捜索者
| 捜索者 | |
|---|---|
| The Searchers | |
| 監督 | ジョン・フォード |
| 脚本 | フランク・S・ヌージェント |
| 製作 | メリアン・C・クーパー |
| 出演者 | ジョン・ウェイン ジェフリー・ハンター ヴェラ・マイルズ ナタリー・ウッド |
| 音楽 | マックス・スタイナー |
| 撮影 | ウィントン・C・ホック |
| 編集 | ジャック・ムーレイ |
| 配給 | ワーナー・ブラザーズ |
| 公開 | |
| 上映時間 | 119分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
『捜索者』(そうさくしゃ、原題:The Searchers)は、1956年製作のアメリカ映画。ジョン・フォード監督作品。インディアンによって誘拐された姪を救出するための旅を続ける中年の復員軍人を、ジョン・ウェインが演じている。
目次 |
概要 [編集]
1954年に発表されたアラン・ルメイの同名の小説が原作である。
監督であるジョン・フォードは、本作について「家族の一員になることの出来なかった一匹狼の悲劇」と評している。
公開当時は商業的にも批評的にも成功したとは言えず、同年のアカデミー賞の候補にも選出されなかった。しかしその後再評価の機運が高まり、現在ではジョン・フォードの代表作であるのみならず、西部劇というジャンルを代表する傑作として高く評価されている。1989年に創立されたアメリカ国立フィルム登録簿に登録された最初の映画中の1本である。1998年にアメリカ映画協会が選んだ映画ベスト100中第96位、2007年に更新されたリストではベスト100中第12位にランクインした。2008年には同じくアメリカ映画協会によって、最も偉大な西部劇映画第1位に選出された[1]。
ストーリー [編集]
舞台は南北戦争が終わってまだ間もない、1868年のテキサス。南部連合の一員として従軍したイーサン・エドワーズは数年ぶりに故郷の兄の家を訪れ、一家の歓待を受ける。兄のアーロン、兄嫁のマーサ、ルーシーとデビーの姉妹、長男のベン。懐かしい面子に囲まれしばし寛ぐイーサンだったが、かつて成り行きで自らが助け、その後アーロンに家族同然に育てられたインディアンと白人の混血児マーティン・ポーリーに対して、インディアンに強い偏見を持つイーサンは不快感を隠せない。
その後地域の有力者クレイトン牧師の要請を受けて、コマンチ族に盗まれた牛の奪還に向かうイーサン。だが、それは彼らを遠くへおびき寄せるためのコマンチ族の罠だった。イーサンとマーティンが家を留守にしている間に、兄の家族はコマンチ族によって虐殺され、生き残ったルーシーとデビーの姉妹も連れ去られてしまう。兄の家族の復讐のため、そしてコマンチ族に誘拐された姪たちを救出するために、イーサンはマーティンと共に何時果てるとも知れない捜索の旅に出るのだった。
キャスト [編集]
| 役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |||
|---|---|---|---|---|---|
| フジ版&DVD | テレビ朝日1 | テレビ朝日2 | テレビ朝日3 | ||
| イーサン・エドワーズ | ジョン・ウェイン | 小林昭二 | 納谷悟朗 | ||
| マーティン・ポーリー | ジェフリー・ハンター | 柴田侊彦 | 野沢那智 | 富山敬 | |
| デビー・エドワーズ | ナタリー・ウッド | 上田みゆき | 武藤礼子 | 渋沢詩子 | 寄崎繁子 |
| クレイトン牧師 | ワード・ボンド | 寄山弘 | 雨森雅司 | ||
| ローリー・ジョージェンセン | ヴェラ・マイルズ | 川路夏子 | ? | ? | 岡本茉莉 |
- テレビ朝日版は3パターン作られている。
他の作品への影響 [編集]
インディアンへの人種的偏見を隠そうともせず、独善的な価値観に縛られ目標に邁進する主人公イーサン・エドワーズの強烈なキャラクターが、後に『タクシードライバー』のトラヴィス・ビックルらアンチヒーローたちの造形に強く影響したと言われる[2]。
作中で雄大なモニュメント・バレーを写し撮ったフォードのカメラワークも高く評価されている。映画監督のデヴィッド・リーンは『アラビアのロレンス』を製作する前に、何度も『捜索者』を観て風景を撮影する技術を学んだという。
本作では、主演のジョン・ウェインが復讐に燃える執念のガンマンを悪役のような鬼気迫る迫力で演じており、その象徴として黒い帽子を被っている。これは、かつてウェインが1948年のハワード・ホークス監督の映画『赤い河』において、悪役のようなポジションを演じた事を反映したものである。
フランシス・フォード・コッポラ監督作品の『地獄の黙示録』は、ストーリーが本作のオマージュともいえる骨格を成している。
スティーヴン・スピルバーグは映画の撮影前や製作に行き詰まったときに、もの作りの原点に立ち戻るために必ず観る映画として、『七人の侍』や『素晴らしき哉、人生!』、『アラビアのロレンス』と共に本作品を挙げている[3]。フォードの熱烈な信奉者として知られるセルジオ・レオーネも『ウエスタン』製作前に本作品を鑑賞、脚本執筆の参考にしたとされる[4]。
バディ・ホリーのヒット曲「ザットル・ビー・ザ・デイ」(原題:That'll Be the Day)は、作中で繰り返されるイーサンの台詞からインスパイアされたものである。
トリビア [編集]
- 映画後半に登場する若き騎兵隊員グリーヒル中尉を演じたパトリック・ウェインは、ジョン・ウェインの実子である[5]。
- イーサン・エドワーズ役として会心の演技を見せたジョン・ウェインは、余程この役柄が思い出深かったのか、後に彼の末子にイーサンと名づけている[6]。
- ラストで戸口に立つジョン・ウェインが見せる左手を右ヒジにあてるポーズは、ジョン・フォードの盟友にしてサイレント時代からの西部劇俳優、つまり自らの先輩であるハリー・ケリーがフォードによる『誉の名手』(1917)作中で見せたものと同じである。そしてその視線の先にいるジョーゼンセン夫人役のオリーブ・ケリーは、その夫人だった人である。
※野営のシーンでスタジオの天井、照明が映りこんでいる。
脚注 [編集]
- ^ American Film Institute、“AFI Crowns Top 10 Films in 10 Classic Genres”、2008年6月17日。(参照:2008年11月22日)
- ^ Roger Ebert、“Great Movies - The Searchers”、2001年11月25日。(参照:2008年11月22日)
- ^ FilmMakers.com、“Steven Spielberg”、2007年12月16日。(参照:2008年12月16日)
- ^ An Opera Of Violence(『ウエスタン』製作の模様を扱ったドキュメンタリー、パラマウント映画版DVD収録)
- ^ Introduction by Patrick Wayne(『捜索者』をジョン・ウェインの息子パトリックが紹介するショートフィルム、ワーナー・ブラザーズ版DVD収録)
- ^ ピーター・ボグダノヴィッチ、ワーナー・ブラザーズ版DVD収録の音声解説より
外部リンク [編集]
- 捜索者 - allcinema
- 捜索者 - KINENOTE
- The Searchers - AllMovie(英語)
- The Searchers - インターネット・ムービー・データベース(英語)