リゲル

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リゲル
Rigel
Orion constellation map.png
仮符号・別名 オリオン座β星
星座 オリオン座
視等級 (V) 0.12 / 8.44 等
変光星型 不規則(僅少)
発見
発見方法 目視
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 05h 14m 32.3s
赤緯 (Dec, δ) -08° 12' 06"
視線速度 (Rv) 20.7 km/秒
固有運動 (μ) 赤経:1.87 × 10-3 秒/年
赤緯:0.56 × 10-3 秒/年
年周視差 (π) (4.22 ± 0.81) × 10-3
距離 800 光年(240 パーセク
絶対等級 (MV) -7.2 等
物理的性質
半径 70 R
質量 17 M
スペクトル分類 B8Iab
光度 85,000 L以上(放射光度
表面温度 11,500K以上
色指数 (B-V) 0.03
色指数 (U-B) 0.66
別名称
別名称
アルゲバル, オリオン座β星 (β Ori),
オリオン座19番星 (19 Ori), 0509-08,
BD -8°1063, BS 1713,
FK5 224, HD 34085,
HIP 24436, SAO 131907


■Project ■Template
Computer generated image of Rigel compared to the Sun (to scale)

リゲル(Rigel)はオリオン座β星で、B型青色超巨星である。僅かに変光する。また実視連星でもあり、青白い6.8等の伴星を引き連れている。

全天で6番目に明るい恒星である。β星ではあるが、平均視等級の数字ではα星のベテルギウス(全天で9番目)よりも明るい。ベテルギウスも変光星でありこの極大期にのみ明るさが逆転する。

リゲルは冬のダイヤモンドの一角を担っている。

目次

[編集] 物理的特徴

リゲルは、明るすぎて正確な視差の測定が困難とされてきた青色超巨星である。分光学的な推定値は、地球から700から900光年(210から280パーセク)にある。人工衛星ヒッパルコスによる最も正確な値は773光年(237パーセク)誤差19%と言われている。

青色超巨星のリゲルは、太陽の17倍以上の質量があり、光度比は太陽の85000倍と言われている[1]。 リゲルは天の川銀河において肉眼で見える最も明るい恒星のひとつである。地球から似た距離にある青色超巨星としては、約1100光年彼方にある、とも座ナオス星があげられる。

リゲルはおおよそ22~25日で変則的に0.03~0.3の範囲で等級を変化させる。リゲルは3重連星として知られている。(等級変化の不規則性から)3番目の伴星を持つという議論はしばしばなされるが、一般的には星の表面の物理的な脈動によって引き起こされていると考えられている[2]

質量が非常に大きいため、中心部での水素の核融合反応が急激に進んでおり、そのためあと数千万年でヘリウムの核融合が始まって赤色超巨星となり、更に重い元素の中心核が形成され、超新星爆発を起こすと言われている。一方、恒星風によって表層から大量のガスが急速に失われており、数百万年経過すると超新星爆発を起こせなくなるほど質量が減り、最後はネオン酸素で構成された白色矮星となって星としての生涯を終えるという予測も存在する[3]

[編集] 連星系

リゲルは、少なくとも1831年より、F.G.W.シュトルーベによって、実視連星として観測され、知られている。しかし、等級6.7とされるリゲルBは、それより500倍明るいリゲルAに近すぎて邪魔され、150ミリクラス以下の望遠鏡で観測するのは困難である[2]

二つのリゲル間の推定距離は、2200天文単位以上であり、互いに回りあう固有の軌道を持っている[2][4]

リゲルBはそれ自身9.8日の公転周期を持つ分光連星である[5]。リゲルBを構成する2つの星のスペクトル型は共にB8Vである[2][4]

[編集] 名称

[編集] 固有名

リゲル
  • 語源
日本では、しばしば「巨人の左足」という意味だとされているが、実際には、アラビア語で「足」を意味する rijl (رجل, [リヂル]) が変化したものである。この星のアラビア名 Rijl al-Jawzā' ([リヂル・アル=ジャウザー]、「ジャウザーの足」 の意)から来ている。10世紀末から見られる、アラビア語起源の星の西洋名の一つである[6]
  • 表記と発音
日本での「リゲル」は、原綴りを綴字読み(ローマ字読み)したものからきている。英語では [ライジェル] というように発音される。
アルゲバル
リゲルの別名としては、同じアラビア語起源のアルゲバル (Algebar) またはエルゲバル (Elgebar) がある。これは、アラビアでの別名 Rijl al-Jabbār ([リヂル・アル=ヂャッバール]、「巨人の足」 の意)から来たものである。リゲルが天文学でも広く使われていることもあり、アルゲバルは、現在では、ほとんど用いられることはない。

