大いなる西部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大いなる西部
The Big Country
監督 ウィリアム・ワイラー
脚本 ジェサミン・ウェスト(脚色)
ロバート・ワイラー(脚色)
ジェームズ・R・ウェッブ英語版
サイ・バートレット英語版
ロバート・ワイルダー英語版
原作 ドナルド・ハミルトン英語版
The Big Country
製作 ウィリアム・ワイラー
グレゴリー・ペック
出演者 グレゴリー・ペック
チャールトン・ヘストン
ジーン・シモンズ
音楽 ジェローム・モロス
撮影 フランツ・F・プラナー英語版
編集 ロバート・ベルチャー
ジョン・フォール
製作会社 ユナイテッド・アーティスツ
アンソニー・プロダクションズ
ワールドワイド・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド・アーティスツ
日本の旗 松竹ユナイト映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1958年10月1日
日本の旗 1958年12月25日
上映時間 166分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
スペイン語
配給収入 日本の旗 1億8428万円[1]
テンプレートを表示

大いなる西部』(おおいなるせいぶ、原題: The Big Country)は、1958年アメリカ合衆国西部劇映画。 監督はウィリアム・ワイラー、出演はグレゴリー・ペックチャールトン・ヘストンなど。 原作はドナルド・ハミルトン英語版の小説『The Big Country』。 バール・アイヴスアカデミー助演男優賞ゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞している。

ストーリー[編集]

舞台は、アメリカ合衆国。1870年代のテキサス州サンラファエルに、東部から1人の紳士ジェームズ・マッケイが、やってきた。地元の有力者テリル少佐の1人娘パットと結婚するためだ。出迎えた牧童頭のスティーヴ・リーチは、彼に何となく敵意を示した。スティーヴは、主人の娘に惚れていたのだった。途中まで婚約者を迎えたパットはスティーヴを先に帰し、ジェームズと父の牧場に向かった。

途中、酒に酔ったヘネシー家の息子パックたちに喧嘩を仕掛けられたが、ジェームズは彼らを相手にしなかった。パットの父テリル少佐は、大地主ルーファス・ヘネシーと、勢力を二分し合っていた。2人が、共に目をつけている水源のある土地ビッグ・マディを、町の学校教師でもあるパットの親友ジュリー・マラゴンが所有していた。彼女は一方が水源を独占すれば必ず争いが起こると考えて、どちらにも土地を売ろうとしなかった。

少佐は娘の婚約者への乱暴に対して、ヘネシーの集落を襲い復讐した。そんな少佐の行為にジェームズは、相いれないものを感じた。彼は争いの元になっている土地ビッグ・マディを見聞し、女主人ジュリーにも会った。そして、中立の立場で誰にでも水を与え、自分でこの地に牧場を経営したいと申し出た。ジュリーはこの説得に応じ、二人は売買契約をかわすに至った。

一方、血気にはやるパットと少佐には、慎重なジェームズの態度が不満だった。水源地ビッグ・マディを手に入れるため、少佐に対抗するため、ヘネシーはジュリーを監禁する暴挙に出た。ジェームズはメキシコ人牧童の案内で、ヘネシーの元に単身のりこみ、水源は自由にすると明言してジュリーを助け出そうとした。ヘネシーの息子バックは、ジュリーに対する横恋慕からジェームズと決闘したが、卑怯な振舞いから父親に射殺された。

少佐とスティーヴの一隊が、のりこんできて乱戦が始まった。そして、1対1で対決した少佐とヘネシーは、相撃ちで共に死んだ。

憎悪による対立と暴力の時代は終わった。ジェームズは、ジュリーの腕をとって、新しい我が家ビッグ・マディに、馬を進めるのであった。

キャスト[編集]

日本語吹替版[編集]

役名 俳優 日本語吹替
NETテレビ旧版 NETテレビ新版
ジェームズ(ジム)・マッケイ グレゴリー・ペック 城達也
ジュリー・マラゴン ジーン・シモンズ 武藤礼子
パトリシア(パット)・テリル キャロル・ベイカー 鈴木弘子
スティーヴ・リーチ チャールトン・ヘストン 納谷悟朗
ルーファス・ヘネシー バール・アイヴス 金井大 早野寿郎
ヘンリー・テリル少佐 チャールズ・ビックフォード 佐野浅夫 高塔正康
ラモン・グティエレス アルフォンソ・ベドヤ英語版 人見明 神山卓三
バック・ヘネシー チャック・コナーズ 大塚周夫
レイフ・ヘネシー チャック・ヘイワード英語版 若本紀昭
マンディ ドロシー・アダムズ英語版 浅井淑子
ブラッキー/クラッカー・ヘネシー ジム・バーク 増岡弘
役不明又はその他 - 中川まり子
緑川稔
玄田哲章
ナレーション - 矢島正明
スタッフ
演出 佐藤敏夫
翻訳 木原たけし
効果 TFCグループ
調整 前田仁信
配給 ユナイテッド・アーティスツ・テレビジョン
プロデューサー 植木明
制作 東北新社
解説 淀川長治 児玉清
初回放送 1973年4月22日29日
日曜洋画劇場
21:00-22:56
※ノーカット放送
1976年4月10日17日
土曜映画劇場
21:00-22:24

2015年10月7日発売の『吹替の名盤』シリーズ <テレビ吹替音声収録>HDリマスター版DVDには、NETテレビ新版が収録(約134分)。

スタッフ[編集]

備考[編集]

本作でアカデミー作曲賞(ドラマ・コメディ映画音楽賞)ノミネートされたジェローム・モロスによるテーマ曲が有名。CMやテレビ番組のテーマ曲などにも使われた。

出典[編集]

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)159頁

外部リンク[編集]