アル=ヌスラ戦線

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アン=ヌスラ戦線(アン・ヌスラせんせん、アラビア語: جبهة النصرة لأهل الشام‎)は、シリアで活動するサラフィー・ジハード主義の反政府武装組織。シリア騒乱における一連の軍事行動において反政府側に立つ一組織。組織の正式名称は「アッ=シャームの民のアン=ヌスラ戦線」などと訳されている[1]。日本メディアでは、「ヌスラ戦線」と表記されることが多い。

概要[編集]

2012年1月に結成。アサド政権に対する戦いを聖戦と位置づけ、外国からの参加者を集めて勢力を拡大。シリア国内の反政府勢力の中心的存在である自由シリア軍と連携を取りつつも、IEDを使用した自爆攻撃を中心に武力闘争継続。

アルカーイダとの関係[編集]

当初より、アルカーイダとの関連が指摘され、アサド政権からは数々のテロの首謀者として非難される一方、アメリカ国務省からもテロ組織に指定されている。2013年4月にイラクの聖戦アル=カーイダ組織の指導者が出したコメントの中では、ヌスラ戦線はイラク・イスラム国の下部組織であると言及されている[2]が、ヌスラ側はこれを否定している。 また、ヌスラ戦線側は同年4月10日、アルカーイダの指導者アイマン・ザワーヒリーに対して忠誠を誓うとともに、シリアでのイスラム国家樹立を目指すことを表明した。

関与したと推測されるテロ事件等[編集]

  • 2013年1月28日、アレッポ市内で多数の市民が拉致され、翌日射殺体となって市内のクワイク川から発見された。78人以上が死亡[3]
  • 2013年4月24日、アレッポ市内で行われた戦闘の中で、ウマイヤド・モスクのミナレットが爆破される。アルヌスラ側と政府軍側との間で責任をめぐり非難の応酬があった[4]

ヌスラ戦線への肯定的見解[編集]

日本の同志社大学の大学教授である内藤正典は、その自身のツイッター上で、『ヌスラ、ISIS,あんたたちしか「人倫に基づく秩序」を再建できる主体はない。欧米シンパは、「テロリストに秩序を望むとは笑止千万」と言うだろう。だが、ムスリムだけがシリアにおいて、「理由なき殺人」を止める倫理をもっているんだ。世俗的なアサド政権にも自由シリア軍にも、それはできない』と発言し、ヌスラ戦線がシリアにおいてイスラーム法に基づく人道的統治を樹立することへの期待を述べた[5]

出典[編集]

  1. ^ 青山弘之. “2013年4月9日のシリア情勢”. シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記. 2013年6月8日閲覧。
  2. ^ “シリア反体制派にイスラム過激派、武装勢力が明かす”. AFPBB News (フランス通信社). (2013年4月10日). http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2938033/10560953 2013年4月28日閲覧。 
  3. ^ “シリア・アレッポの川から78人の処刑遺体、頭部に銃弾1発”. AFPBB News (フランス通信社). (2013年1月30日). http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2924388/10189545 2013年4月28日閲覧。 
  4. ^ “ウマイヤド・モスクの光塔、戦闘で崩壊 シリア北部アレッポ”. AFPBB News (フランス通信社). (2013年4月25日). http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2940572/10639319 2013年4月28日閲覧。 
  5. ^ masanorinaito‏@masanorinaito内藤正典、2013年11月13日12時32分付投稿、2013年11月18日閲覧