死役所

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死役所』(しやくしょ)は、あずみきしによる日本漫画作品。『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて、2013年11月号から連載中。

あらすじ[編集]

此岸と彼岸の境界に存在する、市役所ならぬ「死役所」。ここには、自殺、他殺、病死、事故死、寿命、死産までありとあらゆる人が訪れ、死後に自分の死の手続きをする場所である。死役所職員は全員同じ理由で死亡しており、何故死後職員として働くことになったのか、そもそも死役所の存在理由とは…死役所を訪れる人や職員が死んでなお「自分の人生はなんだったのか」と考えている物語である。

登場人物[編集]

シ役所職員[編集]

全員元死刑囚である。苗字に必ず『シ』が入っており、その部分はカタカナで表記される。死刑になると所属職員のいない『死刑課』で受付されることとなり、条例により成仏はせず強制的に職員採用試験を受けなければならない(冤罪で処刑された場合は申し出れば成仏できる)。採用試験を辞退すると『冥途の道』行きとなり真っ暗闇を永久に彷徨うことになる。採用後は通知がくれば成仏する。

主要人物[編集]

シ村/市村 正道(しむら まさみち)
部署 - 総合案内
本作品の主人公。眼鏡に七三分けで、常に笑顔(糸目で口をV字にした表情)を浮かべた謎の男性。『お客様は仏様です』をモットーにしているが慇懃無礼な言動も多い。生前は役所勤務で実は冤罪で処刑された。
ニシ川/西川 実和子(にしかわ みわこ)
部署 - 自殺課
本作品のヒロイン。ショートカットで唇がふっくらしており口元にホクロがある。睫毛の長い美人だが笑顔はなく、口が悪い。仕事“は”出来ると評されている。
生前は髪が長かった。美容師をしていたため死後も役所の人間の髪を整えることがあったが、生きていたころの話をされるのを嫌がる。生前、3人の不倫相手を殺害し口を裂いた連続殺人者である。
イシ間/石間 徳治(いしま とくじ)
部署 - 他殺課
スキンヘッドの強面だが人情に厚く涙もろい。生前は妻に先立たれ子供もなかったため、姪・ミチを娘のように可愛がっていたが、彼女のために殺人を犯してしまう。それが本当に正しかったのかどうかのジレンマに悩み続けており、度々回想がある。
ハヤシ/林 晴也(はやし はるなり)
部署 - 生活事故死課
長めの茶髪に、語尾に「す」をつける言葉遣いが特徴の今風な青年。涙袋がある。職員のほとんどがスーツを着用しているが、彼だけはTシャツにジャケット、スニーカーというラフな出で立ちである。見た目に反し、時代劇役者だった祖父の影響で「真(まこと)」「童(わっぱ)」「何故(なにゆえ)」など言い回しが古風。趣味は漫画収集と著名人のサイン収集。出生の秘密に苦しみ、それが原因で妻が不倫し子供をもうけていたことを知り逆上、妻、不倫相手、子供を殺害した。その事に反省も後悔もしていなかったが三樹ミチルの言葉をきっかけに反省しようとしている。

その他の職員[編集]

岩シ水/岩清水 直樹(いわしみず なおき)
部署 - 人為災害死課
比較的地味な出で立ちの青年。自分で物事を考えるのが苦手で指示をされたがる。無神経な言動も多い。生前は浪人生でネットカフェ難民だったが、ストレスでネットカフェに放火し10人を焼死させた。
松シゲ/松重 謙三(まつしげ けんぞう)
部署 - 交通事故死課
方言で喋る上に歯がところどころ抜けているため滑舌がかなり悪く、言葉が聞き取りづらい。何故かシ村だけは理解できる。
シラ神/白神 静佳(しらかみ しずか)
部署 - 病死課
物静かで腰が低く、すぐに謝る。イシ間曰く「色白で儚げで女房に似ている」らしい。
ハシ本/端本(はしもと)
部署 - 他殺課
他殺課に配属された新人。目まで覆うほどの長髪で無口。不満が爆発するとカッターを振り回すなど狂暴化するが、なんとか職員としての日々を過ごしている。
フシ見/(フシみ)
部署 - 他殺課
他殺課で配属されたばかりのときのハシ本の臨席の職員。衝撃が苦手。ハシ本とトラブルになったときハシ本が持っていたカッターを奪い、ハシ本の首を躊躇いなく切りつけたことがある。
竹シタ/(たけシタ)
部署 - 癌死課
髭面でガラが悪そうな中年男性。イシ間より在職期間が長い。
シン宮(シンぐう)
部署 - 死産課
おおらかで男性職員に絡むのが好きな中年女性。
加賀シロ(かがシロ)
部署 - 巻添嘱託死課
「この仕事に同情はいらない」と淡々と仕事をこなす青年男性。シ村の笑顔を「気色が悪い」「鼻に付く」と嫌っている。

お客様[編集]

シ役所にやってくる死者達。死んだ時点での姿で現れる。死因(自殺、他殺、病死など)ごとにそれぞれの課に案内され成仏するための手続きを行う。職員とは逆に、死刑でやってきた江越を除く全員苗字に『シ』が入っていない。

江越 伸行(えごし のぶゆき)
死刑。享年26。無職。極めて自己中心的で非常識。自分の保身目当てに負傷者12人、子供5人殺害した快楽殺人者。
作中で、初の冥土の道行きで、いつも笑顔のシ村ですら、笑わずに「クズ」と評されたほど。
伊達 夏加(だて なつか)
交通事故死。享年15。中学3年生。片想い中の同級生とのデート中、居眠り運転のトラックに轢かれてしまう。
彼女のやり取りでシ村は、生前に子供を殺したかのような過去を思い出していた。
杉(すぎ)
病死(胃がん)。元刑務官。拘置所に勤めていた際、生前のシ村と出会っていて、絶望して死を待つだけの死刑囚・沼尻(ぬましり)を気にかけ、せめて処刑まで心安らかに生きてほしいと願う。沼尻処刑後、シ村は杉に「刑務所には向いていない」と言って、一年後には刑務所を辞めてしまった。
三樹 ミチル(みき ミチル)
生活事故死。享年20。大学生。天真爛漫でわがまま。サークルの飲み会にて20歳になった記念にアルコールを解禁するが、急性アルコール中毒でそのまま死んでしまう。生活事故死課で取り扱う内容だが、「酒を強要されたから」という理由で殺人として手続きをさせようとする。殺人と認められるまで手続きしないと言い、49日間役所に居り、職員の過去を知り、その中でも、林に生前の過ちと向き合う影響を与えた。
花平 妙子(はなひら たえこ)
心臓病死。若いころに最愛の夫・繁之が不倫相手に惨殺され、心に深い傷を負いながら女手一つで息子を育てる。
寺井 修斗(てらい しゅうと)
交通事故死。大学4年生。7巻の表紙に描かれている。取り柄がなく平凡で、医大生の弟にコンプレックスがあった。祖母に講演会に誘われたことをきっかけに宗教団体『加護の会』に入信し、周りが見えなくなるほど信仰する。
日原 紺志(にちはら こんし)
人為災害致死。会社員。単身赴任中で、喫煙者だが家族には内緒にしている。
尾ヶ崎 秀哉(おがさき ひでや)
病死。小学生。両親は不仲で仕事が忙しくかまっもらえなかった。
甲斐 亜生子(かい あいこ)
自殺。介護士。一人で認知症の母親の世話をしていたが限界を迎え心中した。
甲斐 ふく子(かい ふくこ)
嘱託死。甲斐亜生子の母親。娘と共にシ役所にやってくる。
明智 磨美(あけち まみ)
病死。元舞台女優で身寄りがなく一人で娘を育てた。12歳の娘を残し癌で死亡。
上田 都築(うえた つづき)
自殺。25歳。サラリーマンだったが孤独に耐え兼ね電車に飛び込んだ。
小見 温恵(おみ はるえ)
脳卒中死。未亡人の保険外交員で一人息子がいる。

書誌情報[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ あずみきし『死役所 1巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  2. ^ あずみきし『死役所 2巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  3. ^ あずみきし『死役所 3巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  4. ^ あずみきし『死役所 4巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  5. ^ あずみきし『死役所 5巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  6. ^ あずみきし『死役所 6巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  7. ^ あずみきし『死役所 7巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  8. ^ あずみきし『死役所 8巻』”. 新潮社. 2017年5月8日閲覧。
  9. ^ あずみきし『死役所 9巻』”. 新潮社. 2017年8月9日閲覧。
  10. ^ あずみきし『死役所 10巻』”. 新潮社. 2018年1月9日閲覧。