全日空ホテルズ

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全日空ホテルズ(ぜんにっくうホテルズ)は、日本航空会社全日本空輸(以下全日空)とイギリスインターコンチネンタルホテルズグループ (IHG)との提携のもとで展開するホテルブランドの総称。運営会社はIHG・ANA・ホテルズグループジャパン(IHG ANA HOTELS GROUP JAPAN)(ANAはすべてエーエヌエーと読む)。

国内では、「インターコンチネンタル」、「ANAクラウンプラザホテル」、「ホリデイ・イン」、「ANAホテル」の4つのホテルブランドをチェーン展開し、27ホテルを運営受託(マネジメント)またはフランチャイズ契約する。2007年4月1日に旧東京全日空ホテルのANAインターコンチネンタルホテル東京への共同ブランド化を皮切りに、2014年3月現在までに28のホテルが全日空ホテルとIHGの「インターコンチネンタル」、「クラウンプラザ」あるいは「ホリデイ・イン」と共同ブランド化され、「ANAホテル(全日空ホテル)」ブランドは6軒となっている。

海外では、現在韓国でのみ7軒運営受託している。

概歴[編集]

全日空は自社航空旅客路線の就航地に全日空ホテルズとして、ホテル事業を1973年に設立した子会社「全日空エンタプライズ株式会社」を通じて展開した。かつては日本国内のみならず、就航地とそれ以外の欧米東南アジアオーストラリアの複数の都市でも現地ホテル企業とマネジメント契約を締結してチェーン展開していたが、この海外部門が利用客の伸び悩みとコスト高から多くの不採算を抱えたため、1999年より全日空の中期経営計画で海外ホテルズの縮小(マネジメント契約撤退・売却)と、エンタプライズ社に残された各ホテルのオペレーション機能(経営・建物所有・マネジメント)を以下の通りそれぞれ分割し別会社に移管させ、同社は2003年9月に解散した。

  • 株式会社ANAホテルズ&リゾーツ-1989年設立。全日空ホテルズの運営統括、および各ホテルのマネジメントを手がける。2006年11月より「IHG-ANA合同会社」へ組織変更。
IHG-ANA発足までの札幌・東京・沖縄など全日空直系のホテル運営企業は全日空の子会社であった。
  • ANAホテルズマネジメント株式会社-チェーンホテル経営企業への出資企業として2001年設立。IHG-ANA発足後はIHG-ANA合同会社へ継承した。
  • エー・エヌ・エー・プロパティマネジメント株式会社-全日空ホテル(一部)の不動産所有企業。1999年設立。後述の城山プロパティーズに売却されたか等は不明。

インターコンチネンタルグループとの合弁化[編集]

2005年ごろより全日空は、本業である航空運送業へ経営資源を集中させる狙いから、有益な物件を抱えたホテル事業を同業者へ売却することの検討に入り、2006年10月23日にインターコンチネンタルホテルズグループとの提携に至ったことを発表した。合弁のスキームは、

  • 「ANAホテルズ&リゾーツ」を、2006年11月30日に「IHG・ANAホテルズグループジャパン合同会社」 (LLC) に組織変更し、旧 株式会社全日空ホテルズ&リゾーツの組織は新会社に吸収された。2006年12月1日付で増資を行い、全日空25%・IHG74%・ホールディングス1%の出資持分とする。
これによって全日空との関係を維持しつつ、IHGがホテルズ運営の実権を握る形となった。

外資系投資銀行への自社系ホテル売却[編集]

IHG-ANA体制となった翌年の2007年4月に、全日空が直系(ANAグループ)として経営にあたった13ホテルの不動産物件と運営企業をモルガン・スタンレーへ売却することが発表され、同年6月までにモルガン・スタンレーの特定目的会社である有限会社城山プロパティーズへ売却が完了した。全日空の売却益は約1300億円と報じられ、B787を中心とした新機材投入などの設備投資資金に充当される見通しである。なお、売却金額2813億円(全日空の簿価では「1500億円程度」とされている)は、日本の不動産売買では過去最大規模となり、その当時は実体経済不動産証券化ビジネスが好景気であったことが反映されている。

