e-Tax

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e-Tax(イータックス)とは、日本国税に関する国営オンラインサービスシステムの呼称である。正式名称を国税電子申告・納税システムという。国税庁が開発・運営し、申請および納税に利用する。オンライン通信にはインターネットが利用されている。

e-Taxには、いくつものセキュリティが施されており、中でも利用者の「電子証明書」による認証が大きな特徴である。e-Taxから連動した電子納税にはペイジーが活用されている。

主要5税目(所得税・法人税・消費税・酒税・印紙税)の合計利用率は平成21年度で43.2%。所得税の申告での利用率は平成22年度に43.7%である[1](一方、アメリカ合衆国内国歳入庁への個人所得税の申告における電子申告(e-file)の利用率は2011年に77.2%であった[2]。)。開発費用は約500億円、年間維持費は約90億とされる。システムの開発および運用保守は随意契約によりNTTデータが行っている。

目次

[編集] メリット

特にその迅速性・効率性から、法人税理士による利用が増加している。

  • 医療費領収書源泉徴収票等については、記載内容を送信することにより提出または提示に代えることができる。ただし、後日提出または提示を求められる場合があり、これに応じなかった場合は確定申告書への添付または提示がなかったものとして取り扱われるため、申告期限後7年間は保管することが望ましい。
  • e-Taxを利用して所得税確定申告を行った場合、平成19年分から平成22年分までのいずれか1年分に限り、最高5,000円の税額控除が受けられる[3]。また、年末調整で過不足精算が完了した給与所得者も適用可能。ただし、いずれにせよ公的個人認証を受けた住民基本台帳カードによる個人認証(電子署名)が必要で、会計事務所や税理士などに委託し本人以外の電子署名した代理送信による申告では控除を受ける事ができない(租税特別措置法第41条の19の3)。平成23年度は最高4,000円、平成24年度は最高3,000円の税額控除が受けられる。[4]
  • 還付申告の場合、通常の紙ベースで申告書を提出した場合よりも税金が還付されるまでの期間が約3週間早くなる(申告書を提出してから通常6週間のところが、3週間で還付される。ただし確定申告期限の直前~直後に提出した場合や、大型連休の前後は事務処理日数の都合上[5]これよりも長くかかる場合がある)。ただし記載内容の全部または一部を省略して送信した場合や、住宅借入金等特別控除の適用を受ける申告などのように添付書類の提出が必要な申告を行った場合は、前述の「3週間後に還付」は「データを送信した後から3週間」とはならず「後日郵送した添付書類等が税務署に到着してから約3週間後に還付される」という意味となるため、注意が必要である。
  • 2008年、NTTデータ財務情報流通ゲートウェイ―Zaimon(ザイモン)サービスを開始した。これまで、電子申告を行った企業も金融機関への融資申し込みなどの際は、改めて申告書を印刷して提出しなければならなかったが、このサービスを利用することで、電子申告したデータをインターネット上で金融機関に提出できるようになった。これにより、電子申告した企業・税理士、および申告書を受け付ける金融機関の双方にとって事務手続きの効率化が図られるようになった。また、Zaimonサービスの利用を条件として、融資時の金利優遇等のサービスを実施している金融機関も存在する。今後、このような電子申告されたデータを二次利用するサービスが順次提供されるとともに、e-Tax利用者のメリットも大きくなることが予想される(現在、Zaimonサービスに対応しているのは、三井住友銀行みずほ銀行足利銀行西日本シティ銀行)。

[編集] デメリット

国税庁はe-Taxの個人納税者への普及に努めており、利用による申告の迅速・簡易さが強調されているが、現実には特に利用者負担の面で多くの障壁があり、「簡単に申告できる」とする国税庁のPRとの齟齬が生じている。簡便化と利用促進を図る国税庁との間には、様々なコンピュータ犯罪の存在や、それを背景として立法された個人情報保護法の存在も影響を及ぼしており、これらが互いに相反し矛盾する関係にあることも齟齬が生じる大きな要因のひとつとなっている。

