柴田亜美

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柴田 亜美
本名 同じ
生誕 1967年5月24日(49歳)
日本の旗 日本 長崎県
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
活動期間 1984年 - 1985年1990年 -
ジャンル 少年漫画児童漫画少女漫画
エッセイ漫画
代表作 南国少年パプワくん』、『ジバクくん
PAPUWA』、『カミヨミ
公式サイト 柴田亜美公式サイト【かげろうの墓】
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柴田 亜美(しばた あみ、1967年5月24日 - )は、日本漫画家。血液型はB型。

経歴[編集]

長崎県生まれ。父の柴田尚武脳外科医(後に長崎大学医学部名誉教授)。母は鍋島藩大奥の末裔。化け猫伝説の言い伝えが家に残っていたため、を買い与えられることは無かったという。

1969年に父がマサチューセッツ工科大学に研究留学し、それを追う形で1970年に家族で渡米、その後カナダモントリオールに移り住むものの1972年に帰国。

小学校時代から絵画教室に通っていたが、中学校に入る直前あたりから本格的に漫画を書き始めるようになった。初めて完成させた作品は『邪鬼郎』というタイトルで、『柴田亜美のほん2』で「12-13歳の頃に初めて描いた漫画」として公開されている。

1982年、長崎県立長崎西高等学校に入学。この頃には油絵の絵画教室に通い始め、1983年からは学校の長期休暇の際に、美大の予備校(河合塾美術研究所)に通うため上京するようになる。この時期、音楽雑誌『音楽専科』の似顔絵コーナーで入選を受賞し、翌1984年に同誌の別冊であるロック漫画誌『8ビート・ギャグ』にて漫画を執筆し始め、志摩あつこらと並び人気を得る。この他にも他社の洋楽雑誌でイラストなどを描いていたが、柴田自身は「コンサートのタダ券ほしさに描いていたため、プロのマンガ家になる気はなかった」と振り返っている[1]

1985年、武蔵野美術大学短期大学美術科に入学する。1987年、同大学の専攻科に編入。1988年に卒業し、アートアドバイザーとして銀座画廊に就職するも半年で退職し、1989年、リクルートの関連会社にイラストレーターとして就職した。

1990年に友人の勧めで『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』に執筆を始め、ドラゴンクエストの世界観とは相容れない「ニセ勇者」シリーズを執筆して人気を博す。同年6月には「ソードマスター剣王伝説」でエニックスファンタジーコミック大賞奨励賞を受賞。その後、創刊企画時の『月刊少年ガンガン』から執筆依頼が来るものの、当時はまだプロとしてやっていく気はなく断っていたという。しかし、私生活上で嫌なことがありヤケになっていた時に、渋谷の路上でエニックスの編集者から「漫画を描かないか」と声をかけられ、思わず頷いてしまったことからプロになる決意を固めた(この出来事を柴田は「エニックスナンパ事件」と呼んでいる[1])。

1991年に『月刊少年ガンガン』創刊号にて、「南国少年パプワくん」の連載を開始。2話目までは会社勤務と漫画連載を平行していたが、連載3話目以降は時間的に両立させるのが難しくなり会社を退職、漫画家の専業となる。「南国少年パプワくん」はアニメ化されるなどのヒット作となり、藤原カムイ衛藤ヒロユキらと共に『月刊少年ガンガン』初期の牽引役となった。

その後エニックス(現スクウェア・エニックス)、集英社講談社小学館アスキー(現エンターブレイン)、竹書房などでの連載経験を持つ。

2012年に『カミヨミ』の連載を終了して以降はストーリー漫画作品の制作は減少し、エッセイ漫画・レポート漫画の連載をメインの仕事としている。

人物[編集]

自画像(自作に自分を出す場合)は基本的には普通の人間だが、要所要所で何の説明もなくデフォルメキャラに切り替わる。エッセイ的な漫画を書き始めた頃はタコが多かったが、ドキばぐシリーズ以降はタヌキが多い。なお、このタヌキは、耳が確かにあるものの、口先が細長く、見る人によってはキツネにしか見えないため、ドキばぐシリーズの連載で交友が生まれたゲームデザイナーが内緒で『真・女神転生 デビルチルドレン 黒の書・赤の書』に柴田と担当編集をゲスト出演させた際に「キツネのナマモノ」と説明するという凡ミスが起きている。 また、作者の漫画の中で犬の名前によく「チャッピー」が使われるのは、子供の頃作者が兄からチャッピーと呼ばれていたため。なぜチャッピーなのかは不明。

