ザ・プライス
ザ・プライス (THE PRICE) は、株式会社イトーヨーカ堂が運営するディスカウントストアである。また、このディスカウントストアで販売されるプライベートブランド商品の名称でもある。
歴史
1980年代初頭、株式会社イトーヨーカ堂(旧法人)がディスカウントストア業態に参入、店舗ブランド名を「ザ・プライス」とし、既存の総合スーパー「イトーヨーカドー」を転換する形で日本各地に4店舗を出店した。
2000年代に入ると業績不振や店舗施設の老朽化などもあって、当初出店していた4店舗はいずれも閉店したが、2000年代中盤からは再び首都圏を中心に、イトーヨーカドーから業態変更する形式による出店が相次いでいる。新店舗のロゴタイプは、これまでに閉店した4店舗のものと同じものを採用している。屋上看板はイトーヨーカドーとは異なりセブン&アイ・ホールディングスのロゴがない店舗もある。その中でも足立区の北千住駅前にある千住店はイトーヨーカドー発祥の地(1号店)ということもあり、ザ・プライスに転換後もイトーヨーカドーの看板を残している[1]。
消費者の節約志向が高まるなか、イトーヨーカドーよりも食品や衣料品を25%から30%安く販売する方針である。当初、基本的な取り扱い商品はすべてナショナルブランド商品で、「セブンプレミアム」などのプライベートブランド商品は取り扱わないということであったが、実際には開店当初の時期から一部の「セブンプレミアム」を取り扱っている。
2008年に足立区のイトーヨーカドー西新井店を業態転換したザ・プライス西新井店が一号店としてオープンし、その後2008年11月14日に埼玉県川口市のイトーヨーカドー川口駅前店を業態転換し、二号店としてザ・プライス川口店二号店がオープンした[2]。そして、西新井と川口においてザ・プライスを実験的に営業をし続けた上で、首都圏各地に店舗を出店している。大抵は小規模のイトーヨーカドー店舗をザ・プライスとして改装し業態転換を行っているが、以下のような例外もある。
- せんげん台店(埼玉県越谷市):旧店舗を完全に解体した跡地に新築した「セブンタウンせんげん台」のメインテナントとして出店している。
- 野田店(千葉県野田市):2003年に閉店した旧店舗を完全に解体し、10年近く更地状態だったが、同じ場所に「ザ・プライス」として新築して2013年12月4日に出店。
衣食住全般を扱う店舗があれば、食料品・日用品のみ取り扱う店舗も存在する。とくにショッピングセンターの核テナント(前述のせんげん台店・野田店等)は食料品・日用品のみに絞り込まれる。
2009年6月22日からはプライベートブランドを展開している。プライベートブランドとしての「ザ・プライス」は「セブンプレミアム」よりも低価格帯の商品を取り扱っている。
ネットスーパーはザ・プライス店では導入していなかったが、2010年3月29日から鶴ヶ峰店を手始めに開始した。
2010年9月には、ザ・プライス川口店と同一の建物のなかに「セブンホームセンター川口店」が入居した[3]。セブンホームセンターがザ・プライスとの併設店舗となるのはこれが初のケースである[4]。2011年5月現在、川口店においては、1階がザ・プライス川口店であり、2階と3階はセブンホームセンター川口店とされている。
ポイントカード・電子マネー
ザ・プライスではアイワイポイントカードの付与・利用はできない。イトーヨーカドーからの業態転換直後は利用が可能で、その後2か月程度の移行期間を経て、電子マネーnanacoとともに利用できなくなっていたが、現在は再びnanacoでの支払いが可能になっている。ただし、nanacoポイントの付与はない。なお、セブンカード(旧・アイワイカード)のクレジット払いでのみ、ポイントがつく。しかしながら、イトーヨーカドーのポイントカードがあれば、ザ・プライスにおいても「ぴゅあウォーター水」を一日で3.8リットル汲むことは可能である。
レジ袋
