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身代金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

身代金(みのしろきん、英語: ransom)とは、人質の解放と引き換えに支払われる金銭のこと[1][2][3]。一般には身代金と表記されるが、現代の刑法では身の代金と表記されており、公的な資料では「の」を挿入して表記される場合が多い[1][2][3][4]

概要

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身代金は、誘拐された人を解放させる場合に、対価として差し出される金銭である[1][2][3]

日本において誘拐犯は、身代金の受け渡し時に警察に確保される場合が多い[5]。それゆえ身代金目的の誘拐が成功する可能性は低いとされる[1][3][5]。戦後日本で未解決となった身代金目的の誘拐事件は1984年江崎グリコ社長誘拐事件1987年功明ちゃん誘拐殺人事件など8件のみと97%近い解決率であり、8件とも身代金奪取には成功していないため、犯人から見た成功率は0%である(1960年に起こった吉展ちゃん誘拐殺人事件は犯人が身代金奪取に成功した上で身代金の受け渡し現場から逃亡したために迷宮入り寸前になっていたが、1963年に犯人が逮捕されて解決した)[6]。なお、刑法(第225条の2)では身の代金を目的とした誘拐(身の代金目的略取等の罪)は他の誘拐よりも比較して重い刑罰(無期又は3年以上の懲役)が課せられる[7][3]

過去に要求された身代金で最も高額だったのは1973年12月にアルゼンチンで米国エクソン石油の総支配人が過激都市ゲリラに誘拐され、3ヶ月後に解放された際に支払われた1420万ドル(約42億6000万円)である。

特異な事件としては、アメリカユタ州中国留学生が行方不明になり2023年12月31日に発見されたケースで、この留学生は、何者かからの指示によってホームステイ先を自ら離れ、本国である中国に滞在する家族が身代金を支払うよう脅迫を受け、8万ドルを中国の銀行口座に振り込んでいた。地元の警察当局と連邦捜査局(FBI)は、誘拐を装い金銭を要求する「サイバー誘拐」事件として捜査を行っており、過去にも中国人留学生がこの手の事件の標的になるケースが報告されていたという[8]

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d 女子高生殺害事件のS被告に死刑 一審無期を破棄」『朝日新聞朝日新聞社、2004年10月29日。オリジナルの2004年10月31日時点におけるアーカイブ。2025年9月19日閲覧。
  2. ^ a b c 愛知の幼なじみ常務殺害、◯◯被告に無期判決」『読売新聞読売新聞社、2005年5月24日。オリジナルの2005年5月26日時点におけるアーカイブ。2025年9月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e 女子高生を拉致、身代金要求容疑 歯科医師ら3人逮捕」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年4月29日。オリジナルの2006年5月1日時点におけるアーカイブ。2025年9月19日閲覧。
  4. ^ 身の代金目的誘拐事件捜査要綱”. 愛媛県警察 (1992年1月6日). 2025年9月19日閲覧。
  5. ^ a b 赤ちゃん無事保護、男女2人を取り調べ 仙台の誘拐事件」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年1月8日。オリジナルの2006年1月10日時点におけるアーカイブ。2025年9月19日閲覧。
  6. ^ グリコ・森永事件:公訴時効が13日午前0時に成立」『毎日新聞毎日新聞社、2000年2月13日。オリジナルの2001年2月19日時点におけるアーカイブ。2025年9月19日閲覧。
  7. ^ 刑法”. elaws.e-gov.go.jp. 2024年1月26日閲覧。 (身の代金目的略取等)第二百二十五条の二
  8. ^ 監禁偽装を強要 米国で中国人留学生が標的の「サイバー誘拐」とは」『毎日新聞毎日新聞社、2024年1月3日。2024年1月3日閲覧。
  9. ^ Schaibly, Susan (2005年9月26日). “Files for ransom”. Network World. 2011年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月17日閲覧。
  10. ^ ランサムウェア被害防止対策”. 警察庁. 2025年9月19日閲覧。