  • ソフトをインストールしてもすぐに利用できるわけではない。ハードの環境を整えなければならず、電子証明搭載の住民基本台帳カード取得やこれを読み取るカードリーダーの購入などの初期コストも必要である。これらの環境を整えるまでに利用者自身の手で自治体や税務署に各種申請を行う必要がある。システムの案内も不十分で分かりにくいので、パソコンと確定申告のいずれも詳しくない人が利用するには現実のハードルが高い[6][7]
    • 国税庁のPRでe-Taxを知った納税者が、理解の乏しいまま税額控除の触れ込みに惹かれて安易にe-Tax利用を目論み、住民基本台帳カードの交付と公的個人認証を申請してせっかく取得しながら、自宅にインターネット環境がないためe-Taxを利用できない事に後から気付くケースもある。この種の失敗はパソコンに疎い中高年層に多く、その救済の見地からも国税庁は税務署端末利用の電子申告を継続的に許容せざるを得なくなっている。
  • e-Taxヘルプデスク、よくある質問(Q&A)、電子メールによる問い合わせも設けられているが、回線が常時混雑していてなかなか繋がらない等の問題がある他、税務署や確定申告コールセンターに問い合わせても、税務には精通しているもののパソコン操作はあまり得意でない職員も多いため、電話による的確なトラブルシューティングは必ずしも期待できない。また、市町村の住民基本台帳カード交付窓口の多くは住民基本台帳を管轄する住民記録担当課(市民課、住民課など)で税務は管轄外であり、利用者の入力ミスに伴うパスワードロック対策などカード本体の問題以外は解決できない。
    • 結果として、e-Taxソフトのパソコン上でのトラブルは、最終的にはマニュアル等を手がかりに、自力で解決するしかない状況である
  • e-Taxの利用時間については、月曜日-金曜日の午前8時30分から午後9時(祝日等を除く。)と決まっている。ただし、確定申告期については、24時間の受付を実施している。
  • 電子証明書に有効期間がある(住民基本台帳カードの公的個人認証サービスの場合3年)ためランニングコスト(3年間で500円+自治体窓口に出向く交通費等)がかかる。また住民基本台帳カードの有効期限も10年である。
  • 自治体(個別の関係条例)や個々人の事情(証明性の高い身分証明書類を保有していない者など。高齢者に多い)によっては、個人確認の手続き上、住民基本台帳カードと電子証明書を即日発行できない場合もある。更に、住民基本台帳カードの不正取得多発が原因で、総務省は2010年11月に住民基本台帳カード発行時の本人確認手続きを厳格化するよう全国の自治体に通知したため、カード取得に要する手数が以前よりも増大したケースも生じている。
    • 個人認証や住民基本台帳カードに求められる証明機能の厳格性と、利用者が求める手続きの簡易・迅速さは両立困難で、確定申告シーズンに住民基本台帳カード交付申請が集中して窓口での滞留も起き、利用者の不満を招きがちである[8]

これらのデメリットを解消するための施策の一環として、平成19年度から全国の税務署及び申告相談センター等において、各税務署等が代理送信をする設定としたパソコンを用意して、電子申告の体験版といえる「初回来署型電子申告」主体の確定申告相談会場を設置し(納税者がパソコンや電子証明書等を用意しなくとも電子申告をすることができる)、パソコン操作に不慣れな者に対しては税務職員やアルバイト等がパソコン操作を補助する等の試みを行っている[9]。平成19年度の利用率の急伸の背景には、この制度によるところのものが大きいとされている[10]

また、平成19年度ではあくまで体験版であり「翌年以後は自宅で電子申告を」という趣旨のものであったが、前述のとおり自宅で電子申告を行う際のハードルの高さは依然として改善されていないため、平成20年度以降も「連年税務署等に来て電子申告を行っても良い」等、スタンスを変えた対応をせざるを得ない状況となるなどといった新たな問題も生まれている。平成22年度からはパソコンの操作が少しでもできる者は可能な限り自分でパソコンを操作して送信するスタンスで申告指導を行っており、主に勤労世代に対して翌年以降は自宅のパソコンで申告するよう呼びかけ、確定申告期の来署者の削減を図る方針が取られている。

[編集] 必要な環境

[編集] 脚注

  1. ^ 国税庁「平成22年度におけるe-Taxの利用状況について(概要)」(平成23年4月)
  2. ^ 内国歳入庁「2011 filing season statistics」(2012年1月9日、2012年1月13日閲覧)
  3. ^ 制度開始当初は平成19年分または平成20年分に限った2年時限の適用。2008年(平成20年)12月に適用が延長。
  4. ^ e-Taxならこんなにいいこと 国税庁
  5. ^ 広報では「3週間」と謳っているがこれは「15営業日」と同じ意味である。このため、大型連休の前後には還付までの実日数が3週間よりも長くなる点に留意する必要がある。
  6. ^ 池田信夫 blog「e-Taxの憂鬱
  7. ^ メディアテクノロジーラボ ブログ「e-Taxを利用した確定申告に挑戦。見事成功しました
  8. ^ 広島県福山市による住民への案内例[1]。これと同様に、多くの地方自治体が、e-Taxに影響されたカード発行集中に対処を求められている。
  9. ^ ただし、納税者が送信主とならないため、5,000円の税額控除や、提出等が必要な書類の添付または提示の省略を行う等の特典を受けることはできない
  10. ^ 全電子申告件数のうちの過半数は、税務署等で体験的に作成した「初回来署型電子申告」によるものであった。
  11. ^ e-Taxe-Taxソフトを使用する際に必要なパソコンの推奨環境

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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