忍城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

logo
忍城
埼玉県
模擬御三階櫓
模擬御三階櫓
通称 忍の浮き城、亀城
城郭構造 平城
天守構造 御三階櫓
築城主 成田氏
築城年 15世紀後期
主な城主 成田氏、松平氏ほか
廃城年 1871年
遺構 土塁、堀、移築門
指定文化財 史跡
再建造物 櫓・模擬門
位置 北緯36度8分13.74秒
東経139度27分10.36秒
  

忍城(おしじょう)は、埼玉県行田市にあった江戸時代には忍藩の藩庁が置かれた。別名は忍の浮き城亀城。埼玉県指定旧跡。関東七名城の一つ。

目次

[編集] 歴史・沿革

[編集] 戦国時代・安土桃山時代

1478年(文明10年)頃、地元の豪族であった成田正等顕泰父子がこの地を支配していた扇谷上杉家に属する忍一族を滅ぼし、築城したといわれている[1]。翌年、これに反発する扇谷上杉家に忍城を攻められるものの、同家の家宰太田道灌の仲介によって和解して以後、成田氏が領有した。河越夜戦後、北条氏の勢力が関東に及んでくるが、成田氏はこれに反発し、1553年(天文22年)に北条氏康が忍城を攻めるが、攻略に失敗している。

1559年(永禄2年)、上杉謙信が関東に遠征してくると、成田氏はこれに恭順した。1561年(永禄4年)の上杉謙信による小田原城攻めには、当時の城主の成田長泰も参加している。しかし、鶴岡八幡宮での関東管領就任式で謙信に無礼を咎められて離反。1574年(天正2年)には上杉謙信に忍城が包囲されるが、持ちこたえている。

1590年(天正18年)の小田原征伐の際、城主・成田氏長は小田原城にて篭城。家臣と農民ら三千の兵が忍城に立てこもった。豊臣方の忍城攻めの総大将は石田三成。三成は、本陣を忍城を一望する近くの丸墓山古墳(埼玉古墳群)に置き、近くを流れる利根川を利用した水攻めを行うことを決定し、長さ28kmにも及ぶ“石田堤”を建設した[2]。しかし忍城はついに落城せず、結局は小田原城が先に落城したことによる開城となり、城側は大いに面目を施すことになった。このことが、忍の浮き城という別名の由来となった。

なお、この籠城戦のとき、成田氏長の娘である甲斐姫が活躍して包囲軍を退けたという伝承もあるが、創作である可能性が高い。詳しくは甲斐姫の項目を参照。

[編集] 江戸時代

徳川家康の関東入部後は、家康の四男の松平忠吉が忍城に配置され、以後、忍藩10万石の政庁となった。寛永年間に阿部氏が入ると城の拡張整備が行われ、往事の縄張りは1702年(元禄15年)頃に完成したと考えられている。

忍城の城下町は、中山道の裏街道宿場町としての機能や、付近を流れる利根川の水運を利用した物流路としての機能を兼ね備えて繁栄する。また江戸時代後期からは、足袋の産地として名をはせるようになる。

[編集] 明治時代~昭和10年代

廃藩置県に伴い忍県の県庁が二の丸に置かれたが、その後廃城となって城内の構造物はほとんど破壊され、城跡は公園(成田公園→忍公園)として整備された。

[編集] 戦後

忍公園が拡張され、1949年(昭和24年)10月には本丸跡に行田市本丸球場が造られた[3]が、後に移転し、1988年2月17日にはその跡に行田市郷土博物館が開館、御三階櫓は博物館の一部として復元されている。ただし外観や構造に根拠はなく位置も史実とは異なり、内部は展望室や行田の歴史を写真や資料で紹介する展示室になっている。また、周囲には土塁の一部が残存している。

[編集] 構造

湿地帯を利用した平城であった。元々沼地だったところにが点在する地形だったが、沼を埋め立てずを渡す形で城を築いた。当初はを立てずに本丸は空き地とし、二の丸屋敷を作ってそこを住まいとしていた。そのため、攻めにくく守りやすい城であったとされる。 当時の沼の名残は、現在水城公園に見て取れる。

[編集] 考古資料

[編集] 遺構

現存する建造物としては、北谷門が加須市の総願寺に、どこの門か定かではないが高麗門形式の城門が郷土博物館の駐車場脇に、それぞれ移築されて現存している。また、藩校進修館の門が、郷土博物館の南側に移築現存する。

[編集] 脚注

  1. ^ 従来は成田親泰の築城とされてきたが、近年の研究で成田氏系譜の誤りが判明して親泰の祖父とされる正等の築城と考えられるようになった。
  2. ^ ただし、当時の書状の中で三成は忍城水攻めを批判しており、またこの時点では一介の奉行でしかなかった三成の身分からしても、独断でこれだけの規模の水攻めを行えるはずはないとする指摘もある。
  3. ^ 市報ぎょうだ平成14年(2002年)12月号16ページ ぎょうだ歴史系譜(105) 行田の戦後史(5) 忍公園から本丸球場へPDF

[編集] 忍城が舞台となった作品

[編集] 小説

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

他の言語