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青木湖
	ファイル:青木湖.jpg
所在地	日本; 長野県大町市
面積	1.73 km2
周囲長	6.65 km
最大水深	58 m
平均水深	29 m
貯水量	0.054 km3
水面の標高	822 m
成因	構造湖
淡水・汽水	淡水湖
湖沼型	貧栄養湖
透明度	8 m
	プロジェクト地形
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青木湖の位置

青木湖

青木湖の位置（長野県）

青木湖（あおきこ）は、長野県大町市北部にある湖である。仁科三湖のうち最も北に位置し、最大の面積をもつ。

地理

面積は1.7km²で、長野県内では諏訪湖・野尻湖についで3番目、全国では59番目の広さ、標高822m、周囲長6.5km、全面結氷はしない、貧栄養湖で透明度9.8m^[2]。西側には北アルプスがある。透明度が高く、水深58mは長野県内で最も深い。流入河川が無いにもかかわらず水位が維持されていることから、湖底にかなりの量の湧水があると考えられている。流出河川は農具川で中綱湖、木崎湖へと繋がる。

青木湖の北側に広がる佐野坂峠は、姫川水系と農具川水系の分水嶺。

歴史

糸魚川静岡構造線による地溝上にできた断層性構造湖で、約3万年前に発生した西側の山の大規模な斜面崩落による谷（かつての姫川）の堰止めにより形成されたと考えられている^[3]^[4]。その痕跡の馬蹄形地形を白馬佐野坂スキー場に、崩落した土砂は湖北側の佐野坂丘陵として現在も見ることができる^[5]。
1954年（昭和29年）、長野県による青木湖総合開発事業が完成し、青木湖の水が灌漑や水力発電に利用されるようになった。高瀬川の支流・鹿島川の水を湖畔にある昭和電工の青木発電所を経て青木湖に流入させ、水温を上昇させた上でくみ上げ、鹿島川流域の農地に配水する。もともと鹿島川の水は農業用水として利用するには冷たい（農具川と比べ水温が10℃も低い）という問題を抱えていたが、この開発によって解消された。このほか、昭和電工の常盤・広津発電所にも送水している^[6]。
1975年（昭和50年）1月1日午前11時20分頃、24名の犠牲者を出した「青木湖バス転落事故」が発生した。湖畔の市道を走行していたホテルのスキー客送迎バスが急カーブで運転を誤り同湖に転落したものである。助かった乗客の多くは車体後部におり、前部にいた者ほど犠牲が多かった。
1976年公開の「犬神家の一族」の、「湖面から逆さに突き出す両足」は、青木湖で撮影されたものである。

特徴

夏は釣りやキャンプで、冬はスキーなどで賑わう。
冬季に水力発電用の取水による水面低下（最大約20メートル）やブラックバスなどの定着が問題となっている。

周辺

国道148号
大糸線ヤナバスキー場前駅（駅はスキーシーズンのみの営業のためシーズン外は隣の簗場駅が最寄駅となる）
ヤナバスキー場
サンアルピナ青木湖スキー場

参考画像

鹿島川
昭和電工青木発電所
青木湖取水口
青木湖と白馬盆地、白馬連峰

参考文献

大町市史編纂委員会編集『大町市史第四巻近代・現代』大町市、1985年9月1日。

脚注

[脚注の使い方]

^ 国土地理院 (2015年3月6日). “平成26年全国都道府県市区町村別面積調湖沼面積” (PDF). 2015年3月24日閲覧。
^ 国立天文台『理科年表 2009年』丸善、2008年11月
^ 長野県北西部,青木湖の成因と周辺の最上部第四紀層第四紀研究 Vol.39 (2000) No.1 P.1-13, doi:10.4116/jaqua.39.1
^ 梓川上流・トバタ崩れ (1757) に伴う天然ダムの形成と決壊対策砂防学会誌 Vol.60 (2007-2008) No.3 P.44-49, doi:10.11475/sabo1973.60.3_44
^ 八木浩司、井口隆、空から見る日本の地すべり地形シリーズ－40－糸魚川－静岡構造線沿いの地すべりダム湖・青木湖日本地すべり学会誌 52巻 (2015) 3号 p.152-154, doi:10.3313/jls.52.152
^ 『大町市史第四巻近代・現代』555 - 556ページ。

外部リンク

長野県大町市観光ガイド
日本海の拡大と構造線－MTL，TTLそしてフォッサマグナ－地学雑誌 Vol.119 (2010) No.6 P.1079-1124, doi:10.5026/jgeography.119.1079

座標: 北緯36度36分38秒東経137度51分4秒 / 北緯36.61056度東経137.85111度 / 36.61056; 137.85111

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[menseki-1] 国土地理院 (2015年3月6日). “平成26年全国都道府県市区町村別面積調湖沼面積” (PDF). 2015年3月24日閲覧。

[2] 国立天文台『理科年表 2009年』丸善、2008年11月

[3] 長野県北西部,青木湖の成因と周辺の最上部第四紀層第四紀研究 Vol.39 (2000) No.1 P.1-13, doi:10.4116/jaqua.39.1

[4] 梓川上流・トバタ崩れ (1757) に伴う天然ダムの形成と決壊対策砂防学会誌 Vol.60 (2007-2008) No.3 P.44-49, doi:10.11475/sabo1973.60.3_44

