西武20000系電車

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SeibuRailway mark.svg 西武20000系電車
西武20000系20158編成(8両編成)(2008年6月7日 / 椎名町 - 池袋)
西武20000系20158編成(8両編成)
(2008年6月7日 / 椎名町 - 池袋)
編成 8両、10両
起動加速度 3.0 km/h/s
営業最高速度 105 km/h
設計最高速度 120 km/h
減速度 3.5 km/h/s(常用最大)
4.5 km/h/s(非常)
編成定員 1,430(座席516)人(10両)
1,140(座席408)人(8両)
車両定員 先頭車135(座席45)人
中間車145(座席54または51)人
・5次車以降の先頭車で収納座席使用時は座席48人
全長 先頭車20,270mm
中間車20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,060 mm
編成質量 287.8t(10両)・230.5t(8両)
車両質量 23.6 - 33.6t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式
主電動機 かご形三相誘導電動機 135kW×4
歯車比 101:16(6.31)
駆動装置 WNドライブ
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御
台車 モノリンク式ボルスタレス台車
SS150A・SS050A
またはSS150B・SS050B形
制動方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ全電気ブレーキ
保安装置 西武形ATS
製造メーカー 日立製作所

西武20000系電車(せいぶ20000けいでんしゃ)は、2000年平成12年)2月20日に営業運転を開始した西武鉄道通勤形電車

目次

[編集] 概要

101系運転台車の老朽化に伴う車両取り替えを目的に導入された。テーマは「環境と人に優しい」とし、基本コンセプトは「シンプル&クリーン」とした[1]

車両製造は日立製作所が担当し、頑丈かつ低コストのダブルスキン構造を採用したA-trainシリーズである。従来の車両に比べて車内・外の騒音振動が低減されている。

帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄有楽町線への乗り入れを考慮しない地上線用車として製造されたため、先頭車の前面は非貫通構造である。

車体は6000系50番台車に続いてアルミ合金製となったが、側面は摩擦攪拌接合(FSW)工法が用いられ、無塗装車体とした。側面は同系列と同じコーポレートカラーのブルーのラインを巻く。

前面は大形の1枚ガラスを使用し、モジュール化したものであり、窓周りをブラックやグレー色を基本とし、窓下部には青色の横縞模様を配してアクセントした。この前頭部は普通鋼製とし、車体とはボルト20本で固定する方法を採用した。

前面と側面の種別・行先表示器はいずれもLED式の一体型のタイプを使用する。また、優等列車に運用される際には走行中に側面表示を消灯する機能がある。

編成は10両編成(MT比:5M5T)と8両編成(MT比:4M4T)がある。ただし、8両編成は10両編成から中間車2両を抜いた構成で、静止形インバータ (SIV) の仕様以外は同一の仕様である[1]

10両編成と8両編成で編成を区別する目的から、車両番号を10両編成は01から(0番台)、8両編成では51から(50番台)を付番している。

[編集] 年次別分類

  • 1次車(1999年度製) 20101F・20151F
  • 2次車(2000年度製) 20152F・20153F
  • 3次車(2001年度製) 20154F - 20156F
  • 4次車(2002年度製) 20102F - 20104F
  • 5次車(2003年度製) 20105F・20106F
  • 6次車(2004年度製) 20107F・20157F
  • 7次車(2005年度製) 20108F・20158F

[編集] 搭載機器

制御装置は6000系に続いて日立製のVVVFインバータ制御方式が採用されたが、半導体素子IGBT(3レベルPWM)を採用することによりGTOサイリスタを採用する6000系と比較して低騒音化が図られた[2]。制御方式は135kW出力の主電動機を4台制御する1C4M1群/2群制御であり、トルク制御にはベクトル制御方式を採用し、高い粘着性能が確保されている。また、本形式では60km/h以上における加速性能の向上や20km/h以上で定速度制御機能を取り入れた[1]

ブレーキ方式は回生ブレーキ併用形の電気指令式空気ブレーキである。4次車からは全電気ブレーキ対応とされ、後に在来車もソフトウェアの変更で対応改修が実施された。このほか、保安ブレーキと降雪時に使用する圧着ブレーキ(耐雪ブレーキ)を装備する。

