コンテンツにスキップ

ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』(: बृहदारण्यकोपनिषत् bṛhadāraṇyaka-upaniṣad)は、ウパニシャッドの1つ。『白ヤジュル・ヴェーダ』に含まれる文献のひとつで、古ウパニシャッドの中では初期の「古散文ウパニシャッド」に分類され、『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』と並び、最初期・最古層のウパニシャッドとされる[1]

思想家ヤージュニャヴァルキヤの思想などを含む。

内容

[編集]

引用文は断りなければ服部正明[2][3]

第1編 (全6章)

[編集]
世界の誕生 (1.2-1.4)
プラジャーパティが世界を創造した。
太初に、この世にはただ人間の形をしたアートマンのみが存在していた。 (1.4.1)
太初には、この世は実にブラフマンのみであった。それは自分自身を「われはブラフマンなり」と自覚した。 (1.4.10)

第2編 (全6章)

[編集]
アジャータシャトル王のアートマン論 (2.1-2.3)
「このアートマンから、すべての機能、すべての世界、すべての神、すべての存在物が諸方に出てゆくのである。」 (2.1.20)

第3編 (全9章)

[編集]

ヤージュニャヴァルキヤのアートマンについての8人のバラモンたちと対話。

アートマンは「..ではない」という言い方で表現するしかない。とらえられないから。

「この『あらず、あらず』というアートマンは、不可捉である。それは把捉されないから。不壊である。それは破壊されないから。」 (3.9.26)

第4編 (全6章)

[編集]

ヤージュニャヴァルキヤの対話の続き。

ジャナカ王との対話 (4.1-4.4)
「このように知る者は、安らかで、自制があり、平静で、忍耐強く、心を統一した者となり、自己のなかにアートマンを認め、いっさいをアートマンとみる。」 (4.4.23)
妻マイトレーイーとの対話 (4.5)
「アートマンが見られ、聞かれ、思考され、認識されるとき、この世のすべては知られるのである。」 (4.5.6)

第5編 (全15章)

[編集]

補足編。

第6編 (全5章)

[編集]

補足編。

家庭内の祭祀 (6.4)
性交・出産時の儀式

日本語訳

[編集]

全訳

[編集]
  • 湯田豊『ウパニシャッド 翻訳および解説』大東出版社、2000年。ISBN 4-500-00656-7 

抄訳

[編集]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ 『原典訳ウパニシャッド』岩本裕 ちくま学芸文庫 p349
  2. ^ 服部正明訳 ウパニシャッド 『バラモン教典・原始仏典 世界の名著1』 中央公論社 1969
  3. ^ 服部正明 『古代インドの神秘思想』 講談社現代新書 1979

関連項目

[編集]