土塁

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山科本願寺の土塁跡

土塁(どるい、: earthwork fortification)は、安土、的土(あづち)とも呼ばれ、敵や動物の侵入を防ぐため、古代から近世にわたって、豪族住居環濠集落などの周囲に築かれた連続した土盛りのこと。容易に越えることができない高さをもつ。と組みとして作られ、堀を掘った土で作られることが多い。また、盛るのではなく山の斜面を削って勾配を造ったもの切岸をいい。土塁や切岸は土居土手ともいう。


奈良時代頃から見られる、丁寧に土をつき固めて作ったものは、版築土塁と呼ぶ。それに対して、土をただ盛って作った土塁を掻き揚げ土塁。粘質ある土砂も用いて低いところか叩いて固めながら積んだたたき土居芝土居は、表面に芝を植え斜面崩壊を防ぐ土留とした物と、積土に芝を混ぜ叩き固めた物の二種類をいう。


土塁の役割として、防御区画内部への攻撃側の侵入を阻止する障壁。攻撃側からの防御区画内部への視界を遮り射撃を防ぐ。戦術上有利な位置となる高所を守備側に占位させる。などがあげられる。

城の土塁[編集]

山城の土塁(船岡山城
平城の土塁(上条城
山城の竪土塁(芥川山城

土塁は、(くるわ,平坦部のこと)の周囲に作られることが多い。数箇所に開口部を作り、そこに門を構えて虎口(こぐち)という出入り口を作る。郭の角部などでは土塁の幅を広くすることがあり、そこは櫓台(やぐらだい)と呼ばれている。一部または全部の郭に土塁のない城も多い。

土塁の頂点や斜面に作られた水平部分を馬踏(まふみ)といい、人や馬が通れるようにした、塀や柵を設けた場合、その内側を武者走り、外側を犬走りと呼んだ。

主郭(しゅかく)と第二郭など、上位と下位の二つの郭の境界に堀がある場合、上位の郭の堀側には土塁があり、下位の郭の堀脇には土塁がないことがある。逆に、堀脇の土塁のあるなしで、郭の上下関係が分かることがある。

斜面に縦に作られた土塁を、竪土塁(たてどるい)と呼ぶ。

石塁[編集]

石を積んで作ったものは、石塁と呼ぶ。中心部が土塁であって、その外側に石を積んだものを石垣ということもあるが、両者の区別は明確ではない。

馬などの牧(まき)の周囲に作ることもあった。

関連項目[編集]