補助電源装置には三菱電機製のIGBT素子使用の静止形インバータ (SIV)を採用した。10両編成では180kVA出力、8両編成では140kVA出力品をそれぞれ編成で2台搭載している。空気圧縮機 (CP) はナブテスコ製で、当初はレシプロ式のHS-20形を搭載していたが、増備途中からスクリュー式のAR1644-RW20A形に変更された。

集電装置はシングルアーム式のPT-7116-B形を採用している。台車は6050系50番台後期車とほぼ同じモノリンク式ボルスタレス台車を使用している。当初は床面高さ1,180mmに対応したSS150A・SS050A形を採用していたが、4次車からは床面高さを1,150mmに下げたため、これに対応したSS150B・SS050B形に変更された。基礎ブレーキには片押し式のユニットブレーキが採用されている。さらに各車両には車輪の滑走を防止する滑走防止制御装置が設けられている。

冷房装置は三菱電機製の集中式で、能力は48.9kW (42,000kcal/h) の装置を搭載している。当初はCU-72J形であったが、3次車からは冷媒代替フロンを使用したCU-722形へ変更された。なお、この装置は6000系のものとも互換性があるが、本系列のものはオーバーヘッドヒーター内蔵型である。車内の冷風吹き出しはラインフロー方式とし、補助送風機を各車7台設けている。

[編集] 乗務員室

20000系の運転台
20000系の乗務員室背面仕切壁

運転台のマスター・コントローラーはワンハンドル式を採用したが、新交通システムである山口線(レオライナー)用の8500系で採用された両手操作のT型とは異なる左手操作形となった[3][4]警笛は空気笛に加え、電子笛を併用している。

本系列の乗務員室内・運転台計器盤は灰色の配色とされた。運転台右側にはモニタ装置モニター画面が設置してある。これには乗務員支援や機器監視・自動検査を行う日立製の高機能車両情報装置「ATI」が採用された。力行・ブレーキ・放送や案内表示などの制御指令もこの装置を用いるため、大幅な配線削減が図られている。

乗務員室の仕切りは、客室から見て左から小窓・大窓(仕切り扉)・大窓の仕切り窓が3枚並んでいる。すべての窓に遮光幕が設置してある。

[編集] 客室内装

車内はダブルスキン構体の一部であるマウンティングレールに モジュール化した内装材をボルトで固定する方法を採用している。化粧板は白色系であり、床材はグレーを基調としている。天井にはフェノール発泡体を芯材にアルミ板と化粧板で挟んだパネル材(複合材料)を使用し、従来の天井骨組みを省略することで軽量化を図っている[5]

座席は1人分の掛け幅が460mmの片持ち式のロングシートであり、モケットは青色の区分柄バケットシートを採用。シルバーシート(現・優先席)のモケットは灰色で同じくバケットシートである。なお、西武の電車で優先席に灰色モケットを採用したのは2008年時点では本系列が最後であり、後に登場した30000系ではオレンジ色のモケットが採用されている。

車椅子スペースは先頭車の乗務員室背後と その隣の中間車にも設置し、編成での設置数は4か所とした。車椅子スペース部には安全手すりと非常通報器が設置されている。この通報装置は乗務員と相互に通話が可能なもので、各車両に2台が設置されている。

6000系、9000系に続いて自動放送装置(同じ石毛美奈子によるもの)とドアチャイム、LED式の案内表示器を客用ドア上部に設置した。量産先行車と2次車の各2編成については窓ガラス韓国ハンファ化学製のものが使用されているが、その後製造された車両に関しては日本製のガラスを使用している。 なお現在自動放送は、クリステル・チアリによる英語放送が追加されている。

その後の4次車では、前記したように床の高さを30mm下げたほか、7人掛け座席部の中央にスタンションポールを1本新設した。さらに5次車からは車内設備に大きな見直しがあり、先頭車の車いすスペース部に折りたたみ式3人掛け座席の設置、優先席部の荷棚・つり革高さを100mm低下[6]、7人掛け座席部のスタンションポールを2本に増設、袖仕切りの大形板化などが実施された。