これに伴い、モルガン・スタンレーが買収した各ホテルの運営企業はモルガン・スタンレー系のパノラマ・ホスピタリティが新規に設立した「株式会社パノラマ・ホテルズ・ワン」へ一旦、一本化されることになったが、その後は株式会社パノラマ・ホテルズ・ワン、株式会社ホライズン・ホテルズ、株式会社セントラル・ホテルズの3社に分社化された。モルガン・スタンレー系の施設は現在順次売却が進められており、オーナー企業が入れ替わっている。

会社概要[編集]

IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社 (IHG ANA Hotels Group Japan LLC/IHG-ANA LLC)

ホテル会員・ポイントサービス制度[編集]

会員制度:IHG Rewards Club ※IHGのホテルロイヤリティープログラム

宿泊時にClub Pointか航空会社のマイレージを選択して貯められる。

グループホテル[編集]

IHG・ANA・ホテルズグループのホテルカテゴリーは以下の6つ。

日本国内の旧:全日空ホテルズおよび、統合前の英国IHGがチェーン展開していた日本国内・韓国のIHGホテル
  • INTERCONTINENTAL
  • ANA CROWNE PLAZA
  • ANA HOTEL(旧:全日空ホテル)
  • ANA Holiday Inn
  • Holiday Inn(日本では撤退、韓国のみ)
  • Holiday Inn Express(日本では撤退、韓国のみ)

株式会社パノラマ・ホテルズ・ワンはPHO、IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社はIHG・ANAと以下略記する。

日本国内[編集]

北海道[編集]

札幌全日空ホテル
【経営】株式会社セントラル・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
全日空ホテルズの1号店として1974年開業。JA北海道共済連が所有する「新共済ビル」をほぼ一棟借りしている。建物の正面(北5条手稲通)向かいに北農ビルなどJA系の建物が点在している。
【経営】GHS株式会社 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
1997年に千歳全日空ホテルとして開業。道内で唯一全日本空輸グループが自己所有する物件であった。築年数が経過した札幌よりも価格設定が高い。2007年11月12日にリブランド。
【経営/運営】GHS株式会社 【契約】フランチャイズ
1992年に釧路全日空ホテルとして開業。フジタ建物(フジタ子会社)が家主としてフランチャイズしていたが、2006年6月より経営権がゴールドマン・サックス出資の有限会社日本ホテルインベストメントに、2011年8月よりベンチャー企業・GHS株式会社(大阪市)に異動している。北海道放送のお天気カメラが屋上に設置され、札幌の本局で遠隔操作されている。2013年8月1日にリブランド。
【経営】稚内観光開発株式会社 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2014年4月23日にANAクラウンプラザ稚内にリブランド[1]

東北[編集]

【経営】株式会社福田商会 ホテル事業部 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
2001年7月に「ホリデイ・イン仙台」として開業。2010年7月に運営委託をIHG・ANAに切り替え、「ANA ホリディ・イン」の一号店としてリブランドが行れた。

関東[編集]

ANAインターコンチネンタルホテル東京(アークヒルズ内)
【経営】GHS株式会社 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
開業からモルガンへの売却前までは成田地区機内食製造子会社である(株)成田全日空エンタプライズ(後にエーエヌエーホテル成田へ改称、2005年に機内食事業をANACへ事業分割)のホテル部門として経営されており、同社の機内食工場に隣接した場所に立地する。同様のケースに成田エアポートレストハウスがある。2013年末にモルガンよりGHS株式会社に再度売却された。
【経営】PHO 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
【経営】株式会社ベストグローバル 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント

中部[編集]

