大船渡線
大船渡線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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陸中門崎駅に停車中のキハ100形 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
路線総延長 | 105.7 km | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 1067 mm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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大船渡線(おおふなとせん)は、岩手県一関市の一ノ関駅から宮城県気仙沼市、岩手県陸前高田市を経由して岩手県大船渡市の盛駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。その線形を竜に見立てて「ドラゴンレール大船渡線」という愛称が付けられた。
気仙沼駅 - 盛駅間は、気仙沼線・三陸鉄道南リアス線・山田線・三陸鉄道北リアス線・八戸線と共に三陸縦貫線を構成していたが、沿岸部を走行するこの区間は、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災以降は不通となっている。
路線データ
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):一ノ関 - 盛 105.7 km
- 駅数:25(起点駅含む)
- 大船渡線所属駅に限定した場合、起点の一ノ関駅(東北本線所属[1])が除外され、24駅となる。
- 軌間:1067 mm
- 全線単線
- 全線非電化
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
- 運転指令所:一ノ関運行センター(一ノ関CTC)
- 担当乗務区:一ノ関運輸区・大船渡線営業所
- 最高速度:85 km/h
全区間が盛岡支社の管轄である。
運行形態
各駅停車が一ノ関 - 気仙沼間で運行されている。1往復は快速「スーパードラゴン」として運行されている。1992年(平成4年)3月14日から一部の列車でワンマン運転を行っている。
2011年(平成23年)3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で全線が不通となり、同年4月1日には一ノ関 - 気仙沼間で運転を再開したが、気仙沼 - 盛間は不通のままである。震災前には、気仙沼 - 盛間で観光シーズンなどに三陸縦貫線を縦貫する臨時列車「リアス・シーライナー」が気仙沼線・三陸鉄道南リアス線方面から直通運転されていたが、気仙沼線も一部区間で、三陸鉄道南リアス線も全線で震災のため不通となっており、これらの路線との直通列車は運転できなくなっている。
使用車両
車種は特記なければ気動車
現在の使用車両
過去の使用車両
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歴史
1918年(大正7年)に軽便鉄道法により一ノ関 - 気仙沼間が計画され、翌年に大船渡までが追加されたもので、1925年(大正14年)から1934年(昭和9年)にかけて全通した。大船渡 - 盛間は、改正鉄道敷設法別表第7号に規定する予定線の一部で、1935年(昭和10年)に開業した。この予定線の残りの区間の一部は1970年(昭和45年)に盛線として開業し、1984年(昭和59年)に三陸鉄道南リアス線として全通している。
陸中門崎 - 千廐間の線形から「鍋弦線」と揶揄され、いわゆる「我田引鉄」の代表例とされる。当初の計画では、門崎から真直ぐに千廐へ抜けることになっていたが、岩手県出身の原敬率いる立憲政友会の後押しで千廐の北にある摺沢の街から立候補した佐藤良平が1920年の総選挙で当選したことで、摺沢を経由して千厩を通らずに直接大船渡へ向かうように計画が変更された[2]。千厩では憲政会に頼って誘致を展開し、1924年の総選挙で憲政会が勝利すると、摺沢から千厩へ抜けるように再び計画が変更され、現在の線形となった[2]。このように沿岸地域と一関地域を最短で結ぶという機能は果たせなかったものの、大船渡線沿線の旧東磐井地域の中でも最多人口である旧大東町、また石灰石資源があり日本百景選出観光地である猊鼻渓も有する旧東山町を迂回したことは、必ずしもマイナス面ばかりではなかった。
国鉄時代は急行の設定があるなど、仙台 - 南三陸諸都市間を結ぶ路線であったが、前述のような線形の悪さが災いし、JR東日本発足後はJR気仙沼線や、沿線と一関や仙台を直接結ぶバス路線(ミヤコーバスの仙台気仙沼線・南三陸仙台線:気仙沼 - 志津川 - 仙台駅間や、岩手県交通の特急一関線:さかり・大船渡 - 一関間、千厩盛岡線、岩手県交通と宮城交通の共同運行の大船渡仙台線)に、その機能を奪われつつある。
2009年(平成21年)9月、いわゆる平成の大合併により一関市の市域が広がり、路線の約半分強に当たる距離(一ノ関駅 - 新月駅間)が一関市内となった。
年表
- 1925年(大正14年)7月26日 一ノ関 - 摺沢間 (30.6 km) を大船渡線として新規開業、真滝・陸中門崎・陸中松川・摺沢の各駅を新設。
- 1927年(昭和2年)7月15日 摺沢 - 千厩間 (9.2 km) を延伸開業、千厩駅を新設。
- 1928年(昭和3年)9月2日 千厩 - 折壁間 (9.9 km) を延伸開業、小梨・矢越・折壁の各駅を新設。
- 1929年(昭和4年)7月31日 折壁 - 気仙沼間 (12.3 km) を延伸開業、新月・気仙沼の両駅を新設。
- 1932年(昭和7年)3月19日 気仙沼 - 上鹿折間 (7.5 km) を延伸開業、鹿折・上鹿折の両駅を新設。
- 1933年(昭和8年)
- 1934年(昭和9年)9月3日 細浦 - 大船渡間 (6.0 km) を延伸開業、下船渡・大船渡の両駅を新設。
- 1935年(昭和10年)9月29日 大船渡 - 盛間 (2.6 km) を延伸開業、盛駅を新設。
- 1956年(昭和31年)4月11日 気仙沼 - 気仙沼港間の貨物支線を開業。
