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|名称 = ダイダイ
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==特徴==
==特徴==
インド、[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]が原産。日本へは中国から渡来した<ref name="kokuritu"/><ref name="okayama">[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/rutaceae/daidai/daidai.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ]</ref>。果実は春になると再び緑色に戻る<ref name="okayama"/>。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されている。
インド、[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]が原産。日本へは中国から渡来した<ref name="kokuritu"/><ref name="okayama">[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/rutaceae/daidai/daidai.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ]</ref>。果実は春になると再び緑色に戻る<ref name="okayama"/>。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されている。

日本では静岡県の[[伊豆半島]]が主産地。その多くは正月飾り用であったが、近年は消費が落ち込んでいたため、ポン酢などに加工されるようになった。なお、萩市では[[夏ミカン]]のことをダイダイと言う。<ref>[http://www.ponzuya.co.jp/daidai.htm ポン酢の岸田商会HP]</ref>


高さ4-5mになる常緑小高木で枝には刺がある。初夏に白い花が咲き、冬に果実が黄熟する。果実の色は[[橙色]]と呼ばれる。[[葉柄]]には翼状になっており、[[葉身]]との境にくびれがある<ref name="okayama"/>。果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2-3年は枝についている<ref name="okayama"/>。この特徴から「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされ<ref name="okayama"/>、また、「回青橙」とも呼ばれる<ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/13584911211900/ Yahoo Japan辞書 大辞林]</ref>。
高さ4-5mになる常緑小高木で枝には刺がある。初夏に白い花が咲き、冬に果実が黄熟する。果実の色は[[橙色]]と呼ばれる。[[葉柄]]には翼状になっており、[[葉身]]との境にくびれがある<ref name="okayama"/>。果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2-3年は枝についている<ref name="okayama"/>。この特徴から「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされ<ref name="okayama"/>、また、「回青橙」とも呼ばれる<ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/13584911211900/ Yahoo Japan辞書 大辞林]</ref>。
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== 利用 ==
== 利用 ==
=== 食料 ===
=== 食料 ===
酸味と苦味が強いため、直接食するのには適さない。[[マーマレード]]および調味料、漢方薬の材料として利用される。果汁は酸味が強く風味がいいことから、{{要出典範囲|date=2010年11月|[[鍋料理]]の[[ポン酢]]の材料として多用される。}}
酸味と苦味が強いため、直接食するのには適さない。[[マーマレード]]および調味料、漢方薬の材料として利用される。果汁は酸味が強く風味がいいことから[[ポン酢]]の材料としても好まれる。<ref>[http://g-foods.info/zukan/17/product_280.php 全国地方野菜・地方果実図鑑]</ref>


=== 薬効 ===
=== 薬効 ===
[[漢方薬|漢方]]では、果実の皮を乾燥させものを'''橙皮'''(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させものを[[枳実]](きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。
[[漢方薬|漢方]]では、果実の皮を乾燥させものを'''橙皮'''(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させものを[[枳実]](きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。


ダイダイの皮と果実には、[[シネフリン]]という化合物を含み<ref name="kokuritu"/>、[[生薬]]の[[麻黄]]([[エフェドラ]])に含まれる成分、[[エフェドリン]]と類似の構造をして交感神経、[[副交感神経]]混合型興奮作用を有していることから、「シトラス」という名称でアメリカでダイエット用の健康食品として使用されている{{要出典|date=2009年6月}}。エフェドラと同様の作用を示すことから、副作用報告も出ている{{要出典|date=2009年6月}}。なお、「体脂肪を燃焼する」、「運動機能を向上させる」などの、ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分ではない<ref name="kokuritu">[http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail89lite.html 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「ダイダイ」]</ref>。
ダイダイの皮と果実には、[[シネフリン]]という化合物を含み<ref name="kokuritu"/>、[[生薬]]の[[麻黄]]([[エフェドラ]])に含まれる成分、[[エフェドリン]]と類似の構造をして交感神経、[[副交感神経]]混合型興奮作用を有していることから、この成分を加工し、「シトラス」という名称でアメリカでダイエット用の健康食品として使用されているが、エフェドラと同様の作用を示すことから、副作用報告も出ている<ref>[http://health.merrymall.net/cr10_11_41.html 健康医療館「ダイダイ」の項]</ref>。なお、「体脂肪を燃焼する」、「運動機能を向上させる」などの、ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分ではない<ref name="kokuritu">[http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail89lite.html 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「ダイダイ」]</ref>。
=== 精油 ===
=== 精油 ===
全体から採取でき、採取した部分で品名が異なる。これらは[[アロマテラピー]]や化粧品等の香料として使用される。
全体から採取でき、採取した部分で品名が異なる。これらは[[アロマテラピー]]や化粧品等の香料として使用される。

2011年3月9日 (水) 12:45時点における版

ダイダイ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
: ダイダイ C. aurantium
学名
Citrus aurantium
和名
ダイダイ(橙)

ダイダイ(橙、学名:Citrus aurantium)は、ミカン科ミカン属の常緑樹、およびその果実柑橘類に属する。別名、ビターオレンジ

特徴

インド、ヒマラヤが原産。日本へは中国から渡来した[1][2]。果実は春になると再び緑色に戻る[2]。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されている。

日本では静岡県の伊豆半島が主産地。その多くは正月飾り用であったが、近年は消費が落ち込んでいたため、ポン酢などに加工されるようになった。なお、萩市では夏ミカンのことをダイダイと言う。[3]

高さ4-5mになる常緑小高木で枝には刺がある。初夏に白い花が咲き、冬に果実が黄熟する。果実の色は橙色と呼ばれる。葉柄には翼状になっており、葉身との境にくびれがある[2]。果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2-3年は枝についている[2]。この特徴から「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされ[2]、また、「回青橙」とも呼ばれる[4]

利用

食料

酸味と苦味が強いため、直接食するのには適さない。マーマレードおよび調味料、漢方薬の材料として利用される。果汁は酸味が強く風味がいいことからポン酢の材料としても好まれる。[5]

薬効

漢方では、果実の皮を乾燥させものを橙皮(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させものを枳実(きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。

ダイダイの皮と果実には、シネフリンという化合物を含み[1]生薬麻黄エフェドラ)に含まれる成分、エフェドリンと類似の構造をして交感神経、副交感神経混合型興奮作用を有していることから、この成分を加工し、「シトラス」という名称でアメリカでダイエット用の健康食品として使用されているが、エフェドラと同様の作用を示すことから、副作用報告も出ている[6]。なお、「体脂肪を燃焼する」、「運動機能を向上させる」などの、ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分ではない[1]

精油

全体から採取でき、採取した部分で品名が異なる。これらはアロマテラピーや化粧品等の香料として使用される。

  • 果実や果皮からは圧搾法でビターオレンジ、枝葉からは水蒸気蒸留プチグレン精油が得られる。
  • 花を水蒸気蒸留して得た精油はネロリ、溶剤抽出して得た精油はネロリアブソリュート(ネロリAbsとも書く)、またはオレンジフラワーアブソリュートがありこれらは高価である。

文化

日本では、名前が「代々」に通じることから縁起の良い果物とされ、鏡餅などの正月の飾りに用いられる。

脚注

関連項目

外部リンク