[編集] 和名

『日本星名辞典』に掲載された図と注釈の再現

リゲルの和名は「源氏星」(げんじぼし)とされている[7][8][9][10][11][12]

岐阜県において、平家星・源氏星という方言が見つかっている[11][13][14]。 これは昭和25年に、野尻抱影に報告された方言であり[脚注 1]ベテルギウスの赤色とリゲルの白色を源氏平家の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈されている。 野尻は農民の星の色を見分けた目の良さに感心し、それ以後は渋谷のプラネタリウムで解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった[13][14]

天文誌、図鑑、野尻抱影や藤井旭の著書をはじめ、多くの本で、リゲルの和名を「源氏星」と特定した上で、岐阜の方言であるとしている[11][13][14][16][17]。(ただし、岐阜県の揖斐郡横蔵村(現揖斐川町)においてリゲルを平家星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって紹介されており [13][14]、民俗学の見地から異論を唱える研究者もいる[脚注 1]。)

また、増田正之は昭和60年に、富山県高岡市の市立伏木小学校において、リゲルを源氏星とした方言を見つけている[18]

また、滋賀虎姫(現・長浜市)でリゲルを銀脇(ぎんわき)とする方言が発見されている。これは、オリオン座の三つ星の脇にある関係とベテルギウスの金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている[13]

その他、リゲルが関係するアステリズムの方言はリゲル関係の方言を参照。

北尾浩一の見解
北尾浩一は、著書の中で揖斐地方で発見された平家星(へいけぼし)をリゲルとして分類している[15][脚注 1]
多くの書籍で、源氏星がリゲルを示す岐阜の方言とされている事について、野尻抱影の著書における村の古老の証言と逆であると指摘している。北尾浩一は、再調査を行い、発見地とされる揖斐地方では一般的に認識されているの旗印の色とは逆であったことを確認している[19]。この見解が最初に発表されたのは2005年であり、野尻は既に亡くなっていた。野尻は、源氏星をリゲルと特定したが、香田より第一報を受けた後、1000回を超えるやり取りの後、初めて信用したと証言されている[19]

[編集] 中国名

中国では参宿第七星(參宿七)。

[編集] リゲルを扱った作品

[編集] 関連項目

[編集] 注釈

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  1. ^ 北尾は発見者を香田としている[15]。香田まゆみ(または寿男)は昭和25年に平家星をリゲルと特定した古老の存在を野尻に報告している[13][14]

[編集] 出典

  1. ^ Kaler, James. “Rigel”. 2007年2月4日閲覧。
  2. ^ a b c d Burnham, Robert, Jr. (1978). Burnham's Celestial Handbook. New York: Dover Publications. pp. 1300. 
  3. ^ Fred Schaaf, The Brightest Stars: Wiley, 2008, ISBN 978-0-471-70410-2 P.159.
  4. ^ a b Jedicke, Peter; Levy, David H. (1992). “Regal Rigel”. The New Cosmos. Waukesha: Kalmbach Books. pp. 48–53. 
  5. ^ ヨアヒム・ヘルマンドイツ語版 著、小平桂一 監修 『カラー天文百科』 平凡社1976年3月25日初版第1刷発行、245頁。
  6. ^ Kunitzsch. P., Smart. T., A Dictionary of Modern Star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations, Cambridge, 2006, p. 46.
  7. ^ 三省堂『大辞林』810項
  8. ^日本大百科全書』23巻リゲル項
  9. ^ 野尻抱影 著 『新星座巡礼』 19項
  10. ^ 野尻抱影 著 『星三百六十五夜』上巻(1978年)38項
  11. ^ a b c 『月刊天文ガイド』2007年2月号134項
  12. ^ 講談社『日本語大辞典』(リゲル項)2063項/平凡社『マイペディア』(リゲル項)1502項/ポプラ社『ポプラディア』第10巻(リゲル項)/学研の図鑑『星・星座』75項
  13. ^ a b c d e f 野尻抱影 著 『日本星名辞典』 東京堂出版、1973年、154-155頁
  14. ^ a b c d e 野尻抱影 著 『星の方言集 - 日本の星』 中央公論社、1957年、265-269頁
  15. ^ a b 学術出版会 北尾浩一著 『天文民俗学序説 - 星・人・暮らし』39項の表より
  16. ^ 藤井旭 著 『宇宙大全』441項/同著『全天星座百科』150項/同著『星座大全』35-36項
  17. ^ 講談社林完次 著 『21世紀星空早見ガイド』50項
  18. ^ 増田正之『ふるさとの星 続越中の星ものがたり』15項および、巻末 富山県星の一覧表3項
  19. ^ a b 北尾浩一 「『源氏星』と『平家星』」 - 星・人・暮らしの博物館東亜天文学会天界』2005年11月号648頁
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