- 1957年(昭和32年)2月11日 気仙沼 - 気仙沼港間の貨物支線を大船渡線から分離して気仙沼線に編入。
- 1962年(昭和37年)5月15日 柴宿駅を新設。
- 1966年(昭和41年)12月1日 岩ノ下駅を新設。
- 1968年(昭和43年)3月19日 蒸気機関車が廃止され無煙化(D50・C58)。
- 1983年(昭和58年)3月1日 大船渡 - 盛間の貨物営業を廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日 陸中松川 - 大船渡間の貨物営業を廃止。
- 1986年(昭和61年)11月1日 猊鼻渓駅を新設、鹿折駅を鹿折唐桑駅に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化にともない東日本旅客鉄道が一ノ関 - 盛間を第一種鉄道事業者として承継、日本貨物鉄道が一ノ関 - 陸中松川間の第二種鉄道事業者となる。
- 1990年(平成2年)3月10日 快速「南三陸」2・3号が大船渡線の盛までの直通運転開始。
- 1992年(平成4年)3月15日 気仙沼駅に大船渡線営業所設置。
- 1993年(平成5年)3月18日 快速「むろね」を「スーパードラゴン」に改称。
- 1999年(平成11年)4月1日 日本貨物鉄道が一ノ関 - 陸中松川間の第二種鉄道事業を廃止。。
- 2001年(平成13年)12月1日 快速「南三陸」2・3号大船渡線の盛までの直通運転廃止。
- 2005年(平成17年)9月23日 大船渡線全通70周年のため、12年ぶりにキハ58系で快速「大船渡線全通70周年号」運転。
- 2006年(平成18年)10月9日 「3鉄祭りさかり号」運転。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)7月19日 - 21日 「風っこ大船渡線号」運転。
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により全線で不通。
- 4月1日 一ノ関 - 気仙沼間で運転を再開。
- 4月7日 東北地方太平洋沖地震の余震発生により全線にわたり再び不通。
- 4月18日 一ノ関 - 気仙沼間で運転を再開。
- 2012年(平成24年)
駅一覧
- 停車駅
- 普通…基本的にすべての駅に停車。ただし、気仙沼駅発一ノ関駅行きの始発列車は▽印の駅を通過
- 快速(スーパードラゴン)…●印の駅は全列車停車、|印の駅は全列車通過
- 線路(全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可、|:列車交換不可
- 駅名欄の背景色が■である区間(鹿折唐桑駅 - 盛駅)は東北地方太平洋沖地震により不通となっていることを示す。
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
快速 | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |
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一ノ関駅 | - | 0.0 | ● | 東日本旅客鉄道:東北新幹線・東北本線 | ∨ | 岩手県 一関市 | |
真滝駅 | 5.7 | 5.7 | | | ◇ | |||
陸中門崎駅 | 8.0 | 13.7 | ● | ◇ | |||
岩ノ下駅 | 3.8 | 17.5 | | | | | |||
陸中松川駅 | 3.8 | 21.3 | ● | ◇ | |||
猊鼻渓駅 | 2.0 | 23.3 | ● | | | |||
柴宿駅 | 2.8 | 26.1 | | | | | |||
摺沢駅 | 4.5 | 30.6 | ● | ◇ | |||
千厩駅 | 9.2 | 39.8 | ● | ◇ | |||
小梨駅▽ | 3.6 | 43.4 | | | | | |||
矢越駅▽ | 4.2 | 47.6 | | | | | |||
折壁駅 | 2.1 | 49.7 | ● | ◇ | |||
新月駅▽ | 5.6 | 55.3 | | | | | |||
気仙沼駅 | 6.7 | 62.0 | ● | 東日本旅客鉄道:気仙沼線 | ◇ | 宮城県 気仙沼市 | |
鹿折唐桑駅 | 2.2 | 64.2 | ● | | | |||
上鹿折駅 | 5.3 | 69.5 | ● | ◇ | |||
陸前矢作駅 | 10.0 | 79.5 | ● | ◇ | 岩手県 | 陸前高田市 | |
竹駒駅 | 3.0 | 82.5 | ● | | | |||
陸前高田駅 | 2.9 | 85.4 | ● | ◇ | |||
脇ノ沢駅 | 2.9 | 88.3 | ● | | | |||
小友駅 | 4.5 | 92.8 | ● | ◇ | |||
細浦駅 | 4.3 | 97.1 | ● | | | 大船渡市 | ||
下船渡駅 | 3.1 | 100.2 | ● | | | |||
大船渡駅 | 2.9 | 103.1 | ● | | | |||
盛駅 | 2.6 | 105.7 | ● | 三陸鉄道:南リアス線 岩手開発鉄道:日頃市線・赤崎線(貨物線) |
∧ |
その他
大船渡線に並行する国道284号は、陸中門崎 - 千厩間を迂回せずに結んでおり、2006年に、朝日放送のテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』に「千厩で列車に乗り遅れても国道284号を走っていけば陸中門崎で追いつくのではないかと思うが調べてほしい」という依頼により調査が行われている[4]。
北海道旅客鉄道(JR北海道)で発売している「北東北フリーきっぷ」はフリーエリアが北東北3県(青森・秋田・岩手[5])を対象にしているが、南東北に分類される宮城県内の当路線気仙沼 - 上鹿折間も便宜上フリーエリアに含まれており乗降可能である[6]
脚注および参考文献
- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 2 東北、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790020-3。