ドリュー・ブテラ

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ドリュー・ブテラ
Drew Butera
シカゴ・ホワイトソックス コーチ
カンザスシティ・ロイヤルズ時代
(2016年6月6日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 インディアナ州バンダーバーグ郡エバンズビル
生年月日 (1983-08-09) 1983年8月9日(40歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2005年 MLBドラフト5巡目
初出場 2010年4月9日
最終出場 2021年5月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
コーチ歴
国際大会
代表チーム イタリアの旗 イタリア
WBC 2013年2017年

アンドリュー・エドワード・ブテラAndrew Edward Butera, 1983年8月9日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州バンダーバーグ郡エバンズビル出身の元プロ野球選手捕手)。右投右打。コーチ。愛称はザ・ドンThe Don[1]

一部メディアでは「ビュテラ」と表記されることもある。

経歴[編集]

プロ入りとメッツ傘下時代[編集]

2005年のMLBドラフト5巡目(全体149位)でニューヨーク・メッツから指名され、6月9日に契約[2]。契約後、傘下のA-級ブルックリン・サイクロンズでプロデビュー。55試合に出場して打率.217、1本塁打、23打点を記録した。

2006年はA級ヘイガーズタウン・サンズ英語版でプレーし、95試合に出場して打率.186、5本塁打、38打点を記録した。

2007年はA+級セントルーシー・メッツで52試合に出場後、6月にAA級ビンガムトン・メッツへ昇格。AA級ビンガムトンでは30試合に出場して打率.188、1本塁打、4打点を記録した。

ツインズ時代[編集]

ミネソタ・ツインズ時代
(2012年6月26日)

2007年7月30日にルイス・カスティーヨとのトレードで、ダスティン・マーティンと共にミネソタ・ツインズへ移籍した。移籍後は傘下のAA級ニューブリテン・ロックキャッツに所属し、17試合に出場して打率.260、3打点を記録した。

2008年はAA級ニューブリテンに所属し、96試合に出場して打率.219、7本塁打、39打点を記録した。オフの11月19日にツインズとメジャー契約を結び[3]40人枠入りを果たした。

2009年3月31日にAAA級ロチェスター・レッドウイングスへ配属され、開幕を迎えた。この年はAAA級ロチェスターに所属し、99試合に出場して打率.211、2本塁打、25打点を記録した。

2010年3月7日にツインズと1年契約に合意し、自身初の開幕ロースター入りを果たした。4月9日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。この年はジョー・マウアーに次ぐ2番手捕手として、49試合に出場(捕手としての出場は47試合)。打率.197、2本塁打、13打点と打撃面では結果を残せなかったが、盗塁阻止率は43%という高水準だった。

2011年2月26日にツインズと1年契約に合意。この年はマウアーの故障によって出場機会が増え、93試合で守備に就いた。しかし、打率は.167と力不足は明らかだった。オフには、MLBの台湾遠征チームの一員に選ばれた[4]

2012年3月31日にAAA級ロチェスターへ配属され、3年ぶりにAAA級で開幕を迎えることとなった。5月1日にメジャーへ昇格[5]。その後はマウアーのバックアップとしてシーズンを過ごした。この年は42試合に出場して打率.198、1本塁打、5打点を記録した。

2013年1月17日にツインズと1年契約に合意。開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)イタリア代表に選出された[6]

シーズンでは3月25日にAAA級ロチェスターへ配属され、開幕を迎えた。7月24日にマウアーが育休リスト入りしたため、メジャーへ昇格[7]。2試合に出場したが、7月28日にマウアーが復帰したため、AAA級ロチェスターへ降格した[8]。結局ツインズでは2試合の出場に留まった。

ドジャース時代[編集]

ロサンゼルス・ドジャース時代
(2014年9月19日)

2013年7月31日にミゲル・スルバランとのトレードで、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した[9]。移籍後はAAA級アルバカーキ・アイソトープスで16試合に出場し、登録枠が拡大された9月1日にメジャーへ昇格[10]。昇格後は4試合に出場(うち2試合では一塁手として出場)し、打率.143だった。オフの11月29日にドジャースと70万ドルの1年契約に合意した[11]

