摩利支天

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

摩利支天(まりしてん、Skt:Mariciの音写、訳:陽炎・威光)は、仏教の守護神である天部の一つ。日天の眷属である。

猪に乗る摩利支天

[編集] 概説

原語のMariciは、太陽の光線を意味する。摩利支天は陽炎(かげろう)を神格化したものであるが、元々はヴェーダ神話の暁の女神ウシャスが仏教に取り入れられた姿とも言われる。陽炎は実体がないので捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かない。隠形の身で、常に日天の前に疾行し、自在の通力を有すとされる。これらの特性から、日本では武士の間に摩利支天信仰があった。

日本では護身、蓄財などの神として、中世以降信仰を集めた。楠木正成は兜の中に摩利支天の小像を篭めていたという。禅宗日蓮宗でも護法善神として重視されている。

摩利支天は元来女神であるが、男神像としても造られるようになった。像容は二臂の女神像、三面六臂または三面八臂で月と猪に乗る姿などがある。

[編集] 関連項目