AirTag

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AirTag
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開発元 Apple
製造元 フォックスコン
種別 キーファインダー
発売日 2021年4月30日 (2021-04-30)
標準価格 4,780円、4個パック15,980円
外部接続 Bluetooth Low Energy
U1チップによるUWB
NFC
電源 ボタン型電池CR2032
オンラインサービス 探す
サイズ 直径: 31.9mm
厚さ: 8mm
重量 11g
ウェブサイト www.apple.com/airtag/

AirTagは、Appleによって開発、製造され、2021年にリリースされた忘れ物タグである。キーファインダーとして機能する。AirTagはApple製品で使用可能である。2021年4月21日のApple Eventで発表された。

機能[編集]

iPhoneとAirTag

iCloudを設定したiPhoneBluetoothで接続して利用する。特定の場所もしくはユーザーから離れた場合にペアリングされたiCloudのアカウントがセットされた端末に通知される。

「探す」アプリを使う事で、音を再生したり、発見者に伝えるメッセージや電話番号、メールアドレスを設定できる。メッセージや電話番号は、NFC対応のスマートフォン(Android OSも可)をAirTagにかざすことで見ることが可能[1]

iCloudでリンクされているApple製品であれば、Siriに「Hey Siri, お財布(AirTagに設定した名称)を探して」と言う、または「探す」アプリで音を鳴らすことができる。また、長時間持ち主の設定したiCloudにリンクされたiOSiPad OS端末などと通信しないと、防犯の一つとして音を鳴らす機能が搭載されているので、ストーキング行為などで知らない間に荷物に入れられていても気付くことが可能(商品リリース当初は期間を3日ほどで設定されていたが、アップデートにより、8〜24時間の時間単位に変更となった)。

AirTag自体に画面やボタンは無く、AirTag単体での操作はできない。iPhoneの「探す」アプリにより操作を行う為、音が鳴ったり、通信を止めようとしたりしてもAirTagだけでは止める操作はできない(電池を抜くしかない)。

電池はボタン電池のCR2032を使用し、自分で簡単に交換することができる。電池持ちは1年以上。なお、電池を抜いている間は、位置情報の追跡や音を鳴らすことができない。

位置情報の更新は、近くにあるiPhoneやiPadなどのApple製品にBluetooth接続され、接続されているApple製品がWi-Fi及びモバイル通信を行う事でサイレント、そして匿名で実施される。近くにiPhoneやiPadなどのBluetooth通信ができるApple製品がない場合は、位置情報を更新することができない。誰のApple製品に接続されたかといった接続詳細履歴は蓄積せず、解析不可である。

このように単体での通信ができないこと、iCloudにリンクしている端末との通信が無い場合に音が鳴る仕様であることから、子供の防犯用タグとしては利用しないようにAppleは呼びかけている。なおAppleは、子供や高齢者の防犯用として使用する場合はApple Watchを推奨している。

UWBに対応するU1チップを搭載するiPhoneでは、「正確な場所を見つける」を用いてのセンチメートル単位による捜索も可能である[2][3]

必要要件[編集]

iOS 14.5以降を搭載したiPhone SE、iPhone 6s以降、iPod touch(第7世代)、iPadOS 14.5以降を搭載したiPad Pro、iPad(第5世代以降)、iPad Air 2以降、iPad mini 4以降が必要。

商標[編集]

元の商標権を持つメーカーは、フランスのスタートアップ企業で、2015年に当時Safran子会社であったMorphoに買収された、モバイルショッピングおよび決済プロバイダー。

批判[編集]

同様の忘れ物追跡タグを開発、販売しているTileは、Tileのトラッカーと同様の技術とデザインを使用しているとして、Appleを批判した。

悪用[編集]

AirTagを使った犯罪行為はAir Taggingsと呼ばれている。

2021年9月、AirTagの紛失モードに脆弱性があることをセキュリティコンサルタントのBobby Raunchが発見、ジャーナリストのBrian Krebsが公表した。紛失モードで使用される電話番号入力欄にスクリプトコードを入力しておくことで、AirTagをスキャンした相手を任意のサイトに誘導することが可能だという[4]

