F-94 (戦闘機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

F-94

F-94B

F-94B

F-94ロッキードが開発した全天候戦闘機。C型以降にのみ、愛称としてスターファイア(Starfire)が与えられた。1949年初飛行、アメリカ空軍で運用された。

概要[編集]

第二次世界大戦においては、機載レーダーにより、夜間戦闘機が実用化の域に達した。大戦の終結直後より、冷戦下の開発競争は夜間戦闘機のジェット化も促した。レシプロ機P-61F-82が旧態化した折、ソ連1949年核実験を成功させ、B-29のコピー機Tu-4を実戦配備したことから、ソ連側によるアメリカへの核攻撃の危機が顕在化し、これらを要撃すべき夜間(全天候)ジェット戦闘機の開発は米空軍にとって喫緊の要請になった。

パイロットとオペレーターの2名が必要なことから複座機が好ましく、1948年3月に進空したばかりのジェット練習機TP-80C(後のT-33)をベースに改造により夜間戦闘機が開発されることとなった。改造試作機は1949年4月16日に初飛行した。試作機の名称は当初ETF-80Cであったが、YF-94の名で仮発注を受け、量産契約は1949年11月に結ばれた。

大出力レーダー(AN/APG-33)と火器管制装置(ヒューズ E-1)、射撃コンピュータ(スペリー A-1C)、地上データリンク、無誘導空対空ロケットを装備した。レーダーアンテナは機首に装備し、インテイクは胴体脇にある。主翼は低翼配置の直線翼である。C型は機銃を装備せず、機首に24発搭載した空対空ロケットが主武装であり、後期には両主翼途中に各12発装備のロケット弾ポッド1基を搭載できた。

エンジンはアメリカ空軍制式機初のアフターバーナー付きに強化され、燃料消費量が増加したため、主翼端の増槽(チップタンク)は大型化された。

朝鮮戦争勃発とほぼ同時の1950年5月に配備開始、夜間撃墜を記録している。空軍では1959年まで使用され、その後は空軍州兵に回された。練習機やチェイス機としても使用された。

要目 (F-94B)[編集]

F-94A Starfire.svg
  • 全長:12.21m
  • 全幅:11.86m
  • 全高:3.86m
  • 自重:4.5t
  • エンジン:アリソン J33 遠心式ターボジェットエンジン(推力 2.4t)
  • 乗員:2名
  • 武装:プローニングM3(12.7mm)機銃4門 爆弾900kg


派生型[編集]

  • YF-94:試作機。TP-80Cより2機改造。
  • F-94A:量産型。機銃4丁を固定武装とし、戦闘爆撃機としても使用可。110機製造。
  • F-94B:A型の改良型。357機製造。
  • F-94C:全面改良型、計画名称YF-97。垂直尾翼変更、エンジン強化(P&W J48)、JATO装備可。FCS換装、固定武装廃止、Mk.4(2.75inch)空対空ロケット弾を機首および主翼に装備。1951年6月より387機製造。
  • EF-94C:偵察機型試作機
  • YF-94D:C型の戦闘爆撃機型。複座・12.7mm機銃8門装備。2機の試作のみ。
  • F-94D:C型の戦闘爆撃機型。単座・12.7mm機銃8門装備。112機の計画も製造されず。

参考文献[編集]

  • ミリタリーエアクラフト 1994年1月号 「アメリカ空軍戦闘機 1945-1993」 P.80 デルタ出版

外部リンク[編集]