2005年(平成17年)に増備された最終編成の7次車では前照灯ディスチャージヘッドランプ (HID) を採用したが、後に通常のハロゲン灯に改造された。

[編集] 運用など

本系列は、1999年(平成11年)10月に最初の編成が落成し、2000年2月20日の営業運転開始まで乗務員習熟運転が実施された。営業運転開始時は新宿線のみの配置であったが、2002年(平成14年)から池袋線にも配置されるようになった。8両固定編成は主に各駅停車、10両固定編成は主に優等列車を中心に使用されている。

本系列には2・4・6両編成が存在しないため、新宿・池袋線からの乗り入れ時以外は多摩湖線国分寺線西武園線での運用はない。登場から長らく飯能 - 吾野間および西武秩父線への入線もほとんどなかったが、8両編成については2010年3月のダイヤ改正から2000系と共に土休日の池袋~西武秩父の快速急行に充当されるようになった。このダイヤ改正前では、毎年12月3日埼玉県秩父市で開催される秩父夜祭や同市にある羊山公園芝桜が見頃になる4月上旬から5月上旬にかけて、およびイベントのために臨時列車として、8両編成が池袋線飯能 - 吾野間および西武秩父線に入線することもあった。

[編集] 編成

2010年(平成22年)4月1日時点では10両編成8本(80両)と8両編成8本(64両)の計144両が在籍し、通常は池袋線(池袋 - 飯能)・豊島線狭山線と、新宿線・拝島線で運用されている。

10両編成
 
池袋

形式 クハ20100
(Tc1)
モハ20200
(M1)
モハ20300
(M2)
サハ20400
(T1)
モハ20500
(M3)
サハ20600
(T2)
サハ20700
(T3)
モハ20800
(M4)
モハ20900
(M5)
クハ20000
(Tc2)
機器配置   VVVF2 SIV,CP,BT   VVVF1 CP   VVVF2 SIV,CP,BT  
車両重量 25.7t 33.6t 32.5t 23.6t 32.3t 24.6t 23.7t 33.6t 32.5t 25.7t
車両番号 20101

20108
20201

20208
20301

20308
20401

20408
20501

20508
20601

20608
20701

20708
20801

20808
20901

20908
20001

20008
8両編成
 

形式 クハ20100
(Tc1)
モハ20200
(M1)
モハ20300
(M2)
サハ20400
(T1)
サハ20700
(T3)
モハ20800
(M4)
モハ20900
(M5)
クハ20000
(Tc2)
機器配置   VVVF2 SIV,CP,BT     VVVF2 SIV,CP,BT  
車両重量 25.7t 33.6t 32.5t 23.6t 23.7t 33.6t 32.5t 25.7t
車両番号 20151

20158
20251

20258
20351

20358
20451

20458
20751

20758
20851

20858
20951

20958
20051

20058
凡例
  • VVVF2:主制御器(1C4M2群)
  • VVVF1:主制御器(1C4M1群)
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BT:蓄電池
  • パンタグラフはM1・M3・M4車に1基ずつ搭載される。
所属
備考
  • 新宿線用の6000系が更新工事に伴い池袋線へ移籍した際、
    6000系と入れ替わる格好でほとんどの編成が新宿線へ移籍している。


[編集] 各編成の状況

  • 2011年1月1日現在
編成 両数 所属線区 スタンション
ポール
折り畳み
シート
その他・備考
20101F 10両 新宿線
20102F
20103F
20104F
20105F 池袋線
20106F
20107F 新宿線
20108F
20151F 8両 池袋線 連結器カバー装着
20152F
20153F
20154F 新宿線
20155F
20156F
20157F
20158F 池袋線
◎はスタンションポールを2つ設置

