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:# '''加速度センサー'''で、風景モード(横長)と肖像モード(縦長)を自動的に切り替える事が出来る。
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; カメラ
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: 2メガピクセルカメラを搭載しているが、オートフォーカス、ライト、ムービ-機能がないなど割り切った仕様である。
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; ウィジェット
; ウィジェット
: 天気予報、株価が見られるウィジェットがプリインストールされている。
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2008年6月10日 (火) 12:18時点における版

iPhone
ファイル:IPhone Release - Seattle.jpg
キャリア アメリカ合衆国の旗 AT&T Mobility
イギリスの旗 O2
ドイツの旗T-モバイル
フランスの旗 オレンジ・フランス
アイルランドの旗 O2
オーストリアの旗T-モバイル
欧州連合の旗 ボーダフォン
製造 アップル
発売日 2007年6月29日
概要
OS iPhone OS (1.1.4)
CPU ARM 1176 412MHz
音声通信方式 GSM
(850/900/1800/1900MHz)
データ通信方式 GPRS
EDGE
Wi-Fi (IEEE 802.11b/g)
形状 ストレート式
サイズ 115 × 60 × 11.5 mm
質量 135 g
連続通話時間 約8時間
連続待受時間 約250時間
内部メモリ Mobile DDR SDRAM 128MB
外部メモリ 非対応
日本語入力 あり
FeliCa なし
赤外線通信機能 なし
Bluetooth 2.0 + EDR
放送受信機能 非対応
備考 加速度センサー搭載、連続インターネット利用時間: 6時間
メインディスプレイ
方式 カラー液晶ディスプレイ
解像度 320 x 480ドット(160ppi)
サイズ 3.5インチ
表示色数 -
サブディスプレイ
なし
メインカメラ
画素数・方式 約200万画素
機能 なし
サブカメラ
なし
カラーバリエーション
なし
テンプレート / ノート
ウィキプロジェクト

iPhone(アイフォーン)は、アップルスマートフォンである。2007年1月9日に発表され、アメリカ合衆国2007年6月29日に発売開始された。後継モデル(第2世代のiPhone)はiPhone 3Gを参照のこと。

概要

キーパッドを廃しタッチパネル主体としたデザインが特徴的である(他にはモトローラなどが同様の端末をリリースしているが、マルチタッチとした点が従来のタッチパネル端末と異なる)。MacintoshシリーズやiPodなどで人気のアップルからの携帯電話ということで、発売前から話題が多く、発売数時間前には各地域のApple Storeには長蛇の列が出来た。

アメリカの試算調査会社iSuppliによると、iPhoneの部品等コストから算出した利益率は最大53.1パーセントである。iPhoneは、従来までの携帯電話と異なり、ユーザー使用月間料金の一定の割合が、オペレータ(アメリカではAT&T)からアップルへ支払われる収入配分方式 (Revenue Sharing) をとっている。従来までの携帯電話は、ほとんど全て端末の売りきりであった。

2007年9月10日には、前日の時点で販売台数100万台となったことが発表された[1]

なお、商品名のカタカナ表記は商標の都合から「アイフォーン」となっているが、実際の発音は「アイフォン」が近い。

年表

  • 2007年1月9日 - Macworldで製品が発表された。
  • 2007年1月10日 - シスコシステムズ社が商標権を不当に侵害されたとしてアップル社を提訴。
  • 2007年2月21日 - シスコとアップルは両社で自由に世界中でiPhoneの商標を使うことが出来るという合意に達した[2][3]
  • 2007年6月29日 - アメリカ合衆国で販売開始。
  • 2007年9月10日 - 9月9日の時点で販売台数100万台となったことを発表[4]
  • 2007年11月9日 - イギリス、ドイツで販売開始。
  • 2007年11月29日 - フランスで販売開始。
  • 2008年1月15日 - 販売台数が400万台となったと明らかに[5]
  • 2008年2月5日 - 16GBモデル発表、販売開始[6]
  • 2008年3月 - 3月末時点で累計販売台数は540万台と公表[7]
  • 2008年5月 - 中南米、オーストラリア、チェコ、エジプト、ギリシャ、イタリア、インド、ポルトガル、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、カナダでの発売が決定した。
  • 2008年6月4日 - ソフトバンクモバイルがアップルとの契約締結を発表[8]
  • 2008年6月9日 - iPhone 3Gを日本を含む22カ国で7月11日より販売すると発表[9]。販売台数は600万台に達したと発表[10]