[5] 八木浩司、井口隆、空から見る日本の地すべり地形シリーズ－40－糸魚川－静岡構造線沿いの地すべりダム湖・青木湖日本地すべり学会誌 52巻 (2015) 3号 p.152-154, doi:10.3313/jls.52.152

[6] 『大町市史第四巻近代・現代』555 - 556ページ。

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 '''青木湖'''（あおきこ）は、[[長野県]][[大町市]]北部にある[[湖]]である。[[仁科三湖]]のうち最も北に位置し、最大の面積をもつ。
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 == 歴史 ==
-* [[糸魚川静岡構造線]]による[[地溝]]上にできた断層性[[構造湖]]で、約3万年前に発生した西側の山の大規模な斜面崩落による谷（かつての姫川）の堰止めにより形成されたと考えられている<ref>[http://dx.doi.org/10.4116/jaqua.39.1 長野県北西部,青木湖の成因と周辺の最上部第四紀層]第四紀研究 Vol. 39 (2000) No. 1 P 1-13</ref><ref>[http://dx.doi.org/10.11475/sabo1973.60.3_44 梓川上流・トバタ崩れ (1757) に伴う天然ダムの形成と決壊対策]砂防学会誌 Vol. 60 (2007-2008) No. 3 P 44-49</ref>。
+* [[糸魚川静岡構造線]]による[[地溝]]上にできた断層性[[構造湖]]で、約3万年前に発生した西側の山の大規模な斜面崩落による谷（かつての姫川）の堰止めにより形成されたと考えられている<ref>[http://doi.org/10.4116/jaqua.39.1 長野県北西部,青木湖の成因と周辺の最上部第四紀層]第四紀研究 Vol.39 (2000) No.1 P.1-13, {{doi|10.4116/jaqua.39.1}}</ref><ref>[http://doi.org/10.11475/sabo1973.60.3_44 梓川上流・トバタ崩れ (1757) に伴う天然ダムの形成と決壊対策]砂防学会誌 Vol.60 (2007-2008) No.3 P.44-49, {{doi|10.11475/sabo1973.60.3_44}}</ref>。その痕跡の馬蹄形地形を白馬佐野坂スキー場に、崩落した土砂は湖北側の佐野坂丘陵として現在も見ることができる<ref>八木浩司、井口隆、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls/52/3/52_152/_article/-char/ja 空から見る日本の地すべり地形シリーズ－40－糸魚川－静岡構造線沿いの地すべりダム湖・青木湖] 日本地すべり学会誌 52巻 (2015) 3号 p.152-154, {{doi|10.3313/jls.52.152}}</ref>。
 * [[1954年]]（[[昭和]]29年）、長野県による青木湖[[河川総合開発事業|総合開発事業]]が完成し、青木湖の水が[[灌漑]]や[[水力発電]]に利用されるようになった。[[高瀬川 (長野県)|高瀬川]]の支流・[[鹿島川 (長野県)|鹿島川]]の水を湖畔にある[[昭和電工]]の青木発電所を経て青木湖に流入させ、水温を上昇させた上でくみ上げ、鹿島川流域の農地に配水する。もともと鹿島川の水は農業用水として利用するには冷たい（農具川と比べ水温が10℃も低い）という問題を抱えていたが、この開発によって解消された。このほか、昭和電工の常盤・広津発電所にも送水している<ref>『大町市史 第四巻 近代・現代』555 - 556ページ。</ref>。
 * [[1975年]]（昭和50年）[[1月1日]]午前11時20分頃、24名の犠牲者を出した「[[青木湖バス転落事故]]」が発生した。湖畔の市道を走行していた[[ホテル]]のスキー客送迎[[バス (車両)|バス]]が急[[線形 (路線)|カーブ]]で運転を誤り同湖に転落したものである。助かった乗客の多くは車体後部におり、前部にいた者ほど犠牲が多かった。
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 == 周辺 ==
-*[[国道148号]]
+* [[国道148号]]
-*[[大糸線]][[ヤナバスキー場前駅]]（駅はスキーシーズンのみの営業のためシーズン外は隣の[[簗場駅]]が最寄駅となる）
+* [[大糸線]][[ヤナバスキー場前駅]]（駅はスキーシーズンのみの営業のためシーズン外は隣の[[簗場駅]]が最寄駅となる）
-*[[ヤナバスキー場]]
+* [[ヤナバスキー場]]
-*[[サンアルピナ青木湖スキー場]]
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 == 参考画像 ==
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-ファイル:Kashima River Omachi02bs.jpg|鹿島川
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 == 関連項目 ==
+{{commonsCat|Lake Aoki}}
-*[[日本の湖沼一覧]]
-*[[青木湖バス転落事故]]
+* [[日本の湖沼一覧]]
+* [[青木湖バス転落事故]]
 == 外部リンク ==
 * [http://www.kanko-omachi.gr.jp/index.html 長野県大町市観光ガイド]
-* [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.119.1079 日本海の拡大と構造線 ―MTL，TTLそしてフォッサマグナ―] 地学雑誌 Vol.119 (2010) No.6 P1079-1124
+* [http://doi.org/10.5026/jgeography.119.1079 日本海の拡大と構造線 －MTL，TTLそしてフォッサマグナ－] 地学雑誌 Vol.119 (2010) No.6 P.1079-1124, {{doi|10.5026/jgeography.119.1079}}
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