[編集] その他

  • 2000年2月20日西武球場前駅でデビューイベントが行われ、20101Fを使用して西武新宿 - 西武球場前間を快速急行として、西武球場前 - 西所沢間を各停として往復運転した。また、西武球場前駅では車両展示会を実施した他、乗車記念として硬券記念乗車券も発売された。さらに前面に黄色地に青い文字で「20000系デビュー 環境にやさしい 人にやさしい」と書かれた楕円形のヘッドマークを装着して運転した。
  • 20102F - 20104Fにはスタンションポールが設置されている(7人掛け座席1箇所あたり1本)。
  • 10両編成車は20105F以降、8両編成車は20157F以降にそれぞれ先頭車の運転台後部の車椅子スペース部に折りたたみシートの設置やスタンションポールの増設(上記の2 0102F - 20104Fの7人掛け座席1か所あたり1 - 2本)が施されている。
  • 20101Fと20151Fは、2002年11月に落成した20102F導入前の同年9月に池袋線に貸し出された。20102Fの落成後に20101Fは新宿線に返却されたが、20151Fは12月に池袋線所属となった。
  • 20151Fと20101Fは、車内床材の模様が他編成とは異なる。
  • 20157Fは2004年7月6日に池袋線で営業開始したが、2005年3月14日に新宿線所属となった。
  • 新宿線所属編成と6000系が検査入場する際には、池袋線所属編成を代走用として借り入れることがある。
  • 2005年11月3日には、航空自衛隊入間基地航空祭開催に伴う観客輸送で20101Fが池袋線を走行した。その後2007年11月3日に開催された入間基地航空祭の際には、20102Fが池袋線に貸し出された。
  • 2006年度より開始された新宿線所属の6000系(6103F - 6107F)の副都心線直通対応化改造および池袋線転出に伴い、それらと交換される形で池袋線所属の10両編成(20102F - 20106F)が新宿線へ転入することとなった。2007年5月までに20105F(⇔6107F)・20103F(⇔6103F)・20106F(⇔6106F)・20102F(⇔6104F)・20104F(⇔6105F)の順に転入した。
    • ただし2010年1月末に車両移動で20105F・20106Fは池袋線に復帰し、入れ替わりで20107F・20108Fが新宿線へ移動した。[7]
  • 2000年10月に開催された「西武トレインフェスティバル2000 in 横瀬」では、臨時列車として西武秩父線を初走行した。この時は先頭車の前面下部に「パスネット」の発売開始告知ヘッドマークが装着された。その後も2005年 - 2007年の「西武トレインフェスティバル」にも本系列が臨時列車に充当されたが、こちらはその年ごとに異なるヘッドマークが装着された。
  • 「西武・電車フェスタ in 武蔵丘車両検修場」では、この20000系が飯能からの臨時直通電車に充当されている。ただし2008年以降の復路は30000系が充当された。
  • 沿線でイベントが開催される際にヘッドマークを装着することがある。中でも、2008年3月1日から同月17日まで開催された「ねりたんアニメプロジェクト in 大泉」では20108F(10日以降は20107F)が、同月15日からの「ガンダムモニュメント」では20154Fがそれぞれヘッドマークを装着した。
  • 20152Fおよび20153Fは落成以来新宿線所属であったが、20152Fは2010年2月の、20153Fは9月の車両移動で池袋線所属となった。

[編集] 脚注

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  1. ^ a b c 鉄道ファン2000年2月号新車ガイド参照。
  2. ^ 形式:2群用 VF1-HR1815B・1群用 VF1-HR1415A
  3. ^ 力行4ノッチ、ブレーキ1 - 7段・非常。
  4. ^ しかし、その後登場した30000系や6000系副都心線対応編成では再びT型に戻っている。
  5. ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年10月臨時増刊号「新車年鑑」を参照。
  6. ^ 荷棚高さを1,800mm→1,700mm化・つり革高さを1,630mm→1,530mm化
  7. ^ 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2010年7月号「私鉄車両のうごき」記事を参照。

[編集] 参考文献

  • 交友社鉄道ファン
    • 2000年2月号 新車ガイド「西武鉄道20000系」
    • 2002年9月号 特集「大手私鉄の最新通勤形車両」
  • 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル
    • 2000年2月号 新型車両プロフィールガイド「西武鉄道20000系車両の概要」
  • 鉄道図書刊行会鉄道ピクトリアル
    • 2000年2月号 「西武鉄道20000系」
    • 2000年10月号増刊 新車年鑑2000年版「西武鉄道20000系」
    • 2002年4月号増刊 特集「西武鉄道」
    • 2004年10月号増刊 鉄道車両年鑑2004年版「西武鉄道20000系 (5・6次車)」
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