主な仕様(テンプレート以外)

オペレーティングシステム

iPhoneのオペレーティングシステムはアップルによってOS Xと呼ばれている。OS XはCocoaCore Animationを備えるMac OS X v10.5 のサブセットと目されており、マルチタッチスクリーンによるユーザーインターフェイスを備えている[12]

オープンソースDarwinベースで開発環境やAPI等も公開されているMac OS Xと違い、非公開な環境であり基本的にサードパーティの参入は認めていなかった[13]が、後日参入を認める予定と発表された。 2008年6月にiPhoneおよびiPod touch向けネイティブアプリケーションソフトウェア開発キット (SDK) を提供する予定である。2008年3月現在、iPhone SDKベータプログラムが実施されており、iPhone SDKは既に10万以上ダウンロードされている[14][15]。なおアプリケーション開発の自由度については、全てのソフトはApp Storeを通して配布する為、アップルにより承認されたもののみとなる予定である[16][17]

機能

電話
GSMの提供されていない日本韓国を除き、世界中で使えるクワッドバンドGSM端末である。850MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯1900MHz帯の4帯域で電話を使う事ができる。
その後WWDC 2008において3G対応が発表された。これにより日本国内でも7月11日にSoftBankでのサービスが開始される。
無線
Bluetooth 2.0による無線PAN、IEEE 802.11b/gによるWi-Fi無線LANEDGE(規格上最大473.6kbps)およびGPRS(規格上最大171.2kbps)パケット通信規格による無線WANなど、多様な無線アクセスを内蔵。
マルチタッチスクリーンによる直感的操作
キー入力やスタイラスなどは必要なく、指で直接アイコンにタッチして操作する。他社にない独自の操作法を採用し、指の間隔を広げる、狭めるなどで画像の拡大縮小を操作できる。
写真
写真管理ソフトウェアにより写真を、アップロード、表示、メールに添付する事が出来る。マルチタッチで自由に拡大したり、回転させたり出来る。
動画
3.5インチのワイドディスプレイでテレビ番組、映画などを見ることが出来る。
また、アップルとYouTubeの提携により、iPhoneに最適化された(H.264) YouTube が利用可能である。
インターネット
搭載されているSafariはRSSやタブブラウズに対応している。
メール
MMSは利用できないが、Yahoo! MailGmailを利用することができ、Yahoo! Mail (@yahoo.com) に関しては携帯メールのようなPush e-mail(自動受信)にも対応したメールが利用可能である。その他、一般のPOP3、IMAPメールサーバーに接続することも可能である。
SMS
SMSiChatを思わせる吹出しを使った対話形式で、メッセージが表示される。
地図
アップルとGoogleの提携により、iPhoneに最適化されたGoogle Mapsが利用可能である。
音楽
音楽ライブラリのレイアウトはこれまでのiPodと変わり、より分かりやすいセクション、大きなフォントになっている。Cover Flowにより、iTunesのようなカバーを写真ライブラリで表示可能である。
また、iTunesにiPhone内の楽曲を着信音に設定する機能を追加する予定。
センサー
iPhoneは、3つの異なるセンサーを搭載している。
  1. 近接センサーで、iPhoneを耳の側に持って行くと、誤作動が起きないようにタッチスクリーンが無効化される。
  2. 輝度センサーで、周囲の明るさによって自動的にタッチスクリーンの明るさを調整し、バッテリを節約する。
  3. 加速度センサーで、風景モード(横長)と肖像モード(縦長)を自動的に切り替える事が出来る。
カメラ
2メガピクセルカメラを搭載しているが、オートフォーカス、ライト、ムービー機能がないなど割り切った仕様である。
ウィジェット
天気予報、株価が見られるウィジェットがプリインストールされている。
その他の機能
iTunes からAddress Book、E-mailアカウント、ブラウザのブックマークの情報を同期できる。
iPhoneのカレンダー相当ソフトはiPhone単独での予定の追加機能とパソコンへの再同期をサポートしている。iPodは、曲の再生回数、レイティング、On-The-Go プレイリスト以外のパソコンへの再同期を出来なかった。