漫画家の中でもかなりの速筆。イラストレイター時代に大量にイラストを描いていた経験によるものだという。1990年代初頭から中盤にかけては、多い時には月刊誌に100ページ超の作品を掲載したことに加え、複数の雑誌で掛け持ち連載をしていた。だが本人がネタにしている通り、仕事を安易に引き受けすぎ結局締切に間に合わず、時折印刷所を止めることがあり、落とすことも割とあった。体調を崩しかけた為、2000年代後半あたりからは仕事量を抑えている。

家族[編集]

  • 兄が1人いる。1993年時点では、自身の著書で「銀行員」と紹介されている。
  • 自身は、1993年に造形デザイナーの男性と結婚したが、後に離婚している。離婚時期は公表されていない。
  • 愛犬家でチワワの伽羅(きゃら)という犬をペットとして飼っている。以前はチワワの蛍(ほたる)と楽(らく)、ポメラニアンの茶壺(ちゃつぼ)を飼っていたが、蛍が2012年11月に、楽が2016年2月に、茶壷が2016年4月にそれぞれ他界している。蛍と楽は元預かり犬で、高齢であったことから正式に引き取られた。

趣味・嗜好[編集]

  • カエルが好きで、自宅に大量のカエルグッズがある。作品中でもしばしばカエルが扱われ、『漫画家の犬たち〜茶壺と伽羅の愉快なブログ〜』でも自身のカエルグッズを紹介することがある。
  • 好きな物はアワビ・酒・長電話・スルメ・買い物・犬。※ただし酒でもビールは好きではない。
  • タマネギが大の苦手。アレルギーではなくただの好き嫌い。本人の生活を題材にした漫画ではゲームソフトをタマネギの入った袋に入れられて手も足も出なかったなどというネタとして使われることもあった。しかしブログで紹介している料理で度々使用している(2012年3月2日のブログにて『食感がダメなんですけど、風味は大丈夫なんですよ』とコメント)。他にマンゴーアボカド銀杏ハゼノキ・油粘土などで顔がかぶれる。特に銀杏の時は入院するほどの症状が出た。
  • 少年漫画を執筆する際、ストーリーは王道ながらもBLの要素を入れるのを常としている。女性キャラがほとんど出ないのも特徴。
  • ホラーゲームは怖いので苦手。
  • 嫌いなものは、コーヒー・チョコレートケーキ・ドーナツ。この3つは理由なく嫌いとのこと。

漫画執筆以外の活動[編集]

保護団体「ALMA(アルマ)」に保護された犬の預かり、いわゆる保護活動をボランティアとして行っている。2005年のひろしまドッグぱーく事件を機に興味を持ったという[2]。 2016年現在伽羅という名前の犬を飼っている。以前は茶壷、楽という名前の犬も飼っていたが、楽は2012年に他界した蛍と同じく、年齢によって引き取り手がいないと危惧されたことから柴田自身が引き取ることになり、その後2016年2月に他界、茶壷もまた2016年4月に他界した。一時預かりを含め、飼い犬たちとの日常をブログにて公開している。

交友関係[編集]

声優緑川光とは親友であり、お互いが新人だった頃(時期的に『南国少年パプワくん』の頃)によく電話で「俺は100作品の声優をするから、柴田さんは100冊単行本出しなよ!」と、共に野望を語り合った(柴田本人のブログにも掲載されている)。『南国少年パプワくん』の連載時、もう1人のシンタローの名称を「金髪だから金太郎です」と言ったところ柴田自身がそれを気に入り、もう1人のシンタローの名前が「キンタロー」になった(『勇者への道』より)。『カミヨミ』ドラマCDでの雑誌インタビューでは「柴田先生から『上手くなったね』と言ってもらいたくて頑張りました」と語った。また、柴田は緑川のことを「数少ない友人」と漫画の中で語っている。

ドキばぐの連載が縁で、多数のゲームクリエイターと交流がある。中裕司とは、雑誌の担当編集者を含め3人旅もしたことがある。また、ある年のとあるレストランで開かれた柴田の誕生日パーティーには、多数の著名なゲームクリエーターが参加した。その後、柴田の自宅で二次会を開いたときには、中裕司、岡本吉起小島秀夫松野泰己らが参加し、一緒に「ファンタシースターオンライン」を楽しんだという。2009年1月30日号のファミ通で行われた小島秀夫と名越稔洋との対談で、「僕たちが初めて出会ったのは柴田先生の飲み会に誘われたとき」というエピソードが語られた。また名越は柴田の紹介で多くのクリエーターと交流を持てたことから、「今考えると柴田先生の功績ってすごい」と語った。

