ト短調

ト短調
各言語での名称
英語	G minor
独語	g-moll
仏語	Sol mineur
伊語	Sol minore
中国語	G小調
音階
	; は全音を、は半音を示す。
関係調
同主調	ト長調
平行調	変ロ長調
属調	ニ短調
属調平行調	ヘ長調
下属調	ハ短調
下属調平行調	変ホ長調
前後の調と異名同音調
異名同音調	なし
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ト短調（とたんちょう）は、西洋音楽における調のひとつで、ト (G) 音を主音とする短調である。調号はフラット2箇所(B, E)である。

音階と和音

音階構成音
上行→下行	1	2	3	4	5	6	7	8	7	6	5	4	3	2	1
自然短音階	G	A	B♭	C	D	E♭	F	G	F	E♭	D	C	B♭	A	G
和声的短音階	G	A	B♭	C	D	E♭	F♯	G	F♯	E♭	D	C	B♭	A	G
旋律的短音階	G	A	B♭	C	D	E	F♯	G	F	E♭	D	C	B♭	A	G

赤マスは一般に臨時記号により表される

和音構成音
コードネーム	Gm	Am^-5	B^♭aug	Cm	D	E^♭	F^♯dim	GmM7	Am7^-5	B^♭augM7	Cm7	D7	E^♭M7	F^♯dim7	D7^(♭9)
第9音															E^♭
第7音								F^♯	G	A	B^♭	C	D	E^♭	C
第5音	D	E^♭	F^♯	G	A	B^♭	C	D	E^♭	F^♯	G	A	B^♭	C	A
第3音	B^♭	C	D	E^♭	F^♯	G	A	B^♭	C	D	E^♭	F^♯	G	A	F^♯
根音	G	A	B^♭	C	D	E^♭	F^♯	G	A	B^♭	C	D	E^♭	F^♯	D
和音記号	I	II	III	IV	V	VI	VII	I7	II7	III7	IV7	V7	VI7	VII7	V9

コードネームは実際の楽譜では異名同音的に変えられることがある。

特徴

ト短調は、ヴァイオリンの最低弦の開放弦を主音としており、他の3本の内2本の開放弦が音階に含まれるため、ヴァイオリン曲が多く書かれている。さらにチェロとヴィオラでは調弦的に明るく華やかに響く調であるので、バロック時代の管弦楽や弦楽合奏曲ではヴァイオリンの低音域で厳粛かつ神聖な雰囲気を表現する手段として多く用いられた。

