P-26 (航空機)

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ボーイング P-26 ピーシューター

Boeing P-26.jpg

ボーイング P-26(Boeing P-26)はボーイング社が開発し、1930年代のアメリカ陸軍航空隊が運用した戦闘機。アメリカ陸軍の制式戦闘機としては初めての全金属製、単葉の機体であるとともに、最後の固定脚、開放式コクピット、張線式主翼の機体でもある。愛称は「ピーシューター(Peashooter)」。この愛称は豆鉄砲を意味し、パイロットたちによってつけられたものとされている。

概要[編集]

1931年にボーイング社のモデル248として設計された本機は同年12月、3機の試作契約を結んだ。当時、アメリカ陸軍では爆撃機の性能向上が先行し、爆撃機に追いつける戦闘機がいないという事態に陥っていたため、XP-936と名づけられた試作1号機は製作を急がれ、早くも翌1932年3月に初飛行した。

試作機は在来の戦闘機を大きく上回る性能を示したため、一部改修を加えたモデル266に対して陸軍はP-26Aの呼称を与え、1933年1月に111機の発注を行った。

P-26Bは燃料噴射式の P&W R-1340-33 エンジンを装備した型として25機が発注されたが、製作されたのは2機(初飛行は1935年10月)のみで、残り23機はP-26Aと同じ P&W R-1340-27 エンジンを装備して完成し、P-26Cと呼ばれた。P-26Cは1936年2月から配備が開始されたがP-26Aとの相違はわずかである。P-26Cは後にP-26Bと同じエンジンを装備するよう改修された。

P-26は1938年からP-35P-36と交替して第一線を退いたが、1942年頃まで在籍していた。

  • Y1P-26(試作機):3機。シリアル32-412/414
  • P-26A:111機。シリアル33-028/138
  • P-26B:2機。シリアル33-179/180
  • P-26C:23機。シリアル33-181/203

輸出[編集]

輸出型はP-26Cをベースとした機体でモデル281と呼ばれ、スペインに1機、中華民国に11機輸出された。その他、アメリカから供与される形でフィリピンパナマグアテマラで使用された。

戦歴[編集]

1936年スペイン内戦勃発時にバラハスにいたモデル281がスペイン政府に徴用され戦闘に投入された。この機体はもともとスペインへ輸出するためのデモンストレイターとして飛来していたものだがスペインでは不採用となり、そのまま留め置かれていたものである。緒戦において共和国側の数少ない戦闘機の1機として戦ったが10月21日に撃墜されてしまった。後にボーイング社に代金は支払われた。

中華民国においては、1937年8月20日、いわゆる渡洋爆撃南京を空襲した日本海軍九六式陸上攻撃機を8機で迎撃し、損害なしで6機を撃墜する戦果を上げている。その後、日本海軍の九六式艦上戦闘機と行われた空中戦は日本にとって初めての単葉戦闘機同士の空中戦となった。

1941年12月の太平洋戦争開戦時には、フィリピンに28機のP-26が配備されていた。そのほとんどは地上で破壊されたが、そのうち2機がフィリピン人の操縦士によって戦果をあげたと伝えられている。

1942年から1943年にかけて、練習機という名目でグアテマラ空軍に7機のP-26が渡ったが、これらは1957年まで使用され、1954年には戦闘行動も行っている。

性能諸元[編集]

(P-26A)

  • 乗員:1名
  • 全長:7.18 m (23 ft 7.25 in)
  • 全幅:8.50 m (27 ft 11.5 in)
  • 全高:3.04 m (10 ft 0.5 in)
  • 主翼面積:13.90 m² (149.5 ft²)
  • 空虚重量:996 kg (2,197 lb)
  • 全備重量:1,330 kg (2,955 lb)
  • 動力:P&W R1340-27
  • 出力:500 hp
  • 最大速度:377 km/h (234 mph)
  • 巡航速度:318 km/h (199 mph)
  • 航続距離:580 km (360 miles)
  • 実用上昇限度:8,350 m (27,400 ft)
  • 上昇率:720 m/min (2,360 ft/min)
  • 武装:12.7mm または 7.62mm 機関銃 ×2
  • 爆装:90kg (200lb)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]