故郷 (唱歌)

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鳥取市久松公園入り口にある歌碑

故郷 (ふるさと)とは、文部省唱歌の一つ。

概説

1914年大正3年)の尋常小学唱歌の第六学年用で発表された。当時は尋常小学唱歌の性格上、作詞作曲者が明かされていなかったが、作詞者は高野辰之、作曲者は岡野貞一であるとされている。ただし、岡野作曲説は学問的には疑わしい(岡野貞一参照)。

同じ作詞作曲者の手による『朧月夜』、『春の小川』等と共に、文部省唱歌を代表する曲として今日も歌われている。

子供の頃の野山の風景を遠い地から懐かしむという内容で、生まれ故郷から離れて学問や勤労に励む人の心情を歌っている。当該歌詞にあっては、「かの山」は高野の生家のあった長野県下水内郡豊田村(現中野市永江)の「大持山」、「かの川」は「斑川」であるとする説が一般的である。

北朝鮮による日本人拉致問題の支援者団体(救う会など)が開催する集会では、この歌を日本人拉致被害者の早期帰国を願って参加者全員で歌唱することが通例となっている。

高野の出身地である長野県中野市と、岡野の出身地鳥取県鳥取市に歌碑がある。

歌詞

  1. 兎追いし 彼の山
    小鮒釣りし 彼の川
    夢は今も 巡りて
    忘れ難き故郷
  2. 如何にいます 父母
    恙無しや 友がき
    雨に風に つけても
    思ひ出づる 故郷
  3. 志を 果たして
    いつの日にか 帰らん
    山は靑き 故郷
    水は淸き 故郷

読み

  1. うさぎおいし かのやま
    こぶなつりし かのかわ
    ゆめはいまも めぐりて
    わすれがたき ふるさと
  2. いかにいます ちちはは
    つつがなしや ともがき
    あめにかぜに つけても
    おもいいづる ふるさと
  3. こころざしを はたして
    いつのひにか かえらん
    やまはあおき ふるさと
    みずはきよき ふるさと

意味

  1. 兎を追ったあの山や小鮒を釣ったあの川よ、今なお心巡る思い出深き故郷よ。
  2. 父や母はどうしているだろうか、友は平穏に暮らしているだろうか。風雨(艱難辛苦の比喩とも)の度に思い出す故郷よ。
  3. 夢を実現したら、いつの日にか帰ろう、山青く水清らかな故郷へ。

備考

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