2014年A.J.エリスに次ぐ2番手捕手として開幕ロースター入りしたが、4月8日にエリスが左膝の故障で離脱したため、先発としての出場機会が増加。また、投手としても2試合に登板した。この年は61試合に出場して打率.188、3本塁打、14打点を記録した。

オフの11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出された[12]。帰国後の12月5日にウェイバー公示を経てボストン・レッドソックスから捕手のライアン・ラバーンウェイが加入したため、同日にDFAとなった[13]

エンゼルス時代[編集]

2014年12月9日にトレード[14]で、ロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した[15]

2015年はエンゼルスでは10試合に出場したが、打率.190で本塁打と打点なしに終わり、5月4日にDFAとなった[16]

ロイヤルズ時代[編集]

2015年5月7日にライアン・ジャクソンとのトレードで、カンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した。ロイヤルズ加入後はサルバドール・ペレスの控え捕手として45試合に出場したが、打率は.200未満(.198)に留まり、通年での打率は.196だった。守備では、2球団計で盗塁阻止率38%を記録。また、数試合で一塁手も守った。

2016年はフルシーズン、ロイヤルズで控え捕手を務めた。打撃面では好調を維持し、打率.285・4本塁打・16打点・OPS0.808という成績を記録、打点以外は自己最高だった。守備面では51試合に出場したが、6失策・守備率.981・DRS - 5・盗塁阻止率25%(アメリカンリーグ平均は29%)と芳しくない数字が並んだ。また、前年に続いて一塁も守ったほか、2014年以来となる2試合に投手としても登板。計1.1イニングを1安打1奪三振の内容で無失点に抑えた。

2017年開幕前の3月に開催された第4回WBCイタリア代表に選出された。ベネズエラとの試合で、走者としてホームに突入した際にロイヤルズでのチームメートのサルバドール・ペレスと衝突して、ペレスの左膝を負傷させてしまった[17]

ロッキーズ時代[編集]

2018年8月31日にジェリー・バスト英語版とのトレードで、金銭と共にコロラド・ロッキーズへ移籍した[18]。オフの10月29日にFAとなった。

2019年2月5日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[19]が、3月21日に自由契約となった[20]

その後、3月25日にロッキーズとマイナー契約を結んだ[21]。開幕を傘下のAAA級アルバカーキ・アイソトープスで迎え、4月15日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[22]。5月3日にDFAとなり[23]、6日にマイナー契約でAAA級アルバカーキへ配属された。9月3日に再びメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[24]。オフの10月31日にFAとなったが、12月18日にマイナー契約で再契約を結んで2020年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[25]

2020年7月22日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[26]。オフの10月28日にFAとなった[27]

エンゼルス復帰[編集]

2021年1月13日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[28]。シーズン開幕前の3月27日に一旦自由契約となったが、同日中にマイナー契約を結び直した[29]。5月のマイナーリーグ開幕時には傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスに所属していたが、出場試合は無かった。

その後、5月7日に金銭トレードでエンゼルスへ移籍し、即日でメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[30]。5月10日のヒューストン・アストロズ戦では1試合2犠打かつ決勝点となるスクイズを決めた[31][32]。5月29日にDFAとなり[33]、6月1日にマイナー契約で傘下のAAA級ソルトレイク・ビーズへ配属された[34]。その後、8月31日に自由契約となった[25]

アストロズ傘下時代[編集]

エンゼルスを自由契約となった同日の2021年8月31日にヒューストン・アストロズとマイナー契約を結び、傘下のAAA級シュガーランド・スキーターズへ配属された[25]

現役引退後[編集]

2022年よりロサンゼルス・エンゼルスのブルペン捕手を務める[35]

人物[編集]