【経営】ホテル新潟(リンコーコーポレーション傘下)【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
2008年12月1日に「ホテル新潟」よりリブランド。以前は同ホテルの近隣に所在する「万代シルバーホテル」もIHG・ANAグループに加盟していた(詳細は後述)。
【経営】ホライズン・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
【経営】ホライズン・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
【経営】株式会社金沢スカイホテル名鉄グループ傘下) 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
2014年3月1日に「金沢スカイホテル」より名称を変更しリブランド。名鉄グループのホテルでは初めてとなるホリデイ・インブランド。
【経営/運営】ホテルグランコート名古屋 【契約】フランチャイズ
2010年10月1日に「全日空ホテルズ ホテルグランコート名古屋」より名称を変更

近畿[編集]

【経営/運営】裕進観光 【契約】フランチャイズ
※2013年2月1日に京都全日空ホテルよりリブランド
【経営】株式会社セントラル・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2008年10月1日に大阪全日空ホテルよりリブランド。開業時から1995年3月までは「大阪全日空ホテル シェラトン」称だった。
かつてホテルの敷地には大阪テレビ放送の社屋・スタジオがあり、朝日放送に合併後も1966年まで使われていた。
【経営】株式会社新神戸ホールディング 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2010年1月20日にクラウンプラザ神戸(旧:新神戸オリエンタルホテル)よりリブランド

中国[編集]

ANAクラウンプラザホテル広島
【経営/運営】ホテルマネージメント米子【契約】フランチャイズ
【経営】株式会社レイ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
【経営】株式会社ホライズン・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※広島全日空ホテルからリブランド
【経営/運営】ユービーイーホテルズ 【契約】フランチャイズ
※2011年12月1日に宇部全日空ホテルからリブランド[2]

四国[編集]

【経営/運営】松山総合開発 【契約】フランチャイズ

九州[編集]

【経営】株式会社ホライズン・ホテルズ 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2008年12月4日に博多全日空ホテルよりリブランド
【経営/運営】サボイシステム 【契約】フランチャイズ
※旧長崎東急ホテル
※2012年1月23日に長崎全日空ホテルグラバーヒルよりリブランド[3]
【経営/運営】株式会社ホテルニュースカイ 【契約】フランチャイズ
※2014年4月16日に熊本全日空ホテルニュースカイよりリブランド
【経営】青島リゾート株式会社 【運営】IHG・ANA【契約】マネジメント

沖縄[編集]

万座ビーチホテル&リゾート
【経営】PHO 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2013年2月1日に沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザから名称変更
【経営】PHO 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2009年4月1日に万座ビーチホテル&リゾートからリブランド
【経営】PHO 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※2009年4月1日に石垣全日空ホテル&リゾートからリブランド

韓国[編集]

【経営】Parnas Hotel Co., Ltd【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
※1999年12月までの名称はインターコンチネンタル ソウル
※2011年3月までの名称はグランド インターコンチネンタル ソウル
【経営】Parnas Hotel Co., Ltd【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント

過去に営業・提携していたホテル[編集]

