アンタレス
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| アンタレス Antares |
|
|---|---|
| 星座 | さそり座 |
| 視等級 (V) | 1.09 |
| 変光星型 | LC型 |
| 位置 元期:J2000 |
|
| 赤経 (RA, α) | 16時29分24秒 |
| 赤緯 (Dec, δ) | -26° 25′ 55″ |
| 視線速度 (Rv) | −3.4 km/s |
| 固有運動 (μ) | 赤経−10.16ミリ秒/年 赤緯−23.21ミリ秒/年 |
| 距離 | 600光年(190パーセク) |
| 絶対等級 (MV) | -5.18等 |
| 物理的性質 | |
| 直径 | 太陽直径の700倍 |
| 質量 | 太陽質量の15.5倍 |
| スペクトル分類 | M1.5Iab-Ib+B2.5Ve |
| 表面温度 | 3500K |
| 色指数 (B-V) | 1.83 |
| 色指数 (U-B) | 1.34 |
| 別名称 | |
| 別名称 |
α Scorpii, 21 Sco, Cor Scorpii,
Kalb al Akrab, Scorpion's Heart, Vespertilio, HR 6134, CD -26°11359, HD 148478, SAO 184415, FK5 616, WDS 16294-2626, CCDM J16294-2626A/B, HIP 80763. |
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アンタレス(Antares)はさそり座のα星で、よく知られる恒星の一つである。夏の南の空に赤く輝く1等星。
目次 |
[編集] 名称について
さそり座は黄道十二宮の一つであり、従ってアンタレスは火星と大きく接近して見える場合があり、共に明るく赤い星であることから、ギリシャ語で「火星(アレース)に対抗(アンチ)するもの」を意味する名が付けられたものである。和名の赤星(あかほし)も、文字どおり星の色に由来している。他に火(か、中国語)、大火(たいか、中国語)、コル・スコルピイ(ラテン語: Cor Scorpii)、ル・クール・デュ・スコルピヨン(フランス語: le Cœur du Scorpion)、カルブ・ル・アクラブ(アラビア語: قلب العقرب; qalb l- `aqrab)と、多くの固有名を持つ。「火」「大火」は「アンタレス」「赤星」同様この星の色に由来し、後3者はいずれも「さそりの心臓」の意。学名のアルファ・スコルピイ(α Scorpii、略号α Sco)で呼ばれることもある。
[編集] 物理的性質
非常に美しい実視連星で、0.96等(但しごくわずか変光する)の主星(アンタレスA)から2.6秒離れたところに5.4等の伴星(アンタレスB)が輝いている。2つの星のスペクトル型はアンタレスAがM1.5Ⅰab-ⅠbでアンタレスBがB2.5ⅤeなのでアンタレスAが赤く、アンタレスBが青白く見えるはずだが、実際にはアンタレスAとの色の対比効果によりアンタレスBは緑色に見えることが多い。またアンタレスAも「赤」とはいっても「真っ赤」というよりはオレンジがかった赤色に輝いて見える。但し2つの星の光度差が大きいため、小望遠鏡では分離できない。
アンタレスはかつては0.9等から1.8等まで変光する脈動変光星といわれていたが、実際はそれほど大きな光度変化は見られず、変光範囲は0.9等から1.2等くらいである。従って眼視観測ではアンタレスの変光はほとんどわからない(ちなみに眼視観測で変光が分かるのは変光範囲が0.5等以上の星である)。むしろジュバ(δ Sco)の方がアンタレスより変光範囲は大きい(ちなみにジュバの変光範囲は1.7等~2.3等なので、眼視観測でも変光が確認できる)。
アンタレスはかつて直径が太陽の230倍とされ、「理科年表」も長らくこの値を採用していたが、実際はもっと大きな星で、直径は太陽の600倍ないし800倍である(理科年表2009年版では太陽の720倍に変更されている)。以前は明るさと表面温度から大きさを推定していたが、現在は干渉計によって実測しており、過去と現在の直径の違いはこれを反映している。明るさは太陽の8000倍ないし1万倍と考えられている。なお、赤外線を含めて計算すると明るさは太陽の6.5万倍である。非常に大きな直径と太陽よりはるかに明るい光度、そして表面温度が3500Kであることからアンタレスが赤色超巨星であることがわかる。また、地球からの距離は約600光年と考えられている。
[編集] アンタレスと関連のある天体
[編集] IC4606
アンタレスの周りを取り囲んでいる赤く輝く散光星雲で、別名vdB107とも呼ばれる。散光星雲にはHⅡ領域(自ら発光する星雲)と反射星雲(近くの星の光を反射して輝く星雲)の2種類に分けられるが、IC4606は後者である。HⅡ領域は水素原子が発する6563オングストロームのバルマー線(Hα線と呼ばれる)を放つため赤く見えるものも多いが(例:ばら星雲)、IC4606はアンタレスの光を反射して輝いているのでHⅡ領域の赤い輝きとは本質的に異なり、HⅡ領域は深紅もしくはピンクがかった赤色のHα線で輝いているのに対し、IC4606はオレンジがかった赤色の連続光で輝いている。
[編集] Cr302
アンタレスはさそり─ケンタウルスアソシエーション(さそり─ケンタウルス運動星団或いはさそり─ケンタウルス星流とも呼ばれる)の最も明るいメンバーであるが、そのなかでアンタレスを中心としたさそり座周辺(てんびん座、へびつかい座も含む)の星を特にCr302(さそり座OB2またはアンタレス運動星団とも呼ばれる)と呼ぶ。Cr302は渡部潤一が著した『図説 新・天体カタログ─銀河系内編』(立風書房、1994年)によると散開星団に分類されるが、明るい星が多いものの散開星団としてはまばらなので見応えはあまりない。
[編集] Cr302の主なメンバー一覧
- ο Scorpii
- π Scorpii
- ρ Scorpii
- τ Scorpii
- 1 Scorpii
- 2 Scorpii
- 13 Scorpii
- 22 Scorpii
- ζ Ophiuchi
- χ Ophiuchi
- ζ Librae
- λ Librae
- τ Librae
- 47 Librae
- 48 Librae
[編集] 掩蔽(えんぺい)
アンタレスは白道に近い位置にあるので、月による掩蔽即ち星食が見られることもある。他の恒星が月に隠される場合は、その光は瞬間的に消失するが、アンタレスでは10分の1秒ほどかかる。アンタレスの直径が非常に大きいためである。

