アメリカ合衆国内閣
アメリカ合衆国内閣 Cabinet of the United States | |
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ジョー・バイデン内閣(2021年7月撮影) | |
役職 | |
(大統領) | (ジョー・バイデン) |
閣僚級高官 | カマラ・ハリス(副大統領) |
組織 | |
省 |
国務省 財務省 国防総省 司法省 内務省 農務省 商務省 労働省 保健福祉省 住宅都市開発省 運輸省 エネルギー省 教育省 退役軍人省 国土安全保障省 |
概要 | |
定員 | 23人(2020年現在) |
設置 | 1789年3月4日 |
ウェブサイト | |
ホワイトハウス |
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アメリカ合衆国ポータル |
アメリカ合衆国内閣(アメリカがっしゅうこくないかく、英: Cabinet of the United States)は、アメリカ合衆国の副大統領や各省長官(閣僚)および閣僚級高官で構成される会議体。「アメリカ合衆国大統領顧問団」(アメリカがっしゅうこくだいとうりょうこもんだん)とも訳される[1]。
アメリカにおいて内閣(英: Cabinet)とは、イギリスや日本といった議院内閣制の国における首相を中心とした合議体の内閣とは異なり、大統領が任免する12名の各省長官により構成され、大統領が主宰する会議体を意味する。会議体は憲法上に規定がない慣例上の制度であるため、長官は会議体の閣員としては何らの法的地位も権限も有しておらず各省長官としての法的地位と権限に過ぎない。また各閣員は大統領に対して責任を負うが、合議体として連帯責任を負うことはない。いわば大統領の諮問機関であり、議院内閣制の国における内閣に相当する機関は、アメリカにおいては大統領である[2]。
概要
[編集]議院内閣制の先駆であるイギリスでは、行政権が内閣にあり、その行使に関し、首相を含めて内閣を構成する閣僚全員が連帯して議会下院に責任を負う。日本においても行政権は内閣にあり[3]、内閣総理大臣(首相)を含めて内閣を構成する閣僚全員が連帯して国会に責任を負う[4]というイギリス型の議院内閣制である。それに対しアメリカ合衆国では、行政権を管轄する大統領はその地位を維持するために議会の信任を必要とせず、一旦任命された閣僚は大統領に対してのみ責任を負う[注 1]。閣議に相当する会合も開かれるが、あくまで諮問会議であり、最終的には大統領の判断に任される。エイブラハム・リンカーン大統領が全閣僚の反対に遭った際に「賛成1、反対7。よって可決。」と諧謔的に述べた逸話もある。
閣僚・閣僚級高官は、連邦議会議員や州知事との兼務・兼職を禁止され、連邦議員や州知事が閣僚に就任する際は、その職を辞さなければならない。
閣僚・閣僚級高官は、一部の例外を除き、大統領の指名と上院の過半数による承認[注 2]と宣誓を経て大統領から任命される。大統領の所属党と上院の多数党が異なる場合でも、概ね大統領の所属党の人物が選ばれる。なお、内閣に含まれる副大統領は基本的には公選職であり、また首席補佐官などは議会の承認手続きを経ずに大統領が任命する。
閣僚・閣僚級高官
[編集]以下は、2021年発足の民主党ジョー・バイデン内閣。 以下の表中、「順」は、大統領権限継承順位を示す。表中にない第1位、第2位、第3位は、それぞれ副大統領、下院議長、上院仮議長である。表中で番号のない、エネルギー長官及び国土安全保障長官は、現在の在任者が憲法上大統領に就任する資格(出生による合衆国市民)がないためである。画像の列のソートボタンで元の順序に戻る。
閣僚
[編集]閣僚級高官
[編集]順 | 行政機関 | 役職 | 現職 | 画像 | 就任 |
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1 | 副大統領府 |
副大統領 | カマラ・ハリス | 2021年1月20日 | |
- | 大統領行政府 |
大統領首席補佐官 | ジェフ・ザイエンツ | 2023年2月8日 | |
- | 行政管理予算局 |
行政管理予算局長 | シャランダ・ヤング | 2021年3月24日 | |
- | 環境保護庁 |
環境保護庁長官 | マイケル・リーガン | 2021年3月11日 | |
- | 通商代表部 |
通商代表 | キャサリン・タイ | 2021年3月17日 | |
- | 国家情報長官室 |
国家情報長官 | アヴリル・ヘインズ | 2021年1月21日 | |
- | 中小企業庁 |
中小企業庁長官 | イザベル・グスマン | 2021年3月17日 | |
- | 国務省 |
国連大使 | リンダ・トマス=グリーンフィールド | 2021年2月25日 | |
- | 大統領経済諮問委員会 |
委員長 | ジャレッド・バーンスタイン | 2023年7月10日 | |
- | 科学技術政策局 |
局長 | アラティ・プラバカール | 2022年10月3日 | |
- | 中央情報局 |
中央情報局長官 | ウィリアム・ジョセフ・バーンズ | 2021年3月23日 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 大統領も閣僚も、犯罪を理由として議会から弾劾され失職することはある。
- ^ 正式には上院による「助言と同意」(Advice and consent)だが、具体的な人選は大統領により行われ、上院はその人事案の可否を判断する。
出典
[編集]- ^ “国務省出版物 米国の統治の仕組み – 用語集”. American Center Japan. 2022年1月11日閲覧。
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)『内閣』 - コトバンク
- ^ 日本国憲法第65条
- ^ 日本国憲法第66条第3項