縛り (携帯電話)

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携帯電話における縛りしばり)とは、携帯電話PHSで長期間(最低2年以上)の使用(事業者などとのサービス利用契約)を前提に、電話機の購入費用あるいは基本料金や各種サービス利用料金の割引を行う制度の俗称。また、そのような制度を行う料金プランのことを指す。

電話機の縛り[編集]

電話機の販売店は、事業者等から一定期間以上の利用契約があった場合に支払われるインセンティブ販売奨励金、携帯電話等の利用料金からのバックマージン)を受け取る。販売店にとってはそれを前提にした電話機購入費用の値引きであるため、(その一定期間となるよりも以前の)中途解約に対して、販売店からの違約金を請求する場合があり、利用客としては一定期間縛られることとなる。

なお、事業者等とのサービス利用契約について、当該事業者等が中途解約を制限するのは、総務省の通達により禁止されている(ただし、次の「割引サービスの縛り」のような場合については除外される)。このため、本件のような縛りも違法で無効であるといえるが、インセンティブという制度をもっともらしくいう販売店の一方的な言い分による、販売店の圧倒的な優位性を示す電話機購入者がこうむる恒常的な不利益の状態そのものであるとの意見もある。

なお、同一事業者等のサービス利用を継続したまま、新たな電話機を購入してその電話機でそのサービス利用継続をするいわゆる「機種変更(機種変)」についてもインセンティブが関係してくることがある。事業者等にもよるが、機種変更時には即時にインセンティブが支払われ、販売店からの縛りは無いことも多い。ただし、新規契約や直前の機種変更から一定期間以上の利用契約(各事業者とも1年であることが多い)が無いと、機種変更に対するインセンティブが事業者等から支払われないか、あるいは減額されることがほとんどのため、そのような利用期間が経過しないと、機種変更時の電話機購入価格が、ユーザからみて割高になることになる。

なお2007年以降、一定期間以内に解約や機種変更を行うと、違約金や機種代金の残額を払うことになる制度も開始されている。この場合、利用者は新規契約もしくは機種変更から一定期間が経過するか、端末の分割金を払い終わるまで、縛られることとなる。

割引サービスの縛り[編集]

事業者とユーザとの間で、「2年以上の長期間の契約」でサービスの利用を継続し続けることを条件に、サービス利用料を割引する制度(年間契約割引等)があるが、これらの制度に関連して、ユーザが期間内に中途解約したことによって、事業者が解約金(違約金)を請求するものであり、各事業者とも、おおむね以下の条件で共通している。

  • 2年以上の単位による長期契約を条件としている。
  • 「違約金不要」で解約できる期間(更新月)は2年に1回、1ヶ月~最長2ヶ月しかない。
  • 2年を超える長期間で契約し続けても、違約金が廃止されないどころか、割引すらされない。
    • 2007年、ソフトバンクは25ヶ月目以降からいつでも違約金が不要な割引サービス「ホワイトプラン」を提供していたが、2010年4月以降から更新月以外の解約時に、違約金が必要なシステムへ改悪し、他の事業者もこれに追随する形で違約金を請求し始めた。
    • 以降、「一定の期間を超えて契約し続ければ、いつでも違約金を不要」とするサービスや、それ提供する事業者が存在しない。
  • 違約金の支払いは「解約時」の「一括払い」だけでしか受け付けず、一括ないし分割の「前払い」を受け付けないため、ユーザへ高額の負担を強いている。

これに関しては、事業者との間で、サービス利用契約の開始または中途で明示して契約する性格のものであり、消費者契約法に反しない限り(契約書に違約金の旨を明示すれば)合法」とされている(「電話機の縛り」と混同する向きもある)。

しかし、2年以上の長期契約が前提となっている、NTTドコモの『ひとりでも割50』や、auの『誰でも割』などの割引プランについて、2年未満で解約したり、2年を超える期間であっても更新月以外に解約した場合に高額な解約金を支払う必要が生じることについて、消費者契約法に違反するとして、適格消費者団体・『京都消費者契約ネットワーク』が、NTTドコモとKDDIに対し、解約金を巡る全国初の消費者団体訴訟京都地裁に起こしている[1]が、いずれも事業者が全面的に勝訴している。

その他[編集]

最近では、オプションサービスの申し込みや、プロバイダーとの契約にあわせて、加入時の割引をする例も多い。これも事業者からインセンティブが支払われる点で「電話機の縛り」と同様ではあるが、中途解約の「縛り」はないか、あっても問題になっていない場合も多い。

各事業者の主な「縛り」プラン[編集]

月額利用料が割り引かれるケースを記載(「割引サービスの縛り」に該当する)。

NTTドコモ[編集]

au(KDDI/沖縄セルラー電話)[編集]

ソフトバンクモバイル[編集]

ウィルコム[編集]

  • 年間契約割引
なお、新規契約時等に選択する事業者の料金プランやオプションサービス(特に上記の割引サービスも多い)によっても「電話機の縛り」に関連したインセンティブの金額が変更または0になる場合があり、よって電話機の初期購入費用に影響する場合もある。これに関してはインセンティブが、事業者と販売店との間の相対の特約であるため、事業者が「縛り」プランとして公表する性質のものでもなく、また一定のものでもない。
新定額プラン基本使用料2762円 定額プラン割引額-666円 ユニバーサルサービス料8円 合計請求額2104円

関連項目[編集]

脚注[編集]