シャルパンティエはこの調について「厳守で壮麗」と述べている。マッテゾンは「真面目さと愛らしさを持ち合わせている最も美しい調」と述べている。

モーツァルトの曲の分析では、死を予感させる調性としてしばしば言及される。

ト短調の曲の例

クラシック音楽
- ルイジ・バッティフェルリのリチェルカーレ第3番
- コレッリの「クリスマス協奏曲」（作品6-8）
- パーセルのディドのラメント、シャコンヌ　Z730
- ゼレンカのトリオ･ソナタ第4番　ZWV181-4
- ヴィヴァルディの「四季」の「夏」
- アルビノーニのアダージョ（アルビノーニ作のアダージョとして有名だが偽作）
- バッハのフーガ BWV578（通称「小フーガト短調」）、無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番、チェンバロ協奏曲第7番、カンタータ10番「わが心は主をあがめ」BWV10
- ヘンデルの詩篇曲「主は言い給えり」HWV232
- ヴィターリのシャコンヌ（ヴァイオリン曲）
- タルティーニのヴァイオリンソナタ「悪魔のトリル」、「捨てられたディド」
- モーツァルトの交響曲第25番、交響曲第40番、弦楽五重奏曲第4番
- ベートーヴェンのチェロソナタ第2番
- シューベルトの弦楽四重奏曲第9番
- ロッシーニのスターバト・マーテル
- ショパンのピアノ三重奏曲、チェロソナタ、バラード第1番
- ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番
- ヴェルディのレクイエムの「怒りの日」
- ブラームスのピアノ四重奏曲第1番
- サン＝サーンスの「死の舞踏」、「動物の謝肉祭」の「化石」、ピアノ協奏曲第2番
- フォーレのシシリエンヌ
- エルガーのエニグマ変奏曲
- ドビュッシーの弦楽四重奏曲、ヴァイオリンソナタ
- ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番、ピアノ三重奏曲第1番、チェロソナタ
- プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16、ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63
- ショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」、交響曲第14番「死者の歌」、チェロ協奏曲第2番、ピアノ五重奏曲、ヴァイオリンソナタ
ポピュラー
- DREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」
- 一青窈の「もらい泣き」
- 柏原芳恵の「春なのに」
- Mr.Children の「ニシエヒガシエ」
- 宇多田ヒカルの「SAKURAドロップス」
- B'z の「ARIGATO」
- 中島みゆきの「わかれうた」
- t.A.T.u.の「All About Us」
- Linkin Parkの「What I've Done」
- TOKIOの「本日、未熟者」
- ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
- ディープ・パープルの「紫の炎」
- Ryuの「最初から今まで」
- アニメ「ルパン三世」の主題歌「ルパン三世のテーマ」
- 映画「ミッションインポッシブル」のテーマ
- 映画「ハウルの動く城」のテーマ
- 映画「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」の「帝国のマーチ」（ダース・ベイダーのテーマ）
- 筋肉少女帯の「日本の米」「氷の世界」
- マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」
- サザンオールスターズの「01MESSENGER 〜電子狂の詩〜」・「愛と欲望の日々」・「気分しだいで責めないで」
- NNN Newsリアルタイム（日本テレビ系）のオープニングテーマ
- イーグルスの「Witchy Woman」(魔女のささやき)、「Victim Of Love」(暗黙の日々)
- サンタナの「She's Not There」、「Evil Ways」
- 任天堂のアクションゲーム「スターフォックス」より「惑星コーネリア」
- ポール・アンカの「You Are My Destiny」(但し、最後はA Flat Minorに転調する。)
- ダイアナ・ロスの「Upside Down」(但し、展開部だけはB Flat Minor)
- 映画「魔女の宅急便」から「暴飛行の自由の冒険号」
- ドラマ「Gメン75」のテーマ
- いきものがかりの「YELL」（オリジナルバージョン。合唱曲はニ短調）
- 嵐の「時代」
- ニール・セダカの「きみこそすべて」(但し、コーダにてA Flat Minorへ転調する)
- スタイリスティックスの「愛がすべて」
- セシル･コルペルの「Arietty's Song」
- ボビーの「炎のたからもの」
- ドナ・サマーの「ホット・スタッフ」
- 長渕剛の「Captain of the ship」
- 「ぷよぷよ！　the　15th　Anniversary」から「ぞう大魔王なんだぞぅ」(ぞう大魔王のテーマ)
- ボブ・マーリーの「I Shot The Sheriff」(エリック・クラプトンのカヴァーも同じくG Minorである)
- グレープの「無縁坂」
- Elton Johnの「Sorry Seems To Be The Hardest Word」
- Chicagoの「Song Of The Evergreens」(但し、E Minorに転調する場面がある)
- 平尾昌晃・畑中葉子の「カナダからの手紙」
- Sheryl Crowの「Tomorrow Never Dies」(C Minorを併用している)
- 水谷豊のカリフォルニア・コネクション
- The Bee Geesの「You Should Be Dancing」
- 伊藤　賢司の「OVER　THE　LIMIT」（「GUITER　FREAKS　V6＆drum　mania　V6　THE　BLINZING」より）
- 時代劇「大江戸捜査網」のメインテーマ（Ａメロは、変ロ長調）
- LaBelleの「Lady Marmalade」
- 中村　康三の「Ring」(Bメロは、ニ短調。終盤は、変ロ長調)（「GUITER　FREAKS　V3＆drum　mania　V3」より）
- 小坂　りゆの「大和撫子魂」（Bメロは、ホ短調）（「GUITER　FREAKS　V3＆drum　mania　V3」より）

音階と和音

特徴

ト短調の曲の例

関連項目