猪苗代湖

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猪苗代湖

Lake Inawashiro view from Mt.Bandai.jpg
磐梯山山頂からみた猪苗代湖

猪苗代湖の位置
猪苗代湖
猪苗代湖の位置(福島県)
所在地 日本の旗 日本
福島県会津若松市郡山市耶麻郡猪苗代町
位置 北緯37度29分 東経140度06分 / 北緯37.483度 東経140.100度 / 37.483; 140.100座標: 北緯37度29分 東経140度06分 / 北緯37.483度 東経140.100度 / 37.483; 140.100
面積 103.3[1][2] km2
周囲長 49[3] km
最大水深 94.6[1][3] m
平均水深 51.5[1] m
貯水量 5.40 km3
水面の標高 514[1][3][2] m
成因 構造湖[2](断層湖)
淡水・汽水 淡水[2]
湖沼型 酸栄養湖
透明度 12.0 m
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猪苗代湖(いなわしろこ)は、福島県会津若松市郡山市耶麻郡猪苗代町にまたがる、日本で4番目に広いである[4]。別名、天鏡湖(てんきょうこ)。阿賀野川水系所属の一級河川の指定を受けている[5]

地理[編集]

福島県のほぼ中央に位置する。面積琵琶湖霞ヶ浦サロマ湖に次いで日本第4位(日本の湖沼の面積順の一覧参照)で、福島県最大。また、湖面の標高514mは、全国でも有数の標高の高い湖であり、磐梯朝日国立公園に属する。

水質[編集]

酸性地下水や強酸性の源泉による強酸性の水質が特徴の酸川の水が長瀬川を通じて流入[6]するため、特に流入部を中心に、湖水は酸性を示す[7]。これよりプランクトンが少ない[7]。また、イオンアルミニウムイオンの濃度が高く、酸性の流入水と中和する過程で有機物リンが吸着・結合して沈殿するため、水中の有機物の量を示すCODは0.5mg/L(2004年現在)と日本でもっとも少ない湖であり、4年連続で湖沼の中で水質日本一になっている。

しかし、近年、流入する酸性水の量や質の変化、生活系や産業・農業系排水の流入等の要因によって湖水が中性化する傾向[6]があり、今後中性化が進行すると有機物を沈殿させる作用が働かなくなったり、湖底に沈殿していた物質が溶出したりして水質が急激に変化する可能性がある。

2002年、福島県では、猪苗代湖及び裏磐梯地域の湖沼群の水環境の悪化を未然に防止し、水環境を保全していくため、水質汚濁防止法上乗せ規制及び横出し規制条例である「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例」を制定した[8]

湖の形成[編集]

第四紀以降、東側の川桁断層により盆地の形成が始まり[4]新第三紀中も西側の会津盆地東縁断層などを含む東西の断層により、現在の猪苗代湖に続く盆地の形成がなされた[9]。その後、南方からの火砕流による西側山地の発達を経て、磐梯山による9万年前頃の翁島火砕流堆積物と5万年前頃の頭無火砕流堆積物によって、盆地排水口がせき止められ、湖盆地形が形成され[9]、湖の水位が上がった[4]。その後、日橋川による急激な侵食により湖面が現在の高さまで低下し、現在の猪苗代湖が形成された[4]

縄文時代中期から後期にかけては、現在よりも湖の水位が低かったと考えられ、湖北部の沖においてこの時期の土器などの出土が見られる[10]

伝説[編集]

弘法大師がこの地を通りかかった際、機を織っていた女に水を乞うが断られてしまう。そこで別の村で米をといでいた翁という名前の貧しいに米のとぎ水を乞うと、快く飲ませてもらえた。その翌日、磐梯山が噴火して周囲の52の村が陥没して湖底に沈んでしまったが、弘法大師に水を飲ませた翁の家だけは湖底に沈まず、島となった。これが翁島だという伝説が会津地方に伝わる。

利用[編集]

江戸期、猪苗代湖では湖上における交通の発達がみられた。この湖上交通は廻米などに用いられた[7]。また、同時に周辺地域における農業用水の供給源としても用いられており、戸ノ口堰、布藤堰などが存在していた[7]

その後、明治期にはそれまでの地域のみならず、降水量が不足する郡山市周辺の安積原野に飲料用水や農業用水を供給するために、1882年安積疏水が、1977年新安積疏水が整備された[7]。この疎水は湖の東側より取水し、分水嶺の山をトンネルによって越えるものであった。近代日本を代表する重要な疏水事業によって安積原野は、日本有数のの生産地に姿を変えた。用水は最終的に阿武隈川水系に回収される。安定した供給量を確保するため、湖の西側にある流出河川の日橋川十六橋水門を設け湖水面の高さ調整を行っている。現在では、猪苗代湖の水はこの安積疎水によって主に湖東側の郡山市の農業用水などとして用いられる一方、湖西側の会津若松市においても飲料水などとしても用いられている[6]。加えて、日橋川や安積疎水には複数の発電所が設けられており、これらの発電用水としても用いられている[6]。その他、国の地方港湾、翁島港[11]、湖南港[12]がある。このうち、翁島港は主に観光港として機能している[11]

猪苗代湖は、福島県を代表する観光スポットである。日本百景に選定されており、マリンスポーツキャンプなど、年間を通して家族連れなどの観光客が多い。白鳥の飛来地としても知られており、長浜を発着する遊覧船も運行されている[11]。湖北岸には天鏡閣(重要文化財)、野口英世記念館などがある。冬には、強い季節風に吹き上げられた水しぶきが木などに付着して、そのまま凍り付いてできる「しぶき氷」が有名である。

天然記念物[編集]

「猪苗代湖のミズスギゴケ群落」、「猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地」が国の天然記念物に指定されている。

主な浜[編集]

交通[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 日本歴史地名大系7 (1993), p.41.
  2. ^ a b c d 国土交通省 日本の主な湖沼
  3. ^ a b c 日本地名大辞典6 (1967), p.48.
  4. ^ a b c d 角川日本大地名事典7 pp.120-121.
  5. ^ 福島県 猪苗代湖の洪水警戒態勢
  6. ^ a b c d 会津若松市 猪苗代湖のページ
  7. ^ a b c d e 日本歴史地名大系7 (1993), p.42.
  8. ^ 郡山市 福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例について
  9. ^ a b 会津若松市史13 p.52.
  10. ^ 日本歴史地名大系7 (1993), p.43.
  11. ^ a b c 福島県 地方港湾 翁島港
  12. ^ 福島県 地方港湾 湖南港

参考文献[編集]

  • 会津若松市史研究会『会津若松市史13 自然編3 地誌 会津の大地』(会津若松市, 2004)
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会(編)『角川日本地名大辞典7 福島県』(角川書店, 1981)
  • 平凡社地方資料センター(編)『日本歴史地名大系7 福島県の地名』(平凡社, 1993)
  • 渡辺光, 中野尊正, 山口恵一郎, 武正英(編)『日本地名大辞典6 東北』(朝倉書店, 1967)

関連記事[編集]

外部リンク[編集]