父のサル・ブテラ英語版ミネソタ・ツインズなどで活躍した捕手である[36]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2010 MIN 49 155 142 12 28 6 1 2 42 13 0 0 3 2 4 0 4 25 5 .197 .237 .296 .533
2011 93 254 234 19 39 9 1 2 56 23 0 0 6 1 11 0 2 42 7 .167 .210 .239 .449
2012 42 122 111 7 22 6 0 1 31 5 0 0 0 0 9 0 2 26 3 .198 .270 .279 .550
2013 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
LAD 4 7 7 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .143 .143 .143 .286
'13計 6 10 10 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .100 .100 .100 .200
2014 61 192 170 16 32 6 1 3 49 14 0 0 1 2 17 1 2 41 1 .188 .267 .288 .555
2015 LAA 10 21 21 3 4 0 0 0 4 0 0 1 0 0 0 0 0 2 0 .190 .190 .190 .381
KC 45 99 86 6 17 3 0 1 23 5 0 0 5 0 6 0 2 24 0 .198 .266 .267 .533
'15計 55 120 107 9 21 3 0 1 27 5 0 1 5 0 6 0 2 26 0 .196 .252 .252 .505
2016 55 133 123 18 35 10 1 4 59 16 0 0 2 0 8 0 0 36 2 .285 .328 .480 .808
2017 75 177 163 18 37 4 1 3 52 14 0 0 1 0 12 0 1 41 0 .227 .284 .319 .603
2018 51 166 149 11 28 9 0 2 43 18 0 0 0 2 13 0 2 37 4 .188 .259 .289 .548
COL 10 16 14 2 3 0 0 1 6 3 0 0 0 0 2 0 0 2 0 .214 .313 .429 .741
'18計 61 182 163 13 31 9 0 3 49 21 0 0 0 2 15 0 2 39 4 .190 .264 .301 .564
2019 16 49 43 6 7 3 0 0 10 3 0 0 1 1 4 0 0 14 2 .163 .229 .233 .462
2020 28 43 39 4 6 2 0 0 8 4 0 0 1 1 2 0 0 11 3 .154 .190 .205 .396
2021 LAA 12 36 32 1 3 1 0 0 4 5 0 0 3 1 0 0 0 16 0 .094 .091 .125 .216
MLB:12年 553 1473 1337 123 262 59 5 19 388 123 0 1 23 10 88 1 15 322 27 .196 .252 .290 .542

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2012 MIN 1 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 4 1.0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0.00 1.00
2014 LAD 2 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 7 1.2 2 1 0 0 0 2 0 0 2 2 10.80 1.20
2016 KC 2 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 5 1.1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.00 0.75
2018 1 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 6 0.1 2 0 3 0 0 0 0 0 2 2 54.00 15.00
2020 COL 1 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 8 1.2 3 0 0 0 0 1 0 0 1 1 5.40 1.80
MLB:5年 7 0 0 0 0 0 0 0 0 --- 30 6.0 8 1 4 0 0 5 1 0 5 5 7.50 2.00

記録[編集]

背番号[編集]