名称の問題

「iPhone」という名称は、米国では2000年シスコシステムズ社商標登録をした会社を買収しており、同社は同名称で、携帯情報端末ではないVoIP製品(Skypeなどで動作する電話機)として商品展開を行なっている。同社は「水面下でアップル社と交渉を続けていた」ことを認めているが、合意に到る前にアップル社が製品発表を行ったため、製品発表翌日の1月10日に、アメリカで「名称の使用停止」を求める裁判を起こしつつも引き続き交渉を継続し、2月21日にアップル、シスコ両社がワールドワイドで自由に商標を利用出来るという合意に達した[2][3]

1月30日 カナダの通信会社、コムウエーブ・テレコム社が、シスコ社よりも以前にネット電話サービスの名称に「iPhone」という商標を最も長く使用していると表明、シスコ社およびアップル社に対し商標権を侵害するものと警告する文書を送っていたことが明らかとなった。

また、日本のインターホン大手のアイホン(発音は同じだがこちらの綴りはAiphone)は同年8月20日に「自社の社名と酷似している」としてアップル社と協議していることを明らかにし、その後2008年3月に両者間で「日本国内ではアイホンがアップルに使用許諾を行い、英文表記では『iPhone』、カタカナ表記では『アイフォーン』とする」「日本国外では両社の商標を共存させる」という2点で合意に達したと発表した[18][19]

日本国内での商標は以下の通りである。

価格、契約

アップルは今後、以下のスケジュールで入手可能になると発表している。

アメリカ

iPhoneのアメリカ合衆国でのキャリアは、AT&T Mobilityのみであり、 価格は2年間の縛り付きで、8GBモデルがUS$399、16GBモデルがUS$499。

契約するためには、まずアップルストアもしくは AT&T ストアで iPhone を単に購入したのち、自宅の PC もしくは Mac 上の iTunes を使って、インターネット経由で iPhone のアクティベートおよびiPhone専用料金プランの選択を行うという形式を取っている。番号ポータビリティの手続き等も全て iTunes 上で可能であり、徹底して AT&T のセールスパーソンの関与を省いている。iPhoneのデータ通信はどのプランを選択しても定額になっている。契約に際し、クレジットチェックがAT&Tによっておこなわれるため、アメリカでソーシャルセキュリティーナンバー (SSN) を所持していない、もしくはクレジットスコアが低かったりすると、AT&Tの提示する後払い方式のプランでは契約できなくなる。プリペイド式のプランを選択する事も可能であるが、プリペイド式は後払い式よりも若干料金が高い。

アップルは、2007年9月5日に、ホリデーシーズンに向け8GBモデルの販売価格の599ドルから399ドルへの値下げと、4GBモデルの生産停止および在庫限り299ドルへの値下げを発表した。2007年9月7日に、599ドルでのiPhone購入者の抗議を受け、値下げ前にiPhoneを購入しリベート等を受け取っていない顧客向けに100ドルのAppleStoreクレジットを配布すると発表した[20]

月額使用料

  • $59.99(450分)
  • $79.99(900分)
  • $99.99(1350分)
  • $119.99(2000分)
  • $169.99(4000分)
  • $219.99(6000分)

ヨーロッパ

イギリスにおける独占販売キャリアはO2ドイツではT-Mobileフランスではorange(フランステレコム)と発表された。フランスでは法律により、SIMロックなしのモデルも発売されている。ドイツにおいても、裁判所の命令を受け、一時T-mobileとの契約なしで販売された[21][22]