ザ・プライス川口店においては、開店当初は会計の際にレジ袋の受領を拒否した客に対してスタンプ帳に印鑑を一つ押印し、20回押印されたスタンプ帳は、最後に押印された日から6か月以内の有効期間がある100円分の商品券として利用することができた。すなわち、スタンプ一回につき5円相当のディスカウントが実施されていた。その後、川口店はスタンプ帳制度を廃止し、レジ袋を拒否した客に対して2円ディスカウントするサービスを行っていた。しかしながら、川口市は地球温暖化対策に取り組み、温室効果ガスの排出を抑制する努力の一環として、ザ・プライス川口店は2012年7月1日からはレジ袋を1枚3円で有料で販売し、レジ袋の受け取りを拒否する客に対するディスカウントは廃止された。
店舗一覧
営業中の店舗
詳細は公式サイト「イトーヨーカドー 関東の店舗」(各業態共通)を参照。
閉鎖した店舗
赤羽店
- 東京都北区赤羽一丁目19番12号
- 1961年10月開店のイトーヨーカドー旧赤羽店を改装し1982年 - 1983年頃開店、1995年1月8日閉店
- 閉店後、マインマートが赤羽店を出店した。3 - 5階は、かつての日本住宅公団(現・都市再生機構)が建設した市街地住宅(赤羽一丁目団地)である。現在は土地所有者等へ譲渡済みである。
- 閉店時のイトーヨーカドー旧赤羽店では食料品は扱っていなかったが、ザ・プライス開店後しばらくは食料品を扱っていた。服飾・雑貨・宝飾品・スポーツ用品・住居関連商品などが中心の品揃えであった。
- 開店時から、当時あまり普及していなかったバーコード読取り式のレジを導入していた。
溝ノ口店
- 神奈川県川崎市高津区溝口一丁目18番8号
- 1966年10月開店のイトーヨーカドー旧溝ノ口店を改装し1988年3月開店、2002年4月30日閉店[5]。
- 閉店後に建物は取り壊され、マンションが建設された。
長岡店 (ザ・プライス丸大)
- 新潟県長岡市大手通二丁目2番地6
- 「イトーヨーカドー丸大長岡店」が長岡駅前へ1988年に移転したのに伴い、「丸大長岡店」の旧店舗を改装し1989年9月開店、2000年8月閉店。
- 建物は2001年に長岡市が取得し、同年10月1日に市役所分庁舎と市民交流施設を併設した「ながおか市民センター」としてオープンした。長岡市の取得後も、店舗正面には長らく「株式会社丸大」の銘板が埋め込まれたままになっていた。
琴似店
鎌ケ谷店
- 千葉県鎌ケ谷市富岡1丁目1番3号
- 「イトーヨーカドー鎌ケ谷店」として2006年1月15日まで、「食品館イトーヨーカドー鎌ケ谷店」として2006年4月20日から2009年3月16日まで営業した後、2009年3月20日に開業した店舗。
- 建物の老朽化を理由に、2012年4月19日をもって閉店した。
- 跡地には「ショッピングプラザ 鎌ヶ谷」が建設され、2013年11月22日開業[6]。キーテナントとして食品館イトーヨーカドーが開店するため、事実上のイトーヨーカドーとしての再出店である。
鶴ヶ峰店
- 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1-7-10
- 1984年に「イトーヨーカドー鶴ヶ峰店」として開店し、2009年6月19日に「ザ・プライス」へ転換した。
- 2014年2月23日をもって閉店した。
- 店舗跡には三和、ザ・ダイソーなどが入居している。
脚注
- ^ 東京芸術センター内にあるハローワーク足立(公共職業安定所)から両方の看板が掲げてあるのが見える。
- ^ この2店は、転換前に開業したアリオの近辺にある。
- ^ 「9/30(木) 『セブンホームセンター川口店』 開業 ディスカウントストア「ザ・プライス」との初の併設型店舗」 (PDF) - イトーヨーカ堂ニュースリリース 2010年9月16日
- ^ 川口店開業以前に金町店・武蔵境店の2店舗が存在しているが、いずれもイトーヨーカドーとの併設店舗である。
- ^ 大規模小売店舗立地法に基づく廃止の届出 (PDF, 川崎市公告第183号 2002年7月8日)
- ^ "『食品館イトーヨカドー鎌ヶ谷店』と 21 の専門店 11/22「ショッピングプラザ 鎌ヶ谷」グランドオープン!!" (PDF) (Press release). イトーヨーカ堂. 31 October 2013.
関連項目
- ダイクマ - かつてイトーヨーカ堂傘下だったディスカウントストアで2015年現在はヤマダ電機傘下。
- トポス - ダイエーが展開していた同業態の店名(2015年現在は北千住店のみ)。
- メガマート・ザ・ビッグ - イオングループが展開する同業態店舗。メガマートは2014年に消滅。