  • 41(2010年 - 2013年途中)
  • 31(2013年途中 - 2014年)
  • 3(2015年 - 同年途中)
  • 9(2015年途中 - 2018年8月30日)
  • 16(2018年9月3日 - 同年終了、2021年)
  • 25(2019年)
  • 6(2020年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Royals Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  2. ^ 2005 Draft Results - Round #5. The Baseball Cube(英語). 2011年11月17日閲覧
  3. ^ Thesier, Kelly(2008-11-19). Twins add eight to 40-man roster. twinsbaseball.com(英語). 2011年11月17日閲覧
  4. ^ Bollinger, Rhett(2011-10-14). Valencia, Butera making trip to Taiwan. MLB.com(英語). 2011年11月17日閲覧
  5. ^ Twins to recall Butera from Rochester” (英語). MLB.com (2012年5月1日). 2014年12月13日閲覧。
  6. ^ 2013 Tournament Roster” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月18日閲覧。
  7. ^ t (2013年7月24日). “Twins place Mauer on Paternity Lis” (英語). MLB.com Twins Press Release. 2014年12月13日閲覧。
  8. ^ Twins option Butera to Triple-A” (英語). MLB.com (2013年7月29日). 2014年12月13日閲覧。
  9. ^ Dodgers acquire catcher Drew Butera from Minnesota” (英語). MLB.com (2013年8月1日). 2014年12月13日閲覧。
  10. ^ Dodgers roster additions” (英語). MLB.com (2013年9月1日). 2014年12月13日閲覧。
  11. ^ Ken Gurnick (2013年11月30日). “Dodgers sign Elbert, Baxter, Butera to deals” (英語). MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  12. ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧
  13. ^ Dodgers claim catcher Ryan Lavarnway from Boston” (英語). MLB.com (2014年12月6日). 2014年12月13日閲覧。
  14. ^ 金銭もしくは後日発表選手
  15. ^ Alden Gonzalez (2014年12月10日). “Angels acquire backup catcher Butera from Dodgers” (英語). MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  16. ^ Spencer Fordin (2015年5月4日). “Halos call up catcher Perez, designate Butera” (英語). MLB.com. 2015年5月5日閲覧。
  17. ^ Royals Catcher Salvador Perez Suffers Knee Injury at WBC”. ブリーチャーレポート英語版 (2017年3月12日). 2022年1月15日閲覧。
  18. ^ Thomas Harding (2018年8月31日). “Rockies trade with Royals for catcher Butera” (英語). MLB.com. 2018年9月1日閲覧。
  19. ^ Jeff Todd (2019年2月5日). “Phillies Sign Drew Butera” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年2月10日閲覧。
  20. ^ Jeff Todd (2019年3月21日). “Phillies Release Drew Butera, Andrew Romine” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年4月4日閲覧。
  21. ^ Jeff Todd (2019年3月25日). “Rockies Sign Drew Butera” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年4月4日閲覧。
  22. ^ Iannetta goes on injured list; Butera recalled” (英語). MLB.com (2019年4月15日). 2019年4月17日閲覧。
  23. ^ Thomas Harding (2019年5月3日). “Rox entrusting Estevez in critical moments” (英語). MLB.com. 2019年5月4日閲覧。
  24. ^ Steve Adams (2019年9月3日). “Rockies Select Drew Butera, Designate Noel Cuevas” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年9月5日閲覧。
  25. ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2021年9月12/日閲覧。
  26. ^ Steve Adams (2020年7月22日). “Rockies To Select Elias Diaz, Drew Butera” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年7月24日閲覧。
  27. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月20日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月21日閲覧。
  28. ^ Brian McTaggart (2021年1月13日). “Rangers add catcher Butera, righty Anderson” (英語). MLB.com. 2021年1月14日閲覧。
  29. ^ Anthony Franco (2021年3月27日). “Minor MLB Transactions: 3/27/21” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年5月21日閲覧。
  30. ^ Daniel Guerrero (2021年5月7日). “Butera traded to Angels from Rangers” (英語). MLB.com. 2021年5月10日閲覧。
  31. ^ Angels drop series to Astros with lopsided 9-1 defeat”. ロサンゼルス・タイムズ (2021年5月12日). 2022年1月15日閲覧。
  32. ^ Los Angeles Angels at Houston Astros Box Score, May 10, 2021”. Baseball-Reference.com (2021年5月10日). 2022年1月15日閲覧。
  33. ^ Mark Polishuk (2021年5月29日). “Angels Select Kean Wong, Designate Drew Butera” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年5月30日閲覧。
  34. ^ TC Zencka (2021年6月1日). “Angels Activate Max Stassi, Option Jose Quijada” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年6月2日閲覧。
  35. ^ Darragh McDonald (2022年4月5日). “Drew Butera Retires”. MLB Trade Rumors. 2022年4月18日閲覧。
  36. ^ Sal Butera”. Baseball-reference.com. 2009年12月15日閲覧。
  37. ^ Drew Butera Career Home Runs”. Baseball-Reference.com. 2022年1月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]