エピソード[編集]

  • ゲーム『』のSS版発売記念にゲーム中に登場出来る「プリクライベント」に、企画でもなんでもなく個人で応募してゲーム中に登場した。その際応募は原則1人1枚の所、1人で2枚送った事をSS版のゲーム中で指摘されている。
  • 風来のシレン2』の「ひみつの巻物」の短編漫画にて「アーミン」「盗る猫(キャッツアイ)」の名前の泥棒役で出演した。なお、この際の自画像は人間とタヌキが両方出ており、「茶壺(ポメ)」と言う名前の愛犬が登場している。
  • 右胸に、浅草彫和歌による刺青を入れている。バストEカップ(本人談。『ドッキンばぐばぐアニマル』P.58参照)。
  • 同郷の福山雅治を応援するために、TOKYO FM系の福山雅治の番組に電話出演をした事がある。いわゆるゲストではなく、一般聴取者が電話で出演するコーナーに自ら応募しての出演であった。その後同番組内での企画「おもしろ美女×イケてナイスガイ合コンパーティー」にも参加した。

作品リスト[編集]

創作作品[編集]

南国少年パプワくん
月刊少年ガンガン』にて連載。柴田のプロデビュー作品。
変身王子ケエル
『月刊少年ガンガン』1993年11月号に読切掲載、『フレッシュガンガン』にて連載。魔法によって蛙の姿にされてしまった、夢の国の王子・ケエルの物語。ケエルの設定は後に『自由人HERO』や『PAPUWA』などに使用された。柴田亜美個人製作でアニメ化されたこともある。3分ほどで、声優は、速水奨、緑川光、高山みなみ、和田仁美、柴田亜美本人も出演(当時のアニメージュ情報)イベントで1回上映されただけである。
自由人HERO
月刊少年ジャンプ』にて連載。『南国少年パプワくん』の拡張世界。パプワくんの時代から数百年後の物語とされ、「シンタロー」という名前のキャラや秘石などの設定のつながりが見られる。
緊急出動すずめちゃん!
なかよし』にて連載。126億円で改造手術を受けた御山野すずめが、黄金の街・ナガサキシティを狙う東京の秘密結社「スーツマン軍団」から送られた刺客と闘う。「スーツマン軍団」のモデルは掲載誌『なかよし』の編集部員・編集部長たちである。
未来冒険チャンネル5
『南国少年パプワくん』の拡張世界。『自由人HERO』と同じく『パプワくん』の時代から数百年後の物語とされ、一部に設定のつながりが見られる。完結前に休載状態だったが、2010年に書き下ろしを加えた第1〜2巻を再発売し、2015年に完結編となる第3巻が発売。
Gセン場のアーミン
『別冊ファミコン通信・攻略スペシャル』『ファミ通ブロス』にて連載したエッセイ漫画。柴田が送るゲーム(ゲーセン)漬けの日々をネタにしている。
勇者への道
ファンロード』にて連載。月に四コマ漫画が3本掲載される。当初はRPGを題材としたファンタジックなネタを扱っていたが徐々に本人の日記漫画へと移行していった。単行本が1冊刊行されているが、未収録回が存在する。
ドリームネットPAPA
Amie』にて連載。わずか1歳にして言葉を喋り、様々な道具をいとも簡単に生み出すMIT卒の天才ベイビー「ネット」と、彼が作り上げたホログラフィーのバーチャルペットの「ウサたん」、そしてネットの父親であるゲームプロデューサー「五味ヒデハル」その他愉快な仲間達によって繰り広げられるドタバタホームコメディ。『緊急出動すずめちゃん!』の「スーツマン軍団」のメンバーが2人、ライバル会社「リアール」のメンバーとして登場している。同誌で連載していたCLAMP作品を丸々パロディー化した回も存在する。連載雑誌が休刊し終了している。なお、ヒデハルのモデルはゲームクリエイターの中裕司
ジャングル少年ジャン
ファミ通』にて連載。『南国少年パプワくん』と似通った舞台設定をもつセルフパロディとでもいうべき作品だが作風は異なる。連載中にまれに番外編としてゲーム業界のレポート漫画を掲載するようになり、その頻度が増していくと本編が未完のまま番外編がメインとなって置き換わった。詳細は『ドキばぐ』にて。
ジバクくん
『ファミ通ブロス』にて連載。『ジャングル少年ジャン 本編』に登場した万歳をすると爆発する不可思議なナマモノ、「ジバクくん」を主人公の相棒に添えた一種のスピンオフ作品。アニメ化もされ、本編とリンクしてとある登場人物のネタバレを行う予定であったが、アニメ側がEDのキャスト欄でその前にばらしてしまい、多少もめたりもした。
TKman
ビッグコミックスピリッツ』にて連載。小室哲哉本人をパロディにした漫画であるが、小室本人が関わっているわけではない。とは言え、実際に小室と対談したり、漫画の中で歌手デビューをさせたりしていた。この中の小室が、『PAPUWA』のキャラクターで再利用されている。
タンバリン
コミックGOTTA』にて連載。柴田が、『体力的にこれが自分の描く最後の格闘漫画』と公言していた作品だが、連載していた雑誌が廃刊になって終了した。
あやかし天馬
『月刊少年ジャンプ』にて連載。天狗に取り憑かれた野球少年とククリの者(=妖怪使い)の少年の友情を描いた作品。連載中に右腕を故障し、連載を断念。作中の登場キャラクターは、『カミヨミ』に多少形を変えつつ受け継がれている。
PAPUWA
『月刊少年ガンガン』にて連載。『南国少年パプワくん』の直接的な続編。連載開始の経緯は、いわゆるエニックスお家騒動により主力作家が抜けたことでの連載ラインナップの弱体化を危惧したエニックス(当時)が、連載再開を要請したという説もある。
BLUE DRAGON ST(ブルードラゴン シークレットトリック)
『月刊少年ジャンプ』にて連載。Xbox 360専用ゲームソフト『ブルードラゴン』の漫画化の一つ。ゲームから4年後の世界が舞台で、主人公はオリジナルキャラの少女(=ちみっ子)、ラーラでゲーム版の主人公だったシュウは主にツッコミ役と、柴田流に大胆なアレンジが加えられている。
L♥L♥B(ラブラブベイビー)
少女コミック』にて連載。ベイビーギャング団と名乗る赤ちゃん2人組が悪事を働こうとして失敗を繰り返す4コマギャグ漫画。
SCRAMBLE!
月刊少年ガンガン』にて連載。
カミヨミ
月刊Gファンタジー』にて連載。『あやかし天馬』のキャラクターと趣向を受け継いでいる作品。