全日空ホテルズではないインターコンチネンタルホテルズグループ傘下のホテル(ホリディ・イン等)については

  • 函館ハーバービューホテル
【経営/運営】函館ハーバービューホテル 【契約】フランチャイズ
ハーバービュー社は2007年3月30日付でソラーレ ホテルズ アンド リゾーツに買収されて傘下となり、同年7月31日付でIHG・ANAグループの加盟契約を解消。翌8月1日からホテル名を「ロワジールホテル函館」に、ハーバービュー社の商号を「株式会社SHR函館」にそれぞれ改称して営業を継続している。
  • ホテルキャッスル(山形市 フランチャイズ)
山形三菱自動車販売を中心とする「八千代グループ」により設立・運営。山形空港へのANA定期便就航がなくなった2002年10月~2003年3月頃の間に提携解消。その後2007年にケン・コーポレーションへ売却され運営は存続。山形県内では競合ホテルを持つ財界人服部敬雄の敵対心により山形新聞などへの広告が拒絶されるばかりか報道自体されない不遇な時期があった[要出典]
【経営/運営】シルバーホテル(新潟交通グループ)【契約】フランチャイズ
前述のホテル新潟がIHG・ANAグループと契約してリブランドしたことなどから、2009年3月31日のフランチャイズ契約終了を以て同グループから離脱した。離脱後も同一名称のまま引き続き新潟交通グループの運営によって存続しており、2012年4月1日から阪急阪神第一ホテルグループに加盟した。なお、新潟交通は新潟県内における全日空の総代理店として一部の業務を代行している。
【経営】大阪りんくうホテル 【運営】IHG・ANA 【契約】マネジメント
2011年6月30日をもって閉館、同日をもってマネジメント契約[4]、及び運営受託契約[5]を終了した。2011年7月12日に別会社運営の「スターゲイトホテル関西エアポート」として再オープンしている。
【経営/運営】ジェイアール四国ホテル開発 【契約】フランチャイズ
※2012年3月31日の契約終了をもって離脱し、翌4月1日より「JRホテルクレメント高松」に改称[6]
【経営/運営】ジェイアール九州ハウステンボスホテル 【契約】フランチャイズ
ハウステンボスという場所柄、アムステルダム駅をイメージした大規模なホテル
※2012年3月31日の契約終了をもって離脱し、翌4月1日より「ホテルオークラJRハウステンボス」に改称[6]
【経営/運営】エフ・ティー・シーホテル開発 【契約】フランチャイズ
※2012年3月31日の契約終了をもって離脱し、翌4月1日より「大分オアシスタワーホテル」に改称[6]
【経営/運営】(株)ラグナガーデンホテル 【契約】フランチャイズ
※2013年4月1日に契約を終了し、離脱[7]
  • ANAハーバーグランドホテルシドニー
【経営/運営】ANA Holding Pty Ltd(100%子会社)
※1992年12月1日、オーストラリアシドニー中心部サーキュラー・キーに開業。1999年3月に全日空が自社運行によるオーストラリア路線から撤退し、その後2001年9月に関空-シドニー間をコードシェア運航していたアンセット・オーストラリア航空が倒産したことに伴い同年11月末全日空シドニー営業所が閉鎖となった[8]後もホテル経営を続けていたが、2002年8月、運営子会社の株式売却を決定[9]、2003年7月、同ホテル跡にシャングリ・ラ・ホテル・シドニーが開業し、2012年現在も営業中。


出典[編集]

  1. ^ “ANA クラウンプラザホテル稚内、4 月 23 日(水)より営業開始” (PDF) (プレスリリース), ANAクラウンプラザホテル稚内, (2014年4月23日), http://www.anacpwakkanai.com/information/pressrelease0423.pdf 2014年4月24日閲覧。 
  2. ^ ANAクラウンプラザホテル宇部、12月1日より営業開始 国内で12軒目のANAクラウンプラザホテルとして、国内ネットワーク拡大へ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2011年12月1日
  3. ^ ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル、1月23日より営業開始 国内で13軒目のANAクラウンプラザホテルとして、国内ネットワーク拡大へ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2012年1月23日
  4. ^ 全日空ゲートタワーホテル大阪の送客業務提携契約終了のお知らせ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2011年7月1日
  5. ^ 全日空ゲートタワーホテル大阪の運営受託契約終了のお知らせ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2011年6月30日
  6. ^ a b c フランチャイズ契約終了のお知らせ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2011年10月31日
  7. ^ フランチャイズ契約終了のお知らせ IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 2012年12月25日
  8. ^ 朝日新聞 2001年10月23日付記事
  9. ^ ANAハーバーグランドホテルシドニー 売却に向け契約締結 ANA NEWS 2002年8月8日付

外部リンク[編集]