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様々な豆

(まめ)とは、マメ科植物、特にその種子または果実のこと。マメ科以外のものでも、コーヒー豆などその形状から豆と称するものもある。

豆はマメ科植物の種子ないし果実として栄養を蓄え、これら植物が繁殖するためのものであるが、栄養豊富であることから豆は人間を含む多くの動物にとって重要な食料となっている。

人間の社会では古くから栽培され、穀物の中でも比較的豊富に蛋白質を含み、また他の穀物ほど水を必要としない(→仮想水)など農業用作物として、あるいは食料として優れた性質を持つ。また比較的丈夫な皮を持つことから収穫後に乾燥させても粒割れを起こさずカビ昆虫よりの食害も避け易いなど保存・貯蔵面の利点がある。

反面、味などの面で癖が強く、これを主食とする民族は限られ、専ら濃い味付けをする料理の材料や、主食に混ぜて消費する、加工食品原料として用いるなどされている。

食料としての豆

色とりどりの豆のサラダ

豆は「渋味」や「苦味」といった味覚的な物を含む化学防衛(→有毒植物)を行っているものも多く、煮る炊く蒸すなど味付けしない簡単な調理法では大量には食べ難い。このため主食として豆を主に消費する民族はないしに比べ少ないなど、食料資源としては利用し難い側面も存在する。しかし発酵させるなど様々に加工することで良質な食料資源として利用できることから、豆を原料とする様々な加工食品が存在しており、また豆の使われる料理も多岐に渡る。

経済的な理由から動物性蛋白質を得ることが難しい人々や、ベジタリアンなど信条的に動物性蛋白の摂取を避けている人々にとっては、非常に重要な蛋白源である。特に豆由来の蛋白質は低コレステロール必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、健康上の理由などで高蛋白・低コレステロール食を求める向きには健康食品の範疇で豆を原料としたものも多く出回っている。この中にはトーファーキー台湾素食のように、食べ応えにも配慮された加工食品もみられる。

作物としての豆

豆は莢に収まって育つ
エンドウマメ
莢に詰まった豆(同上)

豆は他の栽培植物と比較して、寒さに強くなど成長に必要な水分を多く必要としない。このためコメ小麦などを栽培することができない乾燥帯冷帯亜寒帯)の地域で栽培が盛んである。

マメ科の植物は根に窒素固定を行う根粒菌が共生しているため、マメ科以外の作物を栽培した後に土壌から失われた窒素分を補充する目的で豆を輪作することも多く、化学肥料を用いない有機農業では特に重要である。

マメ科の豆は球形または球が潰れた形をした種子と、それを複数個を個々に包んだ莢(果皮にあたる)からなり、種類によって種子部分のみを食べる作物と莢ごと食べる作物がある。なお、マメ科以外の豆はそれぞれの植物の種子部分である。

豆は良質な食料資源であり、また水資源をそれほど必要としないことから、穀倉地帯での作付面積も主食穀物や綿など繊維原料と並んで広い傾向がある。

言葉

接頭語的な用法としては、主に規模が小さく小型であるさま(豆電球豆台風など)や、子供であること(豆剣士や豆記者など)の意を表す。昆虫などの和名(マメクワガタなど)にもしばしば用いられる。

また、気が小さいことや、繊細などの性格を現すこともある。ただし「まめ」と書くと勤勉であるとか根気強いなどの意味があり、「豆」という語で表されるものとはやや異なる。

落花生寒梅粉の生地で包み焼いた豆菓子は、中年の男性からは「豆」と呼ばれることが多い。

肉刺も「マメ」と読むが、大きさや形状的に豆に似ている。また豆は比較的ありふれた食材であることから、一般的なサイズ比較や形状の形容詞にもつかわれる。例えば軟膏の使用適量を表す際に「小豆大」(あずきだい)と表現したり、腎臓の形状を指してソラマメ型などという。

単語

慣用句

  • 豆を植えて稗を得る
  • 鳩が豆鉄砲を食らったよう
  • 鳩を憎み豆を作らぬ
  • 女の中の豆炒り
  • 戸板に豆
  • 陰裏の豆もはじけ時
  • 日陰の豆も時が来れば爆ぜる
  • 陰裏豆
  • 寸馬豆人
  • 立て板に豆
  • 豆を煮るにまめがらを焚く
  • 炒り豆に花が咲く

代表的な豆

マメ科

マメ科以外

料理と加工食品

大豆

大豆および豆腐を使ったおもなレシピを以下に挙げる。より食材に近いものについては、ダイズ#さまざまな大豆加工食品を参照されたい。

ラッカセイ

リョクトウ

インゲンマメ

ヒヨコマメ

レンズマメ

キマメ

その他

関連項目

外部リンク