2021年11月、アメリカ合衆国アーカンソー州在住の女性が、自家用車のトランクに見知らぬAirTagがテープで貼り付けられているのを発見、警察に届け出るという事案が発生した [5]

2021年11月、アメリカ合衆国在住の女性が、iPhoneに追跡されている旨の通知が表示されたのを受けて、ニューヨーク州の警察署に駆け込むという事案が発生した。警察官が調べたところ、自家用車のバンパー下に仕掛けられたAirTagを発見した。ニューヨーク州では2014年から他人の車にトラッキング装置を仕掛けることは違法となっている[6]

2021年12月、カナダオンタリオ州ヨーク地域警察(英語: York Regional Police)がAirTagを使った自動車盗難を5件特定し、その手口を報告した。ショッピングモールなどで高級車を物色し、AirTagを仕掛け、のちに追跡して盗み出すという[7]

2021年12月、アメリカ合衆国メリーランド州在住の女性が、自家用車のフロントホイールの裏側に見知らぬAirTagが仕掛けられているのを発見、警察に被害を報告した[8]

2021年12月、アメリカ合衆国在住の男性が、自家用車のトランク下にAirTagが仕掛けられているのを発見した。ミシガン州にあるショッピングセンターの駐車場に、2時間ほど駐車している間に仕掛けられたという[9]

2022年5月、日本の愛知県で何者かにより愛知県警察の捜査車両にAirTagが設置されていたことが発覚した[10]。同県警察は暴力団などの犯罪組織が警察の動向を把握するために取り付けたとみて捜査を開始した[10]

このような不正利用に対して、耳を澄ます[11]、Appleデバイスの「探す」アプリやAndroidの「Tracker Detect」アプリを使用して周囲にあるAirTagを検知する[12]、自宅や知られたくない場所から離れた場所で電池を取り外す[13]などの対策が呼びかけられている。

脚注[編集]

  1. ^ 5 Best Apple AirTag Alternatives Beacons in 2021”. BizTechPost. BizTech (2021年12月2日). 2022年1月27日閲覧。
  2. ^ Haslam (2020年7月22日). “「AirTags」の日本語メニュー発見、共有機能やAR対応の詳細が判明”. iPhone Mania. 2021年3月閲覧。
  3. ^ アップルのAirTag。紛失物を発見する、詳しい仕組みと利用法と心配(末尾に追記アリ) | flick!” (日本語). FUNQ [ ファンク ] (2021年4月21日). 2021年5月8日閲覧。
  4. ^ AirTagの紛失モード、悪意あるサイトへ誘導する脆弱性が発覚 - Engadget 日本版
  5. ^ これは怖い! マイカーにいつの間にかAirTagが貼り付けられていた事例が海外で報告される【やじうまWatch】 - INTERNET Watch
  6. ^ 米NY警察、AirTagがストーキングに悪用された疑いある事件を2件報告 - Engadget 日本版
  7. ^ AirTagが車泥棒に悪用される事件増加、高級車に付けて自宅まで追跡 - Engadget 日本版
  8. ^ AirTagが知らぬ間に車のホイールハウス内に装着されていたと海外で報告〜何のため? - iPhone Mania
  9. ^ 車泥棒にAirTagを仕込まれたオーナー、iPhoneに通知されて難を逃れる - Engadget 日本版
  10. ^ a b “愛知県警の捜査車両から位置情報わかる機器「AirTag」見つかる”. NHK. (2022年7月6日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220706/k10013704501000.html 2022年7月6日閲覧。 
  11. ^ アップルの忘れ物トラッカー「AirTag」はストーカー対策が十分ではないとの体験レポート公開 | TechCrunch Japan
  12. ^ 他人のAirTagを検知して位置情報追跡を回避できるApple公式アプリ「Tracker Detect」がAndroid向けに登場したので使ってみた - GIGAZINE
  13. ^ 持ち物追跡タグでストーカー被害に遭ったらどうする?使わない人も知っておきたい、自衛のためのApple「AirTag」の基礎知識 | 文春オンライン

関連項目[編集]

外部リンク[編集]