とされている。外国人宣教師が伝道の際に日本各地に持って歩いた事で広く分布するに至ったと言われている。日本で最初に野生化したのは、東京上野のレストラン精養軒で料理に使われたもので、茎の断片が汚水と共に不忍池に流入し根付いたと伝えられている。現在では各地に自生し、比較的山間の河川の中流域にまで分布を伸ばしており、ごく普通に見ることができる。

爆発的に繁殖することで水域に生育する希少な在来種植物を駆逐する恐れや水路を塞ぐ危険性が指摘されている[1]。日本では外来生物法によって要注意外来生物に指定されており、駆除が行われている地域もある[1]

利用[編集]

栽培[編集]

半水生なので水耕栽培に向いており、特に弱アルカリ性の水でよく生育する。栽培すると高さ 50-120 cm にもなる。耐寒性は強く冷涼な気候を好む為、夏に水温が上がりすぎると弱る。 日本では品種はないが、イギリスではWater、Water large leaved、Water broad leavedといった品種がある。クレソンと野生種N. microphyllumとの種間雑種のNasturtium x sterileはサラダ用に栽培されている。

  • 自家栽培
ベランダなどで水耕栽培、プランターを使用し育てることが出来る。水没したままの葉は枯れることがあるが、水面より上の部分が健全なら問題ない。食品とする場合、衛生上時々水を換えること。湿った畑でも容易に育つ。
アオムシコナガなどに葉をかじられたり、ハダニも付きやすい。

食用[編集]

ほかのアブラナ科植物と同じく、辛味(カラシ油配糖体)のシニグリンというワサビダイコンなどと同じ抗菌性の物質が含まれる。食欲増進効果もある。ホウレンソウルッコラなどと共に香味野菜としてサラダまたは茹でて若い茎と葉が肉料理の付け合せになど用いられる。お浸し(芥子醤油など)、ごま和え、天婦羅、漬物、味噌汁の具、鍋物などにも利用できる。最近はスプラウト(種子から出たばかりの芽)としても利用されている。霜にあたったクレソンは、葉が赤黒くなるが味は甘みが増す。

イスラエル過ぎ越しの祭りの料理に使われたとされる。[3]

文学[編集]

オリヴァー・ゴールドスミスにクレソン採集人の老婆を描いた詩「廃村」The Deserted Villageがある。[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著) 『決定版 日本の外来生物』 平凡社2008年4月21日ISBN 978-4-582-54241-7p.271
  2. ^ オランダガラシ 国立環境研究所 侵入生物DB
  3. ^ 『花を愉しむ事典』p.104
  4. ^ 『花を愉しむ事典』p.105

外部リンク[編集]