読切作品[編集]

ケロたんにおまかせ!
なかよし2001年2月号に掲載。
屍体の医者
good!アフタヌーン2014年4月号に掲載。主人公には『南国少年パプワくん』の登場キャラクターの一人であるドクター高松をフィーチャーしている。今までの作風とは大きく変えた、シリアスな内容。本作発表後、柴田のところには各出版社の担当や知り合いの編集者から驚きの感想メールが多く届いたという。
当時「『描かなきゃ』ではなく『描きたい』という欲求が出るまで待っていた」と言う理由で、柴田は2年ほどストーリー漫画制作から遠ざかっていた。その後、坂上忍が作・演出した舞台『溺れる金魚』を見た柴田は感銘を受け、その後いろんな舞台を見た柴田は制作意欲が湧き、1日で本作の第1項ネームを描き上げた[3][4]

レポート・エッセイ作品[編集]

ドキばぐ
『週刊ファミ通』にて連載。ゲームメーカーゲームクリエイターに取材をする、体当りゲームレポート漫画。柴田の作品の中で一番の長期連載で、2009年の連載休止までに約13年間連載していた。その後「特別復活編」として、不定期に掲載している。
ほごけん
『ウーマン劇場』にて連載。
目指せ美BODYフープダイエット!!
『ウーマン劇場』にて連載。『46歳人生で一番ナイスバディになりました』と改題して書籍化。
お江戸妖怪散歩
WEBコミックガンマ』にて2014年7月10日より配信開始、毎週木曜日更新。『アーミンのぶらり妖怪散歩』と改題して書籍化。

キャラクターデザイン[編集]

アシスタント[編集]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • 柴田亜美 『柴田亜美のほん.』 エニックス、1992年3月。ISBN 4-900527-83-1
  • 柴田亜美 『柴田亜美のほん. パート2.』 エニックス、1993年3月。ISBN 4-87025-710-6

外部リンク[編集]