ZSU-57-2
基礎データ | |
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全長 |
8.46m(砲身含む) 6.22m(車体のみ) |
全幅 | 3.27m |
全高 | 2.71m |
重量 | 28.1t |
乗員数 | 6名 |
装甲・武装 | |
装甲 | 最大15mm |
主武装 | S-68 57mm機関砲×2 |
機動力 | |
速度 | 65km/h(整地) |
整地速度 | 50km/h |
エンジン |
V-54 12気筒液冷ディーゼル 520馬力 |
懸架・駆動 | トーションバー方式 |
行動距離 | 420-600km |
ZSU-57-2は、1955年-1960年にかけて生産されたソビエト連邦の自走式対空砲である。
概要
第二次世界大戦中のドイツで試作されていた5.5cm Gerät58から発展した高射機関砲57mm S-60の車載用改造型であるS-68機関砲を、車体に比べて大型の上部開放型全周旋回砲塔に搭載している。S-68の実用発射速度は、2門合わせて140発/分(理論上は210-240発/分)で、仰俯角は-5~+85度、20度/秒で俯仰、30度/秒で旋回する。この砲は対空用砲弾だけでなく、1,000m先の96-106mm装甲を撃ち抜く徹甲弾も使用できた。
車体は、T-54のものをベースに装甲を15mmと薄くして、転輪を1組減らして短縮・軽量化した独自のものを使用している。
57mmというのは、実用化されている機関砲としては現在に至るまで最大口径であり、それに見合った最大級の破壊力と射程を誇るものであったが、発射速度が低く、砲塔旋回用の動力(油圧)はあるがそれでも旋回速度が遅く、レーダーを持たず、また、砲塔上面が開放式なのでNBC防護能力を持たせるのは不可能であり、生産は打ち切られた。地上目標への攻撃に用いる場合にも、攻撃力は前述通り充分なものを持っていると言えるのだが、防御力が低過ぎ(7.62mm級を防ぐ程度しか無く、自国の14.5mmやアメリカの12.7mmのような大口径機銃で攻撃されると防げない)るため、掩蔽など充分な備えが必要であり、そのまま用いるのは危険であった(もっとも、対空戦車が重防御であることは珍しいので、本車特有の欠点というわけでもない)。
このZSU-57-2の後継としては、より効果的なZSU-23-4が挙げられる。
ソビエトらしく跨乗歩兵を乗せることもあったのだが、上面が開放式のために乗せやすかったのか、主に砲塔内に乗せていた(戦車などの場合は車外に跨乗するしかなかった)。最大何人乗せたかは定かではないが、砲塔内に7人乗っている写真が存在する。
実戦での活躍
ベトナム戦争や第三次中東戦争・イラン・イラク戦争で使用されたが、光学照準のみの射撃管制、砲塔の旋回が遅かったことなどから、敵航空機に対して芳しい戦果は挙げられなかった。しかし、アフガニスタンやユーゴスラビアの内戦では地上目標に対して大きな戦果を挙げ、アフガニスタンではソ連軍撤退後も一部のゲリラ組織によって継続使用されていた。
使用国
- アンゴラ
- イラク
- イラン
- エジプト
- エチオピア
- 北朝鮮 - 砲塔は同じだが、車体は中国の59式戦車のもの。
- キューバ
- シリア
- 中国 - 80式対空戦車として生産。1980年代前半にイラクから技術を習得。砲塔は同じだが車体は別のもの。
- ハンガリー
- 東ドイツ
- フィンランド
- ブルガリア
- ベトナム
- ポーランド
- ユーゴスラビア
- ルーマニア