犬走り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
犬走り(いぬばしり)とは、垣と溝の間や土手の斜面に設けられた細長い通路や平地部分。犬が通れるくらいの幅しかない道という意味合いから呼ばれる。
目次 |
種類 [編集]
築地の犬走り [編集]
築地とその外側の溝との間に設けられた平地をいう。狭いものは犬走り、広いものは「堧地」(ぜんち)という。
城郭の犬走り [編集]
城の石垣と堀の間の空き地をいう。彦根城、岸和田城など多くの城で見られる。敵に侵入の足掛かりを与えてしまうなど、防御の面からは決して有利とはいえない構造だが、石垣、土塁の崩落を防ぐための構造的理由で設けられたという見方がある。なお、石垣の内側に設けられた小径は「武者走り」といい、若松城などに類型が見られる。沖縄のグスクに見られる石垣天面の通路も犬走り(または武者走り)と呼ばれる。
土手の犬走り [編集]
土手、堤防などの傾斜上に設けられた平地。土砂の流入を防ぎ、監視員の歩行路ともなる。
また、ダムの型式の一つであるロックフィルダム(岩石を積み重ねて建設されたダム)やアースダム(盛土をして建設されたダム)の中腹にも犬走りは設けられていて、ダムの管理用通路として自動車も通行している。この場合は、緩やかなつづら折りとなっていることが多い。なお、ダムの管理用通路の名称には、「キャットウォーク」と呼ばれるものもある。
軒下の犬走り [編集]
建物の軒下の外壁周縁部を砂利敷きやコンクリートを打ったもの。構造物保護のために設けられる。コンビニエンスストア(コンビニ)などでは雨や日射しを避けるため、ここに座り込んでインスタント食品などを食べちらかす者がおり、他の利用客の迷惑となっている。
線路の犬走り [編集]
鉄道の線路における犬走りは路盤の上面、線路と同水準に設置され、保線作業員の通路などに使われる。