価格はイギリスで税込み269ポンド、ドイツで399ユーロ、フランスでは価格は料金プランによって399、549、649ユーロの3種類(価格は全て2007年12月現在)。SIMフリー機は999ユーロ。

日本での発売予定

アップルの発表会にソフトバンクモバイル社長孫正義が来ていたが、iPhone販売についてはノーコメントだった。また、KDDI社長の小野寺正は毎日新聞とのインタビューの中でiPhoneに強い関心を示し、一緒にやりたいとコメントした。

ただし、アップル主導(=水平分業)の製品であるiPhoneは、特殊な垂直統合構造の日本の携帯電話市場では、各事業者のビジネスモデルを壊す可能性がある(たとえば、着うたフルはアップルのiTunes Storeと競合している)。

一部の輸入代理店などでiPhoneを輸入し販売しているが、価格は10万円以上である上に通話は不可能である。

2007年11月28日にAT&TのCEO、ランドール・ステファンソンは2008年中にiPhoneをW-CDMAに対応させると述べ、その場合には日本でもFOMASoftBank 3Gでの使用が可能(韓国でもW-CDMAでの使用が可能)と見られる[23]

2008年6月4日ソフトバンクモバイルがiPhoneの販売に関する契約を発表。「2008年中に発売」と発表した。[24]

2008年6月10日Appleの主催するWWDC08にてiPhone 3Gが日本で2008年7月11日に発売されることが発表された。


脚注

  1. ^ Apple Inc. (2007年9月10日). “アップル、100万台のiPhoneを販売”. 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  2. ^ a b Apple (2007年2月21日). “Cisco and Apple Reach Agreement on iPhone Trademark” (英語). 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  3. ^ a b Cisco Systems (2007年2月21日). “Cisco and Apple Reach Agreement on iPhone Trademark” (英語). 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  4. ^ Apple Inc. (2007年9月10日). “アップル、100万台のiPhoneを販売”. 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  5. ^ 米アップル、「iPhone」販売台数が400万台に
  6. ^ アップル、iPhoneとiPod touchに新モデルを追加
  7. ^ 米アップル、中南米でのiPhone販売契約を締結
  8. ^ 「iPhone」について”. ソフトバンクモバイル株式会社 (2008年6月4日). 6月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  9. ^ 速報 - 3G対応iPhone発表、日本含む世界22カ国で7月11日発売
  10. ^ 米アップル、次世代「iPhone」を発表
  11. ^ IPhone hardware upgrades! V1.1.2 of the CPU speed to 412 MHz - Collections Mobile Phone Blog
  12. ^ Apple Inc. “Apple - iPhone - Features - OS X” (英語). apple.com. 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  13. ^ 中田 敦 (2007年1月10日). “「Apple TV」「iPhone」担当バイス・プレジデントとの一問一答--Macworldより”. ITpro. 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  14. ^ iPhone Dev Center - iPhone Developer Program
  15. ^ iPhone SDK Downloads Top 100,000
  16. ^ Apple March 6 Event
  17. ^ アップル、iPhone 2.0ソフトウェアのベータ版を発表
  18. ^ 津田 啓夢 (2008年3月24日). “「iPhone」商標権、アイホンとアップルが合意”. ケータイWatch. 3月24日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  19. ^ アイホン、「iPhone」商標権巡り米アップルと和解”. NIKKEI NET (2008年3月24日). 3月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  20. ^ Steve Jobs. “To all iPhone customers” (英語). 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  21. ^ 高森 郁哉 (2007年11月22日). “iPhone:ドイツでは契約なしの販売も実現 裁判所命令受け”. 毎日jp(毎日新聞). 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  22. ^ BBC (2007年12月4日). “Vodafone loses iPhone court case”. BBC NEWS. 12月5日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  23. ^ 八田 亮一 (2007年11月30日). “iフォン、08年中に第3世代対応へ・日本進出容易に”. NIKKEI NET. 12月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  24. ^ 「iPhone」について”. ソフトバンクモバイル株式会社 (2008年6月4日). 6月4日閲覧。accessdateの記入に不備があります。

関連項目

外部リンク

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