拉致

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拉致(らち、Abduction)とは、ある個人自由を奪い、別の場所へ強制的に連れ去ること。連れ去り。直ちに身代金を要求することを目的とせず、また別の土地に連れ去る行為で、誘拐の一種である。特に、ある国家や組織が、政治的・軍事的な理由により行う誘拐を指すことも多く、それが二国間で行われた場合は戦争とみなすことがある。親族間で起こった場合は戦争ではなく、単なる離婚、別居として片付けられる。

オウム真理教による拉致事件や、北朝鮮による日本人韓国人の拉致問題がマスメディアによって頻繁に報道されるようになって、急速に使われるようになった言葉である。常用漢字の使用を原則とする新聞など、「ら致」と交ぜ書き表記する事が多かったが、むしろ読み難いという指摘もあり、次第にマスメディア全般で「拉致」と漢字表記されることが多くなった。

国際法では『強制失踪』の形態の一つであり、人道に対する罪として扱われる。

創作ではスティーヴン・キングの『ミザリー』が有名である。

具体例[編集]

拉致の具体例としては、

  • 変質性愛の対象として、小中学生の児童生徒を連れ去る、あるいは連れ去って、性的暴力の後に殺害、あるいは長期にわたり監禁する。
  • 身代金目的での誘拐行為。
  • 親族・奪回・強制改宗屋により、宗教棄教のためという目的により、複数の組織ぐるみの人間と親族により、「基本的人権」「信教の自由」が著しく侵害される。片親による拉致もこれに含まれる。片親による誘拐と表現される場合もある。米司法省、司法プログラム室、少年犯罪•非行防止事務所がこの犯罪に関する詳しい文書を発表している。片親による子供の拉致
  • 商取引上の不首尾のため相手を拉致・監禁し、取引の同意を求める、恫喝する。
  • 政治的な理由で、外交官、ジャーナリストを拉致する。政治的にきわめて不安定で、諸外国の軍隊や国際連合の監視団などが入り込んでいる国では頻発することが少なくない。

などがある。

  • 監禁時に猿轡で口を塞がせる事がある。

また拉致には以下の様な例も含まれる。

  • 裁判所により親権(監護権)を認められなかった片方の親が子供を連れ去る - 殆どの国では誘拐として処罰される。日本では従来は犯罪と見做されていなかったが(家庭裁判所の勧告は受けていた)、2006年3月に福岡地裁が、福岡市で弁護士の男が妻と同居する実娘を拉致した事例に対して、執行猶予付きの有罪判決を出している。(http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/003137.html など)
  • 近年では、日本の児童相談所が、十分な調査もせず、裁判所の令状もなしに、学校や病院から通告を受けただけで子供を保護者の同意なく「一時保護」と称して人身拘束し、長期にわたりその収容所に拘禁して、場合によると児童養護施設に送り込むことが、「拉致」と表現されようになってきた。
  • 国際的児童拉致 - 白人の子供を誘拐し、児童ポルノなどに出演させ、最後はオランダなどの売春業者に人身売買するといった手口が知られている。アメリカではこうした例がかなり多発している。
  • 中南米においては、アルゼンチンチリの軍政下で反体制派と目された人々を中心に大量の「行方不明者」(デサパレシードス)が生まれ、「強制失踪」などと呼ばれた。
  • 2006年には、米CIAが“テロリスト関係者の被疑者”と目した、主に中東諸国からの移民の人々をシリアパナマ東ヨーロッパなどにある秘密収容所に「取調べ」を口実に法的根拠なく連れ去り収監、自白を取る為に拷問していた事が報道され(しかも多くの国家が関与していた疑いあり)、アムネスティ・インターナショナルや釈放された人物の母国政府が調査に乗り出す事態となっている(ドイツやイタリアでは関与したCIA工作員、協力した自国情報機関員に逮捕状が出た)。アメリカ政府はその事実を認めていない。

歴史上の拉致[編集]

歴史的には、戦争時において「人間」を戦利品と看做して略奪の一環として人間の拉致が行われた経緯がある。また、自勢力の経済・技術力の向上のため、あるいは逆に相手側に打撃を与えるために拉致が行われた事がある(例:刀伊の入寇における九州の農民連行、元寇における高麗(韓国)による日本の少年少女の連行や朝鮮出兵における朝鮮人陶工・儒学者の連行、葛根廟事件における中国人による日本人少年少女の強奪など)。戦国大名分国法にはこうした行為を「乱妨取り(略して「乱取」とも)と呼んで禁じたケースもあるが、これは逆説的に捉えればこうした例が多かったからに他ならない。

関連項目[編集]

問題
事件
題材作品