三菱・エアトレック

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エアトレックAIRTREK)は、三菱自動車工業クロスオーバーSUVである。

概要

初代モデルはSUVでも、ステーションワゴンでも、ミニバンでも、ハッチバックでもない新しいタイプの車を目指し、次世代クロスオーバーSUV『スマートオールラウンダー』をキャッチフレーズに発売された。チャレンジャーの後継車といえる。インパネシフトを採用することによりウォークスルーを可能とし、全高を1,550 mm以下に抑えることで、機械式駐車場の利用を可能にした(新バリエーションのスポーツギアは全高1,685 mmなので不可)。

エンジンは、横置き直列4気筒の2.4 L と 2.0 L で、2.0 Lターボも追加された。すべてガソリンエンジンである。プラットフォーム6代目ランサーのものをベースとしており、FF4WDがラインナップされた。

発売から1年後には、『ランサーエボリューション』と同型式の4G63型2.0 Lターボエンジン(ただし2002年発売のエボVIIGT-Aと同様、低中速トルク重視にリチューンされている)を搭載する『ターボR』が発表された。このモデルは4WDのみで、専用設計のフロントバンパーの採用や、サスペンションチューニングが施された。

日本国外名はアウトランダー (Outlander)、ただし、一部の地域では車名がパジェロスポーツ(=チャレンジャーの日本国外名)。スポーツギアは、北米仕様をベースとしており、フロント周りを中心にデザインが異なり、サイズも拡大している。

『三菱自動車ターンアラウンド計画』[1]の第1弾として、園部孝社長(当時)が初めて新車発表会に出席した。

日本向けは2005年平成17年)に廃止となり、後継モデルは日本国外名と同じくアウトランダーになった。

生産終了から13年が経った2021年令和3年)には中国でSUVタイプの電気自動車(EV)として車名の復活が発表された。

初代 CU2W/4W/5W型(2001年 - 2008年)

三菱・エアトレック(初代)
CU2W/4W/5W型
前期型 フィールドギア
後期型 ターボR
スポーツギアS
概要
別名 三菱・アウトランダー(日本国外)
三菱・パジェロスポーツ(一部地域)
販売期間 2001年6月 - 2008年
デザイン 関本隆次
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 FF/VCU付センターデフ式フルタイム4WD
パワートレイン
エンジン4G63 2.0L 直4 SOHC16バルブ(ECI-MULTI)
・4G63 2.0L 直4 DOHC16バルブICターボ
4G64 2.4L 直4 DOHC16バルブ(GDI)
・4G64 2.4L 直4 DOHC16バルブ(ECI-MULTI)
・4G64 2.4L 直4 DOHC16バルブ(MIVEC)
最高出力 ・2.0L 126PS/5,500rpm(ECI-MULTI)
・2.0L 240PS/5,500rpm(ICターボ)
・2.4L 139PS/5,500rpm(GDI)
・2.4L 133PS/5,000rpm(ECI-MULTI)
・2.4L 160PS/5,000rpm(MIVEC)
最大トルク ・2.0L 17.6kgf·m/4,500rpm(ECI-MULTI)
・2.0L 35.0kgf·m/2,500rpm(ICターボ)
・2.4L 21.1kgf·m/3,500rpm(GDI)
・2.4L 20.4kgf·m/2,500rpm(ECI-MULTI)
・2.4L 21.9kgf·m/2,500rpm(MIVEC)
変速機 INVECS-II 4速AT
INVECS-II 5速AT
・F マクファーソンストラット式
・R マルチリンク式
・F マクファーソンストラット式
・R マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,625mm
全長 4,410mm(標準モデル)
全幅 1,750mm
全高 1,540 - 1,685mm
車両重量 1,330kg(20V)
1,470kg(24V 4WD)
1,520kg(ターボR)
系譜
先代 三菱・チャレンジャー
後継 三菱・アウトランダー
テンプレートを表示
2001年1月
2001年6月20日
  • エアトレックを発表・発売開始。
2002年6月10日
  • ターボエンジンを搭載したホットモデルの「ターボR」追加とともに、全車一部改良。
2002年10月31日
  • 全車マイナーチェンジ。
2003年1月15日
  • 「スポーツギア」発売。
2004年1月20日
  • マイナーチェンジ。「20E」、「20V」の4WD、「24V」、「24V-S」の廃止、「スポーツギア」のエンジンを変更、「スポーツギアS」を追加、車体に張り付けてある車名のロゴ変更「Airtrek→AIRTREK」が行われた。
2004年8月29日
  • 「ジャパンオフロードレース」に初出場しシリーズ2位を獲得[3]。同車のほかに三菱・フォルテも出場。
2005年10月17日
  • 後継車のアウトランダーが日本国内で発売開始。輸出向けの生産は継続。
2008年
  • 生産終了。

年間生産と販売

製造 販売
2001 21,245 19,160
2002 68,431 14,132
2003 77,331 7,427
2004 60,817 3,198
2005 49,596 1,030
2006 31,326 10
2007 10,857 -
2008 5,714 -
2009 - 1
2010 - -

(sources: Facts & Figures 2006, Facts & Figures 2011,Mitsubishi Motors website)

2代目(2022年 - )

三菱・エアトレック(2代目)
フロント
リア
概要
販売期間 2022年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
車両寸法
ホイールベース 2,830mm
全長 4,630mm
全幅 1,920mm
全高 1,728mm
車両重量 1,900kg
テンプレートを表示
2021年11月19日
  • 中国の三菱自動車と広州汽車集団合弁会社である広汽三菱汽車が、広州モーターショーにおいて、SUVタイプの電気自動車(EV)として参考出品車として世界初披露した[4]。生産終了から13年ぶりの車名復活となった。
    • 外観はフロントフェイスの「ダイナミックシールド」やテールゲートの六角形モチーフ等が取り入れられ、内装はインストルメントパネルを水平基調とし、人が触れる部分にソフトパッドを採用。ステッチを細部にまで多用されたほか、ホイールベースのロング化や幅広い全幅が採られた。
    • 電気自動車へ転換され、70kWhの大容量駆動用バッテリーを低重心で理想的な前後重量配分を実現する為にフロア中央に搭載。また、モーターインバーター減速機を一つのユニットにすることで軽量・コンパクト化を実現している。
2022年3月23日
  • 発売開始。補助金受給後の実質価格は19万9,800~22万9,800人民元(約381万~439万円)[5]

車名の由来

「自由に冒険的な旅をする」という「Air」+「Treck」の造語。

脚注

  1. ^ 新経営ビジョン「三菱自動車ターンアラウンド(Turnaround)計画」の骨子を発表”. 三菱自動車 (2001年2月26日). 2020年6月27日閲覧。
  2. ^ この名称は、のちに第3世代のRVRの海外仕様に使われた。
  3. ^ http://www.ralliart.co.jp/05news/rai-05-001_gm.html
  4. ^ "広州モーターショーで新型電気自動車『エアトレック』を世界初披露" (Press release). 三菱自動車工業株式会社. 19 November 2021. 2021年11月19日閲覧
  5. ^ “広汽三菱、新型EV「エアトレック」発売”. アジア経済ニュース. (2022年3月25日). https://www.nna.jp/news/show/2314982 2022年6月10日閲